時代おくれ

河島英五の曲

時代おくれ」(じだいおくれ)は、河島英五の楽曲のシングル。発売元はCBS・ソニー

時代おくれ
河島英五シングル
初出アルバム『時代おくれ
B面 黄金時代(第1盤)
人生(第2盤)
自分のことをどのくらい知ってますか(第3盤)
リリース
規格 シングル・レコード(第1盤・第2盤)
コンパクトカセット(第1盤・第2盤)
8cmCD(第3盤)
ジャンル 歌謡曲
時間
レーベル CBS・ソニー
作詞・作曲 作詞:阿久悠/作曲:森田公一
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 週間77位オリコン
  • 河島英五 シングル 年表
    野風増
    (1984年)
    時代おくれ
    (1986年)
    ろまんちすと
    (1987年)
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    解説 編集

    本作は1年4ヶ月ぶりのシングルで、河島のCBS・ソニー移籍第1弾として制作され、同名のオリジナル・アルバム[注釈 1]と同日に発売された。

    表題曲である「時代おくれ」は白鶴酒造コマーシャルソングに使用された楽曲で、酒場を舞台に、自身の生き様を静かに見つめ考える男性の心情を描いている。発売年である1986年は、のちにバブル景気などと呼ばれる空前の好景気の入口にあたり[注釈 2]、流行を追った「トレンド」なる言葉が流行りつつあった時代のさなか[注釈 1]、「時代おくれの男になりたい」とあえて綴られた歌詞が特徴のひとつとして挙げられる。作詞阿久悠作曲森田公一によるもので、二人は1972年に発表された和田アキ子の「あの鐘を鳴らすのはあなた」も手がけている。森田が音楽ユニット「森田公一とトップギャランII」名義でセルフカバー(1991年11月21日発売:VIDL-10178)をリリースした。

    酒と泪と男と女」「野風増」と並び、河島の代表曲のひとつになっている。2001年の河島の急逝後に敢行されたイベントで山崎まさよしカバーした(未CD化)。

    日本有線大賞 編集

    オリコンでのチャート・アクションにおいては目立った記録を残していなかったが、1986年の『日本有線大賞』で「特別賞」を受賞した。

    発売後の反応 編集

    1986年発売当時は前述の2種類の盤を合わせても4万枚程度の売上にとどまったが[1]、リリースから5年経った1991年6月15日NHK総合で放送された特別番組阿久悠 歌は時代を語り続けた[2]』にて河島による「時代おくれ」が披露された。

    放送後、この曲に対するレコード会社への問合せの電話が1日に何本もかかるようになり[1]、反響の多さにより同年9月21日に、「時代おくれ」初の8cmCDでの発売と(カップリング曲は同じく阿久による作詞「自分のことをどのくらい知ってますか」を収録)、河島が阿久から提供された楽曲のみを集めたコンピレーション・アルバム時代おくれ 心の祭りの歌~阿久悠作品集~』も発売された。その効果もあり、1991年大晦日に放送された『第42回NHK紅白歌合戦』に、出場歌手として初出場。当日は第1部の白組トリで、ピアノの弾き語りで披露された。その紅白が放送された1991年バブル景気の終焉と定義される年である。

    ドラマでの引用 編集

    2017年8月27日放送「24時間テレビ40「愛は地球を救う」ドラマスペシャル」『時代をつくった男 阿久悠物語』では物語終盤ヒット曲に恵まれなくなった上に、盟友の上村一夫(1986年1月11日死去、演:田中圭)に先立たれた阿久(演:亀梨和也)による「時代おくれ」の制作過程が描かれた。

    リリース形態 編集

    本楽曲は、1986年4月21日発売、カップリング曲に「黄金時代」を収録した第1盤(07SH-1761)、同年8月27日発売、カップリング曲に「人生」を収録した第2盤(07SH-1804)の2種類の7インチ・レコードならびにコンパクトカセットが存在する。これらのジャケット写真はトリミング違いで文字等デザインも細部が異なっている。

    上記の2種類発売から5年後、1991年9月21日発売、カップリング曲に「自分のことをどのくらい知ってますか」、オリジナル・カラオケ2曲を収録した8cmCD規格の第3盤(SRDL-3363)についても記述する。

    収録曲 編集

    第1盤(1986/04/21) 編集

    1. 時代おくれ
    2. 黄金時代

    第2盤(1986/08/27) 編集

    1. 時代おくれ
    2. 人生

    第3盤(1991/09/21) 編集

    1. 時代おくれ
    2. 自分のことをどのくらい知ってますか
    3. 時代おくれ(オリジナル・カラオケ)
    4. 自分のことをどのくらい知ってますか(オリジナル・カラオケ)

    カバーした主な歌手 編集

    「時代おくれ」は、現在も多くのおやじ世代にカラオケで歌われており、志村けんも生前愛唱していたほか、松本人志朝青龍山本浩二久保竜彦らも愛唱歌としている。

    関連項目 編集

    脚注 編集

    注釈 編集

    1. ^ a b 1987年に、『日経トレンディ』(日本経済新聞社刊)なる月刊誌も創刊された。
    2. ^ 1986年は、東証出来高23億株の史上最高記録(8月12日)や、東京地価上昇率53.9%と、当時の最高記録を次々更新した。
    3. ^ 2020年8月8日、NHK『ライブ・エール~今こそ音楽でエールを~』第2部にて歌唱。

    出典 編集

    1. ^ a b 「時代おくれがなぜかはやり」『日経流通新聞』1991年9月12日付、27頁。
    2. ^ NHKアーカイブス『阿久悠 歌は時代を語り続けた』 - 2010年7月2日閲覧
    3. ^ 涼風真世、壮一帆ら総勢12人の元宝塚トップスターが「男唄」をカバー!レコーディング風景をダイジェスト公開!”. シアタークリップ (2015年12月23日). 2015年12月25日閲覧。