村田製作所
株式会社村田製作所(むらたせいさくしょ、英: Murata Manufacturing Co., Ltd.)は、京都府長岡京市に本社を置く電子部品の製造ならびに販売をおこなう企業である。TOPIXcore30の一社に選ばれている。電子部品専業メーカーとして世界トップクラスに位置している。
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![]() 村田製作所本社 | |
種類 | 株式会社 |
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市場情報 |
大証1部(廃止) 6981
SGX M20
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本社所在地 |
![]() 〒617-8555 京都府長岡京市東神足一丁目10番1号 |
設立 | 1950年(昭和25年)12月23日 |
業種 | 電気機器 |
法人番号 | 4130001030475 |
事業内容 | 電子部品の製造・販売 |
代表者 |
代表取締役会長兼社長 村田恒夫 代表取締役専務執行役員 井上亨 代表取締役専務執行役員 中島規巨 |
資本金 | 694億4,400万円 |
売上高 |
連結1兆3718億円(2018年3月期) 単体 9486億円(2018年3月期) |
営業利益 |
連結1621億円(2018年3月期) 単体 84億円(2018年3月期) |
純利益 |
連結 1678億円(2018年3月期) 単体 481億円(2018年3月期) |
総資産 |
連結 1兆7970億円(2018年3月期) 単体 1兆159億円(2018年3月期) |
従業員数 |
連結 75,326名 単体 8,365名(2018年3月31日現在) |
決算期 | 3月31日 |
主要子会社 | 関連会社参照 |
関係する人物 |
河端作兵衛(河端製作所主) 村田昭(創業者) 村田泰隆(前社長) |
外部リンク | https://www.murata.com/ja-jp |
特記事項:各種経営指標は2018年3月期 |
目次
概要編集
村田昭により、1944年10月に京都市中京区四条大宮北(四坊大宮町)の元染物工場を借りて工場として創業。元々はがいしなどの陶器製品を製造する町工場であった。主力商品はセラミックスコンデンサで世界随一のシェアを占める。その他にも、セラミックフィルタ、高周波部品、センサー部品も強い。いずれも世界的に圧倒的なシェアを持つ。原材料からの一貫生産に特徴がある。村田製作所は積層セラミックコンデンサでトップの地位を走るが、「にじみ出し戦略」と呼ぶ周辺分野の企業とのアライアンス、M&Aを進めており、ここ数年は周辺の部品に領域を拡大している。さらに自動車、エネルギー(電池事業)、ヘルスケアなどの注力市場やIoTなどの新規市場に対して研究開発を促進し事業拡大を図るため、2020年には横浜市・みなとみらい地区に新たな研究開発拠点となる「みなとみらいイノベーションセンター」を開設予定である[1]。
会社としては1950年12月23日の設立だが、村田昭は生産を始める前に火を使う仕事なので(火の神様である)愛宕神社へお参りした。これを記念として後に村田製作所の創業記念日は10月15日と決められている[2]。
2000年代以降は新聞・テレビ広告にも力を入れ、「村田製作所は何をセイサクしているんだろう」という出だしで始まるテレビコマーシャルや、村田“科学少年少女”製作所といったテーマで展開される新聞広告など、企業イメージ向上に努めている。特に同社の技術を集めたムラタセイサク君というロボットが注目を集めている。2014年に会社ロゴを変更[3]。
以前はお盆と正月に集中的にテレビコマーシャルを放映していたが、これは社員が帰省した際、「村田製作所」という社名から、町工場に勤めているものと勘違いされることが多かったということを踏まえてのものであった。また、採用活動のPRも目的としている。
特徴編集
- 高い海外売上比率 海外売上比率は92.2%である(2015) 売上高1兆円以上の企業でトップの海外売上高比率である。
- 高い営業利益率 2016年2月1日時点での最新の数字で営業利益率は24.8%である。工場を多く所有する製造業としては非常に高い数字である。
- 高シェア製品 多くの高シェア製品を有する。
- 積層セラミックコンデンサ 世界シェア35% 世界一位
- SAWフィルタ 世界シェア45% 世界一位
- wi-fiモジュール 世界シェア60% 世界一位
- EMIフィルタ 世界シェア35% 世界一位
- ショックセンサ 世界シェア95% 世界一位
- 高い新製品率 売上高における新製品の割合が40%である。
主な製品編集
スポンサー提供番組編集
- FNN stsニュース サガテレビ
- かちかちPress サガテレビ
- 開運!なんでも鑑定団 - テレビ東京(TXNほかネット)
- 日経スペシャル ガイアの夜明け - テレビ東京
- Science Xitalk(サイエンス・サイトーク) - TBSラジオ
- 未来授業 - エフエム東京
- ラジオ空想科学研究所 - ニッポン放送※「村田製作所PRESENTS」の冠タイトルを付けて『村田製作所PRESENTS (パーソナリティ)のラジオ空想科学研究所』というタイトルで放送している
テレビCM編集
ロボット製作編集
