栄光学園中学校・高等学校

神奈川県鎌倉市にある私立中高一貫校(男子校)
栄光学園高等学校から転送)

栄光学園中学高等学校(えいこうがくえん ちゅうがく こうとうがっこう)は、神奈川県鎌倉市玉縄四丁目に所在し、中高一貫教育を提供する私立男子中学校高等学校

栄光学園中学高等学校
地図北緯35度21分21.4秒 東経139度31分11.7秒 / 北緯35.355944度 東経139.519917度 / 35.355944; 139.519917座標: 北緯35度21分21.4秒 東経139度31分11.7秒 / 北緯35.355944度 東経139.519917度 / 35.355944; 139.519917
過去の名称 栄光中学校
国公私立の別 私立学校
設置者 学校法人上智学院
設立年月日 1947年
創立記念日 6月21日
(聖アロイジオ命日)
創立者 イエズス会
共学・別学 男子校
中高一貫教育 完全一貫制
課程 全日制課程
単位制・学年制 学年制
設置学科 普通科
学期 3学期制
学校コード C114320400014 ウィキデータを編集(中学校)
D114320400012 ウィキデータを編集(高等学校)
高校コード 14543C
所在地 247-0071
神奈川県鎌倉市玉縄4丁目1番地1
外部リンク 公式ウェブサイト
ウィキポータル 教育
ウィキプロジェクト 学校
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高校からの生徒募集はしていない完全中高一貫校[1]カトリック修道会の一つであるイエズス会を教育母体とするミッションスクールである。

当校の指す「栄光」は "AD MAIOREM DEI GLORIAM"(より大いなる神の栄光のために)というイエズス会の標語から来ている。

概要

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イエズス会によって1947年(昭和22年)、横須賀市田浦に旧制栄光中学校設立。その年の内に新制となり、1949年(昭和24年)栄光学園中学校・高等学校となる。1964年(昭和39年)には横浜市栄区に隣接する鎌倉市玉縄へ移転した。最寄り駅は大船駅で、上野東京ライン湘南新宿ライン横須賀・総武快速線京浜東北線といった関東広域を結ぶ系統が発着し、東京・神奈川県全域から通学可能となっている。

設置者である学校法人栄光学園は、2016年4月に3つの学校法人六甲学院広島学院泰星学園)とともに学校法人上智学院へ合併した[2]。合併後各学校法人は解散するが、各校は上智大学の附属校にはならず名称もそのままに独立経営を維持[3][4]。各学年の定員180人規模(1学年4クラス)も変わらない。

東京ドーム約2.4個分の広さ(11万3000m2)を誇る緑豊かなキャンパスを誇る。また、生徒一人あたりの敷地面積は102m²で、首都圏の男子校、共学の中では1位である[5]。創立70周年を迎えた2017年春、鉄筋コンクリート造(1階)、木造(2階)のハイブリッド方式による低層2階建ての新校舎が完成した。日本設計・大成建設一級建築士事務所設計共同企業体による設計、21期卒業生の隈研吾東大教授、建築家。国立競技場の計画案をデザイン)の監修[6]による。2017年度のグッドデザイン賞に選ばれた。

教育

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教育理念

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“Men for others, with others”( 他者のために、他者とともに)の教育理念の下で、人格教育に重きを置いた教育がなされている。世界に通用するリーダーを養成するため、心身ともに徹底的に鍛えるという教育方針を採る。

カトリックの学校であり、しつけや学習の指導は厳しい。一方で、明文化された校則はあるものの少なく、自由である。

学習

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学校は真理に基づく人間教育を実践、進学実績の数値や偏差値だけに左右される教育とは一線を画している。

習熟度別クラス編成は採用していない。6年間を「初級」「中級」「上級」に分け、中高生としての心身の成長に重きを置いた教育を重視している。中1から高3の全ての授業において、授業の開始前と終了前に「瞑目」を行っていなければならない。これにより、精神集中を図っている。

中学1年から倫理の授業があり、中学では当校の歴史、方針を教えている。また、道徳と同じような内容も含まれる。高校2年では理科など一部の科目で選択必修という形式をとっているが、本格的な受験に向けた体制は高校3年時のみで、理系クラス(通常A / B組 / C組の一部)・文系クラス(通常C組の一部 / D組)の文理分けがされる。特別な宗教授業などはない(ミサや聖書研究などはあるが、任意参加)。外国人教員も加わる英語教育は質が高く、本校が独自に開発した教科書「プログレス・イン・イングリッシュ」は、他校でも使われている。

