歴程』(れきてい)は、現代詩同人雑誌。編集本部は静岡県熱海市にある。

沿革 編集

昭和10年(1935年)5月に、草野心平中原中也逸見猶吉岡崎清一郎尾形亀之助高橋新吉菱山修三土方定一の8名によって創刊され[注釈 1][1]、戦時中の昭和19年(1944年)にいったん中断した。宮沢賢治も物故同人であり、遺稿は同誌に掲載された。戦前は、山之口貘伊藤信吉尾崎喜八小野十三郎藤原定らも参加した。戦後の昭和22年(1947年)に復刊され、草野を中心に新同人を集めつつ、原則月刊誌として、通巻500号を超えてなお刊行中である。

戦後は、安西均安東次男石垣りん井上靖入沢康夫金井直北杜夫串田孫一黒田三郎渋沢孝輔葉紀甫宗左近高田博厚谷川俊太郎田村隆一辻まこと粒来哲蔵中上健次野上彰山本健吉山本太郎山本道子吉原幸子吉行理恵らが同人として参加した。

 
1959年6月15日開催の歴程祭パンフ

現在の主な同人は、相沢正一郎暁方ミセイ粟津則雄池井昌樹岩佐なを小笠原鳥類粕谷栄市川口晴美近藤洋太新藤凉子高橋順子野村喜和夫長谷川龍生三角みづ紀和合亮一など。

戦前および戦後の詩の世界において、「歴程」の果たした役割は大きく、現在に至っても、優れた作品を創る詩人たちが集う同人雑誌と見られている。現在、同人は日本各地(東北から沖縄)におり、その数は約50名、全国に購読者、定期購読者を有している。また、藤村記念歴程賞および歴程新鋭賞を設け、年1回授賞者を決定している。

主な出典 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 創刊号の編集兼発行人は逸見猶吉。

出典 編集

  1. ^ 歴程 - 『世界大百科事典』平凡社コトバンク