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林鄭月娥

香港の女性政治家

林鄭 月娥(りんてい げつが、キャリー・ラム、1957年5月13日 - )は、中国香港の政治家。政務司司長、開発局長を歴任。現在、第5代中華人民共和国香港特別行政区行政長官を務める。キリスト教徒カトリック教会[1])。元の名は「鄭 月娥」で、現在の名は結婚後に夫の姓「林」を冠したものである。[2]

林鄭月娥
Carrie Lam Cheng Yuet-ngor
香港候任特首林鄭月娥13.jpg
生年月日 (1957-05-13) 1957年5月13日(62歳)
出生地 香港の旗 イギリス香港
出身校 香港大学
配偶者 林兆波
サイン Carrie Lam Signature.svg

香港の旗 第5代 行政長官
当選回数 1回
在任期間 2017年7月1日 -

内閣 梁振英
在任期間 2012年7月1日 - 2017年1月16日

香港の旗 初代 開発局長
内閣 曽蔭権
在任期間 2007年7月1日 - 2012年6月30日
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林鄭月娥
各種表記
繁体字 林鄭月娥
簡体字 林郑月娥
拼音 Lín Zhèng Yuè'é
ラテン字 Làhm Jehng Yuhtngòh
発音:ツェーンユッコ゚
広東語拼音 Lam4 Zeng6 Jyut6ngo4
英文 Carrie Lam Cheng Yuet-ngor
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来歴編集

1957年、香港湾仔駱克道英語版にて、浙江省舟山市に起源があり香港に住んでいる低所得層の親のもとに、4番目の子として生まれる(なお、月娥の本籍地は浙江省寧波市とされた)。鄭家には後にさらに一人子供が誕生し、月娥は「5人兄弟姉妹の4番目」という位置づけになった。そのまま駱克道で幼少期を過ごし、初等教育もそこで受け、en:St. Francis' Canossian College(カトリック系の女子校)で中等教育を受け、同校では「head prefect」(≒生徒代表)の役割をつとめた。同校を卒業し香港大学に入学。大学での専攻は、入学時はソーシャルワークであったが、第一学年終了時に社会学へと変更した(つまり所属を「社会学部」へと変更した)。同校在学中、学生運動をする中で、李永達英語版單仲偕英語版(後に香港の民主派[3]となる人々)と知り合いになった。また清華大学との学生交流の企画立案にも参加[4]。社会学の学士を得て、1980年に香港大学社会学部を卒業。

同年に香港政庁に就職し、それから香港政庁系のさまざまな組織で勤務した。

2007年7月1日、開発局長に任命される。在任中の2011年から2012年にかけて、香港政府高官や新界の旧住民の間で横行していた僭建(住宅の違法建築)を取り締まり、市民からの高い支持を集める[5]

2012年7月1日、政務司司長に任命される[6]。11月9日には、低所得層問題を担当する扶貧委員会主席に就任[7]。12月15日・16日に、中国の輸入業者が香港で日用品を買い占めたことで起きた物価高騰・路上占拠に対する抗議デモが発生したことを受け、輸入業者の取り締まり強化を指示[8]し、158人の輸入業者を逮捕した[9]

2013年8月26日、商工業ビルの極狭アパートに居住する低所得層への給付金支給を決定する。これに対し、違法である極狭アパートに居住する住民への給付に批判の声が挙がるが、「違法なのはアパートであり、住民ではない」と反論した[10]

市民からの支持が高いことから次期行政長官の有力候補に推されていた[11]が、2014年の時点では2017年の行政長官選挙への不出馬を表明していた[12]。しかし2017年1月に政務長官を辞任し、行政長官選挙に出馬[13]。この頃になると市民からの支持を最も集めていたのは財政司司長を務めていた曽俊華英語版中国語版であったが、3月26日の選挙では当選を果たした[14][15]

2017年3月31日、国務院令中国語版第678号により女性初の行政長官に任命された[16]。同年4月11日、北京において中国李克強総理と会見し、国務院令を渡された[17]。7月1日、行政長官に就任した[16]

