最高位戦

最高位戦日本プロ麻雀協会が実施する麻雀のタイトル戦

最高位戦(さいこういせん)とは、最高位戦日本プロ麻雀協会が実施する麻雀のタイトル戦である。1976年創設。現存する麻雀のタイトル戦としては1973年創設の王位戦に次いで、2番目に長い歴史をもつ。麻雀における運の要素を極力排除すべく、年間を通じた固定メンバーによる長期リーグ戦により優勝者を決するのが特徴。また、最高位戦日本プロ麻雀協会の略称として「最高位戦」が用いられることもある。

概要編集

ムツゴロウこと畑正憲の発案を元に、1976年に初めて行われ、以後毎年1回開催されている。第1期(1976年)から第9期(1984年)までは竹書房発行の麻雀専門誌『近代麻雀』(現在は廃刊。現存する麻雀劇画誌とは別物)によって主催・運営され[1]、同誌の誌上タイトル戦という位置づけだった。しかし『近代麻雀』が編集方針変更等の理由により最高位戦の主催・運営を打ち切ったため、第10期(1985年)からは参加選手の自主運営という形で開催されるようになり、これが現在の最高位戦日本プロ麻雀協会の母体となっている。

1980年の第5期最高位決定戦の途中で、八百長騒動(最高位戦八百長疑惑事件)が発生した。

1987年(第12期)、「日本麻雀最高位戦競技規定」を成文化[1]。1997年(第22期)より、それまでのいわゆる競技麻雀ルールから一発裏ドラノーテン罰符ありの一般的なルールに改正[2]

A1・A2・B1・B2・C1・C2・C3・D1・D2・D3の計10リーグで構成され、各リーグの結果により選手の昇降級がある。A1リーグ試合結果の上位3人が前年度最高位との「最高位決定戦」に出場する権利を得る[2]。ただし、第2期から第6期までは5名で決定戦が行われ、途中で成績が最下位の者を足切りとしていた。なお、2014年(39期)後期から最下位リーグに降級点制度が導入され、2期連続降級点を取ると再受験しなければならない。

飯田正人が最多獲得数(通算10期、永世最高位)と最多連覇(4連覇、第14期〜17期)の記録を持っている。

2001年には「女流最高位戦」が発足[1]、以降毎年最高位戦リーグと同じルールで行われており[3]、本選成績上位3人が前年度女流最高位との女流最高位決定戦に出場する権利を得る[3]

第1期最高位戦編集

第1期最高位戦には、元麻雀新撰組から阿佐田哲也小島武夫古川凱章田村光昭青柳賢治日本麻雀連盟から稲垣真幸日本麻雀道連盟から川田隆全国麻雀段位審査会から青木博、元日本麻雀道連盟灘麻太郎、および第2期名人位大隈秀夫が出場、この10名で「プロ・高段者限定」の固定メンバーによるリーグ戦が組まれることになり[4]、3か月後に下部リーグも設けられた[4]。ところが最高位を決める方法に関して小島武夫古川凱章の意見が分かれ[5]、順位率と得点のどちらにするかが開催まで決まらず、結局2部門に分けて成績を評価することになった。本戦100半荘の結果、

となった両者が初代最高位となった。第2期以降で行われている決定戦は行われなかった。第2期からは得点と順位点の合計で成績を決める評価法を用いることで、2部門が統合され、最高位は一期につき一人だけになった。100戦で行われた本戦も、第2期は年間リーグ戦本戦40半荘・決勝リーグ30半荘という形式に変更された[6]

