武生駅
武生駅(たけふえき)は、福井県越前市府中一丁目にある、ハピラインふくいハピラインふくい線の駅である。
武生駅 | |
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駅舎外観(2024年9月) | |
たけふ Takefu | |
◄王子保 (4.3 km) (5.2 km) 鯖江► | |
所在地 | 福井県越前市府中一丁目1-1 |
所属事業者 | ハピラインふくい |
所属路線 | ■ハピラインふくい線 |
キロ程 |
35.1 km(敦賀起点) 米原から81.0 km |
電報略号 | タフ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面3線 |
乗車人員 -統計年度- |
2,330人/日(降車客含まず) -2019年- |
開業年月日 | 1896年(明治29年)7月15日[1][2] |
備考 |
概要
編集西日本旅客鉄道(JR西日本)時代には、2024年3月15日まで敦賀駅以北を走行していた特急「しらさぎ」の全列車と「サンダーバード」のほとんど[注釈 1]や「白鳥」や急行「きたぐに」が停車していた[注釈 2]。また、平日限定で運行していた特急「おはようエクスプレス」・「おやすみエクスプレス」も当駅に停車していた。また当駅を終点とする普通列車もあり、丹南地区の主要駅の1つとなっている。
乗り入れ路線
編集かつては福井鉄道南越線の社武生駅(しゃたけふえき)が東側に隣接していたが[1]、同駅は1981年(昭和56年)4月1日に廃止となった(詳細は後述)。
歴史
編集- 1896年(明治29年)7月15日:官設鉄道北陸線が敦賀駅 - 福井駅間で開業した際に設置(一般駅)[1][2]。
- 1909年(明治42年)10月12日:線路名称制定。北陸本線の所属となる。
- 1947年(昭和22年)10月24日:福井県内に昭和天皇の戦後巡幸。小浜駅発、武生駅着のお召し列車が運行された[3]。
- 1984年(昭和59年)2月1日:貨物の取扱を廃止(旅客駅)[4]。構内には信越化学工業武生工場への専用線があった。
- 1986年(昭和61年)11月1日:荷物の取扱を廃止[4]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、西日本旅客鉄道の駅となる[4]。
- 2018年(平成30年)9月15日:ICカード「ICOCA」の利用が可能となる[5][6][新聞 1][新聞 2][新聞 3][新聞 4]。
- 2022年(令和4年)8月5日:集中豪雨のため今庄駅周辺の線路が浸水して武生駅 - 敦賀駅間が不通に。8月8日から8月10日までの間、福井県が運賃無料の災害時緊急シャトルバス[7]の運行(当駅 - 敦賀駅間を直行)を行う[新聞 5]。
- 2024年(令和6年)
駅構造
編集島式ホーム2面3線[8]を有する地上駅で、ホーム間はエレベーターが設置された跨線橋で連絡している[2][9]。当地は福井県の名産品である「越前打刃物」の産地であるため、1番のりば上には刃物で制作された「龍」の模型が展示されている。
駅構内にはみどりの窓口(第三セクター移管のため、旅行会社扱いでJR券発売を行う)が有るほか、タッチパネル式自動券売機・ICカード専用の簡易改札機[5][新聞 1][新聞 3]・化粧室が設置されている。JR時代はみどりの券売機も設置されていた。
待合室内には立ち食いそば店(今庄そば)[2]がある。なお、駅構内にはジェイアール西日本デイリーサービスネット金沢運営のセブン-イレブンJR武生駅店(リニューアル前はステーション-ピット ちゃお)[10]があったが、駅の第三セクター移管に先立って2024年(令和6年)1月8日に閉店した[新聞 6]。現在はその跡地に自動販売機が4台設置されており(飲料用2台、カップ用1台、パン用1台)、基本的に常時稼働している。
バリアフリー対応の設備として跨線橋のエレベーターと改札外の化粧室に多機能トイレを併設している。
のりば
編集のりば | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
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1 | ■ハピラインふくい線 | 下り | 福井・金沢方面[11] | 一部2番のりば |
2・3 | 上り | 敦賀方面[11] |
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1番のりば(2024年9月)
-
2・3番のりば(2024年9月)
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改札口(2024年9月)
