森トラスト
森トラスト株式会社(もりトラスト、Mori Trust Co, Ltd.)は、東京都港区虎ノ門の神谷町トラストタワーに本社を置くデベロッパーである。会長は森ビル創始者・森泰吉郎の三男・森章。かつては次男・稔が社長を務める森ビルグループであったが、父の死後の1999年に分離し、経営面ではそれぞれ独立することになった。
神谷町トラストタワー | |
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 非上場 |
本社所在地 |
日本 〒105-6903 東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー[1] |
設立 | 1970年(昭和45年)6月10日[1] |
業種 | 不動産業 |
事業内容 | 不動産開発、ホテル経営および投資事業[1] |
代表者 |
代表取締役会長 森章[1] 代表取締役 根岸愛子 代表取締役社長 伊達美和子 |
資本金 | 300億円[1] |
売上高 |
2629億300万円 (2024年3月期)[2] |
営業利益 |
538億5,300万円 (2024年3月期)[2] |
経常利益 |
589億6,600万円 (2024年3月期)[2] |
純利益 |
413億8,700万円 (2024年3月期)[2] |
純資産 |
5,916億7,300万円 (2024年3月期)[2] |
総資産 |
1兆4,776億4,300万円 (2024年3月期)[2] |
従業員数 |
単独:436名 連結:3,297名(2023年4月現在) |
決算期 | 3月31日 |
会計監査人 | 清陽監査法人[3] |
主要株主 |
株式会社森トラスト・ホールディングス 69.56% 森章 1.25% (2007年3月31日現在) |
関係する人物 | 森泰吉郎(創業者) |
外部リンク | http://www.mori-trust.co.jp/ |
特記事項:森トラスト株式会社は、自己株式として27.48%の株式を有するが、会社法の規定により自己株式は議決権を有しない為、株式会社森トラスト・ホールディングスが有する議決権は95.91%である。 |
形式的には後述する持株会社森トラスト・ホールディングスの傘下企業となっているが、企業の実態としては実質同一であり、森トラストが森トラスト・グループの中心企業となっている。
概要
編集都市開発や不動産の所有・賃貸・管理を主な事業内容としており、丸の内トラストシティや東京汐留ビルディング、城山ガーデン(旧・城山ヒルズ)、御殿山トラストシティ[4](旧・御殿山ヒルズ→御殿山ガーデン)、赤坂ツインタワー(改築中)、仙台トラストシティなどの運営管理を行っている。また、登記上は持株会社、森トラスト・ホールディングスの傘下にあるものの、森トラストグループの実質的な中核企業、親会社としても機能している。
ホテル事業に積極的で、以前から所有していたラフォーレ倶楽部、万平ホテルに加えて、2003年(平成15年)にはヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルに資本参加、2005年(平成17年)にはコンラッド東京を開業、さらに2009年(平成21年)にはシャングリ・ラホテル東京を開業している。その他にもホテルオークラ、リーガロイヤルホテル、藤田観光などへも資本参加している。
商業施設では、2001年(平成13年)にパルコに、2002年(平成14年)からロフトにそれぞれ資本参加していたが、ロフトについては2007年(平成19年)3月に保有するロフト株を全てミレニアムリテイリングに売却。さらにパルコについても2012年(平成24年)3月に保有する全株式をJ.フロント リテイリングに売却したことから、商業施設運営からは事実上撤退した。
2007年4月18日には、資金難となっていたアイピーモバイルに資本参加(株式の69.23%を株式会社マルチメディア総合研究所から取得)していたが、同年7月13日には株式のすべてを米国・NextWave Wireless社へと売却することを発表した[注釈 1]。その後アイピー社は経営の混乱の末、結局事業を断念するに至った(同社の記事参照)。
2012年2月には、分譲マンション大手の日本エスリードの株式の32.3%を取得し、同社と資本業務提携を結んだ[6](2013年3月に連結子会社化[7])。
同社は、東京国税局の税務調査で、土地評価をめぐり約400億円の申告漏れを指摘されたが、同社は東京国税不服審判所に異議を申し立て、同審判所は課税処分を全額取り消していたことが、2015年6月に明らかになった[8]。
沿革
編集1970年(昭和45年)6月10日に、森ビルグループの、森ビル開発株式会社として設立され、1999年(平成11年)9月に森ビルグループから分離独立した際に、現在の森トラスト株式会社に改名された。
グループ独立時の主要3社は、森トラスト株式会社(旧・森ビル開発)、森観光トラスト株式会社(旧・森ビル観光)、森産業トラスト株式会社(旧・森ビル産業)であるが、森産業トラストは、2003年(平成15年)8月に森トラストに吸収合併されている。また、森観光トラスト(1973年設立)も、2006年(平成18年)4月1日に施設運営部門を会社分割で森観光トラスト株式会社(2006年設立、現・森トラスト・ホテルズ&リゾーツ)を新設して、森観光トラスト資産管理株式会社となった後、同年10月1日に森トラストに吸収合併されている。
2002年(平成14年)から、森ビルとの違いを明確化するために、所有するビル名から森ビルグループと共同で使用してきた「ヒルズ」「森ビル」の文字を外しており、原則としてオフィスには「トラストタワー」「MTビル」を、住宅棟には「トラストコート」「MTコート」を使うようにしている(例:仙台東口の仙台森ビルも、現在は仙台MTビルとなっている)[注釈 2][注釈 3]。
