RJCカー・オブ・ザ・イヤー(アール・ジェイ・シー・カー・オブ・ザ・イヤー )は、日本における二大カー・オブ・ザ・イヤーの1つである。

第1回の授賞は1992年次(1991 - 1992年)。1980年(昭和55年)から行われる日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)に対抗するものとして、三本和彦や星島浩などによって設立され、NPO法人日本自動車研究者ジャーナリスト会議(RJC; Automotive Researchers' & Journalists' Conference of Japan、1990年〈平成2年〉4月設立)が主催している。

概要 編集

COTYに選ばれた車が「偏った選考だ」という反発から始まっている[要出典]。「偏り」は「選考者へのメーカーの接待漬け」ということが言われてきたが、「選考者の自動車に対する思想の違い」とも言える。COTYは自動車競技出身の自動車評論家が多く、運動性能を重視した選考が多い。一方RJCは自動車メーカーなどの技術畑出身の選考者が多く、技術や独創性を重視することが多いとされる[要出典]

過去の受賞車を比較すると、RJCでは低価格帯の乗用車・軽自動車(特にスズキ)が多く、COTYは高級車スポーツカーが多い。例えばスズキ車はRJCで7度もイヤーカーに選ばれているが、COTYでは一度も選出されたことはない[1]。またRJCでは軽自動車が4度イヤー・カーに選ばれた事があるが、COTYでは長らく軽自動車のカー・オブ・ザ・イヤー受賞は一度もなかった(COTYでは2014年次より「スモールモビリティ部門賞」、後に「K CAR オブ・ザ・イヤー」が設けられており、実際2016年次のRJCカー・オブ・ザ・イヤーを受賞したスズキ・アルト/スズキ・アルトラパンは同年次のCOTYスモールモビリティ部門賞も受賞している。2022年次のCOTYで日産・サクラ/三菱・eKクロスEVが軽自動車として初めて大賞を獲得)。逆にSUBARUはRJCでの受賞は少なく、2021年末時点で本賞・部門賞ともに10年以上前にそれぞれ1度しか受賞したことがないが、COTYでは直近5年間に2度本賞を受賞している。

一方で、同じ年のRJCとCOTYで同一部門・同一車種が選出された例もある。2012年次の日産・リーフ、2022年次の日産・ノート/ノートオーラは、同時にCOTY本賞も受賞している。本賞以外では、インポート・カー・オブ・ザ・イヤーで2011年次にVW・ポロ2013年次にBMW・3シリーズF30)、2015年次にメルセデス・ベンツ CクラスW205)が同時期のCOTYインポート・カー・オブ・ザ・イヤーも受賞している。さらに、3シリーズ以外は同年次の日本自動車殿堂カーオブザイヤーまたはインポートカーオブザイヤーも受賞している(特に、ノート オーラに関しては同年度のRJC・COTY・日本自動車殿堂の各本賞を受賞したことで、日本のカー・オブ・ザ・イヤーでは希有となる3冠達成となった)。2007年次(2006年〈平成18年〉発表)まではRJCが先に公表していたが、COTYはRJCと異なる結果をあえて取るとしているという批判があったため、2008年次(2007年〈平成19年〉発表)からはCOTYが先行するようになった。しかし2012年次(2011年発表)以降は再びRJCが先行する形に戻っている。

なおCOTYとRJCはいずれも年末での発表となるが、年次の表記は異なる。例えば2020年末の発表の場合、COTYは「2020-2021年」、RJCは「2021年次」となる。

輸入車の扱いのスタンスも異なっている。COTYが2002年(平成14年)から輸入車を国産車と同等に扱った上でインポート・カー・オブ・ザ・イヤー(=輸入車部門)も設けているのに対し、RJCは基本的に国産車のみが対象で、輸入車はインポート・カー・オブ・ザ・イヤーだけでの選考・表彰となる。

このほかRJCは、その年に発売された新型車に採用された画期的技術に対して贈られる『テクノロジー・オブ・ザ・イヤー』、さらに自動車業界で最も傑出した人物に贈られる『マン・オブ・ザ・イヤー』(現『パーソン・オブ・ザ・イヤー』) のカテゴリも、1991年(平成3年)の創設時から設けられている。

本賞受賞車 編集

 
第1回受賞車のマツダFD3S・RX-7
(画像は北米仕様)