-
みどりの窓口(JR西日本時代)
-
駅名標(2024年5月)
-
セブンイレブンKIOSK(現在は閉店)
-
セブンイレブンKIOSKの跡地に設置された自動販売機(2024年2月)
-
越前打刃物で造られた「昇龍」
駅弁
編集利用状況
編集「福井県統計年鑑[統計 1]」によると、2019年(令和元年)度の1日平均乗車人員は2,330人である[統計 2]。
近年の1日平均乗車人員は以下のとおり。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
---|---|
1995年(平成 | 7年)2,653 |
1996年(平成 | 8年)2,593 |
1997年(平成 | 9年)2,472 |
1998年(平成10年) | 2,358 |
1999年(平成11年) | 2,312 |
2000年(平成12年) | 2,437 |
2001年(平成13年) | 2,350 |
2002年(平成14年) | 2,271 |
2003年(平成15年) | 2,219 |
2004年(平成16年) | 2,230 |
2005年(平成17年) | 2,359 |
2006年(平成18年) | 2,423 |
2007年(平成19年) | 2,440 |
2008年(平成20年) | 2,394 |
2009年(平成21年) | 2,324 |
2010年(平成22年) | 2,287 |
2011年(平成23年) | 2,262 |
2012年(平成24年) | 2,253 |
2013年(平成25年) | 2,332 |
2014年(平成26年) | 2,290 |
2015年(平成27年) | 2,328 |
2016年(平成28年) | 2,344 |
2017年(平成29年) | 2,370 |
2018年(平成30年) | 2,425 |
2019年(令和元年) | 2,330 |
社武生駅
編集社武生駅* | |
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しゃたけふ SHATAKEHU | |
(0.3 km) 福武口► | |
当駅は南側、福武口駅とたけふ新駅は北側 | |
所在地 | 福井県武生市錦町 |
所属事業者 | 福井鉄道 |
所属路線 | 南越線 |
キロ程 | 0.0 km(社武生起点) |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面3線 |
開業年月日 | 1914年(大正3年)1月29日[13] |
廃止年月日 | 1981年(昭和56年)4月1日[14] |
* 開業当初は新武生駅(改称時期は不詳) |
社武生駅(しゃたけふえき)は、かつて福井県武生市錦町にあった福井鉄道南越線の駅(廃駅)である。
歴史
編集- 1914年(大正3年)1月29日:武岡軽便鉄道(後の武岡鉄道→南越鉄道)によって新武生駅(後の社武生駅、改称時期は不詳) - 五分市駅間が開業[13]。軌間762 mm[15][16]。
- 1924年(大正13年)7月31日:当駅 - 岡本新駅間の軌間を1067 mmに改軌[13][15]。
- 1941年(昭和16年)7月2日:南越鉄道が福武電気鉄道に吸収合併、同社の南越線の駅となる[13][15][16]。
- 1945年(昭和20年)8月1日:福武電気鉄道が鯖浦電気鉄道と合併し福井鉄道設立、同社の南越線の駅となる[13][15]。
- 1981年(昭和56年)4月1日:五分市駅との貨物輸送の廃止に伴い[17]、当駅 - 粟田部駅間廃止[14][15]。
駅構造
編集社武生駅専用の駅舎に、切欠きホーム1面2線と単式ホーム1面1線を有していた[18]。
駅跡
編集駅の名をとどめるものは残っていない。
駅周辺
編集駅前にはロータリーが整備されており、日中はタクシーや路線バスが停車している。駅舎の上を通る連絡通路が整備されており、駅裏への連絡手段として利用されている。
駅周辺には福井鉄道のたけふ新駅のほか、宿泊施設や病院・大型商業施設・市役所などの公共施設や教育施設をはじめ、寺院や神社などの施設が多く所在する。なお、北陸新幹線の越前たけふ駅は東へ約3 km離れた所にある。
当駅周辺の主要施設および主要道路と主要河川は下記のとおり。なお、武生中央公園(越前市中央図書館と武生中央公園総合体育館などを併設)は駅西側にあり、毎年秋に開催されるたけふ菊人形の開催地として有名であるが、同公園は当駅から約1.5 km離れた所にある。この付近には越前市文化センターがある。
- 越前市役所
- 越前市観光・匠の技案内所(観光案内所)