2019年10月22日、国家副主席王岐山マカオ特別行政区行政長官崔世安とともに来日して徳仁天皇即位の礼に参列した[18][19]

2014年反政府デモへの対応編集

2013年10月17日、2016年立法会選挙及び2017年の行政長官選挙に向けた選挙制度の意見集約を行う専門チームの責任者に任命される[20]。民主派団体が1人1票の普通選挙を求めていることに対しては、「理想主義的で、香港基本法を無視している」[21]「行政長官には、中国政府と敵対しない人物が就任するべき」[22]と否定的な考えを示した。

この香港政府の姿勢に反対する戴耀廷陳健民朱耀明が普通選挙を求める政治改革案を提出し、拒否された場合は中環を占拠しデモを行うと宣言[23]。これに学生団体や民主派団体が加わり2014年香港反政府デモが発生した。林鄭は、デモ発生前の7月29日に戴らと会談しデモの中止を要求したが、交渉は決裂した[24]

10月21日、デモを主催する周永康ら学生団体の代表と会談。デモの解散を要求するが、普通選挙を求める周らの意見を拒否したため交渉は決裂する[25]。これ以降、学生団体との会談に消極的な姿勢を示し、11月11日には高等法院の占拠禁止令に基き、デモ隊が占拠する地域のバリケード撤去に警察を投入すると発言[26]し、11月18日にバリケードの強制撤去を行った[27]。強制撤去以降、各地でバリケード撤去やデモ隊の強制排除が行われ、12月15日に梁振英行政長官が反政府デモの終結を宣言した[28]

2019年逃亡犯条例改正案と反対デモへの対応編集

2019年9月4日、香港市民から反発を受けた2019年逃亡犯条例改正案の撤回を決定するも抗議活動は収束せず、10月4日に1967年香港暴動中国語版以来52年ぶりとなる戒厳令に近い権限を行政長官に与える「緊急状況規則条例中国語版」を発動した[29][30]

