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歯磨き

歯および歯周の疾患を予防するための手法のひとつ
Children from Miner Normal School.jpg

歯磨き(はみがき)とは、歯ブラシ等を用いて歯茎についた歯垢などの汚れを落としたり、歯茎(歯肉)にマッサージを行ったりすること。ブラッシング。

目次

概要編集

歯を磨く(擦って汚れを取る)から「歯磨き」と呼ばれている。英名のブラッシング(Tooth brushing)もブラシで磨くことを意味する。虫歯歯周病の予防、口臭の軽減などを目的とする

主に歯磨きの清掃効果を高めるなどの目的で、歯ブラシのブラシ繊維(いわゆる“毛”)の先端につけるペーストを歯磨剤と言う。一般にはそれは「歯磨き粉」や「ハミガキ」「練り歯磨き」などと呼ばれている。歯磨剤がペースト状であるにもかかわらず「歯磨き粉」と呼ばれる理由は、かつて粉状の歯磨剤が販売されていた時代の名残である。近年ではペーストの替わりに液体状の「液体ハミガキ」(洗口剤)を用いて歯磨きを行う人々も多い。

歯磨きに歯磨き粉を使わないことを推奨・指導する歯科医師もいる。清掃効果が充分でない場合においても歯磨き粉の使用によって清涼感が感じられることから、丁寧な歯磨きを行う上で妨げになることがあるからである。

歯ブラシによる歯磨きだけでは、歯間や奥歯に、歯垢やその元となる飲食物が残りがちなので、それに対応するデンタルフロス糸ようじ) が利用されることもある。ワンタフト(毛束が1つの歯ブラシ)などの製品も市販されており、併用する人が増えている。

口腔内の衛生に気を使う人は、歯磨きだけでは十分でないとして、舌苔を掃除したり、歯磨きでは取り切れない歯石歯科医に除去してもらったりすることもある[1]

歴史編集

人類の歯磨きの歴史は古く、古代エジプトにその記録が残っている。日本では平安時代の宮中医官である丹波康頼撰による日本現存最古の医学書『医心方』に、「朝夕歯を磨けば虫歯にならない」という記述があり、記録としてはこれが日本最古の歯磨きの記録となる[2]

ブラッシング法編集

歯ブラシの動かし方により、次のような磨き方の種類がある。

バス法編集

バス法は歯ブラシのヘッドを歯に対して45度の角度で歯と歯肉の境界部分に当て前後に小刻みに動かす方法[3][4]

前歯については縦方向に歯ブラシを持ち毛先を歯の裏側に当ててブラシの先を押し付けながら振動させる[3]

スクラッビング法(スクラブ法)編集

スクラッビング法(スクラブ法)は歯ブラシをペンのように軽く持ち歯の軸に対して直角にブラシを当てて消しゴムを使うように小刻みに振動させる方法[3]。バス法との違いは歯に当てる歯ブラシの角度。45°のバス法に対し、90°(直角)に当てる[5]

ローリング法(ロール法)編集

ローリング法(ロール法)は歯ブラシのヘッド(ヘッドの側面)を歯肉に並行に当て、手首を返して歯肉から歯の先端に向かってヘッドを回転させて磨く方法[3][6]

最近では電動式の歯ブラシも市販されており、中にはバス法とローリング法をスイッチで随時選択することができるものもある。また、超音波で歯を磨く機能もついている製品もある。

チャーターズ法編集

チャーターズ法は歯の先端に対して45度の角度で歯ブラシの毛先を歯に当て、細かく振動させながら、毛束が歯冠から歯根へ当たるようにヘッドを回転させて磨く方法[3]

垂直法編集

垂直法(ゴットリープの垂直法)は歯ブラシを歯に直角に当てて毛先を歯間に挿入して圧迫しながら振動させる方法[3]

フォーンズ法編集

フォーンズ法は歯ブラシの先端を円を描くように動かして歯と歯肉を磨く方法[3]

つまようじ法編集

つまようじ法は、歯ブラシの毛先で歯茎をつついて、刺激を与える方法。歯周病の予防、治療に最適である。特に歯と歯の間に毛先を挿入して、歯間部の歯茎にも効果的である[7]

歯磨きのタイミング編集

歯磨きは朝晩の2回が一般的な習慣となっている。昼食後に行う人も多い。

  • 寝る前の歯磨き(プラークコントロール)
唾液には細菌の増殖を抑える作用があるが、睡眠中は唾液の出る量が激減する。そのため細菌が増殖して歯垢(プラーク)がたまり、虫歯や歯周病の原因となる。就寝前に歯磨きをすれば、歯垢の元となる口腔内の食べかすなどを減らすことができる。
  • 朝の歯磨き(エチケット磨き)
寝ている間に増えた細菌の数を減らし、他人と会うことが多い日中のエチケットを兼ねて歯磨きを行う。

子どもの歯磨き編集

多くの子どもは歯磨きが苦手で、保護者が補助して磨くようにする。離乳食が始まると乳歯が出現するので保護者が専用のブラシを用いて口中を清潔にする。幼児期になれば自分で歯ブラシを使わせて歯磨きの習慣に親しませ、仕上げを保護者が行う。

幼児が歯ブラシをくわえたまま歩くなどして起きた事故が多数報告されている。歯科衛生士は座って歯磨きをさせる、子供が真似ないように大人も歩きながら歯磨きをしないよう注意喚起している[8]

初等教育では口腔模型などを用いたブラッシングの指導が行われることもある。

幼児期の虫歯が抱える問題は、歯が痛むことによって食事などで咀嚼することを幼児が嫌がるようになり、顎(あご)の成育に悪影響を生じる点にある。成育を阻害された顎に大人サイズの永久歯が成長すると、「出っ歯」「乱杭歯(八重歯)」などを生じさせ、歯並びや顔立のバランスを崩す原因となる。

脚注・出典編集

  1. ^ 3日歯みがきしないだけで口の中は歯周病菌だらけ 歯石を除去したほうがいい本当の理由/連載「歯科医が全部答えます! 聞くに聞けない“歯医者のギモン”」若林健史AERA dot.(2018年10月8日)2019年2月23日閲覧。
  2. ^ 竹原直道、松下玲子、藤田尚、松下孝幸、下山晃、2001年『むし歯の歴史 または歯に残されたヒトの歴史』砂書房、170~171ページ参照。
  3. ^ a b c d e f g 『看護師のための看護基礎知識事典』秀和システム、2010年、107頁。
  4. ^ Bass, C. C.、1954年3月「An effective method of personal oral hygiene, Part II」『The Journal of the Louisiana State Medical Society』106巻3号100~112ページ、PMID 13143356Harris、García-Godoy、1999年 (89ページ~)参照。
  5. ^ 長崎県福祉保健部、長崎大学歯学部、長崎県歯科医師会 2001年(13・15ページ)参照。
  6. ^ Harris、García-Godoy、1999年(91・92ページ)参照。
  7. ^ 長崎県福祉保健部、長崎大学歯学部、長崎県歯科医師会、2001年(17ページ目)参照。
  8. ^ 【子ども】座って歯磨き 事故防ぐ/スキンシップ兼ね 楽しく習慣づけ読売新聞』朝刊2018年12月12日(社会保障面)2019年2月23日閲覧。

参考文献編集

関連項目編集