東京タワースタジオ(とうきょうタワースタジオ)は、東京都港区芝公園4-4-7に存在したテレビスタジオ。旧名称は東京タワー芝公園スタジオ。

2016年2月14日 東京タワースタジオ
東京タワースタジオ

歴史 編集

かつては、この建物をテレビ東京日本科学技術振興財団のテレビ事業本部(東京12チャンネル。1973年11月1日から『株式会社東京十二チャンネル』に移管)時代から本社・放送センターとして使用していた。

当初より、この建物及び立地している土地は東京タワーの運営会社である日本電波塔(現:TOKYO TOWER)の所有であり、テレビ東京が本社として使用していた当時は日本電波塔に家賃を払って使用していた。そのため、この建物には「東京タワー放送センター」という別称が付与されていた[1]

しかし、1985年12月12日にテレビ東京が本社虎ノ門4-3-12の日経電波会館に移転した後、管理主体が関連会社の「ACT」に移管され、「テレビ東京スタジオセンターTXC)」として再スタートし、同時にケーブルテレビジョン東京の送出センターが入居した。この頃までは塔屋に「東京12チャンネル JOTX-TV→テレビ東京12」と描かれた看板が、壁面には番宣の垂れ幕が掲げられていた。建物名称はその後(1987年ごろ)変更され、新たに「芝公園スタジオ」となる。

テレビ東京は、虎ノ門への本社移転後も天王洲スタジオ完成まで多くの番組がこのスタジオで収録されていたが、同施設完成後は本来の地権者及び建物所有者である日本電波塔の管理に移行され(スタジオ内設備運営はテクノマックスに委託)、建物名称も「東京タワー芝公園スタジオ」に改められた。さらにその後(2007年ごろ)、運営主体となっている日本電波塔の子会社「株式会社東京タワースタジオ」が設立され、建物名称も正式に「東京タワースタジオ」と再度改められた。

建物が1964年に完成して以来築48年と老朽化していたことなどから、2012年9月30日を以って閉鎖された[2]。なおテクノマックスは、同所の閉鎖に伴い2012年10月から東京メディアシティTMC-A1スタジオの管理を請け負い、このスタジオを同社のメインスタジオとして営業している(テクノマックスは運営のみ、スタジオ管理は国際放映が担当)[3]

その後、内部の改装工事(これに合わせテレビ収録用の機材をすべて撤収、一部は廃棄)を行った後、2013年10月1日には建物名称はそのままに、テレビスタジオ及び関連諸室として使用していた場所はパソナグループが運営する「スターライズタワー」という多目的レンタルスペースとして新たに営業を開始した[4]。さらに2014年1月16日には、建物名称を「東京タワーメディアセンター」へと変更している(スターライズタワーは東京タワーメディアセンターのテナントとなった)。

現在は、「スタジオアース」「スタジオジュピター」「スタジオヴィーナス」[5]として、各種イベントなどに使用されている。まれにテレビ番組の収録も行われている。

スタジオ 編集

ハウフルス制作番組の多くがここで収録されていた。末期は第1・第2スタジオのみ使用されていた。

上記のスタジオ以外での使用ではBSジャパンの「Premium Korea 韓流ファクトリー」でも当スタジオ施設内の会議室を使用して収録を行なっていたこともある。

テレビ東京(東京12チャンネル)時代 編集

テナント 編集

備考 編集

  • 同所で最大面積を誇る第1スタジオであるが、実際の床面積は約150坪であり、テレビ東京が同所を本社として使用していた当時においても、また閉鎖された2012年時点においても、「在京局のグランドスタジオ」としては最小と言えた。1985年にテレビ東京が虎ノ門に本社を移転したことで、テレビ東京の「グランドスタジオ」は50坪広くなった(200坪の第1スタジオ)が、実はそれでも在京局のグランドスタジオでは最小面積である。2016年11月7日にテレビ東京は六本木グランドタワーに移転したが、新社屋のグランドスタジオの面積は神谷町時代と全く変わっていない。
    ちなみに、次に狭いのが日本テレビ汐留本社のS1スタジオで、面積211坪である。在京局のグランドスタジオは200坪台半ばが平均的な面積のようである[7]
  • 立地としては丘の中腹に建っていることから、正面玄関は4階に設置されていた。なお、同所では4階を指して「L階(Lobby=ロビー階)」と呼んでいた。
  • スタジオの立地の良さから、在阪民放各局が東京での番組収録の際にはこのスタジオを使う事も多かった[8]
  • 過去に「ボキャブラ天国」「あらびき団」を収録していた関係で、お笑い出世に縁があるスタジオとして若手お笑い芸人には芸人のトキワ荘とも呼ばれていた。
  • 2009年7月には、アメージング・レース(シーズン15)の日本収録の際、タスクの1つとして東京タワースタジオ内で「すしルーレット」というゲームをおこなった。
  • 2015年8月30日よりシアタープロレス花鳥風月が試合会場として定期使用を開始。8月8日はMarvelousが女子プロレス団体として初使用[9]
  • NHK連続テレビ小説あまちゃん』第20週「おらのばっぱ、恋の珍道中」第116話(2013年8月13日放送)で東京見物をした天野夏(宮本信子)が橋幸夫(本人)に再会する場面があり、そのシーンで「東京シティスタジオ」として本スタジオが使用された。

脚注 編集

  1. ^ テレビ東京の旧虎ノ門本社も同社の親会社である日本経済新聞社の所有であり、正式名称は「日経電波会館」である。
  2. ^ 東京タワースタジオ、今年9月末で閉鎖へ文化通信.com 2012年3月10日
  3. ^ スタジオ営業変更のお知らせ 株式会社テクノマックス 2012年9月
  4. ^ 若手アーティストを支援する新施設 「スターライズタワー」が東京タワーにオープン fashionsnap.com、2013年10月11日。
  5. ^ 「スタジオマーキュリー」もあるが、工事中としている。
  6. ^ 第4スタジオは芝公園スタジオとして運営していた当時、常設機材の老朽化や稼働率の低さから一旦閉鎖していた時期もあったが、1989年にTBSビジョンなど外部技術会社の払い下げ機材などを購入し、使用を再開した。
    しかし常設した中古機材も老朽化が進んだ事で再び閉鎖され、後に常設機材をすべて撤収し、スタジオの場所のみを貸し出すという「箱貸し」での使用に切り替えていた。
  7. ^ 日本テレビについては、番町スタジオのC1・C2スタジオ(265坪)が最大面積となる(かつては旧麹町分室にあった250坪のGスタジオ)。他局の例としてはTBSテレビのA・B両スタジオが共に260坪、テレビ朝日の第1スタジオが245坪。民放では最大面積である300坪を誇るフジテレビのV4スタジオ(数字だけを見れば、同所第1スタジオの2倍の広さを誇る)や、日本の放送局にあるスタジオとしては最大面積の350坪を誇るNHK放送センターのCT-101スタジオはもはや別格と言って良い広さである。
  8. ^ このスタジオの他には、世田谷区にあるTMC砧スタジオ・レモンスタジオなどがよく使われる。
  9. ^ 女子プロレス試合観戦…長与千種にアンナ大興奮”. スポーツ報知 (2016年8月9日). 2016年8月19日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集

座標: 北緯35度39分28秒 東経139度44分41.3秒 / 北緯35.65778度 東経139.744806度 / 35.65778; 139.744806 (スターライズタワー)