本願寺近松別院

滋賀県大津市にある浄土真宗本願寺派の直属寺院

本願寺近松別院(ほんがんじちかまつべついん)は、滋賀県大津市にある浄土真宗本願寺派の直属寺院。 住職浄土真宗本願寺派門主が兼ねるが、別院輪番が置かれて実務を主管している。

本願寺近松別院
所在地

〒520-0045

滋賀県大津市札の辻4−26
山号 (近松山)
宗旨 浄土真宗
宗派 浄土真宗本願寺派
本尊 阿弥陀如来立像
創建年 1469(文明元)年
正式名 本願寺近松別院
別称

近松御坊

顕証寺
公式サイト 浄土真宗本願寺派本願寺近松別院
法人番号 6160005000949 ウィキデータを編集
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概要 編集

近松別院は大津市中心部にある本願寺派の別院であり、本願寺の歴史の中でも重要な役割を果たした寺院の一つである。県庁所在地ではあるが、滋賀教区(滋賀県に相当)の教務所(政府で言う県庁に相当)は近江八幡市にある本願寺八幡別院内に設置されている。

歴史 編集

  • 1465(寛正6)年 - 延暦寺衆徒らによって京都東山大谷にあった本願寺が破却される(寛正の法難)。蓮如らは湖南地方に避難する。
  • 1469(文明元)年 - 当時延暦寺と対立していた園城寺(三井寺)から五別所の一つ近松寺(高観音)の寺領を分与され、近松山顕証寺を建立し、真影(親鸞の木像)を安置する。事実上の本山となる。この間蓮如は越前加賀国境の吉崎で布教する。
  • 1480(文明12)年 - 山科に本願寺が再建され、真影は山科に動座となる。
  • 1945(昭和20)年7月 - 陸軍病院保全のため強制疎開。本堂等を解体する。
  • 1981(昭和56)年 - 滋賀教区全域(滋賀県内の寺院、僧侶、門徒ら)の懇念により再建復興。

犬塚 編集

別院の近くに欅の大木の植えられた塚がある。この塚は犬塚と呼ばれている。

蓮如が吉崎に向かう前に、三井寺の関係者により壮行会が開かれた。そのなかで当時本願寺の隆盛を快く思わない者もいて、蓮如を毒殺するため調理人として刺客が送られた。ところが、蓮如の弟子の飼っていた犬が座敷に上がり込み、毒が盛られた料理を食べて死んだ。身をもって蓮如を守った犬を不憫に思い、死骸は手厚く葬られ欅を植えた。

近隣の有志による「犬塚を守る会」があり、犬塚の清掃活動や、催事などに取り組んでいる。

関連項目 編集

  • 顕証寺 (八尾市) - 大阪府八尾市にある本願寺派の寺院(旧別格別院、久宝寺御坊)。近松山顕証寺の寺号は後にここに引き継がれ、近代以降は八尾久宝寺の顕証寺住職は近松を苗字とした。戦前まで近松別院での法要は八尾久宝寺の顕証寺が勤めていた。

外部リンク 編集