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Hanada

日本の月刊誌
（月刊Hanadaから転送）

『月刊Hanada』（げっかんはなだ）は、飛鳥新社が2016年4月に創刊した日本の月刊誌。

月刊Hanada
ジャンル 保守論壇
刊行頻度 月刊
発売国 日本の旗 日本
言語 日本語
定価 950円
出版社 飛鳥新社
編集長 花田紀凱（2016年4月 - 現在）
刊行期間 2016年4月 - 現在
特記事項 2016年6月号にて創刊
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概要 編集

2016年3月、『月刊WiLL』の創刊時からの編集長である花田紀凱が発行元ワック・マガジンズの社長である鈴木隆一との対立から同社を退職[1]、花田の下で編集及びDTPを担当していたスタッフを含め編集部ごと退社し、飛鳥新社へ移籍。同年4月26日の6月号から創刊開始し、コラム「あっぱれ!築地をどり」を執筆していた花田の文藝春秋時代の元部下である勝谷誠彦以外ほとんどの執筆陣が『Hanada』へ移った。その後、勝谷も、花田からの移籍前の執筆依頼の原稿を執筆した後に、花田から移籍後の原稿を依頼され、『Hanada』へ移籍した。

「滾る月刊誌」[2]を称する。

主な記事 編集

安倍晋三 編集

2017年2月号（2016年12月20日発売）では、「安倍総理を最もよく知る二人の政治記者が安倍政治を分析する」と題して、阿比留瑠比と山口敬之の対談が巻頭に掲載された。阿比留と山口は「稀代の戦略家」と安倍晋三を褒め称えた[3]。

2017年2月17日、衆議院予算委員会で、福島伸享が森友学園への国有地売却をめぐり、新設予定の安倍晋三記念小学校の名誉校長が安倍昭恵であることを指摘すると、安倍は「私や妻が関係していたということになれば、総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい」と答弁した[4]。同年3月13日、参議院予算委員会で福島瑞穂が加計学園グループの岡山理科大学獣医学部新設計画をめぐり「安倍総理と加計孝太郎さんは極めて長年の友人だ。政策がゆがめられているのではないか」と質問すると、安倍は即座に否定し「安倍政権のイメージを落とそう、安倍晋三をおとしめようということで答弁するのはやめた方がいい」と福島を非難した[5]。森友学園問題と加計学園問題の報道が続き、両者がやがて「モリカケ問題」と称されるようになると[6]、『Hanada』は安倍を守るために奮然として立ち上がった。2017年9月号、10月号、11月号と3か月にわたりマスコミ批判の特集を組み、「常軌を逸した安倍叩き」「朝日新聞は発狂状態だ」「戦後最大級の虚報」「トランプも安倍も報道被害者」などの見出しが紙面を飾った[7][8][9]。

2018年2月号（2017年12月20日発売）は安倍のインタビュー（聞き手：有本香）を掲載した[10]。

2019年2月号（2018年12月20日発売）は安倍と上念司の対談を掲載した[11]。

2021年7月号（同年5月26日発売）は安倍のインタビュー（聞き手：石橋文登）を掲載。安倍は「ポスト菅」候補として、萩生田光一、下村博文、西村康稔、松野博一の4人の名を挙げるなど重要な発言を行った[12]。

2021年8月号（同年6月25日発売）は安倍と櫻井よしこの対談を掲載した。安倍は水を得た魚のように持論を展開。東京オリンピックのコロナ対策に関するトピックでは「反日的ではないかと批判されている人たちが、東京オリンピックの開催に強く反対している。朝日新聞なども明確に反対を表明した」と述べ、立憲民主党の枝野幸男代表について「非常に自己愛が強い」「インタラクティブな議論を避ける特徴がある」と断じた[13][14][15]。

2021年11月11日、安倍は清和政策研究会の新会長に就任し、「安倍派」が発足した[16]。2022年2月号（2021年12月20日発売）は130ページにおよぶ総力特集「やっぱり安倍さんだ！」を組み、安倍と百田尚樹の対談、安倍と櫻井の対談、安倍のインタビュー2本を掲載した[17]。

