映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館
『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』(えいがドラえもん のびたのひみつどうぐミュージアム)は、2013年の日本のSFコメディアニメ映画。藤子・F・不二雄の漫画『ドラえもん』を原作とした、映画「ドラえもん」シリーズの第33作目。監督は寺本幸代、脚本は清水東が務めた。
映画ドラえもん のび太のひみつ道具 | |
---|---|
監督 | 寺本幸代 |
脚本 | 清水東 |
原作 | 藤子・F・不二雄 |
出演者 |
水田わさび 大原めぐみ かかずゆみ 木村昴 関智一 千秋 三瓶由布子 松平健 向井理 |
音楽 | 沢田完 |
主題歌 | Perfume「未来のミュージアム」 |
制作会社 | シンエイ動画 |
製作会社 | 映画ドラえもん制作委員会 |
配給 | 東宝 |
公開 |
![]() ![]() ![]() ![]() |
上映時間 | 103分 |
製作国 |
![]() |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 39.8億円 |
前作 | 映画ドラえもん のび太と奇跡の島 〜アニマル アドベンチャー〜 |
次作 | 映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜 |
概要編集
藤子プロと今作の漫画版を執筆したむぎわらしんたろうが共同で作った企画が元になっている[2]。
第2期の大長編シリーズでは5作目にあたり、かつ原作漫画を原案としない作品は本作が初となる。また、完全オリジナルでは第1期を含めると『ドラえもん のび太とロボット王国』以来11年ぶりとなる。
作風編集
監督の寺本幸代は2011年にオープンした川崎市藤子・F・不二雄ミュージアムを訪れた際の仕掛けなどに影響を受け制作に取り掛かったという[3]。今作はたくさんのひみつ道具が登場しており、寺本は「『ドラえもん ひみつ道具大事典』のページを日本で一番めくったのは私ではないかと思っている」と語っている[3]。
寺本にとっての前作『新・のび太と鉄人兵団』がシリアスなドラマだったこともあり、「今回はうってかわって楽しい映画を作りたい」「お客さんが笑って映画館を出られるような、そんな映画にしたい」[4]とも語っており、漫画版で見られるシリアスな雰囲気よりも、映画版では寺本好みのコメディ要素が多く打ち出された作品となっている。主題歌も映画のイメージに合わせたコミカルな曲調となっている。またシャーロック・ホームズネタをいくつか仕込んでおり「にやっとしてもらえたらうれしい」と述べている[4]。
今までの『映画ドラえもん』シリーズでは、主人公であるドラえもんよりものび太が活躍することが多かったが、今作の隠れた主役はドラえもんであり[3]、原作第1話「未来の国からはるばると」[注 1]のワンシーンが登場するなど、ドラえもんとのび太の友情が改めて描かれている。
あらすじ編集
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
ドラ焼きを沢山食べた後の昼寝中に怪盗DXと名乗るハンターに、盗んでも他人にとって仕方がないはずの首に付けた鈴をもぎ取られ、持ち去られたドラえもん。怪盗DXから贈られたカードを受け取ったのび太がシャーロック・ホームズセットでその行方を調査したところ、あらゆるひみつ道具が展示されている未来の博物館「ひみつ道具博物館(ミュージアム)」にあるということが分かる。鈴を探すために博物館を訪れたドラえもんたち5人は、案内役のクルトと共に館内を見て回ることにした。その翌日、博物館に「大事なひみつ道具をいただきに参る」という怪盗DXからの予告状が届く。ドラえもんたちは、現れた怪盗DXに応戦するもねじ伏せられ、6つのひみつ道具を奪われてしまう。果たして怪盗DXの正体とその目的とは?
