日能研
株式会社日能研(にちのうけん)は、神奈川県横浜市港北区新横浜に本部を置く進学塾・予備校。
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 非上場 |
略称 | N |
本社所在地 |
![]() 〒222-8511 神奈川県横浜市港北区新横浜2-13-12 |
設立 | 1973年1月 |
業種 | サービス業 |
法人番号 |
1020001021331 ![]() |
事業内容 | 中学受験予備校 |
代表者 | 高木幹夫 |
資本金 | 3,200万円 |
売上高 | 86億8,900万円(2014年4月) |
純利益 | 1億1600万円(2017年04月30日時点)[1] |
総資産 | 128億4300万円(2017年04月30日時点)[1] |
従業員数 | 362 名(2014年4月) |
主要子会社 | 日能研関東 日能研関西 日能研東海 日能研九州 |
関係する人物 | 高木幹夫 |
外部リンク | http://www.nichinoken.co.jp/ |
おもな業務は小学生を対象とした中学受験学習指導。「シカクい頭をマルくする(広告表記:□いアタマを○くする)」という広告のコピーや、「Nカバン」または「Nバッグ」(銀色の「N」(かつては薄い茶)マークが印刷された青のリュックサック)が特徴。キャッチフレーズは、応援します 輝く目を持つ子どもたちである。
概要 編集
以下、「~前期」「~後期」など日能研独自の表記がみられる。
- 前期・・・2月~7月
- 後期・・・9月~1月
沿革編集
学習システムなど編集
ステージ制編集
- ステージI - 3年生2月から1月
- ステージII - 4年生2月から7月
- ステージIII - 4年生9月から5年生7月
- ステージIV - 5年生9月から6年生7月
- ステージV - 6年生9月から11月
なお、各講習と「合格力ファイナル」と呼ばれるカリキュラムになる6年生12月から1月はステージに分類されない。小学校休業中(春休み、夏休み、冬休み)にはそれぞれ春期講習、夏期講習、冬期講習(6年生は合格力ファイナル)が実施され、問題演習と解説中心の授業が行われる。中学入試に必要な学習内容はステージIVまでにひととおり履修し、6年生の12月になると授業がテスト形式になる。
授業スタイル編集
予習は奨励されない。理由は
- 授業中の集中力を増す
- 新しい知識を得る喜びを得ることで、学習意欲を増す
- 非効率的な学習になることを防ぐ
- 勘違い・思い込みを防ぐ
などである。一方通行的な授業では思考力・運用力が養われないため、授業は生徒との「対話」を重視する。また復習を重視している。家庭学習という名の宿題の量は教室により異なる。また、6年生後期になるとテキストの一部が予習として出されるクラスもある。
MY NICHINOKEN編集
2003年度より、インターネットを利用した MY NICHINOKEN という会員サービスを始め、テストの結果速報や過去入試問題のダウンロード、学校情報などを提供している。それらはテストの翌日から翌々日に更新され、結果をウェブで見ることができる。その他さまざまなコンテンツの多くはこのサービスを使う。 栄冠ポイントという、貯めれば粗品と交換できるものもここで行われる。また、中学受験に役立つ情報などもあり、過去問のダウンロードや、入試の解答速報も見ることができる。
テストのシステム編集
日能研全国公開模試編集
1979年から始まった日能研主催の公開模試は、首都圏中学受験の三大模試の一つに数えられており、志望校への合格可能性、併願傾向をさぐるうえで貴重なデータを提供している。現在では他塾の模試と違い、土曜や日曜に行われたテストは、月曜の夕方(午後6時まで)にはネットでテスト結果を見ることができる。その他、「この問題ができれば偏差値が○○アップする」などの具体的なアドバイスに加え、類似問題の掲示なども行う。6年生の9月-12月に実施される「合格判定テスト」は1か月に一度(12月は二度)行われる。また、その際に難関校問題研究講座が桜蔭・開成をはじめとする難関校受験生のために開かれる。名称は2006年に「全国中学入試センター模擬試験」と変えたが、2011年に「全国公開模試」に変更された。また、この模試は外部からの受験者も受け付けているほか、各中学校・高等学校・大学校などに校舎を借りて実施することもある。これは、入試本番の雰囲気に慣れておくためのものである。 そして、6年後期に三回、ファイナル256という、自分の志望校にあった型のテスト形式のテストも行われる地域もある。この別名は合格力完成テストである。
学習力育成テスト編集
4年生では1週おきに、5・6年生ではほぼ毎週「学習力(合格力)育成テスト」(通称:育テ)という復習テストが実施され、学んだ内容の定着が図られる。 6年後期からは、「合格力実践テスト」が追加され、志望校への合格を図っている。
日能研入試問題特別講座編集
6年生は日能研入試問題研究特別講座、通称「日特(にっとく・にちとく)」が行われる。前期はマスター選抜日特(日能研偏差値65以上)、マスター日特、アドバンス日特(応用・標準クラス:A2・A1クラス)が行われる。後期は難関校日特(開成中学校、麻布中学校、武蔵中学校、桜蔭中学校、女子学院中学校、雙葉中学校、フェリス女学院中学校、各受験生のためのもの)、学校別日特として、それぞれの上位志望校に合わせた別カリキュラムが組まれる。また、上位校日特(難関校日特と同様)や、その他の日特の種別もある。後期日特は、すべての教室では行われず、主要な教室で行われている。前後期日特いずれも午前・午後に渡って開催されるが、一方がテスト、一方が日特授業というスケジュールである。人数の少ない地域では選抜日特以外にはクラス分けはなく、上位クラスから下位クラスまで合同授業となる。
