気仙沼線
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気仙沼線(けせんぬません)は、宮城県石巻市の前谷地駅から気仙沼市の気仙沼駅を結ぶ、東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(地方交通線)である。
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![]() 柳津駅停車中の列車 | |||
基本情報 | |||
国 |
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所在地 | 宮城県 | ||
種類 | 普通鉄道、BRT | ||
起点 | 前谷地駅 | ||
終点 | 気仙沼駅 | ||
駅数 | 27駅(BRT区間の新設4駅含む) | ||
電報略号 | ケヌセ[1] | ||
開業 | 1957年2月11日 | ||
所有者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) | ||
運営者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) | ||
路線諸元 | |||
路線距離 | 72.8 km | ||
軌間 | 1,067 mm(狭軌) | ||
線路数 | 単線 | ||
電化方式 | 非電化 | ||
閉塞方式 | 自動閉塞式 | ||
最高速度 | 85 km/h | ||
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陸前戸倉駅 - 気仙沼駅間では大船渡線の一部区間・八戸線・三陸鉄道とともに三陸海岸沿岸を走行する。2011年(平成23年)3月に発生した東日本大震災の影響で、沿岸部を走行する柳津駅 - 気仙沼駅間が不通となったが、同区間では2012年8月20日よりバス・ラピッド・トランジット (BRT) の暫定運行を開始し、同年12月22日から本格運行に移行した[2]。なお、2019年11月12日には不通区間を廃止する旨の届け出が行われた[報道 1]。
路線データ編集
- 管轄(事業種別):東日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 区間(営業キロ):前谷地駅 - 気仙沼駅 72.8 km
- 駅数:27(起終点駅およびBRT区間に新設した4駅含む)
- 軌間:1067 mm
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 閉塞方式:自動閉塞式
- 運転指令所:小牛田CTC
- 最高速度:85 km/h
- 平均通過人員(2018年度)[4]
- 前谷地駅 - 柳津駅間:227人/日
- 柳津駅 - 気仙沼駅間:279人/日
前谷地駅 - 陸前小泉駅間は仙台支社、本吉駅 - 気仙沼駅間は盛岡支社の管轄である。境界点は起点より 51.0 km 地点で、陸前小泉駅 - 本吉駅間にある(支社境界参照)。
歴史編集
三陸地方沿岸に鉄道を敷設する構想が生まれたのは、1896年(明治29年)である。この年の6月に明治三陸地震が起こり、大津波によって死者が2万人以上に達するなど三陸地方沿岸は大きく被災した。この時に災害復旧の一環としてこの地域に鉄道を敷設する構想が生まれたが、具体的には進展しなかった[5]。またこれとは別に、川村朝次郎等、東京周辺の財界人有志が三陸鉄道株式会社を立ち上げ、石巻を起点に志津川、気仙沼、釜石、宮古を結ぶ鉄道の建設を目指したが、これも実現せずに終わった[6]。
1912年(大正元年)、鉄道院の技手大谷外輔等、調査員の一団が東北地方の鉄道予定線を測量に訪れた。この時、宮城県北東部にも立ち寄り複数の経路を調査した。この調査で、最短距離で鉄道を敷設すると難工事になり、鉄道を敷設しやすい場所を選定すると距離が延びるという課題が浮かび上がったという[7]。1917年(大正6年)には本吉郡の町村長達が本吉郡を縦断する軽便鉄道の実現を宮城県知事に請願し、また、同じ年に宮城県会議長の鈴木俊輔が時の内務大臣後藤新平に三陸沿岸における鉄道を実現するよう意見書を提出した[8]。志津川町長から宮城県会議員を経て衆議院議員になった高橋長七郎は本吉郡への鉄道実現に熱心であり、1922年(大正11年)に「宮城県気仙沼ヨリ津谷[注 2]、志津川ヲ経テ前谷地ニ至ル鉄道及津谷ヨリ分岐シ佐沼ヲ経テ田尻ニ至ル鉄道」の鉄道敷設法別表への記載が実現した。これを受けて、本吉郡の町村長や桃生郡、牡鹿郡の有志が「三陸鉄道即成同盟会」を結成して鉄道実現へ向けて活動する事になったが、実際には鉄道がすぐに実現するというものでもなかった[9]。
