横浜新都市交通2000形電車

横浜シーサイドラインの主力車両

横浜新都市交通2000形電車(よこはましんとしこうつう2000がたでんしゃ)は、横浜シーサイドライン(旧・横浜新都市交通)に在籍し金沢シーサイドラインで運用されているAGT新交通システム車両

横浜新都市交通2000形電車
シーサイドライン2000形.jpg
2000形(並木北駅にて)
基本情報
製造所 東急車輛製造
総合車両製作所横浜事業所
主要諸元
編成 5[1]
軌間 1,700 mm
電気方式 直流750V
最高運転速度 60[2][1] km/h
設計最高速度 60[1] km/h
最高速度 60[1] km/h
起動加速度 3.5[2][1] km/h/s
減速度(常用) 3.5[2][1] km/h/s
減速度(非常) 4.5[2][1] km/h/s
編成定員 236[1]
車両定員 (Mc1,Mc5)46[1]
(M2)47[1]
(M3)48[1]
(M4)49[1]
自重 (Mc1,Mc5)11.5[1]t
(M2)11.4[1]t
(M3)10.7[1]t
(M4)11.2[1]t
編成重量 56.3[1]t
編成長 40,000[1]mm
車体長 8,000[1] mm
車体幅 2,460[1] mm
車体高 (Mc車)3,344[1]mm
(M車)3,325[1] mm
車体 ステンレス鋼
台車 側面案内 4輪ステアリングアーム方式
主電動機 TDK6452-A形かご形三相誘導電動機[1]
主電動機出力 120[1]kW (1時間定格)
駆動方式 車体装架直角カルダン駆動方式
歯車比 41:6 (6.833)[1]
編成出力 600kW
定格速度 36.3[1] km/h
定格引張力 20.7[1]kN
制御方式 2レベルIGBT素子VVVFPWMインバータ制御[1]
制御装置 東洋電機製造RG6013-A/B-M
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式電磁直通ブレーキ・空油変換式ディスクブレーキ・ブレーキ受信装置・駐車ブレーキ保安ブレーキ[1]
保安装置 ATOATC・TD装置[1]
備考 2011年2月26日運転開始
モニタリング装置内蔵
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概要編集

1989年(平成元年)のシーサイドライン開業当初から運用されていた1000形に代わる車両として「Friendly:人にやさしくお客さまに親しまれる車両,Safety:安全性を重視するとともに故障に強い車両,Eco:省エネに配慮した車両」を基本コンセプトに製造された。製造元は事業継承前は東急車輛製造[3]、事業継承後は総合車両製作所横浜事業所。

2011年2月26日のダイヤ改正[4]から1編成5両の第31編成が営業運転を開始[5]。当初は2015年までに1000形の16編成80両を置き換えるとしていたが、1年前倒しの2014年5月には置き換えを完了することになった[6][7] その後、2019年には2編成が増備されている[8]

外観編集

車体は同社初のステンレス製。東急車輛製造の製品としては、初めて側構体にレーザー溶接を本格採用し、滑らかな仕上がりになっている。外板仕上げはBG(ベルトグラインド)#80。車体長はホームドアの関係で1000形と同じ8,000mm。デザインは多摩美術大学の客員教授が手がけたもので、海・波・水面が光を受けたきらめき、船の帆や旗がはためいている風景、軽やかで華やかな躍動感を、カラー7色の組み合わせによる三角形の幾何学模様で表現している。沿線住民が集まる懇談会でデザインが決定した。

第46編成については、黒・赤のラインを基調としたデザインに変更される。黒は「夜空」、赤は「朝明け」を表し、窓横の星のデザインは「夜明け前の星」を表している[7]。また、LED前照灯も第46編成で初めて採用された。第48編成は「進む、繋げる、シーサイドウェーブ」というコンセプトに基づき、海をイメージした青色をベースに、明るい水色や温かみのある黄色を配色し、車両の直線的な形状に対し、曲線のカラーリングデザインをあわせることで、親しみやすさを込めたカラーリングとした[8]

座席編集

座席はロングシートとクロスシート。クロスシートは同社で初の導入となった。また1000形では立ち入り禁止であった運転席スペースも、無人運転に限り開放され、左右の2席のみ着席が可能となった。これも同社初の試みである。