席順編集
テストの成績に応じて席の場所が変わる。いくつかの例を以下に示す。(全く違う場合も校舎によってはある。)
- よい順に1列目、2列目、3列目、…という順になる。机は2人用で1列に3個並び、同じ列の中ではよい順に右列右、右列左、中央列右、中央列左、左列右、左列左となる。
- 列の順番は上と同じで、同じ列の中ではよい順に左から右となる。
- 地方の場合では2卓1列で1位が左側右より、2位が右側左より、3位が左側左より、4位が右側右よりで人数が入らない場合により、5位が左側中央、6位が右側中央という風に列が変わるごとに4日6を組み合わせた順位として席順が決まる。
しかし、講習時期はランダムに選ばれる場合もある。
クラス編成編集
- 習熟度別クラス編成をとっている。1クラスは10人~35人程度と幅広く、それはその各地区の教室・クラスにより異なっている。SAPIX、四谷大塚などの大手中学受験塾と同様もしくはそれ以下の人数構成である。クラス内では、テスト後の初授業の時に成績によって席替えがある(前部座席より振り分けられる。ただしこの通りではない学年もある)。
- クラス替えは、講習中に発表されるものも合わせると、1年間に5〜6回ほどある。(小学6年は毎月クラス替えがある校舎もある。)受験校に合わせ、2科目受験のクラスなど学び方の違う数種のクラスを用意している教室もある。日能研に入塾したい入塾希望者は小学2年生の後期から、小学6年生の前期まで入塾可能である。また小学1年生と小学2年生には「ユーリカ!きっず」という入塾準備としての講座もある。入塾希望者は本科以外の講習を受講、または無料のオープンテストや公開模試を受験し、それによって入塾の可否、クラスなどが決められる。ただし、入塾できなくても講習のみは受講できる。
- クラスの数は教室によって大きく異なり、2、3クラスの教室から10クラス以上ある教室まである。
- クラスは2つのクラスに大きく組み分けされる。「Aクラス」(アドバンスクラス)は標準のクラス 、「Mクラス」(マスタークラス)は応用のクラスとなっている。さらに、一部の地区では特別クラスが特設されている(東海地区では、「Zクラス」という発展クラス(選抜)が東海で、一番規模が大きい千種校にある)。関東地方では、「TMクラス」(トップ・オブ・マスタークラス)という選抜のクラスがある。(TMクラスは、関東地方で5校しか無く、その地域の中でもトップレベルの講師達が教えている。)「TMクラス」の入塾条件は、公開模試で、300位以内に入っていること。偏差値は、4年生だと、65以上ないと厳しいと言われている。また、灘中など難関校向けの特進コースも設置されている[2]。灘中特進コースに入るには、関西順位で100位以内である必要があると言われている。[3]
安全対策・防犯編集
Nバッグ・Nブザー編集
日能研生が背負うNバッグの「N」字部分には反射材を採用、ライトが当たると浮き上がって見え、運転者の注意を喚起する。Nブザーはバッグの肩ひもに装着できる防犯ブザーである(校舎によっては、配布されないところもある)。緊急時の操作のしやすさに配慮した設計となっている。このNバッグは4年生から入塾する生徒に配布される(一部、3年生から配布される教室もある)。Nバッグの着用は自由となっている。
Nセキュリティ編集
警察OBだけで組織する日能研の防犯組織である。活動は幅広く、教室と最寄駅間の通塾ウォッチや、機会を見つけては子どもたちに自己防衛とは何かを説いたり、保護者の防犯相談にも乗ったりする、いわば日能研の番人である。地方の教室ではないところもある。
キッズセキュリティ編集
2008年度より、東急セキュリティの協力により「キッズセキュリティ」システムを導入している。PASMO(2009年よりSuicaも可)を利用した入退室見守りシステムで、生徒の教室入退室情報を保護者の携帯電話 (PHS/PC)に瞬時に通知する。こちらも地方の教室ではまだ導入されていないところもある。 また、日能研生には日能研のマークが描かれているICカードが配られ、入退室時にタッチするとあらかじめ登録したメールに届くシステムもある。このサービスは「Nパス・サイン」と呼ばれ、「Nパス」と略される。(東海地区は全校Nパス)これは、日能研特製のノートを購入する機能も持つ。(口座を登録することが必要で、ノート代はその口座から引き落とされる。)
また、2020年夏より、親向けのNパス・サインである特別会員カードが導入された。
その他編集
運営編集
労働組合編集
日能研関西には、塾では珍しい労働組合が存在している。2000年に過労死を出した会社の体質を変えるために結成されたものである。
ディスカバリークラブ編集
2005年度より、幼稚園(保育園)年長 - 3年生用の「ディスカバリークラブ」という体験型勉強会および保護者向け講習会を開講。
その他編集
脚注編集
- ^ a b 株式会社日能研 第45期決算公告
- ^ “灘特進Jr. & 灘特進コース | 日能研での学びが気になる” (日本語). 中学受験-小学生のための中学受験塾。日能研. 2020年10月16日閲覧。
- ^ “日能研のかしこい使い方 攻略マニュアル” (日本語). 中学受験情報局『かしこい塾の使い方』. 2020年10月16日閲覧。