栗原英雄
栗原 英雄(くりはら ひでお、1965年〈昭和40年〉7月4日 - )は日本の俳優。栃木県下都賀郡壬生町出身[1]。レ・ブリアン(Les Brillants)所属。
くりはら ひでお 栗原 英雄 | |
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本名 | 栗原 英雄 |
生年月日 | 1965年7月4日(57歳) |
出身地 |
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身長 | 174cm |
血液型 | B型 |
職業 | 俳優 |
ジャンル | 舞台・映画・テレビドラマ |
活動期間 | 1984年 - |
事務所 | レ・ブリアン |
主な作品 | |
舞台 『真田丸』 『鎌倉殿の13人』 |
略歴編集
國學院栃木高校在学時に演劇を志し[2]、1984年、高校卒業後に上京して劇団四季に入団[2]。ミュージカル『ライオンキング』をはじめ数々の演目に出演し、2009年退団。
退団後は舞台や映画を中心に活動を続け、2016年に大河ドラマ『真田丸』(真田信尹 役)でテレビドラマ初出演を果たした[3]。
俳優業編集
- 中学時代に役者を目指し始め、國學院栃木高校入学と共に演劇部へ入部。「自分の肉体を駆使する表現がしたい」との思いからシェークスピア作品を読むなどして本格的に演劇を志した。[4]
- 当時憧れていた俳優(ジェームズ・ディーン、ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ)全員が『アクターズ・スタジオ』で演劇を学んだ経験を知り、更に浅利慶太の「劇団四季は食べられる」というインタビュー記事を読んだことで、劇団四季を受けることを決めたという。[4]
- 劇団四季にはテスト生として合格。合格理由について浅利慶太に「才能はない。だが素質はある」と伝えられたという。[4]初舞台は19歳『コーラスライン』である。[4]
- 劇団内でベテランとなってからは、浅利慶太の補助として研究生を指導する側に立つこともあった。[4]
- 2009年、役者としてより成長したいとの思いから、25年間所属していた劇団四季を退団した。[4]
- 初映像作品はBABEL LABELの『けむりの街の、より善き未来は』(監督・藤井道人)。若者が作っていく現場に参加したいという意志で自らオーディションに参加し、藤井監督よりオファーをもらったことがきっかけである[5]。以降BABEL LABEL作品には幅広い役柄(ダメ親父・地下アイドルファン・女装する役など)で多数出演している。[5]
- 『真田丸』出演は、同ドラマ脚本の三谷幸喜が出演舞台『タイタニック』を観劇したことがきっかけである。三谷と親交のあった共演のシルビア・グラブ経由で「映像作品への興味」を尋ねられ、興味がある旨を伝えたところ後日出演オファーが来たという。[5]
- 『真田丸』クランクインは2015年9月3日乗馬シーンから。30度の急斜面を馬で駆け上がる撮影に備えハードな乗馬訓練を重ねて本番に臨んだが、本編ではそのシーン自体全てカットされてしまった。しかし、撮影終了後も定期的に乗馬訓練場に通い続けている[6]。
演劇論編集
- 芝居で大切なのは相手役の反応や出方であり、それを敏感に受けそして返していく演技こそが最上の演技である、と語っている。[7]
- 「感情は自分で作るのではなく相手役からもらうもの。自分がどうしたいかというのを相手にぶつけた時に、相手役の反応によって初めて感情は生まれる」「自分は自分の色だけでは生きられない役者。カメラマンや演出家の言葉が必要」「自分を常にニュートラルな状態に置くことも重要」とも語っている。[8]
- 役をもらい役に入ると、普段の生活もその役の感じでしかいられなくなりがちとも話す。[9]
人物編集
- 最初の演劇体験は幼稚園のお遊戯大会で「おにぎり」役だった。[4]
- 好きな俳優は「嘘のない演技が出来る人」としてハーヴェイ・カイテルを挙げている。他にもロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、フィリップ・シーモア・ホフマンなど。[5]
- 好きな映画は『ユリシーズの瞳』・『スモーク (映画)』・『バグダッド・カフェ』など。主にロードムービーや群像劇を好む。[5]
- 真田信尹役を演じたことがきっかけで、信尹が祀られている山梨県北杜市の龍岸寺にはたびたび参拝し、訪れるたびに「おかえりなさい」と声を掛けられているという。[8]
- 劇団四季時代は「自分に厳しく、他人に厳しく」のスタンスだったが、退団後は「自分に厳しく、他人に優しく」のスタンスにシフトしたという。[4]
