株式会社東急ハンズ(とうきゅうハンズ、: TOKYU HANDS INC.)は、大都市を中心にホームセンターをチェーン展開する企業。東急グループに属し、東急不動産ホールディングスの傘下にある。

株式会社東急ハンズ
TOKYU HANDS INC.
ShinjukuEastside03.JPG
本社が入居する新宿イーストサイドスクエア
種類 株式会社
略称 ハンズ、TH
本社所在地 日本の旗 日本
160-0022
東京都新宿区新宿六丁目27番30号
設立 1976年8月28日
業種 小売業
法人番号 5011001016616
事業内容 都市型ホームセンターおよび専門店の展開
代表者 木村成一代表取締役社長)
資本金 4億円(2018年3月31日時点)[1]
売上高 960億3,200万円(2018年3月期)[1]
営業利益 3億7,600万円(2018年3月期)[1]
経常利益 2億8,500万円(2018年3月期)[1]
純利益 △8億9,200万円(2018年3月期)[1]
純資産 118億8,600万円
(2018年3月31日時点)[1]
総資産 383億7,700万円
(2018年3月31日時点)[1]
従業員数 2,815人(2018年4月1日現在)
決算期 3月末日
主要株主 東急不動産ホールディングス 100%
外部リンク http://www.tokyu-hands.co.jp/
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ブランド・ステートメントは「ここは、ヒント・マーケット。」。

来店客やメディアでは「ハンズ」と略称されることも多い[2]

目次

概要編集

東急ハンズは、住まいと生活に関連する商品を多く取り扱う、市街地立地型のホームセンター。生活雑貨を主体とした細かな品揃えを特徴としており、郊外立地型のホームセンターのような大型商品の陳列は少数にとどめている。カーナビなどでは「デパート」に分類されている場合もある。

東急不動産は1976年(昭和51年)、遊休地利用を図るため、新規事業として浜野安宏の提案によりホームセンター事業に参入する。同年11月、神奈川県藤沢市に第1号店の藤沢店を出店した。東急ハンズの本社機能は1976年の創業以来、東京渋谷に置かれていたが、2014年7月に新宿イーストサイドスクエアに移転している[3]

首都圏各地で高い集客力を見せた東急ハンズのブランド力は、地方都市においても注目された。地方中核都市では再開発事業で新たに建設される複合ビルのキーテナントとして出店を打診されることがあり、業態の特性から広大な商圏人口が必要とされるためその出店は限られていたが、2011年より地方中核都市への出店を開始している。

取り扱う品目は非常に多岐にわたる。家庭で使う食器・調理器具、掃除・洗濯・風呂用品、寝具、文具、インテリアのほかファンシーショップ、バラエティーグッズの店としても知られる。また、プロが利用するような特定業界向けの工具や素材・材料類を工作マニア向けに提供する機能も担う。さらに、それらの商品についてメーカー各社の品揃えや使用方法や応用に精通する店員が、詳細に案内・実演したり、商品を探す顧客からの問い合わせや取り寄せ依頼に対応したりする点でも、他店との差別化を図っている。

売れ筋に絞らず多様な商品を並べることで、「ついで買い」を促したり、新しい発見を求めて来店する顧客を呼び込んだりして、売り上げを増やすロングテール戦略で知られる[4]

それまで見たことはあっても、入手手段さえわからなかったような工芸用道工具類や金属材料、樹脂材料などが、どちらかといえば場違いな市街地の小ぎれいな店頭に並べられ、適量に小分けして販売される様子は一種のカルチャーショックを与えたともいわれ、郊外型ホームセンターなどがそのような品揃えを重視する先陣を切ることとなった。

こうした高機能の商品を初心者が使用するにあたって、的確なアドバイスが行えるスタッフを充実させ、顧客層を開拓する戦略も採っている。他にもからシルバーアクセサリー手品の小道具などといったパーティーグッズまで幅広いジャンルの商品が並び、東急ハンズで扱ったことがきっかけで流行になった商品も多い。

このほか店頭を介さない販売形態として、ネットストア(商品点数約7万種類)を運営しているほか、法人営業部が企業向けなどに商品の販売やオーダーメイド調達を請け負っている。後者では、外国企業を含めて1万6000社以上の製品について約9600社の取引先から情報を集め、100万種類以上の商品を提案可能としている[5]

前述のように東急ハンズは東急不動産グループ傘下に属しており、同社と東急コミュニティー東急リバブルのグループ3社が発行済株式の75%を保有している。かつては東京急行電鉄も25%(360万株)の株式を保有していたが、2004年(平成16年)9月30日付で全ての保有株式を中央三井信託銀行系列の投資事業有限責任組合へ譲渡した。