2018年(平成30年)9月5日に、三菱地所が実施したアーバンライフ株式会社 (東京証券取引所市場第二部)に対する株式公開買付けが成立し、アーバンライフは9月10日付で森トラストグループから離脱した[9]。
森トラスト・ホールディングス
編集種類 | 株式会社 |
---|---|
本社所在地 |
日本 〒105-6903 東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー |
設立 | 1951年(昭和26年)8月1日 |
業種 | 不動産業 |
事業内容 | 持株会社 |
代表者 |
代表取締役会長 森章 代表取締役社長 伊達美和子 |
資本金 | 5,100万円 |
売上高 |
307億2,600万円 (2024年3月期)[10] |
営業利益 |
291億7,800万円 (2024年3月期)[10] |
経常利益 |
313億2,700万円 (2024年3月期)[10] |
純利益 |
298億2,800万円 (2024年3月期)[10] |
総資産 |
9,543億1,400万円 (2024年3月期)[10] |
会計監査人 | 清陽監査法人[3] |
主要子会社 | 森トラスト株式会社 |
外部リンク | http://www.mori-trust.co.jp/ |
森トラストグループの持株会社。初めは1951年(昭和26年)、森ビルの創業者である森泰吉郎が、泰成株式会社として設立した。
森泰吉郎が逝去したのち、1999年(平成11年)、森ビルグループのうち旧:泰成傘下の企業群は分裂して独立した。翌2000年(平成12年)、泰成は、「森トラストグループ本社」と社名変更し、更に2005年(平成17年)7月1日、持株会社であることを明確にするため、現在の「株式会社森トラスト・ホールディングス」に変更された。
現在の主要子会社
編集- 森トラスト株式会社
- 株式会社森トラスト・ホールディングス (親会社)
- 森トラスト・ビルマネジメント株式会社
- 森トラスト・ホテルズ&リゾーツ株式会社
- 株式会社万平ホテル - 1997年2月から
- MT&ヒルトンホテル株式会社 - 2004年10月から
- サンマリーナ・オペレーションズ株式会社 - 2016年12月から。サンマリーナホテルを運営する。
- MTゴルフ開発株式会社
- フォレセーヌ株式会社
- 森トラスト・レジデンシャルサービス株式会社
- エスリード株式会社 - 2013年3月から(東京証券取引所市場第一部)
- エスリード管理株式会社
- 綜電株式会社
- イー・エル建設株式会社
- エスリード住宅流通株式会社
- エムティジェネックス株式会社 (子会社・ジャスダック)
- 森トラスト・アセットマネジメント株式会社
- 城山熱供給株式会社
- 株式会社アズマックス
- MTアドテック株式会社
現在の持分法適用関連会社
編集- 株式会社ロイヤルホテル - 2006年4月から
- 森トラストリート投資法人(東京証券取引所・不動産投資信託(REIT)証券市場)
主な保有物件
編集- 新橋27MTビル(1973年竣工)
- 虎ノ門34MTビル(1979年竣工)
- メソニック38MTビル(1981年竣工)
- メソニック39MTビル(1983年竣工)
- 虎ノ門40MTビル(1982年竣工、2001年改装)
- 三田43MTビル(1983年竣工)
- 神谷町MTビル(1993年竣工)
- 丸の内トラストタワー
- 京橋トラストタワー
- 仙台トラストタワー
- 東京汐留ビルディング(2005年竣工)
- 御殿山トラストシティ(旧・御殿山ヒルズ→御殿山ガーデン)
- 城山ガーデン(1991年竣工、旧・城山ヒルズ)
- 虎ノ門2丁目タワー(1999年竣工)
- 東京ワールドゲート(2020年竣工)
- 赤坂ツインタワーATT新館
- コートヤード・バイ・マリオット 新大阪ステーション(2015年11月開業、大阪市淀川区)
- リーガロイヤルホテル京都(2023年5月30日取得)
- フェアフィールド・バイ・マリオット大阪難波(2024年1月30日取得、大阪市浪速区)[11]
かつての保有物件
編集- 日産自動車本社ビル新館(「銀座MTRビル」に改称後売却、現・野村不動産銀座ビル)
- 虎ノ門45MTビル(株式会社地下鉄ビルデイング<東京メトロの完全子会社。現・東京メトロ都市開発>に売却され、現・メトロシティ神谷町)
- 虎ノ門19MTビル(解体され、跡地には第3虎の門電気ビルディングが建設される)
- 赤坂ツインタワー本館・東館(解体され、跡地に東京ワールドゲート赤坂を整備中)
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e “会社情報”. 森トラスト株式会社. 2016年5月8日閲覧。
- ^ a b c d e f 森トラストグループ 2024年3月期 業績報告
- ^ a b 業務及び財産の状況に関する説明書類
- ^ 森トラスト、『御殿山トラストシティ』12月3日誕生(スーモジャーナル 2013年10月30日)
- ^ M&A: August 3, 2012
- ^ 日本エスリード株式会社の株式の取得及び資本業務提携に関するお知らせ - 森トラスト・2012年2月23日
- ^ 日本エスリード株式会社株式に対する公開買付けの結果及び子会社の異動に関するお知らせ - 森トラスト・2013年3月12日
- ^ 森トラスト:400億円の申告漏れ取り消し 国税審判所 毎日新聞 2025年6月10日
- ^ 三菱地所株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果並びに親会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ アーバンライフ 2018年9月5日
- ^ a b c d e 株式会社森トラスト・ホールディングス 第74期決算公告
- ^ 森トラスト「フェアフィールド・バイ・マリオット大阪難波」 取得 | 森トラスト株式会社 2024年1月30日