松山市駅

愛媛県松山市にある伊予鉄道の駅

松山市駅(まつやましえき)は、愛媛県松山市湊町五丁目にある伊予鉄道

松山市駅
松山市駅停留場
松山市駅ビル(いよてつ髙島屋
まつやまし
まつやましえき
Matsuyama City
Matsuyama City Station
地図
所在地 愛媛県松山市湊町五丁目
北緯33度50分8.33秒 東経132度45分44.21秒 / 北緯33.8356472度 東経132.7622806度 / 33.8356472; 132.7622806座標: 北緯33度50分8.33秒 東経132度45分44.21秒 / 北緯33.8356472度 東経132.7622806度 / 33.8356472; 132.7622806
駅番号 IY10(郊外電車)
01(市内電車)
所属事業者 伊予鉄道
駅構造 地上駅
ホーム 鉄道3面3線
軌道2面2線
乗降人員
-統計年度-
27,175[1]人/日
-2015年(軌道線を含む)-
開業年月日 1888年(明治21年)10月28日
乗入路線 4 路線
所属路線 高浜線
駅番号 IY10
キロ程 9.4 km(高浜起点)
IY09 大手町 (0.9 km)
所属路線 横河原線
駅番号 IY10
キロ程 0.0 km(松山市起点)
(0.8 km) 石手川公園 IY11
所属路線 郡中線
駅番号 IY10
キロ程 0.0 km(松山市起点)
(0.7 km) 土橋 IY25
所属路線 花園線
駅番号 01
キロ程 0.0 km(松山市駅起点)
(0.4 km) 南堀端 02
* 改称経歴
- 1889年 松山駅→外側駅
- 1902年 外側駅→松山駅
- 1927年 松山駅→松山市駅

** 改称経歴
- 2008年 松山市駅前停留場→松山市駅停留場
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当項目では隣接する伊予鉄道松山市内線の松山市駅停留場(まつやましえきていりゅうじよう)についても述べる。

概要

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地元ではJR四国松山駅と区別するため市駅(しえき)と略して呼ばれ[注釈 1]、道路標識にもその表記がみられるなど、広く通用している。駅前広場には、道後温泉方面へ向かう同社の松山市内線(軌道)の松山市駅停留場、バスターミナル、タクシープールなどがある。

町外れに位置しているJRの松山駅に対して、当駅は松山市の実質的な中心駅であり、高松駅などのJR四国の主要駅を上回り、四国地方で最多の乗降人員を誇る。当駅の駅ビルに入居している四国最大の百貨店であるいよてつ高島屋を始めとして、周辺には松山銀天街商店街などの繁華街オフィス街が広がる。当駅周辺は大街道商店街などとともに松山市の中心市街地を構成している。

松山市駅停留場では、「坊っちゃん列車」を牽引する蒸気機関車を模したディーゼル機関車が渡り線上で方向転換する作業の様子が見られる。ダイヤ混乱時は、当駅と古町駅での抑止を基本とした運転整理が行われる。

駅前のバスターミナルは、京阪神関西)・東京からの高速バスなども発着する。

四国初の自動改札機設置駅であったが、2014年2月16日に、ICい~カードの普及に伴って、タッチセンサー(簡易改札機)を増設し、自動改札機は撤去された。現在普通乗車券については非磁気券のみを券売機で発売している。また中島汽船への硬券の連絡乗車券を「いよてつチケットセンター」で発売している。

駅係員に申し出ることで、郊外線の当駅のみ途中下車が可能であった[2]が、2025年3月17日をもって廃止され、公式サイトに記載されていた「※松山市駅のみ途中下車できます。駅の係員にお申し出ください。」の文言も削除された[3]

利用可能な鉄道路線

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駅番号は郊外電車の高浜線、横河原線、郡中線がIY10、市内電車の花園線は01である。

歴史

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松山市駅周辺の空中写真(1975年2月撮影)
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