その後の2013年(平成25年)10月、東急不動産は、東急コミュニティー及び東急リバブルとともに、共同持株会社・東急不動産ホールディングスを設立した。そして2014年(平成26年)4月、東急不動産ホールディングスは3社から株式を取得して、東急ハンズを直接傘下に収めた[6]

TOKYUポイント加盟店。

店舗の種類編集

各種の店舗ブランドについて述べる。

東急ハンズ編集

同社の主要なブランド。店舗面積5,000m2前後の大型店舗。国内では北海道、宮城県、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、長野県、静岡県、愛知県、三重県、石川県、大阪府、京都府、奈良県、兵庫県、岡山県、広島県、愛媛県、福岡県、長崎県、熊本県、大分県、鹿児島県、沖縄県の24都道府県43店舗(FC6店舗含む[注 1][7]、2016年12月時点)、海外3店舗(上海店・シンガポール店2店舗。後述の台湾店を除く)を展開するが、その内13店舗が南関東の1都3県に集中している。常毛(北関東)や山陰・西東北(出羽)地方には出店していない。大半の店舗でワンフロアごとに、個々の分野の商品群を展開するのが特徴であり(後述)、新宿店・名古屋店出店の際は大家でもある高島屋がワンフロアでの出店を希望したのに対し、わざわざフロアの一部を縦に打ち抜く形の店舗となった(博多店も同様の形態となっている)。一方、1フロアあるいは2フロアのみの小規模出店となった店舗も存在する[注 2]ほか、店舗の移転などによる規模縮小となった店舗も存在する[注 3]

名古屋市内の2店舗と三重県桑名市のイオンモール桑名店では近鉄グループの傘下である三交クリエイティブ・ライフによるフランチャイズ(FC)店舗であり、他地域の東急ハンズで行われているサービスの一部が利用できない。ただし、HANDS CLUB CARDのサービスは2012年10月1日より名古屋の2店舗でも開始された[注 4]

2011年6月に、フランチャイズ契約パッケージを見直し、全国の地方中核都市を中心にフランチャイズ形態での出店を進めていくことを明らかにした[9]。これを受けて新規開店した静岡店(静鉄プロパティマネジメント株式会社によるFC[注 5][10])については、同じくフランチャイズ形態である名古屋市内の店舗と異なり、他地域の東急ハンズ(直営店)で行われているサービスの利用が可能となっている。

ちなみに、フランチャイズ契約パッケージを見直した上での地方中核都市への出店推進を明らかにしたにもかかわらず、2013年3月に開店した熊本店以降は、奈良店を除き全て直営店となっている[11][12][13]

店舗の構造編集

東急ハンズの特徴であるワンフロアごとに同系商品を展開する店舗形態は、渋谷店(1978年(昭和53年)開店)に起源を持つ。もともと渋谷店の敷地[注 6]東急不動産が長年所有していた土地であったが、オルガン坂と呼ばれる坂道に面した狭い区画で、一般的な業態の店舗のビルが建てにくい状態であった。この傾斜地を逆に利用し、周囲の道路の高さに店の出入口を合わせて3種類のフロア高さを設定(スキップフロア)、「A」「B」「C」のアルファベットの併用で各階を表示(「6B」=「6階Bフロア」等)するとともに、これらの間を階段が回廊状に結ぶ構成とした。この工夫によって、小規模なフロアごとに1つの分野の商品群を展開するとともに、1つのフロアから他のフロアへ見通しを持たせることで来店者の期待感を高め、回遊を促すフロア構成になっている。同じく傾斜地に建てられた、神戸市三宮店も同様の構成となっている。

ららぽーと船橋店は、広いワンフロアのみのテナントで、提案型ルームセンター「homeyroomy(ホーミィルーミィ)」として営業していたが、2009年(平成21年)4月1日より通常の東急ハンズ店舗に改称した。

ハンズ ビー編集

「提案型ライフスタイルショップ」と謳った、売場面積400 - 1000m2(従来標準店舗の約1 - 2割程度)の小型店舗。

2008年(平成20年)6月の札幌ステラプレイス店を皮切りに、これまでに東京都内の中央線沿線を中心に8店舗・神奈川県内に4店舗を開業。
2011年(平成23年)4月27日には、京都マルイ(旧四条河原町阪急跡)の地階に、関西1号店が開業。
2015年(平成27年)6月現在、北海道1店舗、関東18店舗、静岡1店舗、関西1店舗、福岡1店舗を展開。

