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戸柱 恭孝(とばしら やすたか、1990年4月11日 - )は、横浜DeNAベイスターズに所属する鹿児島県肝属郡内之浦町(現在の肝付町)出身のプロ野球選手捕手)。愛称は「ハマのスッパマン」、「ハマの金剛力士像」、「トバ」。

戸柱 恭孝
横浜DeNAベイスターズ #10
20160723 Yasutaka Tobashira catcher of the Yokohama DeNA BayStars, at Yokohama Stadium.jpg
2016年7月23日、横浜スタジアムにて
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 鹿児島県肝属郡肝付町
生年月日 (1990-04-11) 1990年4月11日(29歳)
身長
体重
179 cm
87 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 捕手
プロ入り 2015年 ドラフト4位
初出場 2016年3月25日
年俸 3,300万円(2019年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

目次

経歴編集

プロ入り前編集

鹿屋中央高等学校から駒澤大学へ進学。高校時代までは内野手で、主に三塁を守っていた。大学1年時から捕手へ転向したが、学生時代には全国大会と無縁であった。ちなみに、白崎浩之は大学の同期生、今永昇太は3学年後輩に当たる。

大学卒業後の2013年NTT西日本へ入社。入社当初は、当時の正捕手・北﨑寛明の控えに甘んじていた。入社2年目の2014年に催された第85回都市対抗野球大会では、チームが予選で敗退したにもかかわらず、大阪ガスの補強選手として全国大会に出場。大会中に正捕手として起用されると、大阪ガスの準々決勝進出に貢献した。2014年秋に北﨑から正捕手の座を奪うと、NTT西日本の捕手として第40回社会人野球日本選手権大会に出場。チームを準々決勝に導き、同年の社会人ベストナインを受賞した。

2015年には、第86回都市対抗野球全国大会第41回社会人野球日本選手権大会で、NTT西日本の準々決勝進出に貢献した。このような活躍を背景に、10月22日開催のNPBドラフト会議で、横浜DeNAベイスターズから4巡目で指名。契約金5,000万円、年俸950万円(金額は推定)という条件で入団する[2]とともに、1巡目で指名された今永や、駒澤大学から2013年に入団していた白崎と再びチームメイトになった。背番号は10

DeNA時代編集

2016年には、春季キャンプから一軍に帯同する[3]と、オープン戦でチームの全15試合中8試合に捕手としてスタメンに起用。公式戦の開幕も一軍で迎えた[4]。3月25日に、広島東洋カープとの開幕戦(マツダスタジアム)で、「8番・捕手」としてスタメンに起用。26日の第2戦で黒田博樹から公式戦初安打、27の第3戦で福井優也から公式戦初本塁打を放った[5]。この本塁打は、チームの一軍公式戦におけるシーズン初本塁打であった。以降の試合では、「山口俊が先発する試合に限って髙城俊人とバッテリーを組ませる」という首脳陣の方針に沿って、週に2日のペースで休みながらスタメン出場を継続。スタメンマスクを任された試合は、チーム捕手陣最多の110試合に及んだ。結局、レギュラーシーズン全体では、一軍公式戦124試合に出場。セントラル・リーグ(セ・リーグ)の最終規定打席にはわずかに届かなかったものの、通算393打席で、打率.226、本塁打2、捕逸8、失策10を記録するとともに、チーム史上初のクライマックスシリーズ(CS)進出に大きく貢献した。日本シリーズへの進出までには至らなかったものの、シーズン終了後の契約交渉では、推定年俸2,000万円(前年から1,050万円増)で契約を更改。契約更改の直後には、「野球人生で一番濃い1年だった」というコメントを残した[6]。ちなみに、チームのCS敗退を経て臨んだ秋季キャンプ中には、8kgもの減量に成功したという。