登場人物編集
レギュラーキャラクター編集
- ドラえもん
- 声 - 水田わさび
- 怪盗DXに鈴を盗まれた挙げ句にスッポンロボに住み着かれた所為でポケットより道具を取り出せなくなるなど、ろくな目に遭っていない。「(ひみつ道具が使えない自分は)おっちょこちょいののび太くんと同じだ」「君はバカだね」と毒を吐いている。この一件で鈴がなくなることで野良猫化することも判明(空き地ではBGMがねこふんじゃった)した。鈴の代わりに付けているものは度々変わっている(博物館内では誰が付けたのか不明)。
- ドラえもんが鈴に拘る理由は、のび太と暮らし始めて間もない頃、のび太とケンカした際に鈴がドブに落ちてしまい、それをのび太が懸命になって見つけ出してくれたことで、勉強も運動も駄目だけどのび太の優しさを知ることが出来た思い出深いものであるため。
- その鈴は、猫集め機能が故障するも、何年も前に22世紀にて修理済み。工場で、新型を買い直す値段の5倍の費用をはたいて修理を注文するところからも、思い出深さが覗える。
- 最後にスッポンロボに咬まれた際、ドラえもん一人でスッポンロボごとひみつ道具を一つ取り出した。
- 野比のび太
- 声 - 大原めぐみ
- シャーロックホームズセットを使ってシャーロックのび太になるが、DXをデラックスと読むことを知らなかったり、隠し扉の場面などでしずかに出し抜かれるが、それでもゴルゴンの首制圧直後にある証拠品を押さえたことで、ドラえもんに「君は実に馬鹿だな」と野次られても、ジャイアンとスネ夫にからかわれても構うことなく怪盗DXと、加えて同行していたクルトの正体を暴いた上に、元の姿であっても人工太陽を止める方法を思いついて成功させた。
- ドラえもんの鈴の代わりを、着せかえカメラでいくつも作った。
- ハルトマン博士の立像を前に、クルトが彼の孫であることを察知した。
- 怪盗DXとクルトの意外な正体に、静かに怒った。
- 源静香(しずか)
- 声 - かかずゆみ
- 6つの道具の共通点があると示唆したり、隠し扉に気づくなど、劇中では重要な役割をし、スネ夫に「のび太(シャーロックホームズセットを使った状態)よりしずかちゃんの方がホームズっぽい」と言われたが、最後まで怪盗DXの正体に気づかなかった。また、襲い来るゴルゴンの首を、のび太がスッポンロボに咬まれている間に機転を効かせて道具を取り出し返り討ちにもした。尚、作中に大胆なパンチラシーンがある。
- 剛田武(ジャイアン)
- 声 - 木村昴
- 事件の経緯を知り、スネ夫と共に探すのを協力する(実際は博物館に行きたかっただけで、鈴を探そうともせず、遊んでいた)。しかし、遊んでいた際に誤ってガリバートンネルをくぐってしまい、手段を確保できなかったため元に戻れない[注 2]まま終盤まで小さい状態で過ごすことになった。そんな中で、DXころばし屋からスネ夫を救っている。
- 骨川スネ夫
- 声 - 関智一
- クルトを嘲った罰としてか、無駄に広いミュージアム内にては発信器が外れてしまえば遭難すると、クルトに脅された。
- ジャイアンと同様の理由で小さくなり、元に戻れない[注 2]まま終盤まで小さい状態で過ごすことになった。しかし、ペプラー博士の研究室に向かう際、落ちていた壊されたビッグライトを直し、ジャイアンを元に戻して自分も元に戻った。
- 野比玉子(のび太のママ)
- 声 - 三石琴乃
- ドラミ
- 声 - 千秋
- ドラえもんの鈴の代わりにレモンの実を付けたが、彼のためにメロンパン20個を後からもらう約束でミュージアムのチケットを渡す。
- セワシ
- 声 - 松本さち
- ドラえもんの回想に少し登場する。
ゲストキャラクター編集
- クルト・ハルトマン[注 3]
- 声 - 三瓶由布子
- 博物館のガイドを務める少年。ひみつ道具職人を目指している。アルバイトのためかガイド役はあまりまじめではなく、よくトイレに行くと等言っては抜け出している。しかし、そのせいでドラえもんたちが迷ってしまい、館長のフィークスから怒られている。ハルトマン博士の孫であり、ペプラー博士を師匠に道具製作をしているが、へっぽこな道具ばかり作っては館長を困らせている。また、ジャイアンとスネ夫からは「祖父はすごい発明家なのに、お前はへっぽこ道具ばかり作っている」とからかわれている。いつか博物館に飾られるような道具を作ることを目標としている。
