民間宇宙団体とは民間の資金で運営される宇宙開発関連の活動に従事する団体である。

2011年6月に打ち上げられたHeat 1X ティコ・ブラーエ

概要 編集

1920年代から1930年代にかけてドイツの宇宙旅行協会やソビエトの反動推進研究グループ、アメリカのアメリカ惑星協会等、あたかも申し合わせたかのように各国で宇宙関連の団体の設立が相次いだ[1]これらの背景には、これまで絵空事であると考えられてきたジュール・ヴェルヌ月世界旅行のようなサイエンス・フィクション第一次世界大戦を契機とした科学技術の急速な発展やコンスタンチン・ツィオルコフスキーヘルマン・オーベルト達の理論面での研究により現実味を帯びてきた事が一因として挙げられる[1]。各国の会員達は宇宙開発の黎明期には開発を担い、やがて設立された各国の宇宙開発機関の人材供給源にもなった。また、冷戦終結後、緊張緩和と技術革新により宇宙開発への参加のハードルが下がり、各国で民間宇宙団体の設立が相次ぐ。

それらの各国の団体は設立当初はサイエンスフィクション畑の人達と実務派の人達が入り混じって活動していたが、徐々に活動の主体は実用的なロケット開発に傾倒していくことになり、第二次世界大戦後には宇宙開発競争で主要な役割を担うようになる者達も少なからずいた[1]

その後、世界各地で類似の団体が設立され、現在では単なる愛好家団体の範疇に留まらず、各国の宇宙開発機関と連携して人工衛星Google Lunar X Prizeに参加する探査機を開発したり、コペンハーゲン・サブオービタルズARCA スペース・コーポレーションのように民間宇宙開発の一翼を担う団体もある。

大半の民間宇宙団体は予算の都合上、小規模な活動や理論面での活動が主体ではあるものの、活動領域は多岐にわたり、一部は既存の宇宙開発機関とは異なるアプローチで独自の打ち上げ機を開発するなど本格的な宇宙開発にも取り組む。

2000年代以降はストラトローンチ・システムズのような営利目的の民間企業も設立されている。

沿革 編集

脚注 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集