手水
手水(ちょうず、てみず)とは、神社や寺院において参拝前に手や口を清める水、またはその行為のことである。それを行う施設を手水舎(ちょうずや、てみずや)という。


なお、「ちょうず」の名は「てみず」の転訛で、ウ音便化を含む規則的な変化(テミヅ → テウヅ → チョーズ )によるものである。
作法編集
- 右手で柄杓(ひしゃく)を取り、手水を掬(すく)う。
- その手水で最初に左手を清める。
- 次に柄杓を左手に持ち替え、同様の動作で右手を清める。
- 次に口をゆすぐためもう一度右手に柄杓を持ち替え、左の手のひらに手水を溜めて口に含む(柄杓の椀に直接口をつけない)。
- 音を立てずに口をゆすいで清め、そっと吐き出す。
- 先の動作で左手をもう一度清める。
- 最後に柄杓の柄を片手で持ち、椀部が上になるよう傾け、柄に手水をしたたらせて洗い流す。
- 柄杓を元の位置に静かに戻す。
歴史編集
手水の起源は、神道に由来し、聖域を訪れる際に周辺に流れる河川の水や湧き水で身を清めていたことにはじまる。その名残は、伊勢神宮の御手洗場などで見られる。時代が変化するにつれ、河川の水質が汚染され、清流や湧き水の確保が困難になったことから、それに代わる施設として手水舎が併設されるようになっていった。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため手水舎の使用を自粛する動きに伴い、使わなくなった手水舎を花々で飾る「花手水(はなちょうず)」という文化が広がってきた[3]。
手水舎編集
手水舎(ちょうずや・ちょうずしゃ・てみずや・てみずしゃ)は、参拝者が身を浄めるために手水を使う施設のことである。水盤舎(すいばんしゃ)、御水屋(おみずや)とも呼ばれる。神社、寺院の参道脇または社殿脇に置かれ、参詣者が手や口を漱ぎ清める。多くの手水舎は、四方転びの柱が用いられ、四方吹き放しとなっており、その中に水盤が据え付けられている。柄杓が置かれており、それを使用する。柄杓にすくった一杯分の手水を使い、一連の所作を行う。
ギャラリー編集
水を用いない手水編集
神道には水を用いない手水がある。これは野外や冬季などの神事で水がない場合などに行うもので、草木の葉や花や雪等で手をこすって清めをするものである。「花手水」「芝手水」「草手水」「雪手水」などと称する。また、力士は「塵手水」を行う[4]。なお、神道には、「手水用具」がある。すなわち、桶、桶台、水受、柄杓、拭紙などである[5]。
その他の手水編集
出典編集
- ^ 仲尾宗泰 『神主ライフ!』 徳間書店、2010年、ISBN 978-4198630843、205頁
- ^ http://howcollect.jp/article/1104 手水の作法
- ^ コロナ禍で生まれた新しい寺社での癒やし「花手水(はなちょうず)」とは
- ^ 『神社有職故実』神社本庁昭和26年7月15日発行全129頁中58頁
- ^ 神社本庁『神社有職故実』1951年7月15日発行全129頁中58頁