脚注編集

  1. ^ “隔牆有耳: 林鄭撐大局 變「署理港督」”. 蘋果日報. (2013年3月18日). http://hk.apple.nextmedia.com/news/art/20130318/18199166 2014年12月31日閲覧。 
  2. ^ 陳方安生も参照。
  3. ^ en:Pro-democracy camp (Hong Kong)
  4. ^ なお、(おそらく1979年のものだが)「香港大学学生会清華大学交流団」の副団長としての顔写真および「鄭月娥」の名前とプロフィールが掲載されている画像が、2019年8月現在、ネット上で出回っている。
  5. ^ “香港政治キーワード解説--明文規定のない手続き”. 香港ポスト. (2014年3月14日). http://www.hkpost.com.hk/index2.php?id=8446 2014年12月28日閲覧。 
  6. ^ “中国が香港政務官に林鄭月娥氏任命、財政長官は留任”. ウォール・ストリート・ジャーナル. (2012年6月28日). http://jp.wsj.com/public/page/0_0_WJPP_7000-469000.html 2014年12月28日閲覧。 
  7. ^ “低所得層を支援する「扶貧委員会」が正式発足”. 香港ポスト. (2012年11月12日). http://www.hkpost.com.hk/index2.php?id=4862 2014年12月28日閲覧。 
  8. ^ “本土の並行輸入業者、取り締まりに6対策”. 香港ポスト. (2012年9月20日). http://www.hkpost.com.hk/index2.php?id=4578 2014年12月29日閲覧。 
  9. ^ “本土の並行輸入業者、5日で158人逮捕”. 香港ポスト. (2012年9月25日). http://www.hkpost.com.hk/index2.php?id=4600 2014年12月29日閲覧。 
  10. ^ “工業ビルの極狭アパート住民に手当を支給”. 香港ポスト. (2013年8月28日). http://www.hkpost.com.hk/index2.php?id=6977 2014年12月29日閲覧。 
  11. ^ “次期行政長官、有力候補4人で女性に注目”. 香港ポスト. (2013年10月16日). http://www.hkpost.com.hk/index2.php?id=7359 2014年12月28日閲覧。 
  12. ^ “政務長官、行政長官選挙への不出馬を表明”. 香港ポスト. (2014年4月14日). http://www.hkpost.com.hk/index2.php?id=8721 2014年12月28日閲覧。 
  13. ^ “習政権の「本命」? 林鄭氏が出馬表明 香港長官選”. 朝日新聞. (2017年3月17日). http://www.asahi.com/articles/DA3S12750704.html 2017年3月26日閲覧。 
  14. ^ “中国「支持」の林鄭月娥氏が初当選 7月就任、1回目の投票で決める”. 産経新聞. (2017年3月26日). http://www.sankei.com/world/news/170326/wor1703260023-n1.html 2017年3月26日閲覧。 
  15. ^ この時の得票数が777票であったことから、民主派から「777」と揶揄されることがある。
  16. ^ a b 中华人民共和国国务院令第678号 (中国語)
  17. ^ “中国、林鄭氏を香港トップに任命 7月1日就任へ”. 共同通信. (2017年4月11日). https://this.kiji.is/224467078496994808 2017年4月11日閲覧。 
  18. ^ “正殿の儀 台湾や香港出席、正式招待せず”. 産経ニュース. (2019年10月23日). https://www.sankei.com/politics/news/191023/plt1910230041-n1.html 2019年10月24日閲覧。 
  19. ^ “天皇陛下「即位礼正殿の儀」、海外からの参列者は? 英チャールズ皇太子、アウン・サン・スー・チーさんら”. ハフポスト. (2019年10月22日). https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5dae8754e4b0f34e3a7b3095 2019年10月22日閲覧。 
  20. ^ “香港、普通選挙へ議論開始 17年の行政長官選など”. 日本経済新聞. (2013年10月18日). http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1705N_Y3A011C1EB2000/ 2014年12月29日閲覧。 
  21. ^ “政務長官、行政長官選挙の住民指名を否定”. 香港ポスト. (2014年3月3日). http://www.hkpost.com.hk/index2.php?id=8370 2014年12月29日閲覧。 
  22. ^ “普通選挙フォーラム、穏健民主派が開催”. 香港ポスト. (2014年6月10日). http://www.hkpost.com.hk/index2.php?id=9151 2014年12月29日閲覧。 
  23. ^ “セントラル占拠行動、来年7月に実行へ”. 香港ポスト. (2014年4月1日). http://www.hkpost.com.hk/index2.php?id=5790 2014年12月29日閲覧。 
  24. ^ “政務長官、セントラル占拠発起人に放棄促す”. 香港ポスト. (2014年7月31日). http://www.hkpost.com.hk/index2.php?id=9581 2014年12月29日閲覧。 
  25. ^ “【香港民主化デモ】対話は平行線 学生側は次回に難色、デモ継続表明”. 産経ニュース (産経新聞). (2014年10月22日). http://www.sankei.com/world/news/141022/wor1410220006-n1.html 2014年12月29日閲覧。 
  26. ^ “学生との対話再開「現時点で余地ない」 香港政府”. 日本経済新聞. (2014年11月11日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM11H50_R11C14A1FF1000/ 2014年12月29日閲覧。 
  27. ^ “香港、バリケードの強制撤去に着手 裁判所など”. 日本経済新聞. (2014年11月18日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM18H23_Y4A111C1EAF000/ 2014年12月29日閲覧。 
  28. ^ “香港行政長官、デモ終了宣言-警察が最後の拠点を強制排除”. ブルームバーグ. (2014年12月15日). http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NGLWAE6JIJUO01.html 2014年12月29日閲覧。 
  29. ^ “香港政府に「緊急条例」発動計画ない-行政長官諮問機関の陳智思氏”. ブルームバーグ. (2019年9月9日). https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-09-09/PXJCMD6TTDS201 2019年10月4日閲覧。 
  30. ^ “香港、半世紀ぶり「緊急条例」発動 覆面を禁止”. 日本経済新聞. (2019年10月4日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50593350U9A001C1MM8000/ 2019年10月4日閲覧。 

外部リンク編集


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