2022年7月8日、安倍が参院選の遊説中に殺害された。『Hanada』は9月号、10月号、11月号と3号続けて「安倍晋三総理追悼大特集号」とうたい、特集を組んだ。

2023年7月5日、安倍の一周忌を迎えるに当たり、飛鳥新社は月刊Hanadaセレクションとして『われらの安倍晋三』を刊行。92ページにわたるマンガ「安倍晋三物語」が掲載された[18]。

世界平和統一家庭連合（旧統一教会） 編集

2022年8月12日、世界平和統一家庭連合（旧統一教会）の関連団体「天宙平和連合」はソウルで開いた国際会議の冒頭で、安倍を特別に追悼した[19][20]。マスメディアによる統一教会への批判の報道が高まるなか、『Hanada』は8月26日発売の10月号に「総力特集 統一教会批判は魔女狩りだ！」と題する反論を立てる特集を組んだ。特集には4本の寄稿文が掲載された[21]。以後、教団を擁護する論陣を張っている。また、殺人罪と銃刀法違反で起訴された男性以外にも犯人がいるという陰謀論を積極的に唱えている[22][23][24]。2023年1月号では、統一教会信者の地方議会議員による対談を掲載した[25][26]。同年8月号の「総力大特集 あなたを忘れない！」では執筆者の一人は韓鶴子の名を挙げた[27]。解散命令請求を求める宗教2世当事者を批判し[28][29]、2023年11月号では「解散請求は危険」「解散請求は宗教ヘイト」との見出しを掲げた[30]。各号の主な記事内容は以下のとおり。

発行号 記事名 出典
2022年10月号 小川榮太郎「“安倍貶め報道”は仕掛けられた歴史戦」
藤原かずえ「○○“礼讃”の報道テロリズム」
世界日報取材班「デマを拡散させる石垣のりこ立民議員の居直り」
佐藤優「旧統一教会問題と日本共産党」		 [21]
2022年11月号 鴨野守「統一教会信者が告発！『魔女狩り報道』はこうして作られる」 [31]
2022年12月号 福田ますみ「ルポ統一教会1　新聞・テレビが報じない“脱会屋”の犯罪」 [32]
2023年1月号 福田ますみ「独占スクープ！ 統一教会問題の黒幕」
美馬秀夫、小野潤三「旧統一教会信徒議員の告白！メディアリンチと民主主義の危機」[注 1]		 [25]
2023年3月号 福田ますみ「両親が覚悟の独占告白25ページ！ 『小川さゆり』の真実」 [28]
2023年4月号 福田ますみ「“抹殺された”現役二世信者たち 実名告発！」 [33]
2023年5月号 杉原誠四郎「『統一教会』に信教の自由はないのか」 [34]
2023年6月号 福田ますみ「誰も書かない『小川さゆり』の虚言」 [29]
2023年7月号 福田ますみ「被害者でっちあげ 全国弁連の手口」 [35]
2023年8月号 谷口智彦「安倍元総理・大和西大寺・韓鶴子」 [27]
2023年9月号 福田ますみ「解散請求ゴリ押し！文化庁合田哲雄次長の『言論封殺』」
照井資規「○○・木村は単独犯なのか」		 [22]
2023年10月号 照井資規「独占スクープ！『○○銃』の新事実！ 安倍元総理はこうして殺された」 [23]
2023年11月号 山口敬之「政権内部にも渦巻く『○○単独犯説』への不信感
徳永信一「旧統一教会 解散請求問題の核心」		 [30]
2024年1月号 山口敬之「銃創への説明が二転三転！奈良県警発表の絶対的矛盾」 [36]
2024年2月号 福田ますみ「旧統一教会問題の核心！文科省も“洗脳”全国弁連こそ解散を」
山口敬之「【安倍暗殺の謎】「○○単独犯」と反トランプ勢力」		 [24]
2024年5月号 鴨野守「旧統一教会潰しで全国弁連の重大な修正」 [37]