歴代最高位決定戦結果・Aリーグ(A1リーグ)編集

  • 最高位の列のみ氏名の50音順ソート。
  • 氏名右の()は通算期数。
  • 氏名左の[]は最高位決定戦の出場資格。[前]は前期最高位、数字はAリーグ(A1リーグ)の順位。
開催年 最高位 2位 3位 4位 5位
選手名 得点 選手名 得点 選手名 得点 選手名 得点 選手名 得点
1 順位率部門 1976 なた/灘麻太郎 2.305 川田隆 2.340 田村光昭 2.425 古川凱章 2.475 [* 1]
1 得点部門 1976 かわた/川田隆 356.5 灘麻太郎 263.0 古川凱章 33.8 田村光昭 21.8 [* 1]
2 1977 たむら/田村光昭 297.1 灘麻太郎 102.8 川田隆 ▲37.8 高木賢治 ▲91.7 青柳賢治 ▲280.4
3 1978 こしま/小島武夫 187.5 佐藤孝平 17.4 田中貞行 ▲36.7 田村光昭 ▲42.4 高木賢治 ▲124.8
4 1979 こしま/小島武夫(2) 107.5 佐藤孝平 69.1 大竹真吉 58.7 荒正義 ▲91.4 高木賢治 ▲142.9
5 1980 たむら/田村光昭(2) 182.0 畑正憲 ▲37.9 - [* 2] - [* 2] 小島武夫 ▲108.1
6 1981 かのう/狩野洋一 178.3 深野浩士 16.3 高見沢治幸 ▲8.9 佐藤孝平 ▲108.5 田村光昭 ▲77.2
7 1982 おおくま/大隈秀夫 28.2 古川凱章 9.2 狩野洋一 ▲18.2 大沢健二 ▲19.2
8 1983 あおの/青野滋 117.3 深野浩士 46.2 大隈秀夫 7.3 古川凱章 ▲170.8
9 1984 かねこ/金子正輝 208.2 飯田正人 ▲42.2 青野滋 ▲77.3 伊東一 ▲98.7
10 1985 さとう/佐藤孝平 134.4 久保谷寛 133.1 伊東一 ▲104.1 金子正輝 ▲189.4
11 1986 かねこ/金子正輝(2) 77.9 嶋村俊幸 0.7 大隈秀夫 ▲18.0 井出洋介 ▲70.6
12 1987 かねこ/金子正輝(3) 168.5 阪元俊彦 116.1 井出洋介 ▲104.2 久保谷寛 ▲180.4
13 1988 にした/西田秀幾 75.6 飯田正人 28.7 井出洋介 ▲26.4 金子正輝 ▲77.9
14 1989 いいた/飯田正人 116.0 金子正輝 ▲20.6[* 3] 三浦勇雄 ▲41.6[* 4] 西田秀幾 ▲104.2
15 1990 いいた/飯田正人(2) 91.7 久保谷寛 81.2 深野浩士 ▲25.0 金子正輝 ▲147.9
16 1991 いいた/飯田正人(3) 58.0 阪元俊彦 11.5 金子正輝 ▲1.8 古久根英孝 ▲76.7
17 1992 いいた/飯田正人(4) 120.9 忍田幸夫 ▲9.7 青山史彦 ▲14.8 金子正輝 ▲100.2
18 1993 とくひさ/徳久英人 95.7 久保谷寛 ▲4.5 伊東一 ▲43.9 飯田正人 ▲59.3
19 1994 いて/井出洋介 272.8 岩川聖基 ▲42.2 伊藤英一郎 ▲98.1 徳久英人 ▲133.5
20 1995 いいた/飯田正人(5) 120.1 金子正輝 84.1 井出洋介 ▲66.6 伊藤英一郎 ▲144.6
21 1996 いからし/五十嵐毅 20.3 木村和幸 0.6 忍田幸夫 ▲13.3 飯田正人 ▲14.6
22 1997 いわかわ/岩川聖基 263.5 五十嵐毅 ▲59.9 古久根英孝 ▲100.1 新津潔 ▲105.5
23 1998 いいた/飯田正人(6) 99.6 立川宏 14.3 金子正輝 ▲11.4 古久根英孝 ▲106.5
24 1999 かねこ/金子正輝(4) 148.7 飯田正人 94.0 土井泰昭 25.7 立川宏 ▲270.4
25 2000 いいた/飯田正人(7) 236.7 金子正輝 49.0 古久根英孝 22.6 宇野公介 ▲314.3
26 2001 こくね/古久根英孝 257.7 飯田正人 154.6 新津潔 ▲153.8 尾崎公太 ▲301.5
27 2002 こくね/古久根英孝(2) 118.8 宇野公介 78.1 飯田正人 36.3 新津潔 ▲240.2
28 2003 いいた/飯田正人(8) 66.9 古久根英孝 63.3 金子正輝 ▲64.3 宇野公介 ▲66.9
29 2004 おさき/尾崎公太 189.6 宇野公介 30.2 村上淳 ▲102.4 飯田正人 ▲120.4
30 2005 こくね/古久根英孝(3) 216.6 金子正輝 111.7 尾崎公太 ▲68.0 嶋村俊幸 ▲262.3
31 2006 ちよう/張敏賢 44.6 村上淳 9.5 古久根英孝 ▲7.1 尾崎公太 ▲51.0
32 2007 ちよう/張敏賢(2) 112.5 尾崎公太 77.5 伊藤英一郎 ▲32.2 金子正輝 ▲157.8