- ジンジャーに好意を抱いているが、今のところ気づかれていない。グルメテーブルかけを「B級グルメテーブルかけ」に改造しており、それで夕食を振る舞おうとした。ビッグライトを「ビックリライト」に改造しており、最後に活躍させた。
- 前述のように、館長やジャイアン、スネ夫から皮肉を言われても、前向きであり、ひみつ道具作りに熱中するあまり、時間を忘れることもある。劇中では、ポポンの修理を真夜中までやっていた。また、「それだけ夢中になれるものがあることがうらやましい、僕は何をやっても駄目で長続きしないから…」と落ち込み気味だったのび太に「そんなことないよ。師匠が言っていたけどね、取り柄がない人間はいないって。だから、きっとのび太にも取り柄があるはずだよ」と言うなど、優しい性格で仲間たちからバカにされるのび太を自分と重ね、励ました。
- 名前は表札には「KURT」と綴っている。
- ポポン
- 声 - 愛河里花子
- スライムのような姿をした、クルトが偶然作り出したペット型ひみつ道具。外見は『T・Pぼん』に登場するブヨヨンの色違いである。関連企画のひみつ道具クイズにも登場するがセリフはない。名前の由来は「いつもポンポン跳ねてる」という理由から。
- クルトに懐いている[注 4]。クルトは元々ナカミスイトールを改良(中身を2倍にして出す)していたが、ヤケになってナカミスイトールの失敗作とお菓子、ジュースをミキサーに入れて混ぜた結果、ポポンが生まれた。中身だけを吸い取って食べるが、食べ過ぎでお腹を壊してしまうことがある。ある場面でモザイク処理を施した。
- ジンジャー
- 声 - 堀江由衣
- ペプラー博士の孫娘。大きな水色のリボンで髪を結えている。見た目は可愛いが少々口が悪く気が強い性格。祖父と共に博物館に隠れ住んでいる。クルトに好意を寄せられているものの全く気がついていない。両親への言及は一切なく、祖父に育てられた。
- 食料の調達と家事を担当しており、料理の腕前はかなりのもの。お茶とお菓子にこだわりがあるようで、紅茶は茶葉から淹れてケーキも手作りしており、へそくりを隠した直後の館長から茶葉を奪うついでにお菓子をつまみ食いして出来合いにしてはまあまあと言っている。お茶と食事の時間にテーブルを空けておかないと怒る。
- 修理工場でペプラー博士が捕まった際、警察に保護されるもペプラー博士の元へ戻っている。研究を続けるペプラー博士を、「いつか世界を滅ぼしそうな気がする」と危惧。
- フィークス
- 声 - 土師孝也
- ひみつ道具博物館館長。クルトの作るひみつ道具の一番の被害者。なにやら隠し事をしているようで、怪しげな行動をとっており、それを通風孔から覗き見したジャイアンとスネ夫からは疑われている。が、実際は芝刈り魚に隠したままゴンスケの提案で放たれ失くしてしまったへそくりを怪盗DXの混乱に乗じて探すためだったという、ただのミスリードであった。ペプラー博士はこの様子を知り、呆れる。
- マスタード
- 声 - 松平健
- 怪盗DXを追っている22世紀の刑事。階級は警部。最初はドラえもん達を軽くあしらっていたが、ドラえもんの鈴が盗まれた事情を聞くと皆を捜査に参加させる。怪盗DXの予告状とクルトの手がかりレンズにより自然館で見張りをしていたが、鬼は外ビーンズの襲撃にあい、攻撃を避けるためぬけあなボールペンを使用したためなんでも館に飛ばされてしまった。その後、怪盗DXとひみつ道具13番勝負をした。警部の役を演じた松平健曰く、ひみつ道具13番勝負がお気に入りのシーンらしい。関連企画のひみつ道具クイズでは「〜マスタード」が口癖。漫画版では未登場。
- ハルトマン博士
- 声 - 石井康嗣
- クルト・ハルトマンの祖父。故人。フルメタルを発見し、初期型どこでもドアなどを作りひみつ道具を大きく発展させた偉大な発明家。ペプラー博士とは親友で、ライバル視されているがめちゃくちゃ仲が良く、彼が追放された際も大変悲しんでいた。
- ゴンスケ
- 声 - 龍田直樹
- 前作に引き続いて登場する芋掘りロボット。今作では博物館のスッポンロボ釣りコーナーで働いているが、「博物館の怪人」に貯め込んだサツマイモを盗まれる。
