新富 (東京都中央区)

東京都中央区の地名
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新富(しんとみ)は、東京都中央区地名で、旧京橋区に当たる京橋地域内である。現行行政地名は新富一丁目および新富二丁目。郵便番号は104-0041[2]

新富
新富の位置(東京23区内)
新富
新富
新富の位置
北緯35度40分19.71秒 東経139度46分28.06秒 / 北緯35.6721417度 東経139.7744611度 / 35.6721417; 139.7744611
日本の旗 日本
都道府県 東京都
特別区 中央区
地域 京橋地域
人口
2019年(令和元年)9月1日現在)[1]
 • 合計 2,249人
等時帯 UTC+9 (日本標準時)
郵便番号
104-0041[2]
市外局番 03[3]
ナンバープレート 品川

概要 編集

中央区役所に隣接する土地柄、行政機関やオフィスビルが多数立ち並ぶである。住居表示以前は「新富町」であり、現在も地下鉄駅名の影響から通称として「新富町」と呼ばれる。西に銀座、北に八丁堀、東に入船、南に築地が位置し、入船・築地・明石町同様、域内のビル・マンション名に「銀座」を含むものが多い。そのため、奥銀座裏銀座と呼ばれることもあるが、抵抗を持つ地元の人も多い[4]

地理 編集

京橋地域のほぼ中央に位置する。

 
新島原夜桜之図、歌川芳虎、明治初期

歴史 編集

当地域は江戸時代には武家地であった。1868年明治元年)、築地の外国人居留者を目当てにした新島原遊廓が置かれた。新吉原遊廓の中万字屋弥兵衛、中屋宗四郎の2人が願い出て、新たに借地を賜ったものである。碁盤の目に整地された新島原には、松が枝町、初音町、呉竹町、梅が枝町、千歳町、桜木町、八重咲町、青柳町の町名が付けられ、新吉原、京都島原大阪新町と並ぶ大規模な遊廓となった。

しかし、翌年の大暴風雨で妓楼の中万字屋が吹き倒されたのをはじめ[5]、思い通りの集客が得られず、1871年(明治4年)6月取り払いを命じられ、遊廓は新吉原、根津に移転し、新富町が成立した。隣接の大富町の一部も編入され[6]、町家の続く新富町1丁目から7丁目へと改変された[7]。芸妓、置屋は引き続き新富町に残った[8]。翌年の明治5年に新富座が開場され、周囲に芝居茶屋も建ち並んで賑わったが、のちに新富座は関東大震災により焼失し、そのまま再建されることなく廃座となった。震災直前の1922年(大正11年)の記録では、新富町は料理屋約10軒、待合約40軒、置屋約80軒を抱える三業地(花街)であり[9]、劇場があることから新富芸者は櫓下芸妓として広く知られた[6]。1930年頃には、料亭は6軒、待合と置屋は60軒以上、芸妓は180名を数えたが[6]、戦後は衰退し、1970年代後半に廃れていった[10]

1971年昭和46年)、住居表示の実施に伴う町名変更で「町」の字がなくなり、「新富」の地名となる。現在は主にオフィスビルと中小の商店、住宅が混在する地域となっている。

地名の由来については、旧来からの大富町に対して付けられたという説と、新島原と大富町からそれぞれ一字をとったという説がある[8]

世帯数と人口 編集

2019年(令和元年)9月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[1]

丁目 世帯数 人口
新富一丁目 880世帯 1,272人
新富二丁目 623世帯 977人
1,503世帯 2,249人

小・中学校の学区 編集

区立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる[11]

丁目 番地 小学校 中学校
新富一丁目 全域 中央区立京橋築地小学校 中央区立銀座中学校
新富二丁目 全域

施設 編集

施設
  • 新富区民館
機関
企業

観光 編集

名所史跡
  • 新富座跡 - 現:京橋税務署に所在していた。

交通 編集

鉄道
バス
道路
首都高速道路・出入口
陸橋
  • 新金橋 - 首都高速都心環状線上
  • 新富橋 - 首都高速都心環状線上
  • 三吉橋 - 首都高速都心環状線上

脚注 編集

  1. ^ a b 町丁目別世帯数男女別人口”. 中央区 (2019年9月3日). 2019年9月23日閲覧。
  2. ^ a b 郵便番号”. 日本郵便. 2019年8月30日閲覧。
  3. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2017年12月31日閲覧。
  4. ^ 16位 奥銀座と呼ばないで”. 2022年4月14日閲覧。
  5. ^ 朱絃舎浜子 長谷川時雨、1938年(昭和13年)、青空文庫
  6. ^ a b c 『三都花街めぐり』松川二郎、誠文堂、1932年、p68
  7. ^ 新島原遊郭『足の向く儘: 史蹟巡礼』三田村鳶魚、雄山閣、1924年、pp.153-157
  8. ^ a b 上村敏彦『東京花街粋な街』街と暮らし社、2008年、p.111
  9. ^ 『料理待合芸妓屋三業名鑑 : 附・貸座敷、公周旋. 大正12年度』日本実業社、1922年、p.55
  10. ^ 『東京 花街 粋な街』p.115
  11. ^ 区立学校一覧”. 中央区 (2017年8月17日). 2019年9月23日閲覧。
  12. ^ 警視庁高速道路交通警察隊 隊本部

関連項目 編集

外部リンク 編集