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日本の雇用者
(総務省統計局、2016年度労働力調査)[1]
雇用形態 万人
役員 351
期間の定めのない労働契約 3,857
1年以上の有期契約 1,136
1ヵ月~1年未満の有期契約(臨時雇) 347
1か月未満の有期契約(日雇い 73

有期労働契約(ゆうきろうどうけいやく、Fixed-term contract)とは、契約期間の満了日が設定された雇用契約であり、期間の定めのある労働契約(きかんのさだめのあるろうどうけいやく)とも呼ばれる[2]。これと対比される概念は期間の定めのない労働契約である[2]

この契約を締結する場合は、契約期間の満了後における当該契約に係る更新の有無を明示しなければならない[3]

目次

契約の更新と終了編集

契約期間が終了後、更新について異議を述べないときは、契約は同一条件で自動更新されたとみなされる。

民法第629条(雇用の更新の推定等)

  1. 雇用の期間が満了した後労働者が引き続きその労働に従事する場合において、使用者がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の雇用と同一の条件で更に雇用をしたものと推定する。この場合において、各当事者は、第627条の規定により解約の申入れをすることができる。
  2. 従前の雇用について当事者が担保を供していたときは、その担保は、期間の満了によって消滅する。ただし、身元保証金については、この限りでない。

満了による雇用終了編集

有期労働契約を更新しない場合(雇止め)、有期労働契約が3回以上更新されているか、1年を超えて継続して雇用されている労働者については、30日前までに解雇予告が必要である[3]

有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準
第二条 使用者は、有期労働契約(当該契約を三回以上更新し、又は雇入れの日から起算して一年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く。次条第二項において同じ。) を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約の期間の満了する日の三十日前までに、その予告をしなければならない。

契約の中途解約編集

有期労働契約の中途解約は、期間の定めのない労働契約よりも強く法規制されており、やむを得ない場合を除いて解雇することができない。

労働契約法(契約期間中の解雇等)
第十七条  使用者は、期間の定めのある労働契約(以下この章において「有期労働契約」という。)について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。

民法第628条(やむを得ない事由による雇用の解除) 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

しかし契約期間が5年を超える場合はその限りではなく、

民法第626条(期間の定めのある雇用の解除)

  1. 雇用の期間が5年を超え、又は雇用が当事者の一方若しくは第三者の終身の間継続すべきときは、当事者の一方は、5年を経過した後、いつでも契約の解除をすることができる。ただし、この期間は、商工業の見習を目的とする雇用については、10年とする。
  2. 前項の規定により契約の解除をしようとするときは、3箇月前にその予告をしなければならない。

また労働者側からの解約は、契約から1年を経過していればいつでも可能である。

労働基準法第137条 期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が1年を超えるものに限る。)を締結した労働者(第14条第1項各号に規定する労働者を除く。)は、労働基準法の一部を改正する法律(平成15年法律第104号)附則第3条に規定する措置が講じられるまでの間、民法第628条の規定にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。

中途解雇の予告編集

使用者側から中途解雇を行う際には、予告期間を30日置くか、または日数分の解雇予告手当を与える必要がある。しかし、経営破綻等もしくは懲戒解雇である場合は除かれる。さらに2か月以内の労働契約(日雇い)や試用期間である場合も除かれる。

労働基準法第137条 前条の規定は、左の各号の一に該当する労働者については適用しない。但し、第一号に該当する者が一箇月を超えて引き続き使用されるに至つた場合、第二号若しくは第三号に該当する者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至つた場合又は第四号に該当する者が十四日を超えて引き続き使用されるに至つた場合においては、この限りでない。

  1. 日日雇い入れられる者
  2. 二箇月以内の期間を定めて使用される者
  3. 季節的業務に四箇月以内の期間を定めて使用される者
  4. 試の使用期間中の者

無期転換編集

労働契約法改正により、有期労働契約が5年を超える場合、これを期間の定めのない労働契約に転換できる権利を得ることとなった(無期転換申込権)。

なお専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法により、厚生労働大臣から認定を受けた事業主であれば、以下の労働者は無期転換の対象外である。

  • 5年を超える一定の期間内に完了することが予定されている業務に従事する、高収入、かつ高度な専門的知識・技術・経験を持つ有期雇用労働者。期間の上限は10年間である。
  • 定年後に、同一の事業主または「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」における特殊関係事業主(いわゆるグループ会社)に引き続き雇用される有期雇用労働者。

同一労働同一賃金の推進編集

働き方改革関連法成立により、事業主は期間を定めない雇用者と待遇の相違があるときは、その理由を労働者より求められた場合は説明する義務が課せられた。

第14条2 事業主は、その雇用する短時間有期雇用労働者から求めがあったときは、当該短時間・有期雇用労働者と通常の労働者との間の待遇の相違の内容及び理由並びに第六条から前条までの規定により措置を講ずべきこととされている事項に関する決定をするに当たって考慮した事項について、当該短時間・有期雇用労働者に説明しなければならない。 3 事業主は、短時間・有期雇用労働者が前項の求めをしたことを理由として、当該短時間・有期雇用労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない

—  短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律

脚注編集

  1. ^ 労働力調査(基本集計) 2016年 (Report). 総務省統計局. (2017-01-31). 基本集計 第II-10表. http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001170226. 
  2. ^ a b 労働契約法 第四章
  3. ^ a b “有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準” (プレスリリース), 厚生労働省, (2003年10月22日), 厚生労働省告示第三百五十七号, https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/index.html 

関連項目編集