林道義

林 道義(はやし みちよし、1937年1月12日 - ) は、日本の経済学者心理学研究者・評論家日本ユング研究会会長。

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概要編集

長野県飯田市出身。東京大学法学部に進み、在学中は全学連組織部長として60年安保闘争に参加した。その後、大学院経済学研究科に進み、マックス・ウェーバーの研究で博士課程修了経済学博士の学位を得る。指導教官は大塚久雄であった[1]東京女子大学助教授、教授、2007年定年退職。

のちユングの研究に転じ、多数の訳書で知られる。また、宗教団体生長の家の『光の泉』誌などにも寄稿している。 夫婦ともどもフェミニストとして事実婚を経験。のち「親の思想」を子供に押し付けてはいけないという考えから夫婦の籍を同じにした。

1996年の『父性の復権』以降は、父権論者としてフェミニズムの現状を批判し、『フェミニズムの害毒』(1999)などの著作も多数出版している。

趣味は囲碁で、深層心理の観点から囲碁を考察した著作もある。哲学の授業で学生に囲碁を教え、実際に打たせたこともある[2]

定年退職時に名誉教授の称号が与えられなかったことを不服として、東京女子大学を批判している[3]

自らを批判する一人である林紘義マルクス主義同志会代表、旧社会主義労働者党委員長、共産主義者同盟共産主義の旗派指導者)は実弟。

東京大学教授田中純は女婿で2世帯住宅で同居している[要出典]

略歴編集

  • 1937年 長野県飯田市に誕生
  • 1956年 東京大学に入学(文科1類)
  • 1958年-1961年 「60年安保」で学生運動に加わり活動する
  • 1962年 東京大学法学部卒業
  • 1968年 東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学
  • 1970年 東京女子大学専任講師。この後、同大学で、助教授、教授となる
  • 1971年 「ウェーバー社会学の方法と構想」で東大経済学博士
  • 1975年-1976年 ドイツ、テュービンゲン大学に留学
  • 1988年-1989年 スイス、チューリッヒ・ユング研究所に留学
  • 2005年3月31日 東京女子大学を定年退職

活動・思想編集

ラディカル・フェミニストとの論争編集

林が1998年に出版した『主婦の復権』(講談社)ISBN 9784062091947をめぐって、「わいふ」前編集長・田中喜美子との間で多くの論争があった[4]。林はラディカル・フェミニズムの家族破壊思想を批判。

専業主婦至上主義編集

片親家庭を"欠落家族"と呼び、子どもが重大な犯罪に走る確率が高い、と主張している[5][6]

著書編集

単著編集

  • 『ウェーバー社会学の方法と構想』岩波書店 1970年
  • スターリニズムの歴史的根源』御茶ノ水書房 1971年
  • 『反進歩の思想』木鐸社 1973年
  • 『強さの思想と現代文明』福村出版 1975年
  • 『ツァラトゥストラの深層』(朝日出版社、1979)
  • 『ユング』(清水書院、1980)
  • 『無意識の人間学-ユング心理学の視点から』(紀伊国屋書店、1981)
  • 『ユング心理学の方法』(みすず書房、1987)
  • 『尊と巫女の神話学-日本人の心の原型』(名著刊行会、1990)
  • 『日本的な、あまりに日本的な-東京女子大学哲学科紛争の記録と分析 』(三一書房、1992)
  • 『囲碁の深層心理学』(三一書房、1993)
  • 『囲碁の心理学的上達法』(三一書房、1994)
  • 『囲碁の心理的タイプ』(三一書房、1995)
  • 『ユング心理学と日本神話』(名著刊行会、1995)
  • 『囲碁の心理クリニック』(三一書房、1996)
  • 『囲碁入門革命』(誠文堂新光社、1996)
  • 『父性の復権』(中公新書、1996)
  • 『主婦の復権』講談社 1998年
  • 『図説ユング-自己実現と救いの心理学』(河出書房新社、1998)
  • 『ユング思想の真髄』(朝日新聞社、1998)
  • 『父性で育てよ! 親と教師は何をすべきか 』(PHP研究所、1998)
  • 『フェミニズムの害毒』(草思社、1999)
  • 『母性崩壊』PHP研究所 1999年
  • 『フェミニズムの害毒』 草思社 1999年
  • 『母性の復権』(中公新書、1999)
  • 『無意識への扉をひらく─ユング心理学入門 1』(PHP新書、2000)
  • 『家族破壊』(徳間書店、2000)
  • 『心のしくみを探る─ユング心理学入門 2 』(PHP新書、2001)
  • 『心の不思議を解き明かす─ユング心理学入門 3』(PHP新書、2001)
  • 『立派な父親になる』(童話屋、2001)
  • 『家族の復権』(中公新書、2002)
  • 『囲碁心理の謎を解く』(文春新書、2003)
  • 『ユングと学ぶ名画と名曲』(朝日新聞社、2003)
  • 『日本神話の英雄たち』(文春新書、2003)
  • 『日本神話の女神たち』(文春新書、2004)
  • 『父親のための家庭教育のヒント-幼児期から思春期まで』(日本教文社、2004)
  • 『ユングで分かる日本神話』(文春新書、2005)
  • 家族を蔑(さげす)む人々-フェミニズムへの理論的批判』(PHP研究所 2005年)

共著・編著編集

  • 『ウェーバーの思想と学問』(風媒社、1972)
  • 近隣騒音 小さな音の暴力との闘い 佐野芳子共編 日報 1974
  • 『ユング心理学の応用』(みすず書房、1988)
  • 『間違えるな日本人!-戦後思想をどう乗り越えるか』(小浜逸郎との対談)(徳間書店、1999)
  • 『国を売る人びと-日本人を不幸にしているのは誰か』(渡部昇一八木秀次との鼎談)(PHP研究所、2000)
  • 『家庭教育の再生』(編著、学事出版、2005)

訳書編集

  • マックス・ウェーバー『理解社会学のカテゴリー』岩波文庫、1968
  • ウェーバー『ロシア革命論』福村出版、1969
  • カール・グスタフ・ユング 『元型論』正続、紀伊国屋書店、1982-83
  • エーリッヒ・ノイマン『意識の起源史(上・下)』紀伊国屋書店、1984-85
  • ユング『タイプ論』みすず書房、1987
  • ユング『ヨブへの答え』みすず書房、1988
  • ユング『心理療法論』みすず書房、1989
  • ユング『個性化とマンダラ』みすず書房、1991
  • ヘルムート・バルツ『青髭 愛する女性を殺すとは?』新曜社 1992
  • ユング『連想実験』みすず書房、1993
  • ユング『転移の心理学』磯上恵子共訳、みすず書房、1994
  • ペーター・シェレンバウム『愛する人にノーをいう』島田洋子共訳 あむすく 1994

参考編集

  • 『現代日本人名録』2002年 

脚注・出典編集

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  1. ^ マックス・ウェーバー(林道義訳)『理解社会学のカテゴリー』(岩波文庫)5頁。
  2. ^ 例えば林道義『父性の復権』(中公新書)169頁。
  3. ^ 告発 東京女子大学”. 林道義公式サイト. 2005年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年11月23日閲覧。
  4. ^ 林道義. “フェミニズム批判”. 2009年10月18日閲覧。
  5. ^ 母乳強制、DV擁護、中絶禁止...安倍内閣・女性閣僚の『反女性』発言集」、リテラ 2014年9月8日
  6. ^ 「諸君!」(文藝春秋)2003年8月号

外部リンク編集