2017年には、高城・嶺井博希と併用されながらも、レギュラーシーズン中の一軍公式戦では2人を上回る112試合に出場。高城が新人投手・濵口遥大の先発登板試合でもっぱらスタメンマスクを任されたのに対して、戸柱は、今永などが登板する試合でバッテリーを組んでいた。打撃面では、レギュラーシーズンの前半戦から勝負強さを随所で発揮。5月上旬から基本として打線の7番に捕手、8番に投手、9番に遊撃手倉本寿彦を入れていたアレックス・ラミレス監督も、戸柱については、6番スタメンで起用する試合が相次いだ[7]。今永が先発した同月29日の対阪神タイガース戦(阪神甲子園球場)では、シーズン2号本塁打で3打点を稼いだことによって、前年を上回るシーズン通算24打点をマーク[8]。6月17日の対オリックス・バファローズ戦(横浜)では、プロ入り後初めての満塁本塁打を放ったことによって、ラミレスの監督通算100勝達成に貢献した[9]。このような活躍を受けて、オールスターゲームにも、セ・リーグの監督推薦選手として初出場[10]。レギュラーシーズンの一軍公式戦では、通算打率が.214で、通算打席数(363)が最終規定打席を下回っていたにもかかわらず、9本塁打、52打点、得点圏打率.316を記録した。チームのレギュラーシーズン3位で臨んだCSでは、阪神とのファーストステージ(全3試合)・広島とのファイナルステージ(全5試合)で、捕手として2試合ずつ出場。両ステージの突破を経て進出した福岡ソフトバンクホークスとの日本シリーズでも3試合でマスクを被ったが、チームの19年振りシリーズ制覇を導くまでには至らなかった(詳細後述)。それでも、シリーズ終了後の契約交渉では、推定年俸3,800万円(前年から1,800万円増)という条件で契約を更改した。

2018年には、ラミレス監督の方針である1軍捕手2人制の狭き門を嶺井と共に勝ち抜き[11]、公式戦を一軍でスタート。3年連続で開幕戦のスタメンマスクを任されたが、開幕から打率が1割前後に低迷するほど打撃が振るわず、嶺井の後塵を拝した。さらに、オリックスで長らく正捕手の座にあった伊藤光が高城・白崎との交換トレードで投手の赤間謙と共に移籍してきた7月中旬以降は、一軍公式戦への出場機会も失った。結局、一軍公式戦にはわずか25試合の出場で、打撃成績も前年を軒並み下回った(打率.179、1本塁打、6打点)[12]。シーズン終了後の秋季キャンプでラミレスから野手のMVPに選ばれたものの、キャンプ終了後の契約交渉では、プロ入り後初めての減俸提示(推定年俸3,300万円)を受け入れる格好で契約を更改した[13]

選手としての特徴編集

キャッチング技術、リード技術、フレーミング技術[14]に優れており、「ベテランの風格」と評されるほどである一方で、2016年のシーズンでは、盗塁阻止率の低さ(阻止率.200。これはセ・リーグの捕手としては最下位)が課題として指摘されている[15]。ただし、送球自体は決して悪いわけではないが握り直す癖があるため投げるのが少し遅れる傾向があり、この数字になったとも言われている。

DeNAへ入団した2016年には、新人ながら、一軍公式戦で開幕からスタメンマスクを任された。その背景には、中畑清が監督を務めていた前年(2015年)に、一軍で3人の捕手(高城・嶺井・黒羽根利規)を併用しながら、投手陣による暴投の総数が68(NPB加盟球団の一軍公式戦におけるシーズン最多記録)にまで達していたことが挙げられる[16]。この年に一軍監督へ就任したラミレスは、捕手に対してキャッチングとスローイングの正確性を要求する一方で、「試合中には配球のサインをベンチから出す」という異例の方針を春季キャンプ中から打ち出していた[17]。ただし実際には、戸柱が経験を積むうちに配球面で首脳陣の信頼を得るようになったため、以上の方針が対外試合で適用されることがなかった。また、戸柱を事実上の正捕手に据えた結果、チームのシーズン暴投数は39にまで減少した[18]

2016年のシーズンでは捕飛球における打球処理に難があるとされ、3月29日の対巨人戦でルイス・クルーズのバックネット前の邪飛を取り損ね、直後にソロ被弾(投手は今永)。さらには4月9日の対ヤクルト戦でウラディミール・バレンティンの三塁線飛球を取り損ねた後に雄平から3点も被弾された(投手は井納翔一[19]。以後、ホームゲームで戸柱に捕飛球が上がると観客から歓声が挙がるようになった。今永と共に出演したラジオ番組でも、「ハマスタの風を頭に入れて下さい。」とネタにされた。しかしシーズン後半になると捕飛球における打球処理難も解消されていった。

