機関リポジトリ
研究機関がその知的生産物を電子的形態で集積し保存・公開するために設置する電子アーカイブシステム
機関リポジトリ(きかんリポジトリ、英: institutional repository、IR)とは、研究機関がその知的生産物を電子的形態で集積し保存・公開するために設置する電子アーカイブシステムである [1]。
概説編集
ここでいう知的生産物としては、大学にあっては、学術雑誌掲載論文(査読を経ていない状態の版〈プレプリント〉や査読を経た状態の版〈ポストプリント〉のいずれをも含む)や電子化された学位論文、紀要などを指すほか、日常的な教育・研究活動の中で生み出される文書、講義ノート、教材等も含まれる。
2019年8月、国立大学図書館協会オープンアクセス委員会は、機関リポジトリを「大学や研究機関などで生産もしくは保有する知識、情報、データをデジタル情報として公開することで、障壁なきアクセスを可能とし、その利活用を促し、新たな価値を創出する知識基盤」と再定義し、研究データやデジタル化された研究資料も収録対象であることを謳っている[2]。
目的とアイディア編集
研究機関が機関リポジトリを設置する主要な目的としては、次の二つが挙げられる。
機関リポジトリのアイディアは次の二つの源流を持つ。
脚注編集
- ^ 尾城孝一、杉田茂樹、木下直、松本侑子『オープンアクセスハンドブック』東京大学附属図書館、2017年3月31日、第2版、12頁。
- ^ 国立大学図書館協会オープンアクセス委員会『機関リポジトリの再定義について』国立大学図書館協会、2019年8月5日。
関連項目編集
- JAIRO - 日本国内の学術機関リポジトリの横断検索サイト、学術機関リポジトリデータベース(IRDB)に統合
- JAIRO Cloud - 国立情報学研究所が構築・運用している共用リポジトリサービス