星 健二(ほし けんじ、1936年 - 2017年8月16日)は、岐阜県恵那市出身で、高山市を中心に活動していた流し歌手である[1]。本名、渡辺 武[1]流しのケンちゃんの愛称で親しまれていたほか、「夜の高山の名物男」などとも呼ばれていた[1]。2017年8月16日死去、享年81歳[1]

略歴 編集

  • 1936年、岐阜県恵那市にて出生[1]朝日新聞によれば、その後、27歳で高山市内に定住するまではセールスマン、土木作業員、バーテンダーと職を変え、各地を転々とした[1]
  • 1963年、富山県経由で高山市内に移り、当地にて結婚し定住することを決める[1]。この頃の後輩の流し歌手の中に、後に『奥飛騨慕情』で有名になる演歌歌手の竜鉄也がおり[1]、後年、竜が死去した際には、高山市内の病院にて竜の枕元でその死を見届けている[2]
  • 1980年代以降は、カラオケの普及により流しの出番も激減[1]。仲間が続々と減り続ける中、星は働き続けた[1]
  • その後、時が経ち80歳を過ぎても一晩20軒以上の居酒屋やスナックを回り、声がかかるのを待った[1]。客の歌にギターで伴奏したり、酒に付き合って身の上話を聞くなどしていたという[1]
  • 2014年、CBCテレビノブナガの企画、『思い出かけっこ』に出演[3]
  • 2017年8月15日、通常通りネオン街へ出かけ、深夜に帰宅[1]。入浴中、心臓の病気で亡くなっているのを星の妻が発見した[1]。享年81歳であった[1]

人物評 編集

  • 旧知の高山市内の歯科医は、星の死後、朝日新聞に「お客に何言われても、入り口で断られても、いつもにこにこして、ずっと低姿勢だった」としたうえで、星の死について「太くて低い声で歌うケンちゃんの『雪が降る』は高山の冬によく合いました。昔のまんまの流しの時代がとうとう去った気がして、寂しいなあ」と語ったという[1]

脚註 編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 流しのケンちゃん逝く 夜の高山の名物男、生涯現役朝日新聞 2017年9月7日02:03配信)2017年11月20日確認
  2. ^ 2011年2月19日 朝日新聞 夕刊8面 東海地方版 『■【演歌歌手 竜鉄也さん】[踏まれて咲く 花の哀愁]』
  3. ^ 高山の夜CBC公式ブログサイト内 西本ファビアン 2014年4月13日)2017年11月20日確認