- 向井おさる
- 声 - 向井理[5][6]
- 「見ざる聞かざる向井おさる」がキャッチフレーズの22世紀のアイドル・俳優。向井理の子孫。「向井おさる」は芸名で[7]、本名は不明。映画本編ではワンシーンのみ登場(漫画版では未登場)。公開直前スペシャル「最強!ころばし屋Z」ではころばし屋Zの最初の被害者になる。
犯罪者編集
- ペプラー博士[注 3]
- 声 - 千葉繁
- 昔、クルトの祖父・ハルトマン博士と共に研究をしていた博士。しかし自身の過失で太陽製造機を暴走させてしまい追放、一時は修理工場に身を隠し研究を続けていたが、4月1日に発見され、そこからも追放となり、以降はジンジャーと共に博物館に隠れ住み研究を続けている。だが、ジンジャーには頭が上がらない。下半身の自由がきかないようで常に浮遊椅子で移動する。
- ハルトマン博士と共に研究していただけあって、博物館のセキュリティに気づかれず隠れ住んだり抜け穴を作ったりと腕は悪くない。フルメタルを超える性質『ペプラーメタル』の完成を目指しており、それと関わりがあるひみつ道具を集めている[注 5]。
- 明るい性格の映画版と異なり、漫画版では一人の真摯な研究者として描かれている。
- 怪盗DX(デラックス)
- 声 - 関智一
- ドラえもんの鈴を盗んだ22世紀の怪盗。ドラえもんの鈴のほかに博物館でビッグライトも盗んでおり、その正体は謎に包まれている。かなりの長身でスーツに身を包み、身の動きが軽いのが特徴で、頭に被っているシルクハットは、ひみつ道具を出すこともしまうこともできる。ドラえもんたちが博物館にやって来た次の日に予告状を出し、その後何度もみんなの前に現れ、勝負を挑んできたマスタード警部とひみつ道具13番勝負をした。しかし結局勝負がつかず実力行使に切り替え、改良したひみつ道具でのび太たちやマスタード警部、他の警官たちを軽くあしらい、4つのひみつ道具を盗んでいった。しかし、その後あるものによって、クルト諸共のび太に正体を突き止められた。
- 手下
- 怪盗DXのころばし屋 集団
- 怪盗DXのきこりの泉(女神ロボット) 集団
- 怪盗DXのゴルゴンの首
- ガードロボ
- ラスボス。『ドラえもん のび太の恐竜』ほかで登場した監視ボール(パトボール)の初期型巨大ロボット。攻撃力が高すぎるため、危険物としてフルメタル製の鎖で封印されていたがペプラーメタルが原因で鎖が消滅し、ロボが再起動した。太陽製造機フロアに迷い込み、ドラえもんたちを侵入者と間違えて排除しようとしたが怪盗ドラX(ドラックス)にメモリーカードを抜かれ機能停止。その際に太陽製造機の制御パネルに倒れ込んでしまった衝撃により太陽製造機が爆破し、太陽製造機消滅後の時点で博物館自体が貫かれるほど被害が拡大していたので木っ端微塵となるが、ドラえもんとクルトの道具の併用で博物館は元に戻る。
その他編集
- テレビ朝日系列のアナウンサーも参加している。警官・作業員役の系列局アナウンサーはいずれも上映当時の平日朝のローカル情報番組の司会者から抜擢。
- ルパン
- 声 - 飯田利信
- 警官・作業員
- 声 - 寺崎貴司(テレビ朝日アナウンサー)、小松靖 (テレビ朝日アナウンサー)、浦川泰幸 (ABC朝日放送<当時>アナウンサー)、宮本啓丞 (KBC九州朝日放送アナウンサー)、林和人 (HTB北海道テレビ放送アナウンサー)
- きこりの泉、怪盗DXのきこりの泉(女神ロボット)
- 声 - 川村万梨阿
- 怪盗DXのきこりの泉(女神ロボット)は一つの泉に物を入れれば他の女神ロボットも入れたものより上等な物を持って現れる。
- 怪盗DXのゴルゴンの首
- 声 - 高戸靖広
- 怪盗DXのゴルゴンの首は2m位の大きさ。空を飛べる。鏡で光線をはね返すことができる。
- カーナビ
- 声 - 上山千穂 (テレビ朝日アナウンサー)
- お掃除ロボ・秘書
- 声 - 島本真衣 (テレビ朝日アナウンサー)
- 宇宙館ナレーション
- 声 - 鈴木しおり(名古屋テレビ放送アナウンサー)
舞台・設定編集
- フルメタル
- 太陽製造機の暴走の過程で生まれた、ひみつ道具に使われている特殊な金属。扱うためには免許が必要なため、クルトの道具には使用されていない。資源量に限りがあるらしく、将来的な枯渇が心配されている。