自社の技術や製品を生かしたロボット製作も進めている。
ムラタセイサク君編集
ムラタセイサク君(ムラタセイサクくん)とは、自転車に乗ったロボットで、倒れることもなく前にも後ろにも自力で進め止まれる機能を持つ。1990年に開発された自立走行ロボットを元に、ジャイロセンサなどムラタの技術を集めて2005年に発表された[5]。
- 大きさは50cmで5kg
- 電源モジュール(DC-DCコンバーター)
- NTCサーミスター
- ジャイロセンサー:左右の揺れを検知し胸部の円盤を回転させることでバランスを調整
- ショックセンサー:段差や振動の検知
- 超音波センサー:障害物検知
- パワーライン用部品としてコンデンサーとインダクター
- アンテナ:PCや携帯と通信して遠隔操作や画像の撮影と送信
ムラタセイコちゃん編集
その後の過程で周りからの要望を受け一輪走行技術の開発に成功したことや、内外からムラタセイサク君の女の子バージョンはないのかと言う声が上がったことなどを受け、2008年9月23日に一輪車走行を行う女の子キャラクターの一輪車ロボ「ムラタセイコちゃん」が発表された。ムラタセイコちゃんは若いスタッフを中心に開発し、デザインも若い女性社員が担当した[6]。「ムラタセイサク君の父方の年下のいとこ」という設定になっている。
- 大きさは50cmで6kg
- DC-DCコンバーター
- ジャイロセンサー
- 超音波センサー
- Bluetoothモジュール
ムラタセイサク君TypeECO編集
2010年に発表したムラタセイサク君より省電力で環境性能を向上させたモデル[7]。
村田製作所チアリーディング部編集
2014年9月25日に発表されたチアリーディングロボット10体。京都大学松野研究室との共同開発でボールに乗ってバランスを取りながら10体が落ちたり、ぶつかることなく演技をする[8][9][10][11]。テーマソングの『チア・チア』はやくしまるえつこが歌っている。
関連会社編集
国内関連会社
- 株式会社登米村田製作所 (宮城県登米市)
- 株式会社金沢村田製作所仙台工場 (宮城県仙台市)
- 株式会社ムラタエレクトロニクス (神奈川県横浜市西区)
- 株式会社アズミ村田製作所 (長野県安曇野市)
- 株式会社小諸村田製作所 (長野県小諸市)
- 株式会社富山村田製作所 (富山県富山市)
- 株式会社氷見村田製作所 (富山県氷見市)
- 株式会社穴水村田製作所 (石川県鳳珠郡穴水町)
- 株式会社ワクラ村田製作所 (石川県七尾市)
- 株式会社ハクイ村田製作所 (石川県羽咋市)
- 株式会社金沢村田製作所 (石川県白山市)
- 株式会社小松村田製作所 (石川県小松市)
- 株式会社金津村田製作所 (福井県あわら市)
- 株式会社アスワ村田製作所 (福井県福井市)
- 株式会社福井村田製作所 (福井県越前市、越前町(宮崎工場))
- 株式会社鯖江村田製作所 (福井県鯖江市)
- 株式会社大垣村田製作所 (岐阜県大垣市)
- 株式会社岡山村田製作所 (岡山県瀬戸内市)
- 株式会社出雲村田製作所 (島根県出雲市)
- 株式会社イワミ村田製作所 (島根県大田市)
- 株式会社伊勢村田製作所 (三重県津市)
- 株式会社東北村田製作所(福島県郡山市)
- 東京電波株式会社 (東京都大田区)
- 東光株式会社(埼玉県鶴ヶ島市)
- 村田土地建物株式会社 (京都府長岡京市)
- ムラタソフトウェア株式会社 (東京都渋谷区)
- ムラタ分析パートナー株式会社 (石川県白山市)
- 株式会社ムラタ栄興 (京都府長岡京市)
海外関連会社
- Peregrine Semiconductor Corp. (USA)
- Murata Electronics North America, Inc. (USA)
- Murata Electronics Trading Mexico,S.A. de C.V. (Mexico)
- Murata World Comercial Ltda. (Brasil)
- SyChip,L.L.C. (USA)
- Murata Power Solution, Inc. (USA)
- Murata Power Solution(Toronto) ULC (Canada)
- Murata (China) Investment Co.,Ltd. (China)
- Beijing Murata Electronics Co., Ltd. (China Beijing)
- Wuxi Murata Electronics Co.,Ltd. (China Wuxi)
- Shenzhen Murata Technology Co.,Ltd. (China Shenzhen)
- Murata Electronics Trading(Tianjin)Co.,Ltd. (China Tianjin)
- Murata Electronics Trading(Shanghai)Co.,Ltd. (China Shanghai)
- Murata Electronics trading(Shenzhen)Co.,Ltd. (China Shenzhen)
- Murata Company Limited (China HongKong)
- Hong Kong Murata Electronics Company Limited (China Hong Kong)