その他 編集

詳細は「愛知県知事リコール署名偽造事件」を参照

主な連載 編集

現在 編集

など

過去 編集

著名な執筆者 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 美馬秀夫は自由民主党所属の徳島市議会議員。小野潤三は同党所属のいわき市議会議員。ともに信者であることを公表している[26]。
  2. ^ 靖国神社にちなむペンネーム
  3. ^ 宝島30→WIRED→サイゾー→WiLLより移行。
  4. ^ 名義は「爆笑問題」で田中裕二は漫才の相方として登場するが、実際は太田光が独りで執筆している（爆笑問題#出版を参照）。時事ネタ漫才がメインであり、太田と当雑誌は政治主張的には異なっているところもいくつか存在しているが、「日本原論」について「載せているのはあくまでも漫才のネタであり、政治的主張はしていない」「連載自体が転々としているのでどの雑誌でもいい」としており、町山智浩から「場違いという意識はあるか」と聞かれたが、それについても「ない」と答えており、掲載誌を読むこともせず「もともと自分の文章も読み返したくない」とも述べている。また、編集長の花田はお笑い芸人としての爆笑問題を絶賛しており、自身の雑誌で連載のオファーをしたいといった趣旨の発言をかねてからしていた[41][42]。

出典 編集

  1. ^ おお！右派雑誌『ＷiLL』分裂騒動はついに第２幕に移ったか （『創』編集長篠田博之）
  2. ^ 月刊Hanada編集部 (@HANADA_asuka) - X（旧Twitter）
  3. ^ “月刊 Hanada 2017年2月号 (発売日2016年12月20日)”. Fujisan. 2023年12月29日閲覧。
  4. ^ “第193回国会 衆議院 予算委員会 第12号 平成29年2月17日”. 国会会議録検索システム. 2022年3月18日閲覧。
  5. ^ “第193回国会 参議院 予算委員会 第11号 平成29年3月13日”. 国会会議録検索システム (2017年3月13日). 2023年12月28日閲覧。
  6. ^ “＜中部６県 立候補者アンケート＞　自民、モリカケ問う声　希望、９条改憲割れる”. 中日新聞. (2017年10月17日). https://static.chunichi.co.jp/chunichi/archives/article/senkyo/shuin2017/chu/CK2017101702000224.html 2022年5月25日閲覧。 
  7. ^ “月刊 Hanada 2017年9月号 (発売日2017年07月26日)”. Fujisan. 2023年12月29日閲覧。
  8. ^ “月刊 Hanada 2017年10月号 (発売日2017年08月26日)”. Fujisan. 2023年12月29日閲覧。
  9. ^ “月刊 Hanada 2017年11月号 (発売日2017年09月26日)”. Fujisan. 2023年12月29日閲覧。
  10. ^ “月刊 Hanada 2018年2月号 (発売日2017年12月20日)”. Fujisan. 2023年12月29日閲覧。
  11. ^ “月刊 Hanada 2019年2月号 (発売日2018年12月20日)”. Fujisan. 2023年12月29日閲覧。
  12. ^ “月刊 Hanada 2021年7月号 (発売日2021年5月26日)”. Fujisan. 2023年12月29日閲覧。
  13. ^ “月刊 Hanada 2021年8月号 (発売日2021年6月25日)”. Fujisan. 2023年12月29日閲覧。
  14. ^ 石井紀代美、中山岳 (2021年7月8日). "民意を読まぬ安倍元首相のレッテル貼り　「反日的な人が五輪に反対」に批判殺到". 東京新聞. 2021年7月9日閲覧。
  15. ^ 田所柳子 (2021年7月3日). "安倍前首相「反日的な人が五輪開催に強く反対」　月刊誌の対談に". 毎日新聞. 2021年7月14日閲覧。
  16. ^ 木谷孝洋 (2021年11月11日). “最大派閥「安倍派」発足　「改憲議論の先頭に」　森友・桜の説明はどこに？”. 東京新聞. 2023年12月12日閲覧。
  17. ^ “月刊 Hanada 2022年2月号 (発売日2021年12月20日)”. Fujisan. 2023年12月29日閲覧。
  18. ^ “われらの安倍晋三（月刊Hanadaセレクション）”. 飛鳥新社. 2024年1月14日閲覧。
  19. ^ ““統一教会”大規模会合　各国の閣僚経験者など出席　日本で批判の声高まる中、影響力示した形に”. 日テレNEWS (2022年8月12日). 2022年8月12日閲覧。