課業

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2時間目と3時間目の間には「中間体操」に取り組んでいる。原則、上半身裸で体操することとなっていたが、2024年1月現在、LGBTへの配慮などを理由に、上裸での参加は任意とされている。

「学校は勉強をする場所である」という教育理念に基づき、部活動は週2回と定められている。中学生は全員、何らかのクラブ活動に参加が必須である。

サッカー部は、全国高等学校サッカー選手権大会に第35回大会と第42回大会の2回、神奈川県代表として出場している。

野球部も2003年に全国高等学校軟式野球選手権大会に南関東地区代表として出場。2015年春季軟式野球神奈川県大会では準優勝。2018年の春季軟式野球神奈川県大会および春季軟式野球関東大会では優勝するなど、高校軟式野球における強豪である。

また、体操部は2014年と2019年、ダブルダッチの世界大会で優勝している。

学校行事

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毎年10月末もしくは11月初めには、全校生徒らが江ノ島-小田原を往く「歩く大会」(約30km)が実施される。

5月初旬には「栄光祭」(文化祭)、9月下旬には体育祭が行われる。

文化部の取り組みも活発で、歴史部員が加藤陽子東大教授の課外授業に取り組んだ過程が、「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」(朝日出版)にまとめられた他、各種大会優勝を成し遂げている囲碁将棋部、生徒自身が自主運営しながら高いクオリティーを維持しているブラスバンド部の演奏活動などが対外的に知られている。

課外活動

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国際科学オリンピック(数学・物理・化学・生物)といった課外活動をする者も多く、金メダルを獲得するなど出場常連校である。また、数学甲子園科学の甲子園など各種大会でも例年上位入賞している。パソコン甲子園ではグランプリを獲得。全国高校生英語ディベート大会でも2015年優勝を果たし、世界大会へ出場した。2018年度も、「科学の甲子園」と「数学甲子園」でそれぞれ優勝し、国際地学オリンピックでも日本代表に選ばれた。「数学甲子園」は2019年度も優勝し、2012年に全国予選が設けられて以降、初の連覇を達成した。

2003年には、全国高等学校クイズ選手権で優勝を果たした。2015年にも神奈川県代表として出場し、2023年ではベスト4まで進出した。

有志によるボランティアも代々熱心に繰り広げられている。近隣の老人ホームを慰問したり、施設に預けられている子供たちを定期的に慰問したりするなどの活動を展開している。

進路

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卒業生のべ1万人中3,000人以上が東京大学へ進学している[7]

2008年から2013年までの卒業生(計1076人)の主な進学先は東京大学350人、国公立大学医学部医学科98人、一橋大学63人、東京工業大学39人、その他国公立大学107人、私立大学医学部37人、慶應義塾大学134人、早稲田大学102人、その他私立大学117人、その他29人(東京大学理科三類、慶應義塾大学医学部は「医学部」の集計に含まず。浪人中・進学先不明等は「その他」に含む)である[8]

各界で活躍する同校OBの進路ガイダンス「OBゼミ」も定期的に実施するなど、大学受験の10年後、20年後を見据えた進路指導も重視されている。

沿革

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出典[9]

  • 1947年(昭和22年) - 米軍から要請を受けたイエズス会により神奈川県横須賀市田浦(現:横須賀市船越町)内の海軍工廠跡地に創立。
    上智大学文学部歴史科科長のドイツ人神父グスタフ・フォス師を校長に、旧制の栄光中学校(5年制)として中学1年生72名でスタートし(現在では1学年180人、1クラス45人の6学年)、その年の内に新制3年制の中学校として認可された。
  • 1949年(昭和24年) - 栄光学園中学校と改称、高等学校の設立認可を得て、中高一貫校となった。
  • 1957年(昭和32年) - 財団法人上智大学より独立し、学校法人栄光学園となる。
  • 1964年(昭和39年) - 校地が海上自衛隊横須賀基地となるのを期に、広大な敷地を求め、約111000m2の現在地に移転。
    旧田浦校地は現在、海上自衛隊自衛艦隊司令部等の所在地となっている。
  • 2016年(平成28年)4月 - 学校法人上智学院と合併するが、独立した学園運営は従来同様に維持される[2]

