東山中学校・高等学校

日本の京都府京都市にある私立中学校・高校

東山中学・高等学校(ひがしやまちゅうがく・こうとうがっこう)は、京都府京都市左京区永観堂町にある私立男子校

東山中学校・高等学校
地図北緯35度0分48.5秒 東経135度47分38.8秒 / 北緯35.013472度 東経135.794111度 / 35.013472; 135.794111座標: 北緯35度0分48.5秒 東経135度47分38.8秒 / 北緯35.013472度 東経135.794111度 / 35.013472; 135.794111
国公私立の別 私立学校
設置者 学校法人佛教教育学園
校訓 『醇厚中正』『質実剛健』『恭倹勤敏』
設立年月日 1868年(明治元年)
創立記念日 10月23日
創立者 勤息義城
共学・別学 男子校
中高一貫教育 併設型
課程 全日制課程
単位制・学年制 学年制
学科内専門コース ユリーカコース
エース特進コース(中3から)
エースコース
パスカルコース
クレセントコース
トップアスリートコース
学期 2学期制
学校コード C126310000088 ウィキデータを編集(中学校)
D126310000077 ウィキデータを編集(高等学校)
高校コード 26507B
所在地 606-8445
京都府京都市左京区永観堂町51
外部リンク 公式ウェブサイト
ウィキポータル 教育
ウィキプロジェクト 学校
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学校法人佛教教育学園が設置している(学校法人東山学園が、佛教大学などを運営する学校法人浄土宗教育資団と2009年平成21年)に合併)。学校長は塩貝省吾。姉妹校に上宮高等学校(大阪府)と鎮西中学校・高等学校(熊本県)がある。

概要 編集

1868年(明治元年)に、浄土宗総本山知恩院第73世名誉学天大僧正であった勤息義城(ごんそくぎじょう)によって設立された学問所勧学院が母体となり、浄土宗教校京都校以来の歴史を持つ学校である。生徒数は約1,500名(2013年平成25年〉現在)。2018年に創立150周年を迎えた。

校地は永観堂南禅寺の間にあり、哲学の道琵琶湖疏水が近くにある。学校施設は食堂図書館などのほか、2009年平成21年)8月に完成した醍醐総合グラウンドを初め、3ヶ所(醍醐、中学、校内第二)のグラウンドがある。このうち醍醐総合グラウンドは、高校の体育の授業、体育祭、球技大会、クラブ活動、中学の球技大会および体育祭などに使用されるほか、使用されていない場合は一般開放されることもある。なお、25メートルプールもあるが、現在は老朽化のため使用されていない。2012年には西館が、2014年には、南館及び講堂が建て替えられ、さらに2016年には図書館棟に耐震化と内装の改修工事が行われた。

2012年に、南京都高校(現・京都廣学館高等学校)の完全共学化により、高等学校は京都府内で外部進学が可能な唯一の男子校となった[注 1][注 2]

東山3大オリジナルツール 編集

  • Blue Globe Note
    • 2006年度から採用された。新しい形の生徒手帳。発案者は福地信也教諭(当時)で、年間カレンダーやTo Doリストなど一般的な手帳と変わらない内容のほか、イチロープロ野球選手)や若田光一宇宙飛行士)および、所属する各教諭のメッセージも記載されている。2008年度では、学校長や歴代の著名な卒業生からのメッセージが掲載されている。
  • 10年カレンダー
    • 入学からの10年間が記されたカレンダー。10年という大きなスパンで未来を俯瞰することで、より大きな夢を生徒に描かせることが狙い。長期的展望を計画させ、夢の実現に向けたアクションをうながすツールでもある[1]。入学時に配布される。
  • 3年日記
    • 自分の成長の歴史を記録するツール。日々の努力の継続が今の自分を創っていることを認識させるもの[2]。平成29年度日本グラフィックサービス工業会会長賞受賞作品[3]

夢ナビ 編集

正式名称は、「夢ナビゲーション」。中学1年生を対象として開催している、自分の将来をよく見つめるための講座。土曜講座に2ヶ月に1回のペースで開催されている。内容は、グリム童話イソップ物語を用いて、教訓を学んだり教養を見につけたりすることが多い。担当教諭は福地信也校長代行である。

土曜講座 編集

B週の、土曜日に開かれる講座。中学校では、各業界の一線で活躍する著名人の講演会や体験学習、授業がメインとなる。高等学校では、1、2年生が国語・数学・英語の3教科に絞って70分授業を3コマ行う。3年生は主要教科から選択できる。パスカルコース、エースコース、ユリーカコースは必須受講で、クレセントコースは希望制である。

