武者一雄

日本の小説家、児童文学作家

武者 一雄(むしゃ かずお、1916年1月2日 - 2008年12月17日)は、日本小説家児童文学作家群馬県出身。本名、中村一雄。

人物・来歴 編集

碓氷郡松井田町(現 安中市)生まれ。13歳で僧となる。高崎中学校(現 群馬県立高崎高等学校[1]駒澤大学卒業。福井県の永平寺で修行中の1938年に徴兵され、中国フィリピンなど東南アジアを転戦後、多くの死者が出たインパール作戦に参加し、ビルマ(今のミャンマー)で終戦。捕虜収容所では合唱団を結成していたという。1946年復員、群馬県利根郡昭和村で僧侶になり、村の開拓に尽力。青年の頃より文芸活動をはじめる。

自らの体験を書いた児童文学『ビルマの耳飾り』で第8回(1967年度)講談社児童文学新人賞・佳作受賞。1982年から1991年まで、群馬県文学賞児童文学部門の選考委員をつとめた。日本ペンクラブ日本児童文芸家協会所属。群馬県文学賞児童文学部門の選考委員幹事、群馬ペンクラブ理事を歴任[2]

竹山道雄著「ビルマの竪琴」主人公・水島上等兵のモデルは、ビルマで終戦を迎え、復員後僧侶になった中村一雄と言われるようになった。1998年8月10日NHK総合で『はるかなる「ビルマの竪琴」』がテレビ放映 。同年10月、私財を投じミャンマー・キンウー地区に「アウンティリ小学校」を寄贈 、日本人戦没者慰霊碑を建立。『ビルマの耳飾り』はビルマ語に訳され、同国の文学賞を受賞。昭和村の曹洞宗赤城山雲昌寺住職社会福祉法人子育会子育保育園創立者。

2008年12月17日老衰のため死去、享年92[3]

作品 編集

  • 『生きているビルマの竪琴』妙義出版 1956
  • 『ビルマの耳飾り』文憲堂七星社 1968 - 講談社児童文学新人賞佳作
  • 『ビルマの耳飾り』上毛新聞社 1995
  • 『こわいものたんけん』ポプラ社 1976
  • 『わんぱく大作戦』ポプラ社 1976
  • 『隠れの里の忍者』教育書籍 1984.10[4]
  • 『ビルマの星空』日本図書刊行会 1997.6[5]
  • 『ビルマの耳飾り―悲劇のインパール戦線』光人社NF文庫 1997.6
  • 『エッセイ―他 (恥書きあれこれ始末録)』あさを社 2003.7.1
  • 『旅 (恥書きあれこれ始末録)』あさを社 2003.7.1
  • 『わたしの場合 (恥書きあれこれ始末録)』あさを社 2003.7.1

出典 編集

  1. ^ 高崎中学校出身~荻原悦男ブログ2012年12月25日
  2. ^ 「児童文学者人名事典」中西敏夫編 出版文化研究会
  3. ^ 「日本経済新聞」2008年12月20日付朝刊11面(訃報欄)
  4. ^ 武者一雄の著書~amazon.co.jp
  5. ^ 「武者一雄」作品一覧~honto.jp

外部リンク 編集