なお捕手としてプレーする際、社会人時代にあるスカウトから「投手への返球は横着して座ったままではなく、一球ごとに立ち上がって投げなさい。二塁へのスローイングがシュート回転しても、プロの二遊間ならタッチでカバーしてくれる」というアドバイスを受けて、その教えを大切にしているという[20]

DeNAの捕手として出場した2017年10月30日の日本シリーズ第2戦(福岡ヤフオク!ドーム)では、DeNAの1点リードで迎えた7回裏2死満塁から、中村晃がゴロで適時打を放った。中村の打球を処理した右翼手の梶谷隆幸は、三塁走者・柳田悠岐の本塁生還で同点を許しながらも、二塁走者・今宮健太の生還を阻止すべく本塁へ返球。戸柱は、梶谷の返球を本塁付近で捕ると、ヘッドスライディングで本塁へ向かう今宮の左手へすかさずタッチを試みた。このプレーについて、球審の牧田匡平はいったん「アウト」と判定したが、判定に疑問を抱いたソフトバンクの工藤公康監督がリプレー検証を審判団に要求。検証の結果、「今宮の左手が戸柱のタッチをかいくぐる格好でわずかに早く本塁へ届いていた」とみなされたことから、牧田の判定は「セーフ」へ変更された。この変更によって認められた今宮の得点が、結果として決勝点になった。今宮のヘッドスライディングが「神の手(による好プレー)」と称賛される一方で、DeNAは今宮の得点で逆転負けを喫し、通算成績2勝4敗でシリーズ制覇を逸した[21]

人物編集

既婚である。上述の愛称はいずれも独特のいかつい顔だちからきており、戸柱も2016年オフの契約更改の際に「僕、人相は悪いけど、優しいので…」という趣旨のコメントをしている[22]。シーズン開幕前のファンイベントで年下の筒香に振られ、スッパマンのモノマネも披露したが金剛力士像のほうを本人公認の愛称としたいそうである[23]。戸柱は26歳プロデビューと遅咲きのため、チーム内でキャリアのある「後輩」選手からこのようにしばしばイジられることもある。

捕手のポジションに就くようになったのは大学1年からという遅い時期であり当初は抵抗もあったというが、「全ての経験があっていまがあると思っています。遠回りだとは思っていません」と戸柱は述べている[24]。また、捕手として「投手が構えたところに投げてくれているから(自分も輝ける)」を信条としており、現在ではミットを動かさないキャッチングに自信を持っているという[25]

「向上心」「素直さ」が人一倍強いとのことで、例えばプロ入り後に課題の一つとして指摘されていた「フライを捕れなくなり、落球してしまう無様な姿(の散見)」も、「毎日のように居残りでフライ捕球の練習に取り組む」ことで、改善されるようになったという[26]

詳細情報編集

年度別打撃成績編集

















































O
P
S
2016 DeNA 124 393 367 25 83 8 0 2 97 23 0 0 4 1 20 4 1 63 10 .226 .267 .264 .532
2017 112 363 336 25 72 13 0 9 112 52 0 0 6 2 19 0 0 59 9 .214 .255 .333 .588
2018 25 59 56 5 10 2 0 1 15 6 0 0 1 0 2 0 0 9 3 .179 .207 .268 .475
NPB:3年 261 815 759 55 165 23 0 12 224 81 0 0 11 3 41 4 1 131 22 .217 .257 .295 .553
  • 2018年度シーズン終了時

年度別守備成績編集



捕手






















2016 DeNA 124 826 74 10 6 .989 8 60 48 12 .200
2017 110 721 63 2 13 .997 5 51 33 18 .353
2018 24 140 11 1 3 .993 0 17 12 5 .294
通算:3年 258 1687 148 13 22 .993 13 128 93 35 .273
  • 2018年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

記録編集

初記録
  • 初出場・初先発出場 : 2016年3月25日、対広島東洋カープ1回戦(マツダスタジアム)、8番・捕手で先発出場
  • 初打席:同上、2回表にクリス・ジョンソンから三塁ゴロ併殺打
  • 初安打:2016年3月26日、対広島東洋カープ2回戦(マツダスタジアム)、5回表に黒田博樹から右前安打
  • 初本塁打・初打点:2016年3月27日、対広島東洋カープ3回戦(マツダスタジアム)、5回表に福井優也から右越ソロ
その他の記録

背番号編集

  • 10 (2016年 - )

