星影の人』(ほしかげのひと)は、柴田侑宏作の宝塚歌劇団ミュージカル作品。副題は「沖田総司・まぼろしの青春」。新撰組隊士・沖田総司祇園芸妓・玉勇の恋物語。

宝塚歌劇における、幕末劇ミュージカルの先駆けとなった作品のひとつ。

上演記録 編集

1976年・1977年(雪組

1976年6月25日から8月10日[1](第一回・新人公演:7月16日[2]、第二回・新人公演:7月22日[2])に宝塚大劇場、同年9月4日から9月27日[3](新人公演:9月22日[2])に新宿コマ劇場(東京)で上演。翌年1977年の4月16日から5月14日と、9月8日から9月30日にかけて地方公演が行われた。下記に公演日程を示す。

  • 4月16日 - 4月26日[4] 御所、和歌山、徳島、高松、松山、丸亀、岡山、倉敷、山口
  • 4月27日 - 5月8日[4] 福岡市民会館
  • 5月10日 - 5月14日[4] 伊勢、豊橋、前橋、浜松、富士、清水
  • 9月8日 - 9月30日[4] 津山、鳥取、松江、境港、広島、甘木、久留米、長崎、伊万里、佐世保、福山

併演作は宝塚大劇場新宿コマ劇場ではファンタスティックショー『Non,Non,Non』。地方公演ではショー『ビバ!タカラジェンヌ』。

宝塚大劇場公演の形式名は「ミュージカル・ロマン[1]」で、13場[1]

  • 宝塚の新人公演(第一回)と東京の新人公演の沖田総司役:真咲佳子(本役:汀夏子[2]
  • 宝塚の新人公演(第一回)と東京の新人公演の玉勇役:東千晃(本役:高宮沙千[2]
  • 宝塚の新人公演(第二回)の沖田総司役:山城はるか(本役:汀夏子)[2]
  • 宝塚の新人公演(第二回)の玉勇役:城月美穂(本役:高宮沙千)[2]
2007年(雪組)

2007年2月2日から2月25日、中日劇場[5]にて、雪組主演男役に就任した水夏希のお披露目公演として再演。また、同年9月15日から10月13日にかけて全国ツアーでも再演された(下記に公演日程を示す)。演出・振付に尾上菊之丞が外部から参加。

伴演作はどちらもダンシング・レビュー「Joyful!!Ⅱ」


2015年(雪組)

2015年5月2日から5月25日に博多座にて上演。演出は中村暁が担当。併演作は『ファンシー・ガイ!