- ミュージカル『タイタニック』『パジャマゲーム』の演出家、トム・サザーランドから、「幸せというのは色んなところにあるじゃないかというのが、あなたを見ていたら滲み出ている」と評価されている。[4]
- 役者を志した高校時代から地元の方言(栃木弁)は封印してきた。[6]
- 野外イベントやロケなどでは晴れることが多く、晴れ男を自負している。[6]
- 日常にルーティーンがあり、必ず出かける2時間前には起床している。仕事や撮影のある日などは出かける4時間前には起床し準備しているという。[6]
- 動物園と水族館のどっち派という質問に対し「居酒屋派」と答えるほどのお酒好き。基本的には何でも飲むが、特に日本酒が好み。ただし撮影前日などは焼酎に切り替えるなど気を遣っている。休肝日は設けておらず、時に二日酔いすることもあると語っている。[6]
- 「メンクイ」と自称するほどの麺好きで、三食麺類でも大丈夫という。一番好きな麺類は「蕎麦」。中でも十割に近いものを選ぶようにしている。蕎麦屋で天ぷらを肴に焼酎のそば湯割りを飲み、せいろで締めるのがいいと語っている[10]。ラーメンも好きだが食べるタイミングには気を付けており、なるべく無化調の(化学調味料を使わない)ものを食べるようにしている。他にもパンは全粒粉、ごはんは玄米食とするなど、食生活にはかなり気を遣っている。[6]
- 苦手な食べ物はタマネギである。形が残っていないほど煮込んであれば大丈夫とも話す。長ネギは食べられるという[6]。
- 愛犬家で犬を2匹飼っている(ぽろん・ワイリー)。ツイッター等のSNSで時折登場するが、ぽろん(ロングコートチワワ・雌)はひらがなでしかしゃべれない設定で、自分のことを「ちちー」と呼ばせている。ワイリー(パピヨン・雄)はカタカナも使える設定で、自分のことは「パパー」と呼ばせている。[6]
- 三谷幸喜とは舞台『不信〜彼女が嘘をつく理由』オファー後に初めて連絡先の交換をしたという。最初のやりとりが(「本日はありがとうございました。今後ともよろしくお願いします」「こちらこそよろしくお願いします」という内容で)「まるで付き合い始めの思春期のカップルみたいなやりとりだった」と述懐している。[9]
- 舞台『不信〜彼女が嘘をつく理由』初日直前会見の場では、共演者である戸田恵子に「思いのほか天然なところがある」と評されている。
- 朝日新聞夕刊に連載されているエッセイ「三谷幸喜のありふれた生活844(2017年4月13日掲載)」にて、『不信~彼女が嘘をつく理由』の現場で見せた素顔の一端を三谷幸喜から「大人の雰囲気がある」「たまに見せるおちゃめな部分が非常にキュート」と評されている。同エッセイで三谷は、共に仕事をしたかった役者として岸田森・成田三樹夫(いずれも故人)を挙げた上で、最後に「叶わぬ夢に、少し淋しい気持ちになってしまうのだが、もう大丈夫。/僕には栗原英雄がいる」と締めくくった。この言葉はそのままエッセイの表題になっている。
出演作品編集
舞台編集
劇団四季時代編集
- コーラスライン - リチー役
- アスペクツ・オブ・ラブ - マルセル・リチャード役
- 人間になりたがった猫 - ライオネル役
- ウェストサイド物語 - シャーク団チノ役
- ふたりのロッテ - パルフィー役
- はだかの王様 - ペテン師スリッパ役
- 九郎衛門 - ひろめ屋役
- キャッツ - ラム・タム・タガー役
- クレイジー・フォー・ユー - ベラ・ザングラー役
- ライオンキング - スカー役
- マンマ・ミーア! - ビル・オースティン役
- コンタクト - マイケル・ワイリー役
- ウィキッド - オズの魔法使い役
- エクウス - アラン役
- ヴェニスの商人 - バサーニオ役
- ブラックコメディー - ピーター・シエファー役
- 夢から醒めた夢 - 夢の配達人役
劇団四季退団後編集
- アンタッチャブル - カルロ・ニコラ役(アル・カポネの部下)
- ミーグウイッチ
- ディートリッヒ - ゲッベルス役(ナチス党宣伝大臣)
- 2 -two-(トリプルtime)
- 12〜twelve〜(OOBJ)- No4役※2011年初演版 [11]
- SEMPO -日本のシンドラー 杉原千畝物語- - グッシェ 役[12]
- ふと、立ち止まり、語り出す(2013年10月10日-10月14日、So Creativeプロデュース公演・演出:志真健太郎)
- タイタニック - エドガー・ビーン 役[13]
- しあわせのかたち[14]
- 太平洋食堂[15]
- 不信〜彼女が嘘をつく理由[16]
- ミュージカル『パジャマゲーム』 - ハインズ役[17] ※2017年All Aboutミュージカル・アワード助演男優賞受賞[18]