車内装備編集

  • 1000形より幅10cm、高さ5.5cm広がり、車椅子スペース弱冷房車優先座席(全席でなく一部座席となった)は標準で設けられた。
  • 当路線の大半は無人駅であることから車内の防犯上、防犯カメラが1両に2基ずつ搭載されている。防犯カメラ設置は通勤用車両では埼京線205系電車に次ぐ2番目の事例である。
  • 度々、乗客から要望が出ていた荷物棚も設置されている。
  • 客室側窓のカーテンは省略され、遮光性の高いガラスを採用した。
  • 空気の入れ替えができるよう、窓は開閉することができる。
  • 開く時に3回、閉まる時に4回鳴るドアチャイムが設置されている。
  • ドア開閉表示灯(ドア開閉時に赤く点滅)・路線情報を流す液晶ディスプレイ (LCD) 方式の車内案内表示器(映像情報配信装置・トレインビジョン・VIS)も設置している。
  • 2013年7月17日から導入される第42編成より、車内照明がLED照明になっている。AGTでは初めての事例である[9]

主要機器編集

  • 主制御器には東洋電機製造製の2レベルIGBTによるVVVFインバータ制御装置、RG6013-A・B-Mを採用した。1C2M仕様のものをMc1車およびMc5車に、1C1M仕様のものをM3車に装備する。
  • 主電動機はかご形三相誘導電動機のTDK6452-A(端子電圧550V、電流162A、力率85.5%、周波数49Hz、1時間定格出力120kW、定格回転数1,445rpm、すべり1.8%、効率91.0%)を採用した。
  • 補助電源装置には静止形インバータ(SIV)のSVM38-4055A(容量 三相交流200V/60Hz 38kVA、単相交流100V/60Hz 2kVA、直流100V 5kW)を採用した。編成中で2台搭載し、1台が故障した際には故障していないSIVから受給電装置を介して電力を供給する。

編成編集

1000形と優先席・車椅子スペースの位置が異なる。製造は事業継承前は東急車輛製造[3]、事業継承後は総合車両製作所横浜事業所。 車両番号の付与方法は、千の位で2000形を表す「2」を、百ならびに十の位で製造順を(第一編成であれば「01」)、一の位で編成内における連結順を示すという、横浜市営地下鉄の各形式に準じた方式が採用されている。

横浜新都市交通2000形編成表
 
号車 1 2 3 4 5
形式 2○○1
(Mc1)
2○○2
(M2)
2○○3
(M3)
2○○4
(M4)
2○○5
(Mc5)
設備 優先席
 
優先席
弱冷房
優先席
 
優先席 優先席
 
搭載機器 主電動機
VVVF
CP
主電動機
SIV
BT
主電動機
VVVF
主電動機
SIV
BT
主電動機
VVVF
CP

運用編集

現在は全列車が2000形で運転されている。1000形の引退前は、全編成が1000形と共通運用で運用上の区分はなかった。

廃車編集

金沢シーサイドライン新杉田駅逆走事故で破損した編成が置き換えられ、廃車された。

参考文献編集

脚注編集

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad 横浜新都市交通 金沢シーサイドライン 2000型車両 - 車両技術241号 日本鉄道車両工業会
  2. ^ a b c d 横浜新都市交通株式会社2000型電機品 (PDF) - 東洋電機技報 第123号
  3. ^ a b 2014年に横浜金沢プロパティーズへ商号変更後、2016年に東京急行電鉄に吸収合併され解散した。
  4. ^ ダイヤ改正を実施します (PDF) - 横浜新都市交通株式会社 2011年2月14日
  5. ^ シーサイドライン2000形が営業運転を開始 - 『鉄道ファン交友社 railf.jp鉄道ニュース 2011年2月27日
  6. ^ 1000型車両サヨナラ企画“第3弾”1000型車両サヨナラ乗車体験会! 参加者募集 - 横浜シーサイドライン、2014年3月24日、2014年3月28日閲覧。
  7. ^ a b 横浜シーサイドライン2000型新造車両、黒・赤の新しいデザインでデビュー! - マイナビニュース、2014年4月9日、同日閲覧。
  8. ^ a b 横浜シーサイドラインが新色の2000形を新製増備、12/2から通常運行へ - 鉄道チャンネル、2019年11月26日
  9. ^ シーサイドラインの車両に、 環境にやさしいLED照明を採用いたします。 (PDF) 横浜新都市交通 2013年6月28日閲覧