柿木将棋(かきのきしょうぎ)とは、コンピュータ将棋ソフトウェアのシリーズ。市販ソフト版はPC向けがエンターブレイン、家庭用ゲーム機向けがアスキーより発売されている。ソフト名は開発者である柿木義一の苗字にちなんだもの。

概要 編集

世界コンピュータ将棋選手権には第1回から参加している古参のソフトウェアである。同選手権では1990年代に上位入賞を何度も果たしているが、準優勝が4回(1990年、1992年、1993年、1996年)あるものの、一度も優勝していない。同選手権の決勝進出は2008年が最後となっている。

市販ソフト版は、使い勝手のよさで評価が高い。柿木義一が設計した棋譜の形式である柿木形式(.kif 形式)及びCSA形式(.csa 形式)は業界標準となっている。大量の棋譜を管理できる棋譜データベース機能や、詰将棋作成に便利な余詰検出機能などが充実している。開発者のホームページ上で、棋譜管理ソフトや棋譜データベースの簡易版がフリーウェアとして公開されている。

2009年にはiPhone版、2010年にはiPad版もリリースされている。特にiPad版は、2010年12月より公開を開始した『将棋世界』電子版との連携が図られており、『将棋世界』に掲載された棋譜を『柿木将棋』に取り込んで検討することなどができるようになっていた(2014年3月まで)。

2013年12月には、6年ぶりの新バージョンとなる『柿木将棋IX』を発表。本バージョンからパッケージ販売を止め、ベクターのWebサイトからダウンロードするシェアウェア形式に移行した。

競技会成績 編集

大会/年 1990 1991 1992 1993 1994 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008
世界コンピュータ将棋選手権 2 4 2 2 6 2 3 4 7 5 6 4 11 5 10 6 9 8
コンピュータ将棋王者決定戦 1 3
大会/年 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
世界コンピュータ将棋選手権 13 14 18 20 17 18 14 21 21 29

評価 編集

評価
レビュー結果
媒体結果
ファミ通(PS1)25/40[1]
(2)25/40[2]
電撃PlayStation(2)145/200[3]

PS版『柿木将棋2』は電撃PlayStationDPSソフトレビューでは75、70の145点[3]。レビュアーはのうち1人はCOMの思考速度や強さは申し分なく家庭用の将棋ゲームとしては棋力向上には最良のソフトであり、オプション機能は十分、ヒントはレベル設定が可能で初心者にも対応、あえて難点を挙げるとシミュレーターであるため素っ気なく熱中させる要素がほしかったとし、もう1人は将棋素人であるため1勝もできず強さについての評価は避けたが、盤面のバリエーションがあり、ボイスが気になってもカット可能、BGMで落ち着ける、思考速度が速い、オプション機能が充実しているとした[3]

市販タイトル一覧 編集

関連項目 編集

出典 編集

外部リンク 編集