沿革 編集

  • 1868年10月 - 京都市東山知恩院境内に創立(勧学院)
  • 1879年7月 - 浄土宗総本山宗学校に改称
  • 1884年7月 - 西部大学林に改称
  • 1898年9月 - 第五教区宗学教校に改称
  • 1909年7月 - 現在地に移転
  • 1912年4月 - 東山中学校(旧制)開校
  • 1947年4月 - 東山中学校(新制)設立
  • 1948年4月 - 東山高等学校(新制)設立
  • 1951年4月 - 商業科設立
  • 1963年4月 - 東山中学校再開
  • 1976年4月 - 特コース設立
  • 1990年4月 - 一貫コース設立
  • 2003年4月 - パスカルコース等設立
  • 2004年4月 - プラトンコース設立
  • 2009年4月 - 運営法人が、学校法人浄土宗教育資団と合併。法人名を佛教教育学園に改称。
  • 2010年4月 - プラトンコースをパスカルコースに統合
  • 2012年3月 - 新体育館改修工事完了
  • 2012年4月 - 西館校舎A棟・B棟竣工(西館建替)
  • 2012年6月 - 西館前に記念碑モニュメント「共に生きる」設置[4]
  • 2014年4月 - 南館・講堂が落慶
  • 2017年7月〜10月 - 図書館棟を改修、耐震工事
  • 2018年4月 - スーペリアコースをパスカルコースに統合
  • 2018年10月 - 150周年記念式典を挙行

この項の内容は『東山中学・高等学校創立一五〇周年記念誌』による[5]

学科 編集

中学校 編集

  • Super進学系
    • ユリーカコース - 医歯薬、主に理系分野の国公立大学進学を6ヵ年一貫教育で目指す。原則として、コース変更はない。
    • エースコース - 国公立、私立大学への進学を目指し、6ヵ年で体系的に学ぶ。中学3年生からエース特進コースが設置される。

一部の成績簿優秀者は中学3年、高校1年、高校2年進級時に希望制でユリーカコースに変更が可能である。

ユリーカコースとエースコースにカリキュラムの違いはなく、進度は共通、深度が異なる。ユリーカコースの方がより発展的な内容まで取り扱う。

高校 編集

  • Super進学系
    • パスカル(理系特進)コース - 医歯薬等、国公立大学レベルの大学進学を目指す。
  • Neo-進学系
    • クレセント(普通)コース - 私立大学の合格を目指す。指定校推薦・高大連携事業枠で大学に進学する例が多い。
    • トップアスリート(スポーツ)コース - 科学的な理論に基づいた運動選手の育成を目指す。

それぞれのコースで、高校2年進級時に文系と理系に選択希望を提出し、それを元にクラス分けがなされる。ただし、パスカルコースは2019年度より全て理系選択。トップアスリートコースは全て文系選択となる。

学習教科 編集

中学校 編集

【エースコース・ユリーカコース】

国語A(読解・現国など) 国語B(文法・古文など) 幾何 代数 地理(中学1年) 歴史(中学2年) 公民(中学3年) 理科1分野 理科2分野 英語A(グラマー) 英語B(リード) 英語C(コミュニケーション) 宗教 技術家庭(週毎に異なる) 音楽 美術 保健体育 柔道(中学2年) ロングホームルーム

また、A週B週制を採用し、金曜日は週によって1.2限の時間割が異なり火曜日は7時間目まで授業がある。B週土曜日は、土曜講座扱いで出欠には関わらない。

高等学校 編集

【全コース共通】 国語総合 現代文B 古典B 数I 数II 数A 数B 化学基礎 現代社会 世界史A 世界史B コミュニケーション英語 宗教 体育 保健 家庭基礎 芸術〔音楽・美術・書道のうち1つ選択〕 総合的な学習の時間(朝読書)

【エースコース・ユリーカコース・パスカルコース】 物理基礎 物理《理系》 生物基礎 生物《文系・理系》 化学基礎 化学《文系・理系》

【トップアスリートコース・クレセントコース】 地学基礎

授業料軽減補助金制度 編集

  1. 特待生(富田保治育英会奨学生)
    対象:パスカルコース 年額600,000円
  2. 東山会(保護者会)奨学生
    年額60,000円
  3. 浄土宗奨学生
    年額50,000円

クラブ活動 編集

高等学校の運動部はトップアスリートコースやクレセントコース所属の部員が中心であり、中高一貫生、パスカルコースの生徒は授業のコマ数の関係もあり、クラブに参加しにくいという生徒も多い。