三津駅古町駅とともに、四国最初の鉄道駅の1つである。

松山市に国鉄松山駅が開通する前からほぼ現在の場所にあり、開業当時は“松山駅”という駅名であったが、1927年に国鉄松山駅が開業することになった際に国鉄線の駅名を松山にするために、国鉄の駅から離れた当駅は松山駅から改称するよう圧力がかけられた。伊予鉄側は国鉄の駅名を「伊予松山駅」とすればよいと強く反発したが、国鉄は伊予鉄の運輸課長を東京の本省に呼び出して改称を迫り、国のすることには勝てないと松山駅を国鉄に譲って松山市駅に改称することになった[4]

年表

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松山市駅前の再開発は2025年5月の時点でも完了していない。
  • 1888年明治21年)10月28日松山駅として開業。
  • 1889年(明治22年)7月20日外側駅(とがわえき。同時に改称された古町駅と対になる)に改称。
  • 1900年(明治33年)5月1日:伊予鉄道が道後鉄道南予鉄道を合併。南予鉄道(現在の郡中線)の藤原駅を統合。
  • 1902年(明治35年)6月1日松山駅に再改称。
  • 1927年昭和2年)3月1日松山市駅に改称。同年4月の国鉄讃予線(現在の予讃線)の松山駅開業による措置。
  • 1947年(昭和22年)3月25日:松山市内線花園線の松山市駅前停留場が開業。
  • 2008年平成20年):花園線の停留場名が松山市駅停留場になる[5][6]
  • 2023年令和5年)度:松山市駅前の再開発が完了する予定。路面電車の停留所が南側に移動し、松山市駅からスムーズに乗り換えができるように変更、歩行者専用広場は新設。タクシープールがあるスペースにバスターミナルを整備する方針[7]
  • 2025年(令和7年)8月24日:松山市駅前停留所の新電停が利用開始予定。[8][9]
  • 2026年(令和8年)秋ごろ:イベントなどを催せる交流広場が完成予定。[10][11]

駅構造

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各路線の線路は東西に延びており、駅舎の南北に出入り口を設け、それぞれ北口、南口と称している。花園線のホームは北口前のロータリー内にある。また北口改札内には自動体外式除細動器が設置されている。

松山市駅
番線 路線 行先 備考
郊外電車 プラットホーム
1 横河原線 久米平井横河原方面
2 高浜線 衣山三津高浜・(松山観光港[12])方面 平日朝6:50発のみ横河原行き
3 郡中線 余戸松前郡中港方面  
市内電車 電停
北側 降車専用  
南側 1号線 環状 JR松山駅前木屋町方面  
2号線 環状 大街道赤十字病院前方面  
3号線 道後温泉行き  
6号線 本町六丁目行き 平日のみ運行

郊外電車のりば

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  • 配線構造により、郡中方面行きは3番線以外からの発着が不可能となっている。郡中線で使用される電車は朝、古町からの回送扱いで2番線に入線し、その後留置線経由で3番線へと入線する。
  • 2番・3番ホームは、かつての中線を本線に転用して拡幅されたが、高浜・郡中側の末端部分はポイントが干渉して拡幅できないため、切り欠き状で残された。
  • 1番・2番線が18メートル級4両編成対応であるが、3番線は18メートル級車両3両編成までの対応である。
松山市駅 郊外線配線図

高浜方面

郡中港方面
                             
                             
                             
                              1番線
                             
                              2番線
                             
                              3番線
                               

横河原方面
凡例
出典:川島令三、2007、『全国鉄道事情大研究 四国編』、草思社

発車メロディ

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この駅ではオリジナルの発車メロディが流れていた。それぞれの番線で別のメロディが鳴っており、特に2番線と3番線は同時発車するために同時にメロディが鳴っても違和感が無いように工夫されたメロディが用意されていた。のちにすべてのホームが1番線のものに共通化され、2011年6月の終わり頃には「この街で」に変更された。これは松山市とのパートナーシップ協定の一環で、この曲が松山市の「ことばのちから」イベントで生まれた歌であることが起因する。

2015年の7月1日に再び変更されており、現在は伊予鉄道社長の清水一郎が作曲した高浜駅・郡中港駅・横河原駅と共通の「リズム」というメロディが使用されている[13]

異電圧直直セクション

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市内電車のりば

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市内電車ホーム(移転前)

