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アマチュア無線 > 日本アマチュア無線連盟

一般社団法人日本アマチュア無線連盟(にほんアマチュアむせんれんめい、英語: The Japan Amateur Radio League, JARL)は、アマチュア無線愛好家を中心として組織された非営利団体である。日本におけるアマチュア無線の健全な発展をはかり、あわせて、内外の無線科学、文化の向上と発展に寄与することを目的とし組織されている。英文略称から「ジャール」と呼称される。

一般社団法人日本アマチュア無線連盟
オハイオ州におけるデイトンハムベンションでの日本アマチュア無線連盟のブース(2011年)
オハイオ州におけるデイトンハムベンションでの日本アマチュア無線連盟のブース(2011年)
団体種類 一般社団法人
設立 2011年11月1日
所在地 日本の旗 日本
東京都豊島区南大塚三丁目43番1号
大塚HTビル6階
北緯35度43分43秒東経139度43分44秒座標: 北緯35度43分43秒 東経139度43分44秒
法人番号 5013305001797
起源 日本アマチュア無線連盟(1926年6月?日 - 1959年6月27日)
社団法人日本アマチュア無線連盟(1959年6月28日 - 2011年10月31日)
主要人物 髙尾義則(代表理事会長)
会員数 65,762名(平成30年6月7日現在)[1]
ウェブサイト http://www.jarl.org/
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目次

概要編集

会員は、アマチュア局を開設している者による正員(個人、もしくは社団)と、開設していないがアマチュア無線に興味を持つ個人である准員、正員と同居している家族(配偶者・親子・兄弟姉妹)であって個人でアマチュア局を開設している家族会員、連盟の趣旨に賛同し連盟の事業を援助しようとする個人・法人・団体による賛助会員に分けられる。 無線従事者であってもアマチュア局を開局していなければ、換言すれば呼出符号(コールサイン)が無ければ正員にはなれない。 アマチュア局の免許が失効した場合には、個人は正員から准員に変更され、社団は准員にはなれず退会となる(種別「准員社団」は存在せず、要件を満たさないため)。 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律上の社員は40人以上100人以下の範囲で正員から選出される[2]。 任期は2年[3]

標章は「角を丸めた縦長の菱形の中に、アンテナコイルアースの記号(無線設備の象徴)、四隅に頭文字」である。文字以外は世界中の同種団体でほぼ共通である(国際宇宙ステーションアマチュア無線計画、略称「ARISS」のマークにも頭文字を除いたものが用いられている)。会員はこの標章を自己のアマチュア局やQSLカードなどに掲示する事ができる。

