(さつ、cuō)は、中国及び日本の伝統的な体積単位であり、現代中国ではの1/10、日本では勺の1/100である。

市制ではちょうど1cm3(1mL)にあたり[1]、「市撮」と呼ばれ、メートル法の1mLを「公撮」と称したのと同じ値である。

文字通りには「ひとつまみ」という意味である。歴史的に「撮」の量はさまざまであった。たとえば『漢書』律暦志とその注によると、「勺」はキビ1200粒を入れる容積で、「撮」はキビ256粒を入れる容積であった[2]。また、『孫子算経』では「撮」は「勺」の1/100である[3]

日本では、『塵劫記』の値を用いているが、これも『孫子算経』に同じである。すなわち、1(1)の10分の1(別名:弗(ふつ))となり、メートル法換算で約0.18039ミリリットルとなるが、日本の旧計量法施行法では「勺」未満の単位は定義されていない。これを更に10分の1にするととなる。

出典 編集

  1. ^ 中華民國度量衡法 (1929)「撮:等於升千分之一(〇、〇〇一公升)。」
  2. ^ 『漢書』律暦志「以子穀秬黍中者千有二百、実其龠、以井水準其概。合龠為合、十合為升。」また「量多少者、不失圭撮。」の注に「応劭曰圭、自然之形、陰陽之始也。四圭曰撮、三指撮之也。孟康曰六十四黍為圭。」とある。
  3. ^ 『孫子算経』「量之所起、起于粟。六粟為一圭、十圭為一撮、十撮為一抄、十抄為一勺。」