交通

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  • JR東日本東海道本線横須賀線根岸線)、湘南モノレール大船駅」徒歩15分。または同駅西口近くの大船駅西口バス停から「栄光学園経由清泉女学院行き」で約2分。「栄光学園前」バス停下車すぐ(ただし、心身を鍛えるとの理由で駅からの徒歩通学が義務付けられており、怪我などの理由を除き同校生徒のバス乗車は禁止されている)。

著名な関係者

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出身者

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その他関係者

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入学・卒業年等計算方法

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  • 1953年卒業生が1期生。
  • 1946+××期生=西暦○○○○年入学。
  • 1952+××期生=西暦□□□□年卒業。
  • 89〜90-××期生=2023年度における標準的年齢。

姉妹校

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上智学院設置校
イエズス会系列校

脚注

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  1. ^ 栄光学園中学校の入試・試験日 - 中学受験パスナビ の冒頭に「※系列高校での募集はない。」と記されている。
  2. ^ a b “上智学院・栄光など5学校法人が合併へ 16年4月に”. 日本経済新聞. (2014年10月23日). https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG23H04_T21C14A0CR0000/ 2018年3月21日閲覧。 
  3. ^ 法人合併協議の開始について
  4. ^ 学校法人合併認可のお知らせ
  5. ^ 首都圏 男子・共学 27校 敷地面積比較(都立・県立含む)(ID:3187950)94ページ - インターエデュ”. www.inter-edu.com (2022年4月6日). 2024年3月31日閲覧。
  6. ^ 創立70周年記念事業.栄光学園
  7. ^ サンデー毎日、光文社新書「東大合格高校盛衰史 60年間のランキングを分析する」小林哲夫著、光文社新書「名門高校人脈」鈴木隆祐著など参照
  8. ^ 学校案内パンフレット
  9. ^ 設立・沿革 | 学校紹介”. 栄光学園. 2019年2月4日閲覧。
  10. ^ 養老孟司×英文校正エナゴ・トップ研究者インタビュー”. クリムゾンインタラクティブ. 2011年12月23日閲覧。
  11. ^ a b 吹浦忠正 (2009年11月20日). “近衞忠煇会長と細川護煕元首相”. 吹浦忠正(ユーラシア21研究所理事長)の新・徒然草. 2011年12月23日閲覧。
  12. ^ 寄稿・投稿 8期、この1冊”. 栄光学園同窓会. 2023年9月2日閲覧。(2023年9月現在セキュリティ保護なし)
  13. ^ 浜田卓二郎プロフィール”. 浜田卓二郎. 2011年12月23日閲覧。[リンク切れ]
  14. ^ 若杉敬明 on the Web”. 若杉敬明. 2011年12月23日閲覧。[リンク切れ]
  15. ^ 著者ご紹介”. 大住良之. 2011年12月23日閲覧。
  16. ^ 3.11を忘れない!栄光学園
  17. ^ 保坂和志長崎俊一のこと」『ムッシュ・シネマ』第6号、鎌倉で映画と共に歩む会、鎌倉、2006年1月、2011年12月23日閲覧 
  18. ^ “毎日フォーラム・霞が関ふるさと記 神奈川県(2)”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2017年7月10日). https://mainichi.jp/articles/20170403/org/00m/010/027000c 2022年4月8日閲覧。 
  19. ^ プロフィール”. あさお慶一郎. 2011年12月23日閲覧。
  20. ^ “毎日フォーラム・霞が関ふるさと記 神奈川県(2)”. 毎日新聞デジタル (毎日新聞社). (2017年4月10日). https://mainichi.jp/articles/20170403/org/00m/010/027000c 2024年3月25日閲覧。 
  21. ^ “毎日フォーラム・霞が関人物録 神奈川県・下”. 毎日新聞デジタル (毎日新聞社). (2022年12月9日). https://mainichi.jp/articles/20221207/org/00m/010/011000d 2024年6月9日閲覧。 

関連項目

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外部リンク

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