その他編集

アウトパーツ
バッグ&トラベルグッズ専門店。船橋店(千葉県)のみ。
トラックマーケット
地方都市の既存商業施設等の中に期間限定で展開。過去にこの形態での出店実績がある地方都市へその後実店舗が進出する例も多い。
ボックスアウトレット
東急ハンズ取り扱い商品のアウトレットショップ。マリノアシティ福岡店(福岡県)のみ。
Hands Tailung (台隆手創館)
台湾で氷菓生産・販売等を手がける台隆工業によるフランチャイズ店舗。
2000年(平成12年)に第一号店を出店。
台北市を中心に12店舗を展開。

販売上の特徴編集

2004年(平成16年)4月14日からポイントカード(HANDS CLUB CARD)のサービスを開始している(名古屋市内の2店舗は2012年10月1日よりサービス開始)。代わって、文具フロアで一定価格の購入ごとに配られていた割引チケット(ハンズ文具チケット)が2005年3月31日で使用を終了した(同様に名古屋市内の2店舗は2012年9月30日で終了)。

インターネット通販事業は、以前は楽天などが運営する仮想商店街へのテナント出店にとどめていたが、2005年(平成17年)6月1日からインターネット通販事業(ハンズネット)のサービスを開始した。なお、上述「ハンズネット」によるネット直販開始後も、楽天市場への出店は「東急ハンズ 楽天市場店」として継続している。

過去に存在した店舗編集

  • 東急ハンズ
  • ナチュラボ(ヘルス&ビューティ専門店)
    • 池袋店 - 2000年(平成12年)5月に開店、2011年(平成23年)3月閉店。
    • 仙川店 - 2002年(平成14年)10月開店、2011年(平成23年)7月25日にハンズ ビーに変更。
    • 丸の内店 - 2004年(平成16年)9月開店、2011年(平成23年)8月25日にハンズ ビーに変更。
  • ハンズセレクト(東急ハンズの「セレクトショップ」の位置付け)
    • 青葉台店 - 2002年(平成14年)3月開店、2011年(平成23年)9月にハンズ ビーに変更。
  • ホーミィルーミィ(提案型ルームセンター)
    • 船橋店 - 2004年(平成16年)11月開店、2009年(平成21年)4月に東急ハンズに変更。

エピソード編集

  • 2017年10月15日町田駅前で開かれた街頭演説会において、小池百合子が「東急ハンズにもニトリにも、いろんなものが売っていますけど、ちょっと足りないのが希望」と発言したのに対し、東急ハンズTwitterで「東急ハンズでは、お客様の『希望』を叶えたいと、スタッフ一同がんばっています。それは、ニトリさんも一緒だと思います。もちろん、これからもずっと、がんばります」と投稿し、「大人の対応」と話題になった[14]

その他編集

  • 1985年(昭和60年)春、新潟駅南口近くで再開発商業ビル「プラーカ新潟」3棟がオープンし、プラーカ3の3階には山下家具店が運営する生活雑貨専門店「HANDSON'S(ハンソン)」が出店。その後同社の本店が所在した古町にも出店した。生活雑貨主体の店舗展開や、親指を立てた店舗ブランドのロゴタイプ、無漂白地に紺のラインを配した紙製ショッピングバッグなど、東急ハンズと類似する点が多々あったが、東急ハンズとの直接的な業務提携等は行われていなかった。山下家具店はその後業績不振等により、ハンソンの業態からは撤退した。
  • 1984年(昭和59年)秋、那覇タワー(のちのゼファー那覇タワー、2008年閉鎖)内の商業施設「FASHION CITY MAXY」に、生活雑貨専門店「HANDYMAN」が出店。この店舗も東急ハンズと類似したロゴタイプを使用していたが、東急ハンズとの直接的な業務提携等は行われていなかった。この店舗はのちに閉店したが、沖縄県では2011年(平成23年)、地元大手スーパーのサンエーが東急ハンズとフランチャイズ契約を締結し、翌2012年(平成24年)夏に開業したサンエー宜野湾コンベンションシティ内のテナントとして同県内初の出店を果たしている。
  • 古参店舗である藤沢・渋谷・二子玉川の3店舗には大きな変化があった。1号店である藤沢店は2006年(平成18年)末をもって閉店となり、2号店の二子玉川店も同じく閉店。3号店の渋谷店が入居する西渋谷東急ビルは、開店当初は東急ハンズの自社物件だったが、土地建物は2006年11月に筆頭株主の東急不動産が匿名組合出資する特別目的会社への売却を経て、2007年(平成19年)1月31日付で東急不動産が組成する商業ファンド特別目的会社「合同会社アルカディア3」へ売却され、以後は同社から東急ハンズが建物を賃借して営業が継続されている。
  • 2012年4月1日に中国第1号店を上海梅龍鎮伊勢丹内に出店[15]

