札幌市交通局250形電車

札幌市交通局の路面電車車両

札幌市交通局250形電車(さっぽろしこうつうきょく250がたでんしゃ)は、札幌市交通局1961年に導入した札幌市電路面電車車両である。

札幌市交通局250形電車
基本情報
運用者 札幌市交通局
製造年 1961年
製造数 5両
廃車 254号(R4.8)・255号(R4.8)
主要諸元
自重 14.5t
全長 13,100mm
全幅 2,230mm
全高 3,515mm
台車 札幌綜合鉄工共同組合上揺れ枕式
駆動方式 吊り掛け式
出力 37.3kW×2
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概要 編集

車両番号 製造年月 種車 製造元 廃車年月
251号 1961年6月 501~
505号
苗穂工業 稼働中
252号 泰和車輌
253号
254号 苗穂工業 2022年8月
255号

1961年(昭和36年)に登場した。251~255号の5両。一連の札幌スタイルと呼ばれる丸みの多い、正面1枚窓のデザインが採用された道産電車である。車体はD1020形と同一となり、210形240形よりも全長が長く、また全高が低いため肩部の丸みが小さい。

札幌綜合鉄工共同組合で、廃車となった500形の主要機器を流用して製造された。集電装置は当初よりZ形パンタグラフであった。台車330形と同様の上揺れ枕式に変更され、藤屋鉄工で製造された。

1999年(平成11年)7月より、3両が札幌市電で最初の広告電車として運行開始された。

2022年(令和4年)8月、254号と255号が1108号・1109号の置き換えの為、廃車。

改造 編集

ワンマン化
1970年(昭和45年)10月に全車ワンマン化され、識別のため、車体に蛍光色の赤帯が入れられた。
車体更新
1978年(昭和53年)~1980年(昭和55年)にかけて車体更新が実施された。車体形状に変化はないが、側面の赤帯は白帯に変更され、裾部のステンレス製飾り帯は撤去された。
車体更新 (2)
1991年(平成3年)10月に253号、1992年(平成4年)8月に251号、10月に252号、1993年(平成5年)9月に254号、12月に255号が再び車体更新を受けた。更新工事は札幌交通機械が施工した[1]
運転席用の換気口と方向幕が一体化され、前照灯は腰部に2灯並べられたため、外観が大きく変化した。塗色は8500形と同様に変更された。
台車枠更新
251号、255号は2009年(平成21年)、254号は2010年(平成22年)に台車枠を道産台車から川崎重工業KW-188への更新を行っている。併せて屋根上の換気口撤去、天井への配線ダクト新設、3300形と同様のLED表示による車内案内装置の新設が行われている。252号、253号は当面未更新のまま使用される見込みである。
方面幕更新
2014年(平成26年)度から、3300形A1200形を除く札幌市電の全車両において方面幕を従来の幕式からLED表示に切り替える更新が施され、当形式も2015年(平成27年)までに全車両がLED表示に更新された。市電の環状化(同年12月開通)を見込んだものと思われる。
車体改修
新型車両へ更新するまで使用する既存車両のうち、未改修で劣化の進んでいる当形式について延命改修を実施することとなり[2]、2015年(平成27年)に252号、2016年(平成28年)に253号の改修が実施され、Z型パンタからシングルパンタに更新された。[1]

全面広告車両 編集

2023年12月現在、252号がビッグ、253号がプラム薬局の全面広告車両となっている。また、過去[いつ?]に251号はキュラーズ、252号はFRISK、253号は桑園自動車学校、254号は札信販、255号はQooの全面広告車両だった。1999年に初めて全面広告車両となった時の広告主はNTT東日本である。

  
:251号
:252号

主要諸元 編集

  • 全長:13,100mm
  • 全幅:2,230mm
  • 全高:3,515mm
  • 自重:14.5t
  • 定員:110人
  • 出力・駆動方式:37.3kW×2・吊り掛け式
  • 台車型式:札幌綜合鉄工共同組合上揺れ枕式

脚注 編集

  1. ^ a b 札幌市路面電車車体改修”. 札幌交通機械. 2021年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月18日閲覧。
  2. ^ 平年度3年間(平成29〜31年度)の主な設備投資の内容”. 国土交通省. 2021年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月18日閲覧。

参考文献 編集

  • 『鉄道ピクトリアル No.852 2011年8月臨時増刊号<特集>路面電車』、電気車研究会、2011年