脚注編集

  1. ^ DeNA - 契約更改 - プロ野球. サンスポ. 2019年1月12日閲覧。
  2. ^ “DeNA、ドラフト4位のNTT西日本・戸柱と合意”. サンスポ SANSPO.COM (サンスポ). (2015年11月13日). http://www.sanspo.com/baseball/news/20151113/den15111320340004-n1.html 2015年11月13日閲覧。 
  3. ^ “DeNA、春季キャンプメンバー発表 今永、熊原ら新人5選手が1軍スタート”. Full-count (Full-count). (2016年1月22日). http://full-count.jp/2016/01/22/post24895/ 2016年3月25日閲覧。 
  4. ^ “【セ公示速報】(23日)DeNA・井納、山崎康、飛雄馬、筒香ら選手登録”. スポーツ報知 (スポーツ報知). (2016年3月23日). http://www.hochi.co.jp/baseball/npb/20160323-OHT1T50111.html 2016年3月25日閲覧。 
  5. ^ “ハマのスッパマンDeNA戸柱、新人1号”. 日刊スポーツ. (2016年3月28日). http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160328-00000012-nksports-base 2016年3月28日閲覧。 
  6. ^ 【DeNA】戸柱、新人ながら正捕手でCS導き1050万円大幅アップ”. スポーツ報知. 2016年11月26日閲覧。
  7. ^ “DeNA戸柱V3ラン!宮崎“敬遠”で無心直球打ち”. 日刊スポーツ. (2017年6月17日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/1841471.html 2018年12月23日閲覧。 
  8. ^ “DeNA戸柱3ラン「必死」自己更新24打点”. 日刊スポーツ. (2016年3月28日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/1831374.html 2018年12月23日閲覧。 
  9. ^ “DeNA戸柱恩返し満弾、監督へ100勝プレゼント”. 日刊スポーツ. (2016年6月18日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/1842164.html 2018年12月23日閲覧。 
  10. ^ マイナビオールスターゲーム2017出場者
  11. ^ [1]
  12. ^ [2]
  13. ^ “DeNA戸柱は500万減「責任を感じる」”. 日刊スポーツ. (2016年11月26日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/201811260000453.html 2018年12月23日閲覧。 
  14. ^ NPB捕手のフレーミング能力に迫る”. BASEBALL GATE. 2017年8月19日閲覧。
  15. ^ “ベテランの風格”漂うDeNA・戸柱 チームの顔となれるか?”. ベースボールキング. 2016年11月26日閲覧。
  16. ^ DeNA シーズン68暴投のプロ野球ワーストタイ記録 スポニチ2015年9月29日
  17. ^ DeNAラミレス監督に聞いた 「捕手に配球サイン」の真意は 日刊ゲンダイ2016年2月22日
  18. ^ DeNAの「もっと評価されるべき」捕手。新人・戸柱恭孝の密かなる貢献度。”. Number Web. 2016年11月26日閲覧。
  19. ^ DeNA・戸柱、痛恨エラー…ラミレス監督「負けにつながった」
  20. ^ DeNA戸柱、1年目から正捕手に定着できた理由――幸運だったラミレス新監督の方針”. ベースボールチャンネル. 2016年11月26日閲覧。
  21. ^ 今宮神の手!リプレー検証判定セーフ/写真リプレー”. 日刊スポーツ (2017年10月29日). 2018年12月23日閲覧。
  22. ^ 【DeNA】戸柱、新人ながら正捕手でCS導き1050万円大幅アップ”. スポーツ報知. 2016年11月26日閲覧。
  23. ^ 戸柱恭孝が開幕捕手へ!「ハマのスッパマン」と呼ばれる理由は? 教えてトピック
  24. ^ #10 戸柱恭孝「自分がやるべきことをやれば勝利につながる」26歳、遅咲きルーキーの手応え”. 横浜DeNAベイスターズ公式サイト. 2016年12月13日閲覧。
  25. ^ #10 戸柱恭孝「自分がやるべきことをやれば勝利につながる」26歳、遅咲きルーキーの手応え”. 横浜DeNAベイスターズ公式サイト. 2016年12月13日閲覧。
  26. ^ DeNA戸柱、1年目から正捕手に定着できた理由――幸運だったラミレス新監督の方針”. ベースボールチャンネル. 2016年11月26日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集