楢﨑智亜

日本のスポーツクライミング選手

楢﨑 智亜(ならさき ともあ、1996年6月22日 - )は、日本のスポーツクライマーでTEAM au所属。栃木県出身。スポーツクライミングスピード日本記録保持者。実弟の楢﨑明智も同じくクライマー。妻は同じくスポーツクライマーの野口啓代[1]

楢﨑 智亜
(ならさき ともあ)
Boulder Worldcup 2017 in Munich
個人情報
フルネームならさき ともあ
国籍日本
生誕 (1996-06-22) 1996年6月22日(27歳)
栃木県
スポーツ
日本の旗 日本
競技スポーツクライミング
獲得メダル
スポーツクライミング
日本の旗 日本
IFSC 世界選手権
2016 パリ ボルダリング
2019 八王子 ボルダリング
2019 八王子 複合
2021 モスクワ ボルダリング
アジア競技大会
2018 ジャカルタ 複合

経歴・人物 編集

栃木県宇都宮市出身。身長170cm、体重60kg。栃木県立宇都宮北高等学校出身[2]。体脂肪率は2~4%。

海外では、身体能力、類稀な跳躍力、俊敏性からninjaと異名で呼ばれる。また、他の選手が思いつかないような動きはTomoa styleと評される。

スピード競技で楢﨑智亜が生み出したTomoa skipと呼ばれる技がある。スタート後2つ目のホールド(突起)を掴まずにとばし、タイムを短縮する技であり、世界の選手が取り入れている[3]

幼稚園で運動神経の良さから勧められ器械体操を始める。県大会で入賞するなどの成績を残し、当時は体操でオリンピックに出場する事を目標にしていた。しかし突然体操の演技をすることに恐怖を感じ、施設の中に入ることすら出来なくなり、10歳で体操を休止する。 そんな時、兄が通っていたスポーツクライミングジムに遊びに行き、クライミングを始めた[4]

2011年中学3年でジャパンカップに初出場。この頃はまだクライミングジムに遊び感覚で通っていた。

2014年高校3年でワールドカップに初出場。

2015年高校卒業後18歳でプロクライマーになる。当時、大学に行かず高卒でプロになる選手はおらず、実家が病院だったため医学部へ進学することも考えたが、やるからには本気でとプロの道を選んだ。 父親からは2年で結果が出なければ辞めるように言われていた。 それまではワールドカップなどではほとんど予選落ちだった楢﨑だが、約束のプロ2年目の2016年にワールドカップ2勝、世界選手権優勝を果たし、世界ランキングは30位台から一気に1位になる[5]

2016年8月より株式会社KDDIとスポンサー契約[6]。TEAM-auに所属。

IFSC クライミング 世界選手権で2016・2019年 ボルダリング種目、2019年 複合種目で優勝。2016・2019年「IFSC クライミング・ワールドカップ ボルダリング種目」で年間総合優勝を果たす。

2019 IFSC クライミング世界選手権大会英語版八王子市総合体育館)の複合種目で優勝した事により、2020年東京オリンピック スポーツクライミング競技 日本代表選手に内定した[7][8]

2020年10月24日、スポーツクライミング スピード・ジャパンツアー(岩手県営運動公園スポーツクライミング競技場)にて、日本人初の5秒台となる5秒90をマークし、自身の日本記録を更新[9]

2021年3月6日、スポーツクライミング スピード・ジャパンカップ(京都・サンガスタジアム)決勝にて、5秒72をマークし、自身の日本記録を更新[10]

2021年8月3日、2020年東京オリンピック スポーツクライミング(新競技)[11] 男子複合予選で総合2位となり決勝へ進出し[12]、同年8月5日の決勝で4位に入賞した[13]

2021年12月25日、東京オリンピックスポーツクライミング女子複合の代表選手である野口啓代との結婚を発表した[14]


彼の影響で栃木県下都賀郡壬生町の公立小中学校はクライミングが体育の必修になっている。[要出典]

競技会の戦績 編集

[15] [16]

国内大会 編集

アジア大会・世界大会 編集

開催年月 大会名 競技種目 [17][18]
リード ボルダリング スピード 複合
2012年8月 世界ユース選手権(ユースA) 4位
2014年8月 世界選手権   ドイツ:ミュンヘン 10位
2015年8月 世界ユース選手権(ジュニア) 8位 4位
2015年11月 アジア選手権 4位 28位
2015年12月 アジアユース選手権(ジュニア) 1位 3位
2016年8月 アジア選手権 2位
2016年9月 世界選手権   フランス:パリ 1位
2017年7月 ワールドゲームズ2017   ポーランド:ヴロツワフ 5位
2017年9月 アジア選手権 26位 4位 19位
2018年8月 アジア競技大会   インドネシア:ジャカルタ 10位 3位
2018年9月 世界選手権   オーストリア:インスブルック 13位 7位 21位 5位
2019年8月 世界選手権   日本:八王子 4位 1位 22位 1位
2021年8月 オリンピック   日本:東京 スポーツクライミング複合
6位[注 1] 3位[注 1] 2位[注 1] 4位

