曽利 文彦(そり ふみひこ、1964年5月17日[1] - )は、日本の映画監督、CG監督、映像クリエイター。大阪府出身。OXYBOT株式会社取締役[2]

そり ふみひこ
曽利 文彦
曽利 文彦
第30回東京国際映画祭にて(2017年10月)
生年月日 (1964-05-17) 1964年5月17日(59歳)
出生地 日本の旗 日本大阪府
職業 映画監督、CG監督、映像クリエイター
ジャンル 映画テレビドラマアニメーションミュージック・ビデオ
活動期間 2002年 -
活動内容 1986年:TBSテレビ入社
1996年:アメリカ南カリフォルニア大学映画学科に入学
1997年:映画『タイタニック』にCGアニメーターとして参加
2000年:帰国後、VFXスーパーバイザーとして活躍
2002年:映画『ピンポン』で映画監督デビュー
2004年:映画『APPLESEED』プロデュース
2004年:映画制作会社OXYBOT設立
2007年:映画『ベクシル 2077日本鎖国』監督・脚本
主な作品
ピンポン
ベクシル 2077日本鎖国
ICHI
あしたのジョー
鋼の錬金術師』シリーズ
 
受賞
日本アカデミー賞
優秀監督賞
2003年ピンポン
その他の賞
ヨコハマ映画祭
新人監督賞
2002年ピンポン
フィラデルフィア映画祭
ベストアニメーション賞
第17回 『ベクシル 2077日本鎖国
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略歴・人物 編集

両親は広島県三次市の出身[3]。映画『未知との遭遇』に強い感銘を受け[1][4]、中学生の頃には既に映画監督を志望[5]。学生時代はパソコン上でCGのプログラムを組むといった、CG制作に関するスキルを身に着けていた[5]

1986年、TBSテレビに入社し、5年間電波設備の設計やアンテナ設置の仕事に就くが[5]、のちに設立されたTBS開発局デジタル開発センターCG部(以下、TBS・CG部)に異動になったことにより[5]、映画制作への道を歩み始める。1996年に社費留学制度を用いアメリカ南カリフォルニア大学に入学、同大学で映画学科を専攻した[6][7][5][1]1997年、在学中にアメリカのVFX会社デジタル・ドメインにて、映画『タイタニック』にCGアニメーターとして参加[5]。その後帰国し、映画『ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer』(2000年)など多くの劇場作品で、VFXスーパーバイザーを務めたほか[5]、テレビドラマでも『ビューティフルライフ』(2000年)、『池袋ウエストゲートパーク』(2000年)等のドラマで、タイトルバックやVFXシーンを手がけた[5]

2002年の『ピンポン』で映画監督デビュー[5][注釈 1]第26回日本アカデミー賞にて優秀作品賞、優秀監督賞を受賞、第24回ヨコハマ映画祭にて新人監督賞を受賞。2004年には、自身初の3DCGアニメ映画『APPLESEED』をプロデュース。モーションキャプチャー(実際の役者の演技をCGキャラクターに反映させる技術)とトゥーンレンダリング(3DCGのキャラクターをセルアニメ調に変換する技術)を組み合わせた「3Dライブアニメ」という独自の手法で注目を集めた[5]。同年12月、所属していたTBS・CG部の主要メンバーらと共に映画制作会社OXYBOTを設立し、同社の取締役に就任した[8][2]。2007年8月には「3Dライブアニメ」による作品の第二弾となる『ベクシル 2077日本鎖国』にて監督・脚本を務める。この映画はOXYBOTとしては初めて同社が手掛ける長編アニメーション作品となり、第60回ロカルノ国際映画祭のオープニング作品に選ばれた他[9][10][11]ロンドン国際映画祭トロント国際映画祭釜山国際映画祭など多くの映画祭に招待された[12][13][14]。その後も映画制作のみならず、2009年10月にはドリカム20周年ライブビデオ『20th Anniversary DREAMS COME TRUE CONCERT TOUR 2009 "ドリしてます?"』の映像監督を務めるなど活動の場を広げている。

作品リスト 編集

映画 編集

アニメーション 編集

劇場用作品
OVA
  • TO(2009年)監督

テレビドラマ 編集

ミュージックビデオ 編集

ライブビデオ 編集

受賞歴 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 『ピンポン』では、自身がデジタル・ドメインに務めていた際、ジェームズ・キャメロン監督との出会いによって得られた体験が基になっていると曽利はインタビューで語っている。

出典 編集

  1. ^ a b c 話題の映画『ICHI』の曽利文彦監督インタビュー! 主演の綾瀬はるかと作品への思いを語る”. 日経トレンディ (2008年6月5日). 2017年5月27日閲覧。
  2. ^ a b 会社概要OXYBOT株式会社、2017年5月27日閲覧。
  3. ^ 中国新聞朝刊、2007年8月9日16面
  4. ^ 公開講座:映画『ICHI』曽利文彦監督が明かす映画の舞台裏!デジタルハリウッド大学、2017年5月27日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j 曽利文彦 (Fumihiko Sori) 氏:『ベクシル―2077日本鎖国―』には日本人賛歌を込めました”. クリエイターズ ステーション (2007年7月5日). 2017年5月27日閲覧。
  6. ^ 映画『ICHI』の曽利文彦監督、日本映画界におけるVFXやCGの意義を語りつくす”. マイナビニュース (2008年10月3日). 2017年5月27日閲覧。
  7. ^ 『APPLESEED』、『ピンポン』の曽利監督が語る、日本人ならではの3DCG表現”. マイナビニュース (2010年2月2日). 2017年5月27日閲覧。
  8. ^ [メディア産業新時代]広がる映像の威力 世界に通用するコンテンツを”. 映像新聞 (2005年1月3日). 2017年5月27日閲覧。
  9. ^ 「ベクシル」 ロカルノ国際映画祭のオープニン作品に決定(7/11)”. アニメ! アニメ! (2007年7月11日). 2017年5月28日閲覧。
  10. ^ この映像はすごい! 3DCGアニメ『ベクシル 2077日本鎖国』が国際映画祭でワールドプレミア決定!”. シネマトゥデイ (2007年7月12日). 2017年5月28日閲覧。
  11. ^ 日本発・曽利3Dアニメに賞賛の嵐! 『ベクシル』ロカルノにてワールドプレミア上映”. シネマカフェ (2007年8月6日). 2017年5月28日閲覧。
  12. ^ 「サッド ヴァケイション」「天然コケッコー」がトロント映画祭へ!”. 映画.com (2007年8月7日). 2017年5月28日閲覧。
  13. ^ 4℃制作「オオカミくんはピアニスト」 シッチェス国際映画祭出品”. アニメ! アニメ! (2007年9月26日). 2017年5月28日閲覧。
  14. ^ 松野忠雄, 曽利文彦、5.『ベクシル2077日本鎖国』におけるCG制作~フルCG映画制作の舞台裏~ 『映像情報メディア学会誌』 2009年 63巻 2号 p.166-169, doi:10.3169/itej.63.166
  15. ^ “「鋼の錬金術師」実写映画化!山田涼介らキャスト解禁、6月よりイタリアで撮影”. 映画ナタリー. (2016年5月24日). https://natalie.mu/eiga/news/188097 2016年5月24日閲覧。 
  16. ^ animenewsnetwork、Vexille Wins Animation Award at Philadelphia Film Fest、2008年5月10日

外部リンク 編集