- 越前市武生公会堂記念館(旧・武生公会堂) - 1934年から1948年3月31日は武生町役場、同年4月1日に南条郡神山村と町村合併して武生市が発足した後は武生市役所として1955年まで使用された[周辺 1]。以降は公会堂として使用したが、1995年に記念館となった[周辺 1]。この建物は「武生のシンボル的な建物」でもある[周辺 1]。
- 「ちひろの生まれた家」記念館 - 絵本画家、いわさきちひろの生家を改修した記念館[周辺 2]。
- 越前警察署駅前交番
- アル・プラザ武生、市民プラザたけふ
- 本興寺 - 駅西側にある梅の名所。「紫式部ゆかりの紅梅」として親しまれている[周辺 3]。
- 林病院 - 駅西側にある総合病院。
- たけふ新駅 - 福井鉄道福武線の駅。
- 福井県道12号武生停車場線
- 福井県道190号小曽原武生線 - ハピライン線を越える陸橋(跨線橋)はループ線となっているため、「巻き貝」という呼称が付いている。
- 福井県道196号北吾妻武生新停車場線
- 大手通り - 駅西側を通る道路の愛称の1つ。近隣には「寺町通り」・「広小路通り」・「総社通り」もある。
- スーパーホテル越前・武生
- 日野川 - 駅から東へ少し離れた所を流れる一級河川。
バス路線
編集最寄りとなるバス停留所は、駅ロータリー内のアル・プラザ武生正面玄関付近に位置する武生駅バス停と、駅舎南西隣にあるホテルクラウンヒルズ武生駅前の西面(ロータリーを出て南へ約50 m)に位置する武生駅バス停である。また、停留所はないものの、ロータリー内には越前市デマンド交通(チョイソコ)、越前市定額タクシー「迎車でGO!」、丹南地域定額タクシーも発着する。
- 武生駅(ロータリー内)
- 武生駅(ロータリー外)
- 中日本ツアーバス - 小松・加賀温泉・福井・武生・敦賀 ⇔ バスターミナル東京八重洲・東京ディズニーランド(夜行)
- 仁愛大学 シャトルバス - 同大学に用事がある一般の利用可。
隣の駅
編集- ハピラインふくい
- ■ハピラインふくい線
かつて存在した路線
編集- 福井鉄道
- 南越線
- 社武生駅 - 福武口駅
脚注
編集注釈
編集出典
編集本文
編集- ^ a b c 川島 2010, p. 55.
- ^ a b c d 朝日 2012, p. 23.
- ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、98頁。ISBN 978-4-10-320523-4。
- ^ a b c 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』 II(初版)、JTB、1998年10月1日、133頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ a b 『9月15日「ICOCA」を福井県内のJR北陸本線(新疋田駅〜牛ノ谷駅)に導入します! 〜北陸と近畿がICOCAでつながる〜』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道金沢支社、2018年5月30日。オリジナルの2019年5月28日時点におけるアーカイブ 。2020年9月13日閲覧。
- ^ “JR西日本「ICOCA」9/15エリア一体化、近畿から北陸・岡山も利用OK”. マイナビニュース. マイナビ (2018年5月30日). 2023年7月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月26日閲覧。
- ^ “大雨影響で不通の北陸本線 代わりのバスはなぜ無料?運行の福井県に聞いた”. J-CASTニュース. ジェイ・キャスト (2022年8月9日). 2023年10月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月10日閲覧。
- ^ 川島 2010, p. 23.
- ^ “JR武生駅にエレベーター付き跨線橋が完成しました” (PDF). 越前市広報 平成23年1月15日号(通巻64号). 越前市役所秘書広報課. p. 18 (2011年1月15日). 2023年10月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月24日閲覧。
- ^ “セブン-イレブン キヨスクJR武生駅店 共同出張所”. セブン銀行. 2023年12月25日閲覧。
- ^ a b “武生駅|時刻表”. 2024年3月28日閲覧。
- ^ 『JR時刻表 2010年8月号』交通新聞社、2010年、291頁。
- ^ a b c d e 朝日 2011, p. 12.
- ^ a b 朝日 2011, p. 13.
- ^ a b c d e 寺田 2008, p. 98.
- ^ a b 清水 2016, p. 6.
- ^ 清水 2016, p. 33.