ワールドカップ 編集

ボルダリング

  • 2014年 海陽 5位
  • 2016年 - 年間総合優勝 [19]
    • 重慶 1位、ナビムンバイ 2位、インスブルック 2位、ベイル 2位、ミュンヘン 1位
  • 2017年 重慶 2位、南京 2位、八王子 2位、ナビムンバイ 6位、ミュンヘン 2位
  • 2018年 マイリンゲン 2位、モスクワ 1位、八王子 2位、ベイル 3位 - 年間総合2位 [20]
  • 2019年 マイリンゲン 2位、重慶 2位、呉江 1位、ベイル 2位 - 年間総合優勝 [21]

リード

  • 2017年 呉江 2位、廈門 2位
  • 2018年 ヴィラール 3位
  • 2019年 ヴィラール 6位、廈門 3位

国際大会 編集

ボルダリング

  • 2017年 チャイナオープン広州 6位

ギャラリー 編集

第15回 ボルダリング・ジャパンカップ - 2020年2月8-9日
第2回 スピード・ジャパンカップ - 2020年2月22日

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ a b c 決勝時の種目別順位。

出典 編集

  1. ^ “楢崎智亜と野口啓代さんがクリスマスに結婚報告…クライミング界のビッグカップルが五輪後ゴールイン”. スポーツ報知. (2021年12月25日). https://hochi.news/articles/20211225-OHT1T51133.html?page=1 2021年12月25日閲覧。 
  2. ^ 楢﨑 智亜 プロフィール”. 日本オリンピック委員会 (2018年8月18日). 2019年9月21日閲覧。
  3. ^ 初代五輪金メダリストを目指すスポーツクライミング楢崎智亜 自粛期間中の「進化」”. 矢内由美子. 2020年12月2日閲覧。
  4. ^ [1] 2020年12月3日閲覧
  5. ^ https://the-ans.jp/course/104116/
  6. ^ KDDI、スポーツクライミングのオフィシャルスポンサー契約を締結、「TEAM au」を結成”. news.kddi.com. 2019年8月20日閲覧。
  7. ^ “楢崎智亜が金メダルでクライミング五輪代表に「今までで一番うれしい」”. Sponichi ANNEX. スポーツニッポン新聞社. (2019年8月21日). https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2019/08/21/kiji/20190821s00108000354000c.html 2019年8月21日閲覧。 
  8. ^ 第32回オリンピック競技大会(2020/東京)におけるJOC推薦選手の選考について”. 日本山岳・スポーツクライミング協会 (2019年5月21日). 2019年8月22日閲覧。
  9. ^ [2] climbers web 2021年3月6日閲覧 
  10. ^ [3] auwebポータル 2021年3月6日閲覧 
  11. ^ スポーツクライミング 競技説明(新競技)|スポーツクライミング|東京2020オリンピック・パラリンピック”. 時事ドットコム. 2021年8月3日閲覧。
  12. ^ スポーツクライミング複合予選、楢崎智亜が2位で決勝へ…原田海は18位で敗退”. 讀賣新聞社 (2021年8月3日). 2021年8月3日閲覧。
  13. ^ クライミング・楢崎智亜は4位、惜しくもメダル逃す…最後のリードで6位”. 讀賣新聞社 (2021年8月5日). 2021年8月5日閲覧。
  14. ^ 野口啓代と楢崎智亜が結婚!クライミング界のビッグカップル誕生! - スポーツ : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2021年12月27日閲覧。
  15. ^ 楢﨑 智亜 選手情報”. 日本山岳・スポーツクライミング協会. 2019年6月11日閲覧。
  16. ^ RESULTS”. IFSC. 2019年6月11日閲覧。
  17. ^ 種目とルール”. 日本山岳・スポーツクライミング協会. 2019年6月11日閲覧。
  18. ^ 競技を動画で説明”. 日本山岳・スポーツクライミング協会. 2019年6月13日閲覧。
  19. ^ ワールドカップボルダリング最終戦で楢崎智亜、野中生萌が優勝”. 日本山岳・スポーツクライミング協会 (2016年8月14日). 2019年6月11日閲覧。
  20. ^ TOMOA NARASAKI”. IFSC. 2019年6月11日閲覧。
  21. ^ 楢崎智亜選手がW杯ボルダリングで総合優勝”. ハフポスト日本版 (2019年6月9日). 2019年6月11日閲覧。

外部リンク 編集