インポート・カー・オブ・ザ・イヤー受賞車 編集

テクノロジー・オブ・ザ・イヤー受賞技術 編集

パーソン・オブ・ザ・イヤー受賞者 編集

受賞があった年次のみ列記。役職は受賞当時のもの。

特別賞 編集

受賞があった年次のみ列記。

日本自動車研究者ジャーナリスト会議 編集

特定非営利活動法人日本自動車研究者ジャーナリスト会議[5]
Automotive Researchers' & Journalists' Conference of Japan[6]
略称 RJC[6]
法人番号 5011105001613  
専門分野 自動車[7]
設立日 1991年[6]
代表者 会長 神谷龍彦[7]
主な事業 自動車の性能・利便性評価・顕彰
自動車の社会性・交通・安全・環境などの研究・提言[7]
郵便番号 113-0022
事務所 東京都文京区千駄木3丁目45番2号[5][7]
外部リンク www.npo-rjc.jp
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特定非営利活動法人日本自動車研究者ジャーナリスト会議は、東京都文京区千駄木に所在する特定非営利活動法人(NPO法人)[5][7]英語名称はAutomotive Researchers' & Journalists' Conference of Japan、略称はRJC[6]

1991年発足。「定款によると、『自動車の性能、利便性などの評価を行い、国産車、輸入車の製造、販売、購入、使用などに関わる人たちすべてに対して、直接もしくは諸種の媒体を通じて提言を行う、また自動車の交通、安全、環境保全などの問題に対しても貢献する』」(引用)団体である[6]。機関誌名は『Bulletin』[8]

公式ウェブサイトによる2019年度の組織構成は下記の通り[7]

会員は下記の通り[9]

  • 青池武
  • 青木英夫
  • 飯塚昭三
  • 怒谷彰久
  • 井口駿吾
  • 猪俣恭幸
  • 植木豊
  • 遠藤徹
  • 太田雅之
  • 緒方昌子
  • 大賀敏昭
  • 小川麒文
  • 音田稔
  • 神谷龍彦
  • 川崎健二
  • 北岡哲子
  • 鞍智誉章
  • 栗山定幸
  • 小早川隆治
  • 小林謙一
  • 小林英世
  • 小林實
  • 小堀和則
  • 小屋勝志
  • 酒井孝之
  • 佐久間健
  • 佐々木純也
  • 下村成正
  • 杉原行里
  • 武田隆
  • 田村大祐
  • 佃義夫
  • 当摩節夫
  • 富田純明
  • 長尾益男
  • 永長隆房
  • 中川和昌
  • 馴松忠之
  • 沼尻到
  • 福田俊之
  • 正岡貞雄
  • 松浦賢
  • 丸茂喜高
  • 丸山誠
  • 水島仁
  • 宮内正人
  • 宮本喜一
  • 持田幸武
  • 山岡丈夫
  • 山田昇
  • 山根節
  • 結城多香子
  • 吉田直志
  • 若槻幸治郎

脚注 編集

  1. ^ なぜスズキは日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれないのか? ベストカーweb
  2. ^ ダイレクトアダプティブステアリング - (更新日不明/2016年9月20日閲覧)
  3. ^ プラグインハイブリッドEVシステム - (更新日不明/2016年9月20日閲覧)(アウトランダーPHEV
  4. ^ スズキの次世代環境技術「スズキグリーン テクノロジー」2013年次 RJC テクノロジー オブ ザ イヤーを受賞 - スズキ(2012年11月14日版/2016年9月20日閲覧)
  5. ^ a b c 特定非営利活動法人日本自動車研究者ジャーナリスト会議の情報”. 法人番号公表サイト. 国税庁 (2015年10月28日). 2021年5月5日閲覧。
  6. ^ a b c d e 小早川隆治 (2014年12月2日). “第54回 RJCカーオブザイヤー”. M-BASE (三樹書房). http://www.mikipress.com/m-base/2014/12/54.html 2021年5月5日閲覧。 
  7. ^ a b c d e f RJCとは?”. 日本自動車研究者ジャーナリスト会議. 2021年5月5日閲覧。
  8. ^ RJC機関誌 Bulletin”. 日本自動車研究者ジャーナリスト会議. 2021年5月5日閲覧。
  9. ^ RJC会員情報”. 2021年5月5日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集