沿革編集

  • 1926年 - 6月(12日とも25日とも、当時の記録にも結成時と1周年とで異なる2通りの記述あり)、任意団体として結成される。総裁に草間貫吉を選出[4]。JARL設立宣言文として、“We have the honor of informing that we amateurs in Japan have organized today the Japanese Amateur Radio League, Please QST to all stations.”(日本アマチュア無線連盟の結成を報告できることを我ら誇りに思う、本件を他局にも告知せられたし) が全世界に打電される[5]
  • 1931年4月3日 - 第1回全国大会が名古屋市で開催される[6]
  • 1930年代 - 会長交代騒動。
  • 1941年12月8日 - 太平洋戦争勃発に伴いアマチュア無線禁止。会員の一部が「愛国無線隊」「国防無線隊」として大日本帝国軍に協力。
  • 1945年3月10日 - 本部が置かれていた会長宅が東京大空襲で焼失。結成から当時までの資料の大部分が失われる。
  • 1946年8月11日 - 再結成全国大会(東京・蔵前工業会館で開催)で会長に八木・宇田アンテナ開発者として知られる八木秀次、理事長に矢木太郎が就任[7]
  • 1948年8月15日 - 第3回総会(東京・東京工業大学で開催)で会長に草間貫吉が就任[7]
  • 1949年4月9日 - 本部事務所を千代田区神田小川町に移転[7]
  • 1952年7月29日 - 全国の11人のアマチュアにこの日、戦後初の無線局予備免許付与。アマチュア無線、10年半ぶりに再開。
  • 1954年12月 - 事務局を文京区西丸町(現・千石)に移転[8]
  • 1959年6月28日 - 郵政省の認可を受けて社団法人化。社団法人日本アマチュア無線連盟創立総会(東京・日本赤十字社講堂で開催)で、梶井謙一(呼出符号:JA1FG、旧JAZZ、旧J3CC。梶井基次郎の兄、住友電気工業勤務)が会長に就任[8]。梶井謙一は、ツェッペリン来日の際に日本で初めて無電を傍受した[9]
  • 1959年12月22日 - アマチュア局に簡易な免許手続を適用する保証認定制度が制定されその実施者となる[10]
  • 1963年12月9日 - 事務局を豊島区巣鴨に移転[11]
  • 1966年3月13日 - 初の養成課程講習会を開催[12]
  • 1968年5月26日 - 第10回通常総会(札幌市で開催)で村井洪(呼出符号:JA1AC)が会長に就任[13]
  • 1970年5月24日 - 第12回通常総会(奈良市で開催)で原昌三(呼出符号:JA1AN三菱重工勤務)が会長に就任[14]
  • 1972年8月 - 地方本部と各県支部発足[15]
  • 1973年5月27日 - 第15回通常総会(足利市で開催)で、21年前のこの日に再開された事を記念し、7月29日をアマチュア無線の日に制定[16]
  • 1991年8月22日 - 保証認定と養成課程を実施する養成認定部が分離独立して日本アマチュア無線振興協会設立[17]
  • 2010年5月30日 - 第52回通常総会(名古屋市で開催)で一般社団法人化に伴う「社団法人日本アマチュア無線連盟の定款、規則及び選挙規程の全面改正並びに一般社団法人日本アマチュア無線連盟の社員選出のための臨時社員選挙実施要領の承認の件」の議案及び、「会費前納者の取扱いに関する特別決議の承認の件」の議案が否決される[18]
  • 2010年11月21日 - 臨時総会(寝屋川市で開催)で「社団法人日本アマチュア無線連盟の定款、規則及び選挙規程の全面改正並びに一般社団法人日本アマチュア無線連盟の社員選出のための臨時社員選挙実施要領の承認の件」の議案が可決され、一般社団法人への移行が決定した[19]。原が移行と同時の退任を申し出て承認される。
  • 2011年11月1日 - 一般社団法人日本アマチュア無線連盟へ移行。原が40年にわたって務めた会長を退任。後任は稲毛章(呼出符号:JA5MG[20]
  • 2013年11月5日 - 事務局を豊島区南大塚3丁目の大塚HTビル6階に集約移転し、巣鴨での業務を終了。
  • 2014年6月15日 - 第3回定時社員総会後の理事会で山之内俊彦(呼出符号:JA7AIW)が会長に就任[21]
  • 2016年6月26日 - 第5回定時社員総会後の理事会で髙尾義則(呼出符号:JG1KTC)が会長に就任[22]
  • 2018年6月9日 - 戦後、41年間にわたって会長を務めた原がこの日死去。享年91。

組織編集

2014年10月1日現在

  • 社員総会
  • 理事会
  • 委員会
  • 事務局(豊島区南大塚)
    • 総務部
      • 総務課
      • 広報課
    • 会員部
      • 会員課
      • 業務課
      • 非常通信センター
      • 運用課
    • 技術担当
  • 地方本部 - 総合通信局の管轄区域毎(関東東海関西中国四国九州沖縄総合通信事務所の範囲を含む。)、東北北海道北陸信越)に置かれる。地方本部長はその区域から選出された理事があてられる。社団法人時代は「地方事務局」も各区域毎に存在した。
    • 支部 - 地方本部内の各と北海道の8支庁に置かれる。支部長は支部所属会員から選挙により選出される。