- ^ 国鉄時代70号 2022年8月号(ネコ・パブリッシング)p.63
- ^ “越前たけふ駅⇔武生駅⇔「光る君へ」大河ドラマ館のシャトルバスについて”. 越前市 (2024年). 2024年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月7日閲覧。 アーカイブ 2024年3月16日 - ウェイバックマシン
新聞
編集- ^ a b 「イコカ福井県内導入は9月15日 福井駅と敦賀駅は先行で自動改札」『福井新聞 ONLINE』2018年5月31日。オリジナルの2018年6月4日時点におけるアーカイブ。2021年9月26日閲覧。
- ^ 「JR西、福井でイコカ導入 9月15日から北陸線19駅」『日本経済新聞』2018年5月31日。オリジナルの2022年10月6日時点におけるアーカイブ。2021年9月26日閲覧。
- ^ a b 「福井もICOCAで行こか JR西、9月15日から19駅に導入」『産経新聞』2018年6月4日。オリジナルの2023年7月23日時点におけるアーカイブ。2021年9月26日閲覧。
- ^ 「福井県内のJR線でICカード切符「ICOCA」運用開始 早朝購入組の姿も」『福井経済新聞』2018年9月15日。オリジナルの2024年6月19日時点におけるアーカイブ。2021年9月26日閲覧。
- ^ 「関西・中京〜北陸、JRの迂回ルート 特急サンダーバード、しらさぎは8月10日まで運休」『福井新聞 ONLINE』2022年8月9日。オリジナルの2023年5月24日時点におけるアーカイブ。2022年8月8日閲覧。
- ^ a b 「JR北陸線の武生駅、鯖江駅からコンビニ撤退 福井県、第三セクターへ移管迫る中…肩落とす住民ら」『福井新聞 ONLINE』2024年1月11日。オリジナルの2024年2月7日時点におけるアーカイブ。2024年1月11日閲覧。
- ^ 「新社名「ハピラインふくい」 並行在来線三セク会社 福井の60代男性考案」『中日新聞』2022年3月29日。オリジナルの2022年3月29日時点におけるアーカイブ。2022年4月10日閲覧。
- ^ 「並行在来線運営会社は「ハピラインふくい」 知事らが記者会見」『朝日新聞デジタル』2022年3月29日。オリジナルの2022年3月29日時点におけるアーカイブ。2022年4月10日閲覧。
- ^ a b 「並行在来線の役割転換、特急中心から「県民の足」へ…「パターンダイヤ」も検討」『読売新聞オンライン』2022年4月9日。オリジナルの2022年4月9日時点におけるアーカイブ。2022年4月10日閲覧。
- ^ 「ハピライン 越前市の新駅 「しきぶ駅」に名称決定」『中日新聞』2024年2月9日。オリジナルの2024年2月20日時点におけるアーカイブ。2024年9月7日閲覧。
利用状況
編集- ^ 福井県統計年鑑
- ^ “8.駅別JR貨客輸送状況(1日平均)”. 福井県. 2021年3月29日閲覧。
周辺施設
編集- ^ a b c “越前市武生公会堂記念館”. ふくいドットコム. 観光スポット. 福井県観光連盟. 2024年1月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月7日閲覧。
- ^ “「ちひろの生まれた家」記念館”. 観光スポット. 福井県観光連盟. 2024年2月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月7日閲覧。
- ^ “本興寺の紅梅(越前市)”. 福井県. 2024年9月7日閲覧。
参考文献
編集- 川島令三『【図説】日本の鉄道中部ライン全線・全駅・全配線 第5巻 米原駅 - 加賀温泉駅』講談社、2010年8月20日。ISBN 978-4-06-270065-8。
- 『週刊JR全駅・全車両基地 18 北陸本線②(森本〜米原) 越美北線』朝日新聞出版、2012年12月9日。
- 寺田裕一『私鉄の廃線跡を歩くIII 北陸・上越・近畿編』JTBパブリッシング、2008年5月1日。ISBN 978-4-533-07145-4。
- 『週刊歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄 28 えちぜん鉄道 福井鉄道・北陸鉄道・のと鉄道』朝日新聞出版、2011年10月2日。
- 清水武『RM LIBRARY 206 福井鉄道(上)』ネコ・パブリッシング、2016年10月1日。ISBN 978-4-7770-5400-8。
関連項目
編集外部リンク
編集- 武生駅 - ハピラインふくい