段丘(だんきゅう、英語: terrace)は、湖沼筋に沿って分布する階段状の地形である。ほぼ水平で平坦な段丘面(だんきゅうめん)と、その周囲の急斜面である段丘崖(だんきゅうがい)とからなる[1]台地とほぼ同義。

周囲の地形による分類 編集

周囲の地形と比較してどのような位置にあるかによって、以下のように区分される[2]

形成過程による分類 編集

段丘になる前の低地の形成営力によって、以下のように区分される[2]

  • 河成段丘(fluvial terrace)…河川の作用によって形成した低地が段丘化したもの。
  • 海成段丘(marine terrace)…海の作用によって形成した低地が段丘化したもの。
  • 湖成段丘(lacustrine terrace)…湖の作用によって形成した低地が段丘化したもの。
  • サンゴ礁段丘(coral reef terrace)…サンゴの作用によって形成した低地が段丘化したもの。

段丘になる前の低地の形成過程によって、以下のように区分される[3]

内部構造による分類 編集

段丘の堆積物の厚さ(段丘崖の高さと比較して)によって、以下のように区分される[4]

  • 砂礫段丘(砂礫台地)(sediment terrace, fill terrace)…厚い非固結の堆積物で構成される段丘。
  • 岩石段丘(岩石台地)(bedrock terrace)…堆積物が薄く、内部のほとんどが基盤岩で構成される段丘。
  • ローム段丘 (ローム台地)…厚い火山灰の堆積物で構成される段丘。
  • サンゴ礁段丘 …サンゴ礁で構成される段丘。

段丘化の根源的原因による分類 編集

低地が段丘となる現象の根源的な原因によって、以下のように区分される[5]

  • 変動段丘 …地盤の隆起によって形成した段丘。
  • 氷河性海面変動段丘 …氷河性海面変動により形成した段丘。
  • 気候段丘 …大規模な気候変動により形成した段丘。
  • 重合段丘 …氷河性海面変動と隆起運動の組み合わせによって形成した段丘。

形成時代による分類 編集

段丘の形成時代によって、以下のように区分される[6]

高低による分類 編集

段丘面の高さによって、以下のように区分される[6]。一般に高所にある段丘ほど形成時代が古いため、間接的に形成時代による分類とする場合が多い。関東平野では各段丘の形成時代が決められている。

脚注 編集

  1. ^ だんきゅう【段丘 terrace】 世界大百科事典第2版
  2. ^ a b 鈴木隆介. 建設技術者のための地形図読図入門 第3巻 段丘・丘陵・山地. 古今書院. p. 567 
  3. ^ 鈴木隆介. 建設技術者のための地形図読図入門 第3巻 段丘・丘陵・山地. 古今書院. p. 568 
  4. ^ 鈴木隆介. 建設技術者のための地形図読図入門 第3巻 段丘・丘陵・山地. 古今書院. p. 570 
  5. ^ 鈴木隆介. 建設技術者のための地形図読図入門 第3巻 段丘・丘陵・山地. 古今書院. p. 571 
  6. ^ a b 鈴木隆介. 建設技術者のための地形図読図入門 第3巻 段丘・丘陵・山地. 古今書院. p. 578 

関連項目 編集