裁判編集

2013年3月13日、神戸地方裁判所は、同社に対し、従業員が平成16年3月に突然死したのは、月80時間を超える時間外労働が原因だとし、安全配慮義務違反により遺族へ7,800万円の支払いを命じた[16]

脚注編集

注釈編集

  1. ^ 静岡県東海地方および沖縄県に出店の全店舗がそれぞれ、地元フランチャイジーによるフランチャイズ店舗である。
  2. ^ 北千住店(北千住マルイ内)など。
  3. ^ 町田店は、町田ターミナルプラザの核テナントから町田東急ツインズ6・7階へ移転した。横浜店は2013年に単独店舗から横浜岡田屋モアーズ5〜7階に移転。地上7階、地下1階の、売場面積9000平方メートル弱から、4000平方メートル強への縮小である。[8]
  4. ^ 近鉄グループの本拠地である大阪府や営業エリアである京都府・奈良県・三重県にある店舗ではサービスの制限はなされていない。
  5. ^ 2014年2月28日開店の「ハンズ ビー 静岡パルシェ店」も「東急ハンズ静岡店」同様に静鉄プロパティマネジメント株式会社によるFCである。
  6. ^ 1973年(昭和48年)まで、現在は目黒区にある聖パウロ教会があった[要出典]

出典編集

  1. ^ a b c d e f g 第43期決算公告、2018年(平成30年)6月20日付「官報」(号外第133号)87頁。
  2. ^ ハンズ新宿店/個性派「店主」がいらっしゃい/寝具・コーヒー・化粧品…『日本経済新聞』朝刊2018年3月2日(東京面)
  3. ^ 【移転】東急ハンズが新宿に本社移転 - 日経不動産マーケット情報、2014年5月29日
  4. ^ 和田けんじ『“元祖”ロングテール 東急ハンズの秘密』(日経BP社)2018年4月6日閲覧。
  5. ^ 東急ハンズ 店舗一覧(2018年5月4日閲覧)
  6. ^ 子会社株式配当による株式会社東急ハンズ(孫会社)の子会社化について”. 東急不動産ホールディングス (2014年3月27日). 2014年4月2日閲覧。
  7. ^ 沿革 - 会社情報 東急ハンズ公式サイト、2015年9月27日閲覧。
  8. ^ 東急ハンズ横浜店が7月15日に閉店-10月に横浜モアーズ内に再オープン”. ヨコハマ経済新聞 (2013年6月11日). 2014年7月7日閲覧。
  9. ^ 地方中核都市でのFC展開第一弾「東急ハンズ静岡店」 新静岡駅直結の新商業施設「新静岡セノバ」に10月オープン! - 東急ハンズ公式サイト 2011年6月1日
  10. ^ 静鉄プロパティマネジメント(株) - マイナビ2016 2015年9月27日閲覧。
  11. ^ 東急ハンズ熊本店を2013年春に出店 〜ハンズ業態 博多に次ぐ、九州2店舗目〜 - 東急ハンズ公式サイト 2012年10月1日
  12. ^ 東急ハンズ姫路店(仮称)を2013年ゴールデンウィークに出店 〜ハンズ業態 関西エリア6店舗目〜 - 東急ハンズ公式サイト 2012年11月13日
  13. ^ 東急ハンズ 2014年秋に鹿児島、2015年春に大分へ出店 〜ハンズ業態、九州3・4店舗目〜 - 東急ハンズ公式サイト 2013年1月21日
  14. ^ “東急ハンズが小池百合子氏の演説に大人の対応「お客様の希望を叶えたい」”. livedoorニュース. (2017年10月19日). http://news.livedoor.com/topics/detail/13771428/?__from=hgspweb 2017年11月25日閲覧。 
  15. ^ 東急ハンズ中国1号店、4月に上海オープン”. NNA (2012年3月1日). 2012年3月1日閲覧。
  16. ^ 産経新聞2013年3月13日付「過労死で東急ハンズに7800万円賠償命令 神戸地裁」

関連項目編集

外部リンク編集