この他に、JARL本体の組織ではないが、JARL登録クラブ(支部内に存在するクラブが登録される。)がある。

業務編集

一般社団法人移行時の定款による。

1.電波利用による科学技術の振興を図るための次の事業

電波利用に関する調査、研究及び文献の収集
電波利用に関する知識の普及及び電波利用技術の向上を図るための講習会、研究会、競技会等の開催並びに広報活動
電波利用秩序維持及び電波利用環境整備に関する事業
機関紙並びに電波利用関係図書の発行、頒布及び斡旋

2.災害の防止及び被災者の支援を図るための次の事業

災害時に備えた非常通信の訓練及び災害発生時における非常通信の実施
非常通信協議会の諸活動への参加及び協力

3.国際相互理解の促進を図るための次の事業

国際アマチュア無線連合(The International Amateur Radio Union, I.A.R.U.)の日本支部としての業務
諸外国のアマチュア無線団体との提携

4.交信証(QSLカード)及び受信証(SWLカード)の転送事業

5.アマチュア無線に関する建議その他本連盟の目的を達成するために必要な事業

QSLビューロー(QSLカードを転送する機関)を運営している。 2000年には、経費削減のため島根県簸川郡斐川町(現・出雲市)にある企業に委託[23]、 QSLビューローは本部から移転した。

抱える問題点編集

  • 過去にはバンドプランの制定など、国に対しアマチュア無線家らの代表として一定の役割を果たしてきたが、昨今の電波の有効活用の議論が高まるにつれ、周波数帯の確保など、果たしてアマチュア無線家らの利益にかなう活動が行われるかどうか、多くの会員から疑問視されている。一例として、2006年(平成18年)にはそれまで反対の立場を表明していたPLCに対して一転容認をしたことが挙げられる。
  • 1980年代のアマチュア無線ブームをピークとして年々会員が減少しており、会費収入減による財政難を理由に、機関紙「JARL NEWS」は月刊であったものが近年は隔月刊、更には季刊に変更されるなど、サービスは低下しつつある。QSLカードの転送業務も、受託先を変更しても尚滞っているとの批判が絶えない。
  • 元々がJARLの財政的な安定のために創設した終身会員制度(数年分の年会費に相当する金額を前納することにより、以降の会費を免除される)であるが、これが却って財政を圧迫する状況となる。終身会費は1万円、3万円、5万円、8万円、20万円と改訂され、さらに新規取り扱いが停止となった。改悪はこれで留まらず、最終的には前納した会費を精算し、改めて年会費を徴収しようという不誠実な対応がなされた[24]2002年(平成14年)に制度は廃止され、それまでに終身会員となった者も、最長で2033年には権利を喪失し、一般正員として取り扱われる(20万円前納会員の場合)。この件は2009年12月、全終身会員に対し郵送通告された。しかし多数の終身会員の反発を招き、2010年(平成22年)5月の年次総会で提議は否決。終身員の身分資格は“なお従前の例による”と定められる[25]
  • 阪神淡路大震災の為に集めた寄付金が一部を除いてJARL本部の金庫に放置してあったこと、さらにこれがスマトラ沖地震義援金に流用されたことが、2005年に発覚、総会でも追及された[26]
  • 趣味の団体とはいえ、国民共通の財産である電波に関わる社団法人の代表が、全く交代のない(対抗馬は輩出しているが現代表が守旧派に支えられている)ことも以前から問題視されている(当人は一般社団法人移行完了後に理事には留まるものの退任する旨表明[27])。その会長に関しても、所持している無線従事者免許(第二級アマチュア無線技士)の資格範囲を超える出力(この場合、第一級アマチュア無線技士の(または、これと同等の操作範囲を含む)資格が必要となる)で、記念アマチュア無線局で交信したなどの疑惑が報告されており、一向に盛り上がらない同連盟の運営とともに批判されている。
  • 2013年10月末には、JARL公式Webサイト(www.jarl.or.jp)がなぜか丸2年前(2011年11月2日時点)の内容に戻り、さらにはJARL事務局からWebページの更新ができなくなるという問題が発生。一説にはWebサイトの運営委託先との契約トラブルが原因とも言われるが[28]、JARL事務局は「障害が発生した」とのみ告知を行っており詳細は明らかにされていない[29]。結局事務局側では同サイトを放棄して、元々ミラーサイトを運営していた「jarl.org」ドメインで公式サイトを再構築することになり、11月19日に暫定運用を開始[30]。最終的に2014年3月26日より新サイトで全サービスを再開した[31]。現在(www.jarl.or.jp)はリンクできない処置が取られ、(www.jarl.org)にリンクされるため、旧サイトは表示されなくなっている。