相対式2面2線で、東側に片渡り線が設置されている。片渡り線でホームが区切られており、北側ホームの西側は坊っちゃん列車の降り場、東側は市内電車の降り場であり、南側ホームは西側は市内電車の乗り場、東側は留置線および「坊っちゃん列車」の乗り場である。「坊っちゃん列車」の乗り場に柵が設置されており、平常時は市内電車の留置のため閉鎖されている。1号線(環状線内回り)・2号線(環状線外回り)・3号線・6号線が発着する。

市内電車は北側ホームで降車後、渡り線を使用して南側乗車ホームへ転線する。

坊っちゃん列車は当駅で機回しを行う。降車ホームに到着し乗客の降車後、客車を切り離し機関車のみ東端の電車降車ホームへ移動し、後退して片渡り線へ入り途中で一旦停車する。床下中央にある回転軸付きのジャッキでジャッキアップし、乗務員が手動で機関車ごと進行方向へ180度回転させ再び線路へ下ろす。機関車が前進し乗車ホームへ到着後、降車ホームで切り離された客車は乗務員に手押しで折り返し機関車と連結したのち、編成ごと後退し坊っちゃん列車の乗車ホームで乗車させる。

環状線の電車は松山市駅を越えて乗り通すことはできないため、松山市駅に到着したら降車しなければならない。

なお、松山市駅前市内電車乗り場には俳優井上正夫の胸像があったが、駅前再開発のため、命日に合わせて2025年(令和7年)2月7日砥部町の衝上断層公園に移設された[14]

2025年(令和7年)8月23日の夜間より線路切替工事が始まり、翌日8月24日の始発便より新電停が利用開始の予定。今の乗り場より15メートルほど松山市駅に近づき、現在の乗り場と線路を撤去する工事は9月から始まる。跡地に広さおよそ1500平方メートルのイベントなどを催せる交流広場も完成する予定。全体の完成は2026年秋を見込んでいる。[15][16][17]

利用状況

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松山市駅の2017年度の1日平均乗降客数は、27,416人[1]で、JRを含めた四国内の鉄道駅で最多となっている。近年は概ね増加傾向が続いている[1]

乗降人員推移[1]
年度 1日平均人数 郊外電車 市内電車
2011年 25,354 17,758 7,596
2012年 25,756 18,114 7,642
2013年 26,511 18,583 7,928
2014年 26,437 18,461 7,976
2015年 27,175 19,062 8,113
2017年 27,416 19,327 8,089

駅周辺

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北口
南口

バス路線[18]

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駅前にバスのりばが設置されている。

のりば 行先・方面・バス名 種別 運行事業者
A1 森松・砥部・とべ動物園・えひめこどもの城・上林 伊予鉄バス
A2 堀江・北条・今治・大三島・運転免許センター・今出
A3 東南ループ・伊台・市坪はなみずき線(はなみずきまわり)・愛大病院・川内
A4 JR松山駅前・⑩津田団地・北伊予駅前・坊っちゃんスタジアム・市坪はなみずき線(市坪まわり)
B2 アイテムえひめ・三津港・金毘羅前・松山空港・八幡浜・三崎・宇和島・城辺・空港リムジンバス
B3 マドンナエクスプレス(岡山) 伊予鉄バス・JR四国バス両備バス下津井電鉄
キララエクスプレス(新尾道・福山) 伊予鉄バス・中国バスしまなみバス本四バス開発
坊っちゃんエクスプレス号(高松) 伊予鉄バス・JR四国バス・四国高速バス
なんごくエクスプレス(高知) JR四国バス
ホエールエクスプレス(高知) 伊予鉄バス・とさでん交通
吉野川エクスプレス(徳島) 伊予鉄バス・JR四国バス・徳島バス
東予港連絡バス(四国オレンジフェリー大阪~東予便に接続) 伊予鉄バス
B4 道後エクスプレスふくおか 夜行便 伊予鉄バス・西日本鉄道
オレンジライナーえひめ号(東京・横浜) 夜行便 伊予鉄バス・西東京バス京王高速バス
オレンジライナーえひめ号(名古屋) 夜行便 伊予鉄バス・名鉄バス
瀬戸内エクスプレス名古屋号(桑名・名古屋) 夜行便 JR四国バス・JR東海バス
松山エクスプレス号(神戸・大阪・京都) 昼行便・夜行便 JR四国バス・西日本JRバス
ハーバーライナー(神戸) 昼行便 伊予鉄バス・神姫バス
オレンジライナーえひめ(大阪・京都) 昼行便・夜行便 伊予鉄バス・阪急観光バス京阪バス
C1 ⑩短大経由久米駅前・⑧東野経由道後温泉駅前 伊予鉄バス
C2 道後温泉駅前・奥道後・湯の山・西条・新居浜
降車用

