メインメニューを開く

数えずの井戸』(かぞえずのいど)は、京極夏彦による日本小説

数えずの井戸
著者 京極夏彦
発行日 2010年
発行元 中央公論新社
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判
ページ数 776
コード ISBN 978-4-12-004090-0
Portal.svg ウィキポータル 文学
[ Wikidata-logo-en.svg ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

岡本綺堂の「番町皿屋敷」を下敷きに執筆された、江戸怪談シリーズの第3弾。

目次

概要編集

あらすじ編集

登場人物編集

青山屋敷の人々編集

青山 播磨(あおやま はりま)
直参旗本、1400石の青山家の新当主。昨年末に火付盗賊改役長官まで勤め上げた父・鉄山が急死したため家督を継ぐ。25歳。剣術は師範代並の名手で、同門だった部屋住みの若者たちの集団である「白鞘組」に加わっていた。心の中にいつも満たされない思いを抱いており、欠落感から童の頃は癇癪持ちだった。成長してもその虚ろな欠落感は埋まらなかったが、武門の嗜みの中で立場は弁えている。伯母である服部真弓の勧めで、吉羅との縁談を進めることになる。
菊(きく)
18歳を過ぎた町娘。ひと際に聡明だが先を読みすぎて動けなくなってしまうため、自分は莫迦だと思っている。器量良しでもあるが自覚がないため、奉公先で色々な問題に巻き込まれてすぐに解雇されてしまう。今回も勤め先の主人に手を出されかけ、又市の働きで免れたものの職を失い、十太夫の勧めで青山屋敷で女中奉公することになる。
柴田 十太夫(しばた じゅうだゆう)
青山家御側用人。疾うに40を過ぎている。青山家のために粉骨砕身、休む間も無く忙しなく働いており忠義者とされるが、実際は誰かに褒められたいという思いで行動しているにすぎない。物腰が軽く、武士としての威厳がない。父からの言いつけで詳しい事情を一切知らぬまま、静と菊の母子を10年間支援し続けた。服部真弓の言いつけで家宝とされる姫谷焼十枚揃いの絵皿を捜索することになる。
権六(ごんろく)
青山屋敷に3年前から仕える中間奴。悪相の大男で主膳の朋輩。陰で、播磨をぼんくら、十太夫を末成(うらなり)と悪しざまに罵る。
仙(せん)
青山屋敷の腰元。町家の出で堅苦しいのは肌に合わず、菊を妹のように気遣う。主である播磨に好意を抱いており、吉羅との婚姻は主に不利益をもたらすと考え妨害工作を行う。

それ以外の登場人物編集

静(しず)
菊の継母。原宿村の百姓の娘。菊の親になってからは十と三年、番町の近く飯田町の九兵衛長屋には十年ばかり前より住まい、仕立て屋の下請け針子で生計を立てる。菊に米搗きの三平とは浅からぬ縁が、知らないでいい繋がりがあるという。『嗤う伊右衛門』に登場した雑司ヶ谷の足力按摩 宅悦とは面識があった。
又市(またいち)
麹町の念仏長屋に住まう魔除けの札撒き、マカショ。縁切り縁付きの仲人屋を生業としていたが、それが高じて揉め事を収める渡世をしているという。小股潜りなる二つ名を持つ小悪党。十太夫の依頼を受け、奉公先の主人から菊を救う。巷説百物語シリーズにも登場。
遠山 主膳(とおやま しゅぜん)
遠山家の非嫡子の部屋住で、白鞘組の一員。細面の精悍な顔つきだが、時に蛇のような眼をすることがある。青山播磨が自分のようにならず、なすがままに全てを受け入れて生きていることに不満を抱く。播磨と同じ赤松道場で剣を学び播磨に匹敵する剣術の腕の持ち主。生きていることがくだらぬ、だが死のうとも思わぬ、ずっとずっと静かに狂うておると言い放つ。
三平(さんぺい)
米搗き男。まだ十七八らしいが自分の歳を数えていない。起きて米を搗いて飯を喰って寝る日々。菊親子の住まう長屋の路地木戸を出て筋向かいの角の古小屋で、身寄りがなく一人で暮らしている。世間知らずで不器用な男。幼馴染の菊に対して複雑な感情を抱く。
徳次郎(とくじろう)
辻放下師。鳥も通わぬほど遠く、そして生きてるか死んでるか判らない亡者みたいな連中がぼおっと生きてる酷い島の生まれだという。故郷を捨てて江戸で吹き溜まった。総髪を後ろで束ね、飴売りのような派手な格好をしている。鑑札はあるが帳面には載っていない無宿人。籠抜けに刀玉、目戯の大道芸を生業とするが、三平を気に入り、自らの一座に勧誘するとともに菊との縁談を勧める。巷説百物語シリーズにも登場。
大久保 吉羅(おおくぼ きら)
次期若年寄と目される大番頭 大久保唯輔の息女。どうしても欲しいものは欲しいという性質で自らを強慾だが弁えていると評し、手に入るものならば必ず手に入れるため幼いころはお転婆と誤解されていた。自分や父に一切へりくだらなかった播磨を生き物の中で初めて「欲しい」と思い、父の出世に必要な姫谷焼の皿を手に入れるという目的もあって輿入れを決意する。2人の侍女を伴い自ら青山屋敷に乗り込むが、空っぽなのに何も欲せず満ち足りているような菊に対して嫉妬を募らせていく。
服部 真弓(はっとり まゆみ)
青山家先代当主・青山鉄山の姉で、播磨の伯母。既に五十路も了る頃で小石川に住まう。大久保家との縁談を推し進める。
槙島 権太夫(まきしま ごんだゆう)
青山家に先先代より仕え、十太夫の父・軍太夫が死んでからの5年間青山家の側用人を務めた老人。妻子縁者は居らず、今は隠居し下女小物と湯島に住まう。77歳。
嘉助(かすけ)
浅草に住む鳶職。大昔の盗賊である向坂陣内を名乗り、手下三名ばかりと徒党を組み江戸市内に於て足掛け三年に渡り盗みを働いた。大捕物の結果捕らえられ獄門にかけられるが、その際に無関係な者の命を奪ってしまう。

書誌情報編集

外部リンク編集