- ミュージカル『メンフィス』 - シモンズ役[19]
- ミュージカル『マタ・ハリ』-パンルヴェ役[20]
- 日生劇場『リトル・ナイト・ミュージック』-カールマグナス伯爵[21]
- 大地(Social Distancing Version)(2020年、PARCO劇場・サンケイホールブリーゼ) - ホデク 役[22][23]
- Romeo and Juliet ―ロミオとジュリエット―(2021年、東京グローブ座・梅田芸術劇場)[24]
- ミュージカル「October Sky -遠い空の向こうに-」(東京公演:2021年10月6日 - 10月24日、シアターコクーン/大阪公演:2021年11月11日 - 11月14日、森ノ宮ピロティホール)- ジョン・ヒッカム 役 [25]
映画編集
- けむりの街の、より善き未来は(2012年)
- 男たちの楽園(2013年)
- ドキュメント(2013年)
- 寄り添う(2014年)
- めちゃくちゃなステップで(2014年)
- 私糖尿病ですって(2015年)
- 猿たちの舟(2015年)
- TOKYO CITY GIRL(2015年)
- あなたがここにいてほしい(2016年)
- ホテルコパン(2016年)[26] - 段来示 役
- TOKYO CITY GIRL -2016-[27](2016年)
- 沈黙 -サイレンス-(2017年)
- 記憶にございません!(2019年) - 高級レストラン店長 役
テレビドラマ編集
- 大河ドラマ(NHK)
- スペシャルドラマ「LEADERS II(リーダーズ2)」[28](2017年3月26日、TBS) - 池田 役
- ドラマ24「孤独のグルメSeason6」第11話「東京都文京区茗荷谷の冷やしタンタン麺と回鍋肉」[29](2017年6月23日、テレビ東京) - 常連客・斉藤 役
- 風雲児たち〜蘭学革命(れぼりゅうし)篇〜(2018年1月1日、NHK) - 奥平昌鹿 役[30]
- 連続テレビ小説(NHK)
- 半沢直樹(2020年、TBS) ‐ 府川義則 役
- 危険なビーナス(2020年10月11日 - 12月13日、TBS) - 矢神康治 役[35]
- オールドルーキー 第1話(2022年6月26日、TBS)- 吉広幸司 役
- クロサギ 第3話(2022年11月4日、TBS) - 西岡崎誠二 役[36]
ラジオドラマ編集
脚注編集
- ^ “壬生町長のすまいるとーく”. Facebook (2016年3月8日). 2016年5月6日閲覧。
- ^ a b “【「真田丸」の栃木県出身俳優に聞く(1)】真田信尹役・栗原英雄さん(壬生出身)”. 下野新聞 (2016年5月1日). 2016年6月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月6日閲覧。
- ^ “【真田丸】元劇団四季俳優・栗原英雄、テレビドラマ初出演”. ORICON STYLE (2016年2月28日). 2016年5月6日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “ワニブックス『+act.(プラスアクト)』2017.Mar.vol.75掲載”. 2017年3月21日閲覧。
- ^ a b c d e “2016年8月21日放送「BABEL RADIO」”. 2016年9月7日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “2016年8月27~28日開催「JINBA KOGEN FES’16」栗原英雄トークショー”. 2016年9月7日閲覧。
- ^ “東京ニュース通信社「TV Bros」平成28年12月3日号”. 2017年3月29日閲覧。
- ^ a b “宅ふぁいる便「仕事インタビュー 私の職務経歴書」”. 2017年3月20日閲覧。
- ^ “週刊現代 2017年1月14・21日合併号”. 2017年3月21日閲覧。
- ^ “龍平カンパニー”. 2017年3月20日閲覧。
- ^ “キャスト一覧”. ミュージカル 『SEMPO』〜日本のシンドラー 杉原千畝物語〜 2013. 2016年5月6日閲覧。
- ^ “キャスト”. ミュージカル『タイタニック』. 2016年5月6日閲覧。
- ^ “しあわせのかたち”. しあわせのかたち. 2016年11月9日閲覧。
- ^ “太平洋食堂”. 太平洋食堂|メメント. 2016年11月9日閲覧。
- ^ “公演情報”. PARCO Production 不信 ~彼女が嘘をつく理由. 2016年11月9日閲覧。
