散弾銃(ショットガン)の男』(ショットガンのおとこ、英訳題:The Man with a Shot-gun)は、1961年制作・公開の日活映画。上映時間:84分。

殺しの烙印』『ツィゴイネルワイゼン』の鈴木清順が監督し、二谷英明が主演した。脚本は松浦健郎石井喜一、撮影は『馬喰一代』(1951年)の峰重義

いわゆるB級映画に分類されるアクションものだが、かの『シェーン』を思わせるような、まるで西部劇と見まがうが如き垢ぬけたテイストが、当時の観客を瞠目させた。

メイン・タイトルでは、「散弾銃」の上に「ショットガン」とルビが振ってある。

あらすじ 編集

日本のとある山、鷲霊山は、土地の者は誰も登ろうとしない魔の山であった。

ある日、一人の男・渡良次が、散弾銃を肩に鷲霊山に登って行く。彼はいいなづけを殺され、その犯人を探してここまでやって来たのだった。

突然、数人の男たちが良次を襲うが、彼はひとりで撃退してしまう。森の中の西岡製材所の社長・西岡は、良次を見込んで用心棒に採用する。

その夜、良次は町に出て、西岡の情婦・春江がマダムをしているバーに入る。そこで良次は、バーの用心棒・ジープの政が持っている真珠のネックレスを見て驚く。それは彼の許婚者の持物だった。

良次と政は喧嘩になるが、町の私設保安官・奥村が止めに入る。奥村は愛妻を二ヵ月前に何者かに殺され、犯人捜査のため保安官になったのだった。良次と奥村は、互いの境遇を共感しあう。

ある日、奥村が暴漢に襲われて負傷し、彼は良次も一味だと誤解するが、奥村の妹・節子だけは良次を信じていた。

奥村の後任保安官に良次が選任されるが、西岡は、邪魔になった良次を追い出すため、政と対決させる。

決闘場の山かげの盆地には、西岡が秘密に栽培しているケシ畠があった。西岡一味は生阿片を密売していたのだ。

良次と政の銃が火を噴く寸前、西岡の子分たちが襲いかかり、秘密を知った彼らを皆殺しにしようとする。だが、良次の早撃ちは、子分どもを撃退した。

窮地を逃れた良次は、西岡に監禁されていた節子を救い出す。そこにかけつけた警官隊の中に政がいた。政は麻薬取締官だったのだ。

こうして山に平穏が訪れ、去って行く良次のあとを、節子が全力疾走で追いかけるのだった。

スタッフ 編集

キャスト 編集

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