- 漫画版では「フルエネルギー」に差し替えられている。
- ペプラーメタル
- ペプラー博士が開発中のフルメタルに代わる金属。変換装置によってすべてのフルメタルをペプラーメタルに変換したが未完成だったため、ひみつ道具などの消滅を招いた。
- 怪盗DXスーツ
- 劇中のある人物が作成した、怪盗DXに変身するための道具。普段は蝶ネクタイの形をしており、首元にかざすことで怪盗DXに変身し、モノクルについた紐を引く(漫画版ではスーツの蝶ネクタイ部分を引っ張る)ことで変身が解除される。変身後は体型が変わり、上記のように身体能力が大きく上昇する。また、何かを盗む際にはその持ち主に対して、怪盗DXのホログラムとメッセージが流れる「予告状」(DXの文字が書かれたもの)を送る決まりになっている。
- ジャイアンに投げ渡されたドラえもんが使用すると、頭のみをドラえもんのままにした「怪盗ドラX」となる。
- 博物館の怪人
- 博物館でお菓子など細々なものが紛失したり、自然館から不気味な声が聞こえてくるなど、怪談のようにその存在が噂されている。警部は怪盗DXとの関連を疑っているが、お菓子などの紛失は実際に関連していた。
- ひみつ道具ミュージアム
- 22世紀にある秘密道具が初期の型から新型まですべて展示されている、空中に浮かぶ博物館。アクセスは入場チケットから出現する専用の乗り物で行われている。ひみつ道具はテーマ別に各ホールにまとめられており、各展示室へはエントランスホールの歴代のどこでもドアや、各館にある専用のどこでもドアや抜け穴ボールペンなどでも移動できる。博物館下の島にはひみつ道具職人が集まり、日々新しいひみつ道具の製作に勤しんでいる。博物館はとてつもなく広大で、開館当初は遭難者が何人も出た。博物館職員の間では「博物館の怪人」などの怪談がまことしやかに語られている。
- 太陽製造機プロトタイプ
- ハルトマン博士とペプラー博士が共同開発した太陽のレプリカ。ひみつ道具ミュージアム内のフルメタルで封印されたフロアにある。太陽の一生を再現するために作られたが暴走すると太陽が膨張し、最終的には赤色巨星となって地球を消滅させる危険性を秘めている。
- ペプラー博士のミスで暴走したがハルトマン博士が開発したフルメタル製の制御装置によって膨張が止まった。
- ペプラーメタルによって制御装置が機能停止したことで再び膨張し、周囲の装置を溶解した。最後はポポンに呑み込まれることによって消滅。
ひみつ道具ミュージアム編集
22世紀にある秘密道具が初期の型から新型まですべて展示されている、空中に浮かぶ博物館。アクセスは入場チケットから出現する専用の乗り物で行われている。ひみつ道具はテーマ別に各ホールにまとめられており、各展示室へはエントランスホールの歴代のどこでもドアや、各館にある専用のどこでもドアや抜け穴ボールペンなどでも移動できる。博物館下の島にはひみつ道具職人が集まり、日々新しいひみつ道具の製作に勤しんでいる。博物館はとてつもなく広大で、開館当初は遭難者が何人も出た。博物館職員の間では「博物館の怪人」などの怪談がまことしやかに語られている。
ロボット館編集
すべてのロボットのひみつ道具が展示されている。ロボットは自動で動き回ったり、浮かんで展示されている。いくつかの島が浮かんでおり、コピーロボットで遊べるコーナーの島やゴンスケの畑とスッポンロボつりコーナーの島、ガードロボを収容している檻(おり)などもある。
宇宙館編集
宇宙空間にある館。天の川鉄道や宇宙船など、宇宙に関係する道具が展示されている。館内では食用宇宙服を食べる必要がある。
水館編集
水中にある館。水中や海中で使用する道具が展示されているほか、様々な魚が自由に泳ぎ回っている。
カメラ館編集
きせかえカメラやすーぱーひーろーかめらなど、様々なカメラが展示されている。試写コーナーがある。
空館編集
雲の上にある館。空を飛べる道具が展示されているほか、タケコプターが発明されるまでの試行錯誤が記録された映像を見ることができる。
自然館編集
緑あふれる大自然の館。キャンプで使う道具や、植物、昆虫に関係する道具が展示されている。
なんでも館編集
なんでもかんでも色々ある館。上と下に重力が働いている。