運動部
  • 高等学校は全国大会出場クラスの部を多く有する。
    • 卓球部は京都府代表として65年連続、計65回全国高等学校卓球選手権大会に出場し、7回の優勝を経験している。しかし、2016年にはインターハイ出場権を逃した。
    • バスケットボール部は1999年のウィンターカップベスト8、2016年には準優勝を経験。2015年のインターハイでは3位、2016年・2020年には準優勝まで上り詰めた。
    • バレーボール部は2020年の春の高校バレーでは予選で前回優勝の洛南に勝利し、全国大会では洛南に続き一度もセットを取られず完全優勝を果たした[6](春高が1月に移転後では前回出場しなかったチームの優勝も史上初でもある)。
    • 硬式テニス部はインターハイ団体戦22回、全国選抜高校テニス大会8年連続、計20回出場(平成23年3月現在)。第33回全国選抜高校テニス大会にはベスト8進出。
    • 硬式野球部は甲子園4回・4回)出場をしている。
    • 軟式野球部は全国高等学校軟式野球選手権大会に出場をしている。国民体育大会では、優勝を経験している。
    • サッカー部は2022年第101回全国高校サッカー選手権大会にて準優勝を経験した。
  • 水泳部は、2015年の京都府私学大会で優勝を果たした。
  • 水泳部・陸上競技部は2016年に近畿大会出場を果たした。
文化部
  • 写真部が全国大会の常連になっている。
  • ロボット研究会は世界大会にも出場したことがある。
  • 吹奏楽部はソロ部門で最優秀賞を受賞したことがある。

運動部 編集

  • 硬式野球部(高等学校のみ)
  • 軟式野球部
  • バスケットボール部
  • バレーボール部(高等学校のみ)
  • ハンドボール部
  • 硬式テニス部(高等学校のみ)
  • ソフトテニス部(中学のみ)
  • バドミントン部
  • サッカー部
  • ラグビー部(高等学校のみ)
  • 陸上競技部
  • 卓球部
  • 水泳部
  • 柔道部
  • 剣道部
  • 登山部(高等学校のみ)

文化部 編集

  • コンピュータ部(高等学校のみ)
  • 写真部(高等学校のみ)
  • 将棋部(中学)将棋同好会(高校)
  • 書道部(高等学校のみ)
  • 吹奏楽部
  • 理科部(中学)サイエンス部(高校)
  • 地学部【休部中】
  • 美術部(高等学校のみ)
  • 放送部(高等学校のみ)
  • 社会科学研究部(高等学校のみ)
  • ロボット研究会
  • 茶道部(中学校のみ)
  • 空手同好会
  • レスリング部(柔道部内)
  • 鉄道研究会
  • 数学研究同好会
  • 脳科学研究会
  • GCC (グローバルコミュニケーションクラブ)

主な卒業生 編集

スポーツ以外 編集

スポーツ 編集

野球 編集

サッカー 編集

バスケットボール 編集

ラグビー 編集

競輪 編集

その他 編集

交通 編集

路線バス 編集

  • 京都市営バス「南禅寺・永観堂道」バス停(5系統)下車 東へ徒歩5分、「東天王町」バス停(5・3293急行100203204系統)下車 東南へ徒歩8分。「宮ノ前町」バス停(32急行100)下車 南へ徒歩6分。

鉄道 編集

併設校 編集

エピソード 編集

  • 2009年平成21年)8月25日午前8時20分頃、登校中の東山中学・高校の生徒・教員ら47人と付近住民2人が、市営地下鉄蹴上駅北側出口付近(京都市左京区南禅寺福地町)の路上でスズメバチに頭などを刺され、うち17人が病院に搬送された。
  • 2017年 (平成29年) 12月4日(月)午前11時過ぎに2頭のイノシシが校内に侵入、一頭は捕獲されもう一頭は麻酔銃によりプールで溺死。幸い怪我人は出なかった。しかし校舎内に侵入し窓を破壊するなどの被害が発生した[7]

学校長 編集

塩貝 省吾

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ かつては南京都の他に、京都翔英大谷平安洛南花園高校があった。
  2. ^ 洛星高校は2013年に完全中高一貫校化した。

出典 編集

  1. ^ 10年カレンダー”. 2020年4月17日閲覧。
  2. ^ 3年日記”. 2020年4月17日閲覧。
  3. ^ 速報! 「ジャグラ作品展」受賞しました。”. 2020年4月17日閲覧。
  4. ^ 教育環境”. 東山中学校・高等学校. 2022年5月18日閲覧。
  5. ^ 東山中学・高等学校創立一五〇周年記念誌p.134-151
  6. ^ 初優勝の京都・東山、100点満点の勝利 春高バレー”. 産経新聞 (2020年1月13日). 2021年2月9日閲覧。
  7. ^ 京都でまたイノシシ 学校に侵入、永観堂も”. 日本経済新聞 (2017年12月5日). 2021年1月19日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集