旬 (音楽ユニット)

日本の音楽ユニット

(しゅん)は、ミュージシャン平沢進を中心に結成された日本の実験音楽的サンプリングユニット

しゅん
出身地 日本の旗 日本
ジャンル

実験音楽電子音楽

アンビエント
活動期間 1984年 - 1996年?
レーベル
  • Kang-Gung(1984年)
  • MODEL HOUSE(1985年、1988年)
  • CSV渋谷(1987年)
  • DIW/SYUN英語版(1994年 - 1996年)
共同作業者
旧メンバー
  • 平沢進
  • 神尾明朗(旬I、Landscapes)
  • 辻谷朱美(旬I)
  • Iwao Asama(旬I)
  • 松田融児(旬II、旬III、旬IV)
  • 中野テルヲ(旬II)
  • 関弘美(旬IV)
  • Shuichi Sugawara(旬IV)
  • Shigeo Motojima(旬IV)
  • The old man, who was on the way to IWATE.(旬IV)
  • 山田基浩(Landscapes)
  • Sacol Trakranprasirt(計算上のKun Mae)
  • Supal Kuntatun(計算上のKun Mae)

後期は平沢のソロで楽曲制作がされた。1996年にリリースされたアルバム「計算上のKun Mae」以降、「旬」名義での活動は行なっておらず、実質的には解散状態であるが、公式には未発表である。当時、サンプリング・マシンの価格が2000万円もしていた時代に、ループ・テープとデジタル・ディレイ・マシンを使用(本人曰く誤用)し自作サンプリング・マシンを開発した国内のサンプリングユニットで先駆的グループである[1]

概要 編集

大阪で自主レーベル『宦官レコード』が立ち上がる際、平沢の元に音源の提供依頼があり、平沢が遊びとして制作していたテープを作り直したことがユニット結成のきっかけとなっている[2]。以降「どうすれば消費される音楽に実験的な質感を盛り込めるか」というテーマで実験音楽を主としていった[2]

平沢以外の固定メンバーは存在せず、たまたまスタジオに居た人もメンバーとしてクレジットされていた[3]1985年に行われたALLERGYの解散ライブに「旬」として、平沢進、中野照夫、松田融児がゲスト出演した[4]。これが唯一「旬」名義でのライブとなっている。

また、映像作品『旬IV VISION』は平沢の実兄である、グラフィックデザイナー平沢裕一(平沢You1)が手掛けている[5]

その他、1994年 - 1996年頃まで、P-MODEL・平沢ソロ関連のCDが、ディスクユニオンSYUN英語版」レーベルより発売されていたが関係性は不明である。

特徴 編集

80年代の作品は主に平沢が制作したサンプリングマシン『ヘヴナイザー』を使用しており、平沢の言葉や楽器などがサンプリングされている[3]。平沢は「単なる技法のための音楽を試作し、目新しさやショックを追求するだけのもの」と回顧している[3]。平沢は「旬」で得られた成果をP-MODELに持っていったと語っており[2]、『1778-1985』はP-MODELのアルバム『KARKADOR』にも収録された。

90年代に発表された2作品では、CG制作に使用されるフラクタルのプログラムを音楽に落とし込んだ「フラクタル・サウンド」を展開した[6]。アルバム「Landscapes」製作時には「こんなもん一枚作れば十分と思っている」と発言していたが[7]、その後、平沢と交流していたタイサオプラペーッソン達にいたく好評だったため「計算上のKun Mae」が制作された[8][9]

後に「Landscape-1」「Kun Mae #1」「Kun Mae #3」の三曲は、平沢が音楽を担当した映画『千年女優』にも使用され、オリジナルサウンドトラックにも収録されている[10]

作品 編集

音楽作品 編集

発売日 タイトル・収録曲 規格品番 レーベル 備考
1 1984年02月
旬I
  1. I-Location
  2. Conditioning Cycle
Flexi-disc
SHY-2004
Kang-Gung
2 1985年04月
旬II
  1. 1778-1985
Flexi-disc
P-2
MODEL HOUSE 収録曲「1778-1985」はP-MODELのアルバム「KARKADOR」にリアレンジされ収録される。
3 1985年05月
旬III
  1. TABLE BEAT(RESPONCE VERSION)
  2. TABLE BEAT(PARADIME VERSION)
Flexi-disc
P-4
ボーカルは平沢ではなく松田融児が務めている。
4 1987年10月25日
旬IV
  1. LOCATION
  2. SIPHON
  3. SHUN II
  4. PAE
LP
SHU-1201
CSV渋谷が販売・流通を行った。
5 1994年05月25日
  1. I-Location
  2. Conditioning Cycle
  3. 1778-1985
  4. TABLE BEAT [responce version]
  5. TABLE BEAT [paradime version]
  6. LOCATION
  7. SIPHON
  8. SHUN II
  9. PAE
CD
SYUN-001
DIW/SYUN英語版 旬I - IVまでを収録。
6 1994年10月22日
Landscapes
  1. Landscape-1
  2. Landscape-2
  3. Landscape-3
  4. Landscape-4
CD
SYUN-006
7 1996年02月29日
計算上のKun Mae
  1. Kun Mae #1
  2. Kun Mae #2
  3. Kun Mae #3
  4. Kun Mae #4
CD
SYUN-011

映像作品 編集

発売日 タイトル・収録曲 規格品番 レーベル 備考
1 1988年04月
旬IV VISION
  1. LOCATION
  2. SIPHON
  3. SHUN II
  4. PAE
VHS
SHU-V002
MODEL HOUSE オリジナル版は冒頭に平沢の語りが入っており、「SHUN II」はマルチアングルとなっている。
1995年11月30日 VHS
SYUN-010
DIW/SYUN 再発版は語りがカットされ、「SHUN II」がマルチアングルでは無くなっている。

脚注 編集

注釈 編集

出典 編集

  1. ^ ゲンロンカフェ (2019-08-27), 20190213_平沢進+斎藤環 をオンラインで鑑賞 | Vimeo オンデマンド, https://vimeo.com/ondemand/genron20190213 2021年10月12日閲覧。 
  2. ^ a b c 『J-ROCK magazine』 1999 DECEMBER p.100、ジェイロックマガジン社
  3. ^ a b c アルバム『OOPARTS』ライナーノーツより。
  4. ^ p_live_85-86.txt - MODEROOM”. 2022年2月25日閲覧。
  5. ^ 旬ディスコグラフィー・旬IV VISION|平沢進 Susumu Hirasawa (P-MODEL) Official site”. susumuhirasawa.com. 2022年2月25日閲覧。
  6. ^ 旬ディスコグラフィー・Landscapes|平沢進 Susumu Hirasawa (P-MODEL) Official site”. susumuhirasawa.com. 2022年2月25日閲覧。
  7. ^ アルバム『Landscapes』ライナーノーツより。
  8. ^ 旬ディスコグラフィー・計算上のKun Mae(クン メー)|平沢進 Susumu Hirasawa (P-MODEL) Official site”. susumuhirasawa.com. 2022年2月25日閲覧。
  9. ^ アルバム『計算上のKun Mae』ライナーノーツより。
  10. ^ 平沢進ディスコグラフィー・千年女優 オリジナルサウンドトラック|平沢進 Susumu Hirasawa (P-MODEL) Official site”. susumuhirasawa.com. 2022年2月25日閲覧。

外部リンク 編集