隣の駅

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伊予鉄道
高浜線
大手町駅 (IY09) - 松山市駅 (IY10)
横河原線
松山市駅 (IY10) - 石手川公園駅 (IY11)
郡中線
松山市駅 (IY10) - 土橋駅 (IY25)
花園線(1号線・2号線・3号線・6号線)
松山市駅停留場 (01) - 南堀端停留場 (02)

脚注

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注釈

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  1. ^ 県庁所在地の市で「○○市駅」と名乗っているのは当駅と和歌山県和歌山市にある南海電気鉄道JR西日本和歌山市駅のみである。

出典

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  1. ^ a b c d 国土数値情報(駅別乗降客数データ) - 国土交通省、2017年11月13日閲覧
  2. ^ 伊予鉄道の電車・バスの乗り方 - Web archive 2024年10月13日版
  3. ^ 伊予鉄道の電車・バスの乗り方 - 伊予鉄道 2025年5月13日閲覧
  4. ^ 武智 恒喜 「伊予鉄道開業120年をめぐって」 鉄道ピクトリアル802号 pp.27-31 電気車研究会 2008年4月
  5. ^ 『平成19年度 鉄道要覧』電気車研究会・鉄道図書刊行会、p.349
  6. ^ 『平成20年度 鉄道要覧』電気車研究会・鉄道図書刊行会、p.349
  7. ^ 松山市駅前広場の整備 事業の概要”. 松山市(都市・交通計画課) (2022年8月15日). 2022年8月24日閲覧。
  8. ^ 新電停は8月24日から 伊予鉄松山市駅前の市内電車、全体の完成は26年秋(愛媛)(愛媛新聞ONLINE)”. Yahoo!ニュース. 2025年5月27日閲覧。
  9. ^ 日本放送協会. “松山市駅前の新たな市内電車の乗り場 8月下旬から利用開始へ|NHK 愛媛のニュース”. NHK NEWS WEB. 2025年5月27日閲覧。
  10. ^ 日本放送協会. “松山市駅前の新たな市内電車の乗り場 8月下旬から利用開始へ|NHK 愛媛のニュース”. NHK NEWS WEB. 2025年5月27日閲覧。
  11. ^ 新電停は8月24日から 伊予鉄松山市駅前の市内電車、全体の完成は26年秋(愛媛)(愛媛新聞ONLINE)”. Yahoo!ニュース. 2025年5月27日閲覧。
  12. ^ 終着の高浜駅よりバスで連絡する。
  13. ^ いよてつ発車メロディ・テレビCM - 伊予鉄道
  14. ^ 俳優井上正夫の胸像、松山市駅前から故郷・砥部へ 命日に除幕式 - 愛媛新聞 2025年2月12日閲覧。
  15. ^ 新電停は8月24日から 伊予鉄松山市駅前の市内電車、全体の完成は26年秋(愛媛)(愛媛新聞ONLINE)”. Yahoo!ニュース. 2025年5月27日閲覧。
  16. ^ 日本放送協会. “松山市駅前の新たな市内電車の乗り場 8月下旬から利用開始へ|NHK 愛媛のニュース”. NHK NEWS WEB. 2025年5月27日閲覧。
  17. ^ (8/23)市内電車の最終便繰り上げのお知らせ | 伊予鉄”. www.iyotetsu.co.jp. 2025年5月27日閲覧。
  18. ^ 電車・バス情報 | 松山市駅バスのりば案内 | 伊予鉄”. www.iyotetsu.co.jp. 2025年5月27日閲覧。

関連項目

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