- ^ “ミュージカル『パジャマゲーム』公演情報”. ミュージカル『パジャマゲーム』. 2017年2月1日閲覧。
- ^ “発表!2017年All Aboutミュージカル・アワード”. All About. 2018年2月7日閲覧。
- ^ “ミュージカル『メンフィス』公演情報”. ミュージカル『メンフィス』. 2017年4月4日閲覧。
- ^ “「マタ・ハリ」特設ページ”. 「マタ・ハリ」特設ページ. 2017年10月6日閲覧。
- ^ “日生劇場「リトル・ナイト・ミュージック」”. 日生劇場「リトル・ナイト・ミュージック」. 2017年10月6日閲覧。
- ^ “大地”. PARCO STAGE. 2020年9月13日閲覧。
- ^ “三谷幸喜が作・演出、大泉洋、山本耕史、竜星涼らが出演する舞台『大地(Social Distancing Version)』 10月にTV放送が決定”. SPICE. 2020年9月13日閲覧。
- ^ “Romeo and Juliet ―ロミオとジュリエット―”. 東京グローブ座. 2021年8月13日閲覧。
- ^ ミュージカル October Sky-遠い空の向こうに- オフィシャル
- ^ “映画「ホテルコパン」公式サイト(※音が出ます)”. 2016年9月10日閲覧。
- ^ “「映画」マイナビpresents TOKYO CITY GIRL -2016-”. 2016年9月10日閲覧。
- ^ “スペシャルドラマ「LEADERSⅡ」(TBSテレビ)”. 2017年3月29日閲覧。
- ^ “ドラマ24「孤独のグルメSeason6」(テレビ東京)”. 2017年6月27日閲覧。
- ^ “三谷氏新作「風雲児たち」来年元日放送!栗原英雄&阿南健治&高木渉も出演”. Sponichi Annex (2017年10月6日). 2017年10月6日閲覧。
- ^ polon0702のツイート(969207317475467264)
- ^ polon0702のツイート(974254584616005635)
- ^ polon0702のツイート(974471800871469056)
- ^ ““叔父上”栗原英雄「なつぞら」で舞台役者に「果たして調略は!?」草刈正雄との“真田丸兄弟共演”期待”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2019年5月22日) 2019年5月22日閲覧。
- ^ “妻夫木聡主演『危険なビーナス』追加キャストに小日向文世、斉藤由貴ら”. ORICON NEWS (オリコン). (2020年9月13日) 2020年9月13日閲覧。
- ^ “〈クロサギ第3話〉黒崎、白石に怪しまれるもその先に思わぬ出会い 氷柱は黒崎の過去を探る”. モデルプレス (ネットネイティブ). (2022年11月3日) 2022年11月3日閲覧。
- ^ “NHK オーディオドラマ過去作品アーカイブ / 特集オーディオドラマ「アシマの銃、セギルの草笛」(初回放送:2017年1月2日)”. NHK 日本放送協会. 2022年11月17日閲覧。
- ^ “NHKオーディオドラマ 青春アドベンチャー「帝冠の恋」”. NHKオーディオドラマ 青春アドベンチャー「帝冠の恋」. 2017年3月20日閲覧。
- ^ “NHKオーディオドラマ 青春アドベンチャー「また、桜の国で」”. NHKオーディオドラマ 青春アドベンチャー「また、桜の国で」. 2017年6月27日閲覧。
- ^ “NHK オーディオドラマ過去作品アーカイブ / 青春アドベンチャー「暁のハルモニア」(初回放送:2018年8月27日 - 9月7日)”. NHK 日本放送協会. 2022年11月17日閲覧。
- ^ “NHK オーディオドラマ過去作品アーカイブ / 青春アドベンチャー「紺碧のアルカディア」(2019年10月21日 - 11月1日放送)”. NHK 日本放送協会. 2022年11月17日閲覧。
- ^ “NHK オーディオドラマ過去作品アーカイブ / 青春アドベンチャー「ハプスブルクの宝剣」(2020年3月9日 - 4月3日 放送)”. NHK 日本放送協会. 2022年10月7日閲覧。
- ^ “NHK 青春アドベンチャー『軽業師タチアナと大帝の娘』(2022年8月29日 - 9月16日 放送)”. NHK 日本放送協会. 2022年11月17日閲覧。
- ^ “NHK FMシアター『乾杯ワインは 時を超えて』(2022年12月3日 放送)”. NHK 日本放送協会. 2022年12月9日閲覧。
- ^ “栗原英雄「鎌倉殿」大江広元が話題-武田梨奈とラジオドラマ-北海道・池田町の町長役、パワフルな昭和の男の生き様「出せたら」”. MSN. 2022年12月3日閲覧。