忍者 枯葉塔九郎』(にんじゃ かれはとうくろう)は、1963年に発表された山田風太郎の時代小説。忍法帖シリーズの短編の一つ。『週刊大衆』(双葉社)1963年1月5日号に掲載された[1]

忍者 枯葉塔九郎
著者 山田風太郎
発行日 1963年
ジャンル 時代小説
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物語 編集

盛岡藩家老の娘・お圭を連れて出奔した筧隼人は、斬られても繋げれば死なない忍者・枯葉塔九郎との八百長による御前試合に勝ち、鳥取藩に仕官する。しかし、隼人は塔九郎との約束を破り、斬られた塔九郎の体をバラバラの状態で放置する。瀕死の塔九郎を、夫の代わりに繋げて助けたお圭は2人で駆け落ちしてしまう。その後、代官に出世した筧隼人は、お圭と枯葉塔九郎に3年ぶりに再会する。

登場人物 編集

  • 筧 隼人(かけい はやと) - 盛岡藩20万石の国家老・南部修理の家来。お圭とかけおち、逐電した。
  • お圭(おけい) - 南部修理の娘。筧隼人の妻。
  • 枯葉 塔九郎(かれは とうくろう) - 謎の巡礼姿の男。
  • 池田 備中守(いけだ びっちゅうのかみ) - 鳥取藩32万石の大名(久松山城主)[2]
  • 大角 勘左衛門(おおすみ かんざえもん) - 大兵肥満の浪人。御前試合の志願者。
  • 三浦 軍次(みうら ぐんじ) - 禿鷹に似た精悍な浪人。同上。

漫画化 編集

  • せがわまさきにより、『山風短』の一編として漫画化され、『月刊ヤングマガジン』(講談社)にて、2011年8号から2011年12号まで連載された。
  • 「大いなる幻術」 (原作:忍者枯葉塔九郎 / 画:水木しげる、ちくま文庫『野ざらし忍法帖』)(同カラー版、着彩:京極夏彦、『風太郎千年史』)として漫画化された。登場人物3人の名前と結末が、山田原作と異なる。

脚注 編集

  1. ^ 掲載時のタイトルは『枯葉塔九郎』。単行本収録の際に改題。
  2. ^ 史実では、鳥取池田家の官名は「相模守」または「因幡守」である。