武田勝彦
人物・来歴
編集東京小石川出身。早稲田大学名誉教授。上智大学卒業、上智大学大学院修士課程修了。本名、武田春樹[1]。
慶應義塾大学講師、トロント大学、ハワイ大学客員教授を経て早稲田大学政治経済学部助教授に就任。のちに教授。インディアナ大学、ヴァンダービルト大学、ブラウン大学客員教授も務める。
本来の専攻は英文学で、英語学習の著作、サリンジャーの翻訳、研究もあるが、日本文学についても多く論じ、また日本文学の英語圏での受容についても研究、川端康成、立原正秋に関心が深い。『富士ふたつ』は、北米移民についての実録小説であり、ジャーナリスト的な視点から数多くの著作がある。2010年瑞宝中綬章受章[2]。
著書
編集- 『要点・応用英作文』(受験の友社) 1955
- 『英語はだか随筆』(大塚書房) 1956
- 『英文法の重点100粋』(山海堂) 1957
- 『アメリカのベストセラー』(研究社出版) 1967
- 『英語のニュアンス 現代英語へのアプローチ』(評論社) 1968
- 『キャッチフレーズ100年 秘められた日本人の心』(潮文社) 1969
- 『続 英語のニュアンス スープはeatかdrinkか』(評論社) 1969
- 『川端文学と聖書』(教育出版センター) 1971
- 『荷風の青春』(三笠書房) 1973
- 『富士ふたつ』(日本経済新聞社) 1976
- 『「日本的」なものの原点 文化と文明の狭間に』(荒竹出版) 1977
- 『新聞をどう読むか』(講談社) 1978
- 『戦中・戦後の文学と文壇』(荒竹出版) 1980
- 『ビジネスマン諸君! 日本の家族主義は家庭において崩壊し、会社において存続した』(三笠書房) 1981
- 『立原正秋伝』(創林社) 1981
- のち改題『身閑かならんと欲すれど風熄まず 立原正秋伝』(KSS出版) 1998
- 『日本文学問はず語り』(東京書籍) 1982
- 『武田勝彦の英米文学必読書』(辰巳出版) 1982
- 『比較文学の試み』(創林社) 1983
- 『松本亀次郎の生涯 周恩来・魯迅の師』(早稲田大学出版部) 1995
- 『漱石の東京』1 - 2 (早稲田大学出版部) 1997 - 2000
- 『漱石 倫敦の宿』(近代文芸社) 2002
共著・編著
編集- 『英文法の完成8週間 大学入試』(河口真一共著、山海堂) 1956
- 『英作文標準構文集』(河口眞一、大塚書房) 1956
- 『高校1年英語の総合研究』(前田正男共著、山海堂) 1958
- 『初歩の英語総合研究』(前田正男共著、山海堂) 1959
- 『英文解釈の重点研究』(神山正治共著、山海堂) 1961
- 『英文法の重点研究』(神山正治共著、山海堂) 1961.4
- 『英文法講義と演習』(河野通、山海堂) 1962
- 『海外における日本近代文学研究』(村松定孝、早稲田大学出版部) 1968
- 『川端文学 海外の評価』(長谷川泉共編、早稲田大学出版部) 1969
- 『古典と現代 西洋人の見た日本文学』(清水弘、文堂書房) 1970
- 『サリンジャーの文学』(繁尾久、文建書房) 1970
- 『比較文学』(吉田精一・佐渡谷重信、潮文社) 1972
- 『芥川文学 海外の評価』(吉田精一・鶴田欣也、早稲田大学出版部) 1972
- 『三島由紀夫事典』(長谷川泉共編、明治書院) 1976
- 『証言「事故のてんまつ」』(永沢吉晃共編、講談社) 1978
- 『川端康成 現代の美意識』(高橋新太郎共編、明治書院) 1978
- 『森鷗外 歴史と文学』(高橋新太郎共編、明治書院) 1978
- 『川端康成文学語彙辞典』(スタジオVIC) 1981
- 『立原正秋 人と文学』(創林社) 1981
- 『立原文学への道』(創林社) 1982
- 『武田勝彦の英米文学必読書』(現代出版情報研究所 企画・共編、辰巳出版)1982
- 『井上靖文学 海外の評価』(創林社) 1983
- 『目で見る日米比較』(安原明夫、講談社) 1984
- 『太宰治文学 海外の評価』(創林社) 1985
- 『銀座は緑なりき』(田中康子、六興出版) 1988
- 『銀座と文士たち』(田中康子、明治書院) 1991
- 『立原正秋小説事典』(田中康子共編、早稲田大学出版部) 1993
翻訳
編集- 『J.D.サリンジャー作品集』(繁尾久共訳、文建書房) 1964 -「ナイン・ストーリーズ」を収録。新版・グーテンベルク21(電子出版) 2022
- 別版『サリンジャー選集(4) 九つの物語 大工達よ、屋根の梁を高く上げよ』 (荒地出版社、1968、のち新版)。「大工たちよ~」は、滝沢寿三訳
- 『死刑執行人 ソヴィエト秘密警察の実態』(ロナルド・セス、松浦勝男共訳、潮文社) 1969
- 『中年の未来学 青春崇拝の時代は終った』(アン・W・サイモン、市山研共訳、潮文社) 1970
- 『コミュニケーションギャップ 英語表現の<ホンネ>と<タテマエ>』(G・W・スミス、松本洋一郎共訳、荒竹出版) 1980
関連項目
編集参考文献
編集- 「武田勝彦教授略年譜〔含 業績」「教養諸学研究」2000-03