専科から華形ひかるが特別出演し、土方歳三役を務める。

あらすじ 編集

雨降る京都祇園町。沖田総司は新撰組の本拠に戻るために帰路についていた。そんな時、祇園の芸妓・玉勇に出会い、傘を貸してもらう。

その後様々な、偶然があり玉勇と何度も出会うようになり、2人はお互いに惹かれていった。が、その時すでに沖田総司の肺は病に冒されていた。

「残りわずかな人生でどこまで出来るか―――」

そんな決心をした所に、衝撃の玉勇の死。自分をかばって身代わりに死んだ玉勇の死を乗り越えていく。

配役 編集

役名 1976年
(大劇場)
1977年
地方公演(春)
2007年
中日劇場
2007年
全国ツアー
2015年
博多座
沖田総司(新撰組一番隊組長) 汀夏子 水夏希 早霧せいな
玉勇(芸妓) 高宮沙千 東千晃 白羽ゆり 咲妃みゆ
土方歳三(新撰組副長) 麻実れい 彩吹真央 音月桂 華形ひかる
近藤勇(新撰組局長) 沖ゆき子 曽我桂子 汝鳥伶 奏乃はると
山南敬助(新撰組総長) 上條あきら 彩那音 彩凪翔
井上源三郎(新撰組六番隊組長) 尚すみれ 柊巴 沙央くらま 鳳翔大
山崎丞(新撰組監察方) 岸香織 未来優希 蓮城まこと
永倉新八(新撰組二番隊組長) 真咲佳子 白帆凛 奏乃はると 央雅光希
斉藤一(新撰組三番隊組長) 萬あきら 彩夏涼 紫友みれい 真條まから
原田左之助(新撰組十番隊組長) 麻樹こずえ 千城恵 真波そら 天月翼
藤堂平助(新撰組八番隊組長) 丘千明 岬麗 衣咲真音 和城るな
桂小五郎(長州藩士) 常花代 凰稀かなめ 柊巴 彩風咲奈
佐藤忠四郎(新撰組新米隊士) 鳳城ひろき 谷みずせ 煌羽レオ
高木剛(新撰組隊士) 高汐巴 大凪真生 大湖せしる 真地佑果
横井良玄(医師) 曽我桂子 沙羅けい 飛鳥裕 透真かずき
早苗(良玄の娘) 麗美花 邦月美岐 晴華みどり 沙月愛奈
おみよ(新撰組女中) 東千晃 茜真弓 山科愛 星乃あんり
喜久(新撰組屯所の大家) 睦千賀 鈴鹿照 灯奈美 梨花ますみ
加代(土方を狙う女性) 城月美穂 湖条千秋 花帆杏奈 桃花ひな
安紀(土方を狙う女性) 邦月美岐 五條愛川 純矢ちとせ 此花いの莉
幾松(桂の恋人、芸妓) 志都美咲 城月美穂 天勢いづる 白峰ゆり
明里(山南の恋人、遊女) 千花さち代 涼花リサ 妃華ゆきの
染香(芸妓) 松本悠里 加奈霞 灯奈美[# 1] 早花まこ
市哉(芸妓) 矢代鴻 森咲かぐや 麻樹ゆめみ 笙乃茅桜
玉葉(舞妓) 高ひづる 早花まこ 野々花ひまり
玉菊(舞妓) 昇路みちる 穂月はるな 彩みちる
おゆき(玉勇の女中) 茜真弓 久美まり 愛原実花 千風カレン 星南のぞみ
お島(郭の見張り人) 瀬戸千尋 ゆり香紫保 愛すみれ
篠原幸三郎(新撰組隊士/勤皇派浪士) 波切洋 香音有希 透真かずき 鳳華はるな
並木祐一郎(新撰組隊士/勤皇派浪士) 克沙千世 凰華れの 詩風翠 水月牧
江波大介(新撰組隊士) 桜寿ひらり 諏訪さき
松本吉次郎(新撰組隊士) 涼瀬みうと 星加梨杏
豆福(舞妓) 美乃ほのか 夢乃花舞
豆千代(舞妓) 千はふり 希世みらの 華蓮エミリ
花鶴(舞妓/芸妓) 鞠輝とわ 水沙瑠流
注釈
  1. ^ 2007年の全国ツアーでは喜久役と2役

主な楽曲 編集

  • 星影の人
  • 生きるときめき
  • 星が近くに見える(作詞:柴田侑宏 作曲:平尾昌晃)
  • あなたの方がしあわせ
  • 祈り
  • 早苗とおみよ
  • 花の祗園町(作詞:柴田侑宏 作曲:寺田瀧雄)
  • 加代と安紀
  • 新選組
  • 山南と明里(作曲:寺田瀧雄)

スタッフ 編集

※不明点は空白とする。

1976年
(宝塚)
1976年
(東京)
1977年 2007年 2015年
柴田侑宏[1] 柴田侑宏
演出 柴田侑宏[1][6] 柴田侑宏 尾上菊之丞 中村暁
作曲 平尾昌晃[7] 平尾昌晃
作曲:編曲 寺田瀧雄[6] 寺田瀧雄 寺田瀧雄
吉田優子
編曲 河崎恒夫[6] 河崎恒夫
音楽指揮 溝口堯[6]
振付 西川りてふ[6] 西川りてふ 尾上菊之丞
花柳萩
尾上青楓
殺陣
装置 黒田利邦[6]
衣装 小西松茂[6]
中川菊枝[6]
小西松茂
中川菊枝
任田幾英
照明 今井直次[7]
音響 松永浩志[7]
小道具 上田特市[7]
効果 中田正廣[7]
演出助手 村上信夫[7] 村上信夫 植田景子
制作 橋本雅夫[7]
監修 結束信二[7]

脚注 編集

参考文献 編集

  • 監修・著作権者:小林公一『宝塚歌劇100年史 虹の橋 渡りつづけて(舞台編)』阪急コミュニケーションズ、2014年4月1日。ISBN 978-4-484-14600-3 
  • 監修・著作権者:小林公一『宝塚歌劇100年史 虹の橋 渡りつづけて(人物編)』阪急コミュニケーションズ、2014年4月1日。ISBN 978-4-484-14601-0 

外部リンク 編集