携帯動画変換君(けいたいどうがへんかんくん)は、Windows NT/2000以降のOSで動作する、動画・音楽ファイルを携帯端末向けに変換するフロントエンドパッケージ。FFmpeg をベースとしている。このパッケージのコンポーネントをMac用に流用したものが携帯動画変換ちゃんである。

携帯動画変換君
開発元 MobileHackerz
最新版
対応OS Windows NT/2000/XP以降
サポート状況 不活発
種別 動画編集ソフトウェア
ライセンス プロプライエタリ (GPL/LGPLのライブラリ含む)
公式サイト mobilehackerz.jp/contents/3GPConv
テンプレートを表示

概要 編集

携帯端末向けに動画・音声ファイルを変換するフロントエンドソフトである。中核となる変換処理は、独自のパッチを当てたFFmpegが担っており、携帯動画変換君がその前後の処理を制御する形になっている。

FFmpegでは、変換の際に長いコマンドラインオプションを指定して実行する必要がある。携帯動画変換君では、それらオプションをプリセットを用いることにより、初心者でも比較的容易に変換することが出来るよう設計されている。その反面、細かな設定を行いたい場合、本ソフトでは編集を行うことが出来ず、外部のテキストエディタを使った煩雑な手順が必要となる。そのため、設定を細かく変更し、逐一確認しつつ変換テストを行う者、コマンドライン操作やバッチ処理に慣れた上級者などといったヘビーユーザには、あまり適さない。これには「あくまでもffmpegを手軽に扱うことが目的であり、余計な機能を極力排除する」との開発元の意図が読み取れる。

実際の変換処理には、携帯電話向けにMPEG-4コンテナを再構築するために、QuickTime for Windows 6.5.2以上の「基本的なインストール」に含まれるQuickTime Authoringをインストールする必要がある(一部形式はなくても変換可能)。ただし、7.3.1以降のものはセキュリティ性を向上させた影響により特殊な操作が無い限り非対応となっている。そのため現状では7.2が正式対応版といえる(Quick Time 7.4で再び変換可能となった)。また、自前のもしくはMP4Box (GPAC)を使ったヘッダの偽造により端末の制限ビットレートを越えた動画を作ることができる。

時には、変換前とは別のファイル名になってしまうことがある。例えば「解読不能」というファイル名にして変換すると、ドットと設定に合わせた拡張子のみが表示されるファイルになる。

対応コーデック 編集

対応コーデックは基本的にFFmpeglibavcodecに依存するが、同梱されているFFmpegのバージョンが古い(Jul 27 13:16:35 2005時点のCVS、SVNのr4482)。そのためWMV3やRealVideo 3.0/4.0、VP6の読み込み、ALACの書き出しなどには対応していない。AviSynth2.5以上をインストールすることにより、DirectShowを通して動画データを読み込むことで、WMVなどにも対応する。また新しいFFmpegに入れ替えることもできる。

独自パッチ 編集

FFmpegに独自のパッチを当てて使っている。そのため独自のオプションがある。

  • -maxfr - 最大フレームレートを指定
  • -fixaspect - アスペクト比固定。足りない部分は自動的にpaddingされる。
  • -muxab - オーディオのビットレートを偽装
  • -muxvb - ビデオのビットレートを偽装

また表面からは見えにくいがいくつかの挙動が変更されている。

  • Xvid出力のプロファイルをSimple@L3に指定
  • いくつかのmovのタグに対応
  • movに埋め込まれるタイムスタンプがJSTになる。
  • 入力音声のチャンネル数やサンプリングレートが途中で変わる場合に対応
  • 標準出力と標準エラー出力をバッファリングしない

対応する携帯端末 編集

ほとんどの設定で著作権保護つきのデータに変換される。製作者曰く仕様らしい。アラーム音などの登録も通常のやり方ではできない。これは製作者の本来の目的である「動画データを携帯する」という意図からきている。

また、ここに掲載されている対応機種は一部であり、新しい端末は掲載されていないことがある。最新情報は下記外部リンクより「MobileHackerz knowledgebase Wiki」を参照のこと。

NTT DoCoMo 編集

au 編集

SoftBank 編集

WILLCOM 編集

その他の端末 編集

関連するソフトウェア 編集

脚注 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集