- Taiwan Murata Electronics Co., Ltd. (China Taiwan)
- Korea Murata Electronics Company, Limited (Korea)
- SyChip Electronic Technology(Shanghai)Ltd. (China)
- Murata Power Solutions(Shanghai)Co.,Ltd. (China)
- Guangzhou Murata Power Solutions Limited (China)
- Murata Electronics(thailand),Ltd. (Thailand Lamphun)
- Murata Electronics(Malaysia) Sdn.Bhd. (Malaysia Batu Gajah)
- Murata Electronics Singapore(Pte.)Ltd. (Singapore)
- Thai Murata Electronics Trading,Ltd. (Thailand)
- Murata Electronics Philipincs inc. (Philippines)
- Murata Electronics(Malaysia)Sdn.Bhd.Kuala Lumpir office (Malaysia)
- Murata Electronics(Malaysia)Sdn.Bhd.Penang office (Mlaysia)
- Murata Electronics(India)Private Limited (India)
- Murata Electronics(Vietnam)Co.,Ltd. (Vietnam)
- Murata Electronics Europe B.V. (Netherlands)
- Murata Electronics Europe B.V. Helsinki Office (Finland)
- Murata Electronics Oy (Finland)
- Murata Electronics(Netherlands)B.V. (Netherlands)
- Murata Electronics(Netherlands)B.V. Stokholm Office (Sweden)
- Murata Electronics(Netherlands)B.V. Barcelona Office (Spain)
- Murata Electronics(UK)Limited (U.K)
- Murata Electronik GmbH (Germany)
- Murata Electronik GmbH Budapest Office (Hungary)
- Murata Electroniqus SAS (France)
- Murata Integrated Passive Solutions S.A. (France)
- Murata Elektronik GmbH, Opfikon Branch,Switzerland (Switzerland)
- Murata Elettronica S.p.A. (Italy)
- Murata Power Solutions(Milton Keynes)Limited (U.K)
- Murata Power Solution(Celab)Limited (U.K)
過去の関連会社編集
- 電気音響株式会社…1982年9月、村田製作所が55%の株式を取得し傘下におさめた。1989年4月、村田製作所本体に吸収合併され消滅。
- 株式会社ナナオ(現・EIZO)… 1968年に村田製作所創業家により三菱電機の白黒TVのOEM生産を目的として設立された[13]。両社間に資本関係はないものの、同社出身者が社長を務めており、また村田家が大株主であるなどといった人的関係が存在する[14]。
- 株式会社ムラタアクティブパートナー…2018年4月1日、村田製作所本体に吸収合併され消滅[15]。
脚注編集
- ^ 村田製作所 新たな研究開発拠点「みなとみらいイノベーションセンター」を横浜みなとみらい21地区に設立(株式会社村田製作所 2017年11月29日)
- ^ http://www.murata.co.jp/corporate/history/chapter01.html
- ^ ロゴマーク変更のお知らせ
- ^ テレビCM - 村田製作所 2011年12月31日閲覧
- ^ http://www.murata.co.jp/news/2005/050929.pdf
- ^ 特設サイトの開発者インタビューより
- ^ ムラタセイサク君®TypeECOとは
- ^ (全録)村田製作所会見 新型ロボット10体がダンスパフォーマンス
- ^ 新作ロボ「チア部」息ピッタリ 村田製が開発
- ^ 最新ロボット「村田製作所チアリーディング部」開発発表
- ^ 村田製作所チアリーディング部 結成
- ^ 10体の玉乗りロボット「村田製作所チアリーダー部」発表
- ^ “電子部品工業における子会社・分社化および海外展開 :1980年代までの村田製作所の場合 (PDF)”. 2017年4月24日閲覧。
- ^ “当社株式の大量取得行為への対応方針(買収防衛策)に関するお知らせ (PDF)”. EIZO株式会社 (2016年5月9日). 2017年4月24日閲覧。
- ^ 連結子会社の吸収合併に関するお知らせ