33 2008 いいた/飯田正人(9) 168.3 金子正輝 113.3 張敏賢 ▲120.9 佐藤崇 ▲160.7
出典:最高位戦日本プロ麻雀協会/歴代最高位
最高位決定戦 Aリーグ B1リーグ 備考
最高位 2位 3位 4位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位 11位 12位 13位 昇格者
選手名 得点 選手名 得点 選手名 得点 選手名 得点
34 2009 [前]いいた/飯田正人(10) 137.7 [1]金子正輝 51.7 [2]尾崎公太 ▲10.1 [3]石橋伸洋 ▲180.3 平賀 水巻 上野 佐藤崇 村上 大柳 設楽 伊藤欠▼ 近藤 太田 伊藤が途中欠場 尾崎が退会 降格者1名の特別措置
35 2010 [2]むらかみ/村上淳 134.7 [前]飯田正人 37.5 [3]佐藤崇 ▲80.4 [1]水巻渉 ▲96.8 大柳 上野 太田 平賀 石橋 金子 近藤 設楽 曽木 佐藤聖 石井 飯田・金子が来期特別休場
(なお飯田は復帰することなく2012年に死去)
降格者1名の特別措置
石井は欠員補充で昇格
36 2011 [2]いしはし/石橋伸洋 154.7 [3]曽木達志 131.0 [前]村上淳 ▲71.6 [1]佐藤聖誠 ▲214.1 水巻 佐藤崇 近藤 平賀 石井 大柳 上野 太田 坂本 山口
37 2012 [2]こんとう/近藤誠一 212.7 [3]張敏賢 56.3 [前]石橋伸洋 ▲100.8 [1]佐藤聖誠 ▲173.2 金子 村上 石井 坂本 平賀 水巻 山口 大柳 佐藤崇 曽木 中嶋 新井 金子が復帰 降格者3名の特別措置
38 2013 [1]あらい/新井啓文 278.6 [2]村上淳 ▲2.3 [3]佐藤聖誠 ▲83.4 [前]近藤誠一 ▲173.9 金子 中嶋 石橋 平賀 石井 坂本 水巻 土田 山口 設楽 曽木 土田が特別出場 降格者3名の特別措置
39 2014 [1]むらかみ/村上淳(2) 174.4 [2]佐藤聖誠 143.6 [3]近藤誠一 ▲65.3 [前]新井啓文 ▲256.7 設楽 平賀 曽木 中嶋 金子 石井 石橋 水巻 坂本 醍醐 宇野
40 2015 [3]こんとう/近藤誠一(2) 292.7 [2]宇野公介 37.9 [前]村上淳 ▲119.7 [1]設楽遙斗 ▲212.9 佐藤聖 石橋 醍醐 金子 平賀 新井 中嶋 曽木 石井 太田 坂本
41 2016 [前]こんとう/近藤誠一(3) 250.1 [2]金子正輝 43.2 [1]中嶋和正 ▲41.9 [3]平賀聡彦 ▲252.4 新井 村上 太田 宇野 石橋 醍醐 坂本 設楽 佐藤聖 園田 嶋村
42 2017 [1]むらかみ/村上淳(3) 257.3 [2]園田賢 44.5 [3]金子正輝 ▲111.1 [前]近藤誠一 ▲197.7 醍醐 坂本 嶋村 太田 中嶋 宇野 新井 石橋 平賀欠▼ 松本 齋藤 平賀が途中欠場
43 2018 [4]こんとう/近藤誠一(4) 71.1 [2]園田賢 38.3 [3]太田安紀 ▲64.7 [前]村上淳 ▲86.7 近藤 金子 醍醐 齋藤 坂本 嶋村 中嶋 新井 宇野 朝倉 竹内 本来はAリーグ首位の松本浩司が
出場予定だったが病気のため辞退し
近藤が繰り上がりで出場となった
44 2019 [2]さかもと/坂本大志 83.6 [前]近藤誠一 39.5 [1]醍醐大 ▲23.4 [3]村上淳 ▲99.7 園田 朝倉 齋藤 嶋村 中嶋 松本 太田 金子 竹内 新井 平賀
出典:最高位戦日本プロ麻雀協会/歴代最高位
最高位決定戦 A1リーグ A2リーグ 備考
最高位 2位 3位 4位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位 11位 12位 13位 14位 15位 16位 昇格者
選手名 得点 選手名 得点 選手名 得点 選手名 得点
45 2020 [1]たいこ/醍醐大 208.8 [2]近藤誠一 151.2 [前]坂本大志 ▲145.0 [3]嶋村俊幸 ▲222.0 園田 平賀 村上 太田 齋藤 朝倉 新井 中嶋 石田 竹内 鈴木優 リーグ戦のシステム変更[7]
松本が病気で退会[8]
降格者1名の特別措置
46 2021 [3]すすき/鈴木優 115.8 [前]醍醐大 ▲5.8 [2]新井啓文 ▲6.4 [1]園田賢 ▲104.9 石田 村上 太田 近藤 竹内 嶋村 坂本 齋藤 平賀 設楽 浅井 品川 朝倉がコロナ特別休場
47 2022 嶋村が休場 朝倉が復帰
出典:最高位戦日本プロ麻雀協会/歴代最高位
  1. ^ a b 第1期は各自半荘100回のリーグ戦で、順位点部門、得点部門の2部門制。決定戦は行われなかった。
  2. ^ a b 最高位戦八百長疑惑事件により灘麻太郎荒正義は失格となったので3位、4位は空位である。小島武夫は事件発生前に足切りとなっているので5位のままである。
  3. ^ 遅刻により▲10のペナルティ
  4. ^ 遅刻により▲40のペナルティ