  • 出典編集

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    1. ^ 組織・沿革 JARL
    2. ^ 定款第18条
    3. ^ 定款第19条
    4. ^ 5) アマチュア無線の無許可時代(1) BEACON (アイコム
    5. ^ CQ ham radio 1995年8月創刊50周年号記念号 [要ページ番号]
    6. ^ 1930年代の歴史 アマチュア無線の歴史(CQ出版
    7. ^ a b c 1940年代の歴史 アマチュア無線の歴史(同上)
    8. ^ a b 1950年代の歴史 アマチュア無線の歴史(同上)
    9. ^ 浅見淵中谷孝雄外村繁北川冬彦三好達治淀野隆三「座談会 梶井基次郎の思い出」(『決定版 梶井基次郎全集』月報[檸檬通信(1)(2)]筑摩書房、1959年2月・5月・7月)。別巻 2000, pp. 350-367
    10. ^ 昭和34年12月22日郵政省告示第917号制定。後に全部改正により昭和36年3月14日郵政省告示第199号。
    11. ^ 1963年の歴史 アマチュア無線の歴史(CQ出版)
    12. ^ 1966年の歴史 アマチュア無線の歴史(同上)
    13. ^ 1968年の歴史 アマチュア無線の歴史(同上)
    14. ^ 1970年の歴史 アマチュア無線の歴史(同上)
    15. ^ 70年史・昭和中期 アマチュア無線年表(日本アマチュア無線連盟)
    16. ^ 1973年の歴史 アマチュア無線の歴史(同上)
    17. ^ 1991年の歴史 アマチュア無線の歴史(CQ出版)
    18. ^ JARL第52回通常総会(旧)社団法人日本アマチュア無線連盟の総会(日本アマチュア無線連盟)
    19. ^ JARL臨時総会を寝屋川市で開催(旧)社団法人日本アマチュア無線連盟の総会(同上)
    20. ^ 一般社団法人日本アマチュア無線連盟がスタートしました 2011年のNEWS(同上)
    21. ^ JARL第3回定時社員総会開催される(速報) 社員総会開催結果(同上)
    22. ^ JARL第5回定時社員総会開催される(速報) 社員総会開催結果(同上)
    23. ^ 平成~2005年 アマチュア無線年表(同上)
    24. ^ JARL終身会員制度崩壊の危機(その2)
    25. ^ 2013年6月16日の第二回定時総会の終了を持ってライフメンバーとなりJARLニュース及びQSLカードの転送は別途費用が必要となった。(詳細は別途記載。) JARL尾張名古屋総会を終えて(JA1ELY草野氏よりご報告)」(JARL改革を勝手に応援する会ブログ)
    26. ^ JG1KTCのせんだい・杜の都総会出席報告
    27. ^ 第522回JARL理事会報告(みんなでやろうJARL改革!)
    28. ^ <JARLシステム障害問題>JARL奈良県支部、Webサイトで「TSS社の妨害工作」と伝える - hamlife.jp・2013年11月13日
    29. ^ 【JARLからの重要なお知らせ】 - JARL・2013年11月11日
    30. ^ 【速報】<JARLシステム障害問題>デザイン一新の「新生JARL Webサイト(jarl.org)」運用開始 - hamlife.jp・2013年11月19日
    31. ^ 【JARLメールマガジン】第197号 - JARL・2014年4月7日

    参考文献編集

    • 梶井基次郎全集別巻 回想の梶井基次郎』 筑摩書房、2000年9月。ISBN 978-4480704146 

    関連項目編集

    外部リンク編集