更年期障害
更年期障害(こうねんきしょうがい、英: Menopause, postmenopausal syndrome、PMS)とは、卵巣機能の低下によるエストロゲン欠乏、特にエストラジオールの欠乏に基づくホルモンバランスの崩れにより起こる症候群。
| 更年期障害 | |
|---|---|
エストラジオールの化学式
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| 分類および外部参照情報 | |
| 診療科・ 学術分野 |
泌尿器科学 |
| ICD-10 | N95.0 |
| ICD-9-CM | 627.2 |
| DiseasesDB | 8034 |
| MedlinePlus | 000894 |
| eMedicine | article/264088 |
目次
原因編集
女性では、閉経によりエストロゲンが低下することにより発生する。医師により「更年期障害」と診断される人は、更年期女性の2-3割とされ、心身の不調(ほてり・のぼせなどの血管運動神経症状)を呈する。
男性では、概ね40歳以降、加齢やストレスなどにより男性ホルモンであるテストステロンが低下することにより発生する。男性の更年期障害はLOH症候群と呼ばれる。
症状編集
女性編集
- 自律神経失調症症状 - 頻脈、動悸、血圧が激しく上下、腹痛、微熱、ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ、多汗)、耳鳴り、疲労感、口渇、のどのつかえ、息切れ、腰痛、しびれ、知覚過敏、性交痛、生理不順など。
- 消化器症状 - 悪心、嘔吐、下痢、便秘
- 精神症状 - 易怒性、うつ症状、頭痛、不眠、めまい
- 運動器症状 - 肩こり、関節痛
- いわゆる不定愁訴に属する症状が多く、その強弱は精神的要素が関与している。この時期は空の巣症候群や職場での問題・家族の介護などでストレスを抱えやすいことも一因と言われている。
男性編集
- 性機能関連症状 - 性欲の低下、ED(勃起障害)など。
- 精神・心理症状 - 抑うつ感、落胆、不安、疲労感、記憶力や集中力の低下など。
- 身体症状 - 発汗、ほてり、睡眠障害、関節・筋肉関連の症状など。
治療編集
女性に対しても男性に対しても、ホルモン療法が有効とされる。また漢方薬やプラセンタを使って治療することもある。
女性のホルモン療法編集
閉経前後に体内で不足してきた女性ホルモン(エストロゲン)を、飲み薬(経口剤)や貼り薬(貼付剤)として補充するホルモン補充療法(HRT)が行われる。欧米ではすでに30年以上の実績があり、日本でも十数年来行われてきた療法で、更年期障害を改善しクオリティ・オブ・ライフを高め日常生活を快適に過ごすために有効かつ適切な療法として評価・活用されているが、[1]男性向けのテストステロン補充療法は日本では保険適用外である。
HRTを継続して受けている間に、運動・食事・検診などにも注意するようになるという副次効果も推察されている[1]。月経の有無や症状の種類に応じ、エストロゲン単剤あるいはエストロゲン・黄体ホルモン配合剤などが使用される[2]。
日本ではこれまで経口剤、貼付剤が使用されてきたが、2007年に国内初の「肌にぬるプッシュ式ボトルのジェル剤型」エストラジオール外用剤「ル・エストロジェル」[3]が新たに承認、発売された[4]。塗布跡が残らず皮膚刺激も少なく毎日の使用が簡便で一定量が取り出せるのが特徴である。
HRTは骨粗鬆症改善効果や美肌効果、アンチエイジング効果も併せ持つが、投与方法によっては乳癌、子宮癌、卵巣癌といった婦人科系悪性腫瘍が若干増加することがあるほか、下肢血栓症など血液凝固系疾患が増えるという欠点がある。
男性のホルモン療法編集
プラセンタ療法編集
日本では、女性の更年期障害の治療薬としてメルスモン製薬が作っているメルスモン注射薬が保険収載されている。1956年に厚生省より承認された。
漢方薬編集
出典・引用編集
- ^ a b 三羽良枝ほか:『HRT(ホルモン補充療法)使用状況に関する医師・医療機関並びに患者へのアンケート調査報告』. 日本更年期医学会雑誌12:282(2004)
- ^ ホルモン補充療法に使う薬剤のいろいろ(2009年1月現在) NPO法人 女性の健康とメノポーズを考える会
- ^ “ル・エストロジェル0.06% 患者向医薬品ガイド (PDF)”. 医薬品医療機器総合機構 (2015年3月). 2016年8月4日閲覧。
- ^ 肌にぬるジェル状のHRT(エストロゲン製剤)が発売になりました NPO法人 女性の健康とメノポーズを考える会
- ^ 日本医師会 『漢方治療のABC (日本医師会生涯教育シリーズ)』 日本医師会、1992年。ISBN 978-4260175074。