歴代女流最高位編集

開催年 最高位
第1期 2001年 わたなへ/渡辺洋香
第2期 2002年 やまくち/山口まや
第3期 2003年 やまくち/山口まや
第4期 2004年 やまくち/山口まや
第5期 2005年 ねもと/根本佳織
第6期 2006年 ねもと/根本佳織
第7期 2007年 ねもと/根本佳織
第8期 2008年 ねもと/根本佳織
第9期 2009年 ねもと/根本佳織
第10期 2010年 いしい/石井あや
第11期 2011年 かやもり/茅森早香
第12期 2012年 はなもと/花本まな
第13期 2013年 こいけ/小池美穂
第14期 2014年 おおひら/大平亜季
第15期 2015年 おおひら/大平亜季
第16期 2016年 おおひら/大平亜季
第17期 2017年 にしじま/西嶋千春
第18期 2018年 にしじま/西嶋千春
第19期 2019年 にしじま/西嶋千春
第20期 2020年 いとう/伊藤奏子
第21期 2021年 うちま/内間祐海
出典:女流最高位決定戦

脚注編集

  1. ^ a b c 最高位戦日本プロ麻雀協会 (2011年). “団体概要”. 2011年7月28日閲覧。
  2. ^ a b 最高位戦日本プロ麻雀協会. “最高位戦リーグ”. 2011年7月28日閲覧。
  3. ^ a b 最高位戦日本プロ麻雀協会. “女流最高位戦リーグ”. 2011年7月28日閲覧。
  4. ^ a b 小島武夫 『ろくでなし -伝説のミスター麻雀、酒と女とカネの無頼75年-徳間書店、2010年、185-186頁。ISBN 978-4198630874 阿佐田胆石の手術のため途中欠場。以降は9名でリーグ戦が組まれた。
  5. ^ 小島武夫 『ろくでなし -伝説のミスター麻雀、酒と女とカネの無頼75年-徳間書店、2010年、185頁。ISBN 978-4198630874 「通常の得点形式で優勝を決めればいい」とする小島武夫に対し、のちに順位戦101101競技連盟の前身)を主催することになる古川凱章が「勝敗は順位点のみ」として譲らなかった。
  6. ^ 小島武夫 『ろくでなし -伝説のミスター麻雀、酒と女とカネの無頼75年-徳間書店、2010年、186頁。ISBN 978-4198630874 
  7. ^ * 最高位戦リーグのシステム変更について(第45期より)”. 最高位戦日本プロ麻雀協会 (2019年12月16日). 2020年11月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月22日閲覧。
  8. ^ * 松本浩司選手の退会と第10節以降のA1リーグについて”. 最高位戦日本プロ麻雀協会 (2020年10月14日). 2020年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月22日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集