その他編集
- ライト館
- 怪盗DXがビッグライトを盗んだため立ち入り禁止。
- 館長室
- フィークス館長が普段すごしている。芝が敷かれており、芝刈り魚を放している、机にも道具が置いてあることがある。
- 太陽製造機フロア(立入禁止区画)
- フルメタルで封印された太陽製造機があるフロア。
- ペプラー博士の研究室
- 秘密の通路の奥にある秘密の研究室兼、居住スペース。ペプラー博士とジンジャーとクルトでペプラーメタル製造マシンを開発している。部屋の前には壊れたひみつ道具などが散乱している。
スタッフ編集
作画面ではキャラクターデザインが前作の大城勝から、テレビシリーズのキャラ設定・総作画監督を務める丸山宏一に交代。第2期映画シリーズでは『ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』以来置かれていた総作監は不在で、丸山を含めた6人の作画監督と『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜』でメカ・エフェクト作画監督を務めた鈴木勤がメカ作監を担当する体制となった。また、撮影監督が『ドラえもん のび太と緑の巨人伝』より務めてきた岸克芳に代わり、第1期映画シリーズでエリ合成[8]など、撮影スタッフとして作品に携わっていた末弘孝史が抜擢(ばってき)されている。
- 原作 - 藤子・F・不二雄
- 脚本 - 清水東
- キャラクターデザイン - 丸山宏一
- 美術監督 - 土橋誠
- 撮影監督 - 末弘孝史
- 編集 - 小島俊彦
- 録音監督 - 田中章喜
- 効果 - 糸川幸良
- 音楽 - 沢田完
- チーフプロデューサー - 増子相二郎、杉山登
- 監督 - 寺本幸代
- 企画・原案協力 / まんが - むぎわらしんたろう
- 絵コンテ - 寺本幸代、久場良忠
- 演出 - 山岡実
- 作画監督 - 丸山宏一、岸野美智、岡野慎吾、浦上貴之、桝田浩史、森久司
- メカ作画監督 - 鈴木勤
- 動画検査 - 松村美佳
- 色彩設計 - 高橋めぐみ
- 3DCGI - 福田寛
- 特殊効果 - 佐藤香織
- 編集助手 - 藤本理子
- アニメーション協力 - ベガエンタテイメント
- オープニング絵コンテ・演出 - 楠葉宏三
- おまけ映像 - 八鍬新之介 / 杉崎聡、増泉路子
- 制作進行 - 菊地達也 / 中村和喜、岡野孝規、佐藤大真、谷澤吉紀、河西麻利子、宇佐美翔平
- 制作デスク - 中島進 / 武井健、岡田麻衣子
- アシスタントプロデューサー - 横山幸恵
- プロデューサー - 大倉俊輔、川北桃子、中世古裕美、齋藤敦、大金修一、鶴崎りか、藤森匠
- 制作 - 「映画ドラえもん」制作委員会(藤子プロ、小学館、テレビ朝日、ADK、ShoPro、シンエイ動画)
主題歌編集
おまけ映像編集
第2期の映画では恒例となっている、エンドロール後のおまけ映像の内容は、ドラえもんがどこでもドアで登場し『ドラえもん のび太の大魔境』を思わせる探検帽を被り、藤子・F・不二雄生誕80周年と出る際にめくられるページ(原作『のび太の大魔境』のワンシーン)に飛び込むというもので、2014年春の公開も告知された。その後、テレビシリーズの2013年7月12日放送のエンディングにて『ドラえもん 新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜』のタイトルでリメイクされ、2014年春に公開されることが発表された。脚本は引き続き清水東が担当し、監督はテレビシリーズ演出および本作でおまけ映像を担当した八鍬新之介が初監督を務める。
評価編集
興行成績編集