  20. ^ “旧統一教会の友好団体、韓国でのイベントで安倍元首相を追悼”. 朝日新聞 (2022年8月12日). 2022年11月16日閲覧。
  21. ^ a b c “月刊 Hanada 2022年10月号 (発売日2022年08月26日)”. Fujisan. 2023年1月26日閲覧。
  22. ^ a b “月刊 Hanada 2023年9月号 (発売日2023年07月26日)”. Fujisan. 2023年1月26日閲覧。
  23. ^ a b “月刊 Hanada 2023年10月号 (発売日2023年08月26日)”. Fujisan. 2023年1月26日閲覧。
  24. ^ a b “月刊 Hanada 2024年2月号 (発売日2023年12月20日)”. Fujisan. 2023年12月19日閲覧。
  25. ^ a b “月刊 Hanada 2023年1月号 (発売日2022年11月26日)”. Fujisan. 2023年1月26日閲覧。
  26. ^ a b “【宗教と政治】“逆風”にも地盤揺るがず 旧統一教会信者を公表し７選　ルポ　美馬秀夫・徳島市議”. 世界日報 (2023年4月28日). 2023年9月20日閲覧。
  27. ^ a b “月刊 Hanada 2023年8月号 (発売日2023年06月26日)”. Fujisan. 2023年1月26日閲覧。
  28. ^ a b “月刊 Hanada 2023年3月号 (発売日2023年01月26日)”. Fujisan. 2023年1月26日閲覧。
  29. ^ a b “月刊 Hanada 2023年6月号 (発売日2023年04月26日)”. Fujisan. 2023年1月26日閲覧。
  30. ^ a b “月刊 Hanada 2023年11月号 (発売日2023年09月26日)”. Fujisan. 2023年9月26日閲覧。
  31. ^ “月刊 Hanada 2022年11月号 (発売日2022年09月26日)”. Fujisan. 2023年1月26日閲覧。
  32. ^ “月刊 Hanada 2022年12月号 (発売日2022年10月26日)”. Fujisan. 2023年1月26日閲覧。
  33. ^ “月刊 Hanada 2023年4月号 (発売日2023年02月26日)”. Fujisan. 2023年1月26日閲覧。
  34. ^ “月刊 Hanada 2023年5月号 (発売日2023年03月26日)”. Fujisan. 2023年1月26日閲覧。
  35. ^ “月刊 Hanada 2023年7月号 (発売日2023年05月26日)”. Fujisan. 2023年1月26日閲覧。
  36. ^ “月刊 Hanada 2024年1月号 (発売日2023年11月24日)”. Fujisan. 2023年9月26日閲覧。
  37. ^ “月刊 Hanada 2024年5月号 (発売日2024年3月26日)”. Fujisan. 2024年3月28日閲覧。
  38. ^ “中傷広告の掲載抗議 「産経」「読売」に共産党広報部長”. しんぶん赤旗. (2021年10月27日). https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-10-27/2021102702_03_0.html 2023年9月23日閲覧。 
  39. ^ “愛知県・大村知事のリコール呼びかけ 高須院長らが会見（2020年6月2日）”. THE PAGE. (2020年6月3日). https://www.youtube.com/watch?v=7bxs8jPHI4o 2021年3月4日閲覧。 
  40. ^ “月刊Hanadaセレクション "愛知のテドロス"大村知事リコール！高須克弥院長熱烈応援号”. 飛鳥新社. 2021年2月24日閲覧。
  41. ^ 『爆笑問題の日本原論　自由にものが言える時代、言えない時代』（町山智浩と共著）太田出版 p6より。
  42. ^ 『爆笑問題とウルトラ7』(新潮社文庫) P254 – 261。
  43. ^ a b “月刊 Hanada 2019年9月号 (発売日2019年07月26日)”. Fujisan. 2023年1月26日閲覧。
  44. ^ “月刊 Hanada 2021年4月号 (発売日2021年02月26日)”. Fujisan. 2023年1月26日閲覧。
  45. ^ “月刊 Hanada 2022年5月号 (発売日2022年03月26日)”. Fujisan. 2023年1月26日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集

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