我が町バンザイ(わがまちばんざい)とは、1980年代に東北放送を始めとする東北六県の民放AMラジオ局(他に青森放送IBC岩手放送秋田放送山形放送ラジオ福島)で企画ネットされていたラジオ番組である。

内容 編集

最初は東北放送のラジオ番組「ラジオはAM翔んでけ電波」の一コーナーとしてスタート[1]。好評だったことから1984年10月、他の東北各県にて企画ネットがスタートした。

基本スタイルは各局とも月〜金の10分間の帯番組で、リスナーからのハガキ投稿を元に自分の住む町を自慢し、他のリスナーの住む町をけなしまくるというもの。時にはテーマが設定され、そのテーマに最も近い町はどこかを議論するといった趣向もあった。更に東北放送のバージョンでは「宮城県岩手県[2]や「宮城県対福島県[3]といった隣県同士の“抗争”にまでエスカレートして行った(更に岩手県対山形県も勃発した[4])。結局このことが本来のコンセプトである「町自慢」の面白さを番組から失わせる発端となり、番組の寿命を縮める結果となってしまった。[5]

またリスナーは、ハガキの中で特にパーソナリティが読む際に強調して欲しい部分についてエコーをかけるよう要求することができた。その際に使用されるエコーには声の高低や響き方等で何種類かバリエーションがあるため、リスナーは「何番のエコーで」と指定するのが常となっていた。なお東北放送ではエコーのみならず、声を変えることも可能[6]であった。

スポンサーが大塚製薬[7]だったため、内容が面白いハガキに対してはディレクターの判断でカロリーメイトもしくはポカリスエットジングルが流されることがあり、ジングルが流れたハガキを投稿したリスナーには当該商品がプレゼントされた[8][9]。またそれ以外に各局独自のノベルティグッズがプレゼントされる場合もあった。

1986年には番組6局のパーソナリティで「トークマン・ブラザース」を結成し、シングルレコード「なまって俺についてこい」をリリースした[10]

1985年の「いわてピア85」と翌1986年の「秋田博」で、6局のパーソナリティが一堂に集い公開録音を行ったほか、元日未明には6局共同制作の「おめでとう・みちのく6県我が町バンサイ」が放送(01:30〜03:00、但し山形放送のみ02:00から飛び乗り)された年もあった。

各放送局パーソナリティ 編集

各放送局で使われたオープニング・エンディングテーマ曲 編集

  • 青森放送 - 不明
  • 秋田放送 - 「ドンパン節」のメロディーをジャズ調にアレンジした曲
  • 岩手放送 - 「チャグチャグ馬コ」→「なまって俺についてこい」の菊池幸見アナのパート
  • 山形放送 - 「ディスコ花笠音頭」→「なまって俺についてこい」の賀内隆弘アナのパート
  • 東北放送 - 吉川団十郎ああ宮城県」のイントロを継ぎ足したもの→「なまって俺についてこい」のインスト(但しエンディングテーマは単独時を除いてなし)
  • ラジオ福島 - 「ふる里ふくしま」→ パーソナリティである高橋のバンド「弁慶と牛若丸」が歌うご当地ソング

脚注 編集

  1. ^ コーナー開始当初はノンスポンサーだった。
  2. ^ 岩手放送バージョンの当番組を内包していた「爆発ワイドラジオ新鮮組」の岩手在住のリスナーから東北放送バージョンに投書が送られてきたのがきっかけ。以後しばらく岩手と宮城との間でジャブの応酬が続いたが、気仙沼在住の岩手放送バージョンのリスナーから岩手放送宛に宮城攻めに加担するという内容の投稿が送られたことで対立は決定的になった。
  3. ^ ラジオ福島の当番組で宮城県のことをけなした録音テープが東北放送で紹介されたのが発端。
  4. ^ これは両県のパーソナリティが同じ大学出身だったため。
  5. ^ 町自慢が行き詰ったから県単位の争いに移行した、という意見もある。
  6. ^ 別名・ETマシーンと呼ばれていた。
  7. ^ 6局共に共通のスポンサーであった。
  8. ^ この場合、岩手放送と東北放送ではハガキに住所と氏名(本名)の明記のみで電話番号の明記は不要であったが、他の4局は電話番号を明記する必要があった(その際、電話番号がないと送れないという注意事項があった。)。これは岩手放送と東北放送では当該商品を郵便小包で発送していたのに対し、他の4局では宅配便での発送だったためである。
  9. ^ 青森放送では「あっと驚け(カロリーメイトもしくはポカリスエット)1個だけ」というジングルも存在した。
  10. ^ なお、この楽曲のカラオケが青森放送で放送されている『うっちゃん・みかちゃんの県南おもしろ事件簿』のテーマソングとして使われているが、当番組の青森放送のパーソナリティーであった浜館は『県南おもしろ事件簿』の初代パーソナリティーを務めていた。