全国353スクリーンで公開され、2013年3月9・10日の初日2日間で興収6億6,729万1,850円、動員59万7,899人になり、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第1位となった[9]。また、ぴあ初日満足度ランキングでも首位となっている[10]。続く公開第2週も累計興収が12億3,170万3,850円累計動員は110万2,266人となり二週連続映画観客動員ランキング第1位となっている[11]。公開16日間で興収20億円、動員180万人を記録。公開5週目で累計動員は330万8,785人、累計興収は35億8,922万1,400円を記録した。累計動員数348万121人、累計興収37億8,457万3,000円を記録し、声優陣を一新してからの新シリーズ最高記録だった昨年公開の『ドラえもん のび太と奇跡の島 〜アニマル アドベンチャー〜』を超える最高興収を記録した。2014年1月に発表された観客動員数は365万人、最終興収は39.8億円[12]。興行収入39.8億円は2015年時点で、『映画ドラえもん』シリーズの最高額である。
第1作映画『ドラえもん のび太の恐竜』が公開された1980年3月15日から今作『ひみつ道具博物館(ミュージアム)』までの2013年3月22日の34作[注 6]で、33年(1万2,060日)をかけ邦画史上初となるシリーズ累計動員1億人を突破した[13]。これまでの邦画シリーズの最高記録はゴジラシリーズ28作の9,900万人であった[注 7]。 YouTubeの公式チャンネルでは1億人突破を記念したスペシャル動画が公開されている[15]。
テレビ放送編集
次作『新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜』の公開を記念して、2014年3月7日放送分の『ドラえもん・クレヨンしんちゃん 春だ!映画だ!3時間アニメ祭り・第2部』(19:35 - 21:48)にて地上波初放送。なお、この放送の際、掃除機でしずかの服が破れてしまうシーンでは、白い光による修正がかけられ、裸の姿がほぼ映らないようになされた[16][注 8]。今作以降、『名探偵コナン』の映画シリーズと同様に新作の公開前日に放送されるのが恒例となっているが、両作共2018年以降からは公開一週間前後で放送する
2018年3月3日の『ドラえもん のび太の宝島』の公開を記念して、同年2月25日に『最新映画公開記念!映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』(10:00 - 11:50、『日曜ワイド』枠外で放送)と題して2回目の地上波放送を行った。これは2013年3月15日に放送された『ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』以来(ただし放送日時はゴールデンタイム)で、内容も『新魔界大冒険』同様に番組編成上の都合から多数のシーンをカットした編集版が放送された。そのため、問題となっていた掃除機でしずかの服が破れてしまうシーンはカット。
受賞編集
関連企画編集
最強!ころばし屋Z編集
2013年3月1日放送の「最強!ころばし屋Z」は映画公開直前スペシャルとして放送された映画連動エピソード。映画キャラクターの向井おさるが登場するほか、博物館も少しだけ登場する。内容は前半は原作「ころばし屋」に沿った内容になっているが[注 9]、後半はころばし屋Zと対決するオリジナルストーリーとなっている。
ひみつ道具クイズ編集
テレビアニメ2013年1月11日放送分より放送最後に挿入されるミニコーナー。ひみつ道具にちなんだクイズで、映画本編にも登場するマスタード警部も登場する。
漫画版編集
『月刊コロコロコミック』2013年2月号より短期連載のコミカライズ版を掲載[注 10]。漫画はむぎわらしんたろう。大長編作品では29作目。コミックスは2013年3月30日発売。あらすじは映画版と同じであるものの、違いがいくつかあり、ストーリーの根幹に関わる違いもある。
家庭用ゲーム編集
ニンテンドー3DSソフト『ゲーム ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』。2013年3月7日にフリューより発売。映画を題材にひみつ道具を探す探偵アドベンチャーゲーム。また結末が映画と異なっている。
ポッドキャスト編集
ポッドキャスト『ドラチャン★ドラヂオ』第9回・第12回で映画特集が放送。また、映画公式サイトで『Do-Radio 映画チャン★ドラジオ』が期間限定公開された。ゲストは『のび太のひみつ道具博物館』応援団長の松岡修造。
ひみつ道具大作戦!編集
『ひみつ道具大作戦!〜キミの考えたひみつ道具を映画に出そう!〜』は、一般応募されたひみつ道具が映画本編に登場する企画。各応募の最優秀賞18作品は実際に映画に登場し、スタッフロールにも受賞者の名前が載る[18]。
ドラえもん 100展編集
『ドラえもん 100展』は2013年3月9日から31日まで、小田急グループ主催で神奈川県・箱根エリアを中心に実物大のドラえもん人形100体を展示するイベントが開催[19]。なお、2012年にも香港や台湾で同様の100体展示イベントが行われているが今回は改めて製作されたもの。
関連項目編集
脚注編集
注釈編集
- ^ てんとう虫コミックス1巻収録。第2期テレビシリーズでは2006年4月21日に放送。
- ^ a b ガリバートンネルは点検のために作業員が彼らに気づかずに持って行ってしまったためで、博物館のビッグライトは怪盗DXに盗まれていて、ドラえもんのビッグライトはポケットに住みついたスッポンロボのせいでポケット自体が使えなくなったため。
- ^ a b 漫画版での名称は「ターメリック・ペプラー博士」「クルト・ハルトマン博士」。
- ^ 初対面時および、影武者としてクルトに化けて共に怪盗DXを追ったコピーロボットと接した際にはしずかにくっついていた。
- ^ ゲーム版ではわずかだがペプラーメタルを完成させた
- ^ 『ドラえもん ぼく、桃太郎のなんなのさ』を含んだ作品数。
- ^ ゴジラシリーズは2016年公開の『シン・ゴジラ』で、邦画の実写としては初の動員1億人突破を達成している[14]。
- ^ 後日放送されたCSテレ朝チャンネル1では無修正版が放送された
- ^ ころばし屋によって転ばされるのが原作ではジャイアンだが本作ではスネ夫になっている。
- ^ 第1話のみタイトルが『ドラえもん のび太のひみつ道具博物館 〜プロローグ〜』
出典編集
- ^ “過去のゴールデングロス賞 - 全国興行生活衛生同業組合連合会”. Japan Association of TheaterOwners.. 2020年3月25日閲覧。
- ^ OKStarsインタビューVol.242 アニメ監督寺本幸代参照。むぎわらは前作に引き続き「企画・原案協力」としてエンドロールで名前がクレジットされている。
- ^ a b c 映画パンフレットより。
- ^ a b 寺本幸代監督DXロングインタビューより
- ^ 俳優・向井理さんがドラえもんに出演決定!
- ^ 向井理、声優初挑戦!『ドラえもん』で“向井おさる”に!
- ^ 向井おさる 公式ファンページ「おさるの部屋 〜OsaRoom〜」
- ^ ESP/UTB映像アカデミー 業界用語辞典 「エリ合成」参照。
- ^ やっぱり春は『ドラえもん』!大ヒットスタートで初登場トップ!【映画週末興行成績】シネマトゥデイ 2013年3月12日
- ^ 子供に大人気! 『ドラえもん』新作が映画満足度ランク首位チケットぴあ 2013年3月11日
- ^ 『ドラえもん』がV2!『レ・ミゼラブル』はついに興収55億円突破!【映画週末興行成績】シネマトゥデイ 2013年3月19日
- ^ “2014年記者発表資料(2013年度統計)” (PDF). 日本映画製作者連盟 (2013年1月28日). 2013年1月28日閲覧。
- ^ ドラえもん映画、1億人見た シリーズ34作目で突破朝日新聞 2013年3月26日
- ^ “国産ゴジラシリーズ、累計動員1億人突破!庵野秀明『シン・ゴジラ』で達成”. シネマトゥデイ. (2016年8月3日) 2017年12月10日閲覧。
- ^ [映画ドラえもん]シリーズ累計動員数1億人突破記念 スペシャル動画 - YouTube
- ^ しずかちゃんの裸シーンに修正入った 「ドラえもん」に自主規制の「魔の手が」と衝撃走る J-CASTニュース 2014年3月11日
- ^ “過去のゴールデングロス賞 - 全国興行生活衛生同業組合連合会”. Japan Association of TheaterOwners.. 2020年3月25日閲覧。
- ^ ひみつ道具大作戦!【結果発表】〜キミの考えたひみつ道具を映画に出そう!〜
- ^ ドラえもん100体が箱根でお出迎え "元祖"も出没msn産経ニュース 2013年2月27日