1933年(昭和8年)3月、昭和三陸地震が発生し、三陸地方沿岸はまたも大津波に襲われた。この時に、災害復旧の一環として再び鉄道の建設に焦点が当たったが、鉄道敷設法では本吉から前谷地に至る経路と田尻に至る経路の二つが記されており、これが問題となった。鉄道省内部で田尻ルートが有力視されているという話があり、佐沼町などの内陸町村はこれを歓迎して鉄道誘致運動を始め、一方で志津川町などの沿岸町村はこれに反発して「三陸沿岸鉄道即成同盟会」を結成し対抗した。最終的には政府が、三陸沿岸開発という根本的な目的から前谷地ルートが国策上有利であるという見解を表して、この問題は決着した[10]。
1935年(昭和10年)、鉄道省は気仙沼から前谷地に至る鉄道路線の建設を翌年から着手することに決めた。しかし1936年(昭和11年)、着工を目前にした時期に再びルート問題がにわかに降って湧いた。石巻町とその周辺町村が、三陸鉄道の起点としてふさわしいのは石巻であるとして、鉄道ルートの変更を求めたのだった。鉄道省はこれを取り上げなかったが、この石巻町の三陸鉄道誘致運動は後年までくすぶり続けた。気仙沼線の工事は予算714万2000円をもって気仙沼から南へ向けて進められたが、1937年(昭和12年)日中戦争の勃発によって工事は中断し、1939年(昭和14年)に再開するも、太平洋戦争中の1943年(昭和18年)に再び中断した。戦時中まで工事が行われていたのは、大谷鉱山の地下資源を気仙沼線で輸送することが考えられていたためと推測されている[10][11]。
終戦後の1946年(昭和21年)、本吉郡4町13村と登米郡および桃生郡の関係町村は「三陸鉄道促進期成同盟会」を結成し、鉄道工事の再開を求めて請願や陳情を始めた。しかし、戦後すぐのこの時期は既成線の復旧が急務とされていた。1952年(昭和27年)にBクラス着工線として気仙沼線に追加補正予算が当てられ、1953年(昭和28年)に工事が再開された。当面は気仙沼から本吉までの部分開業とされ、1955年(昭和30年)の完成を目標に工事が進められたが、この予定は遅れることになった。1956年(昭和31年)に旅客線の開業に先立って気仙沼から気仙沼港までの貨物線が開通し、この年の末に本吉までの線路が完成した。1957年(昭和32年)1月から試運転の機関車が走り始め、同年2月11日に気仙沼線は部分的にではあるが開通を迎えた。この区間にかかった総工費は約8億700万円であり、ここを1日6往復の旅客列車が走った[12]。
部分開業後の4月、本吉から前谷地までの残りの区間が調査線に編入された。1959年(昭和34年)に鉄道建設審議会はこの区間の着工を承認したものの、大都市圏での鉄道建設が優先され、すぐには予算が付かなかった。1962年(昭和37年)に前谷地で杭打式が行われ、ここから本吉に向けて路盤工事が進められた。しかしこの工事が行われている最中の1968年(昭和43年)6月、国鉄諮問委員会は国鉄の赤字線83線約2500キロメートルを廃止する計画案を提出した。赤字路線は即時廃止と順次廃止の二つに分けられていて、気仙沼線が即時廃止路線に含まれていた。これは沿線の町や住人に衝撃を与えた。このような状況な中で、同年10月24日に前谷地 - 柳津間が柳津線と名付けられて部分開業した[13]。この区間の総工費は約23億2400万円だった[14]。
その後、柳津から本吉までの区間は小刻みながら工事が続けられた。この区間はリアス式海岸の急峻な地形に線路を通す必要があり、橋梁とトンネルがこの区間の64パーセントを占め、その中でも横山 - 戸倉間の横山トンネルは総延長3508メートルという気仙沼線の中で最長のトンネルだった。これらの難工事に時間を取られながら、総工費約177億円をもって1977年(昭和52年)に柳津 - 本吉間が完成した。10月から試運転列車が走るようになり、12月11日に気仙沼線は全線開通した[15][16]。この前年の1976年(昭和51年)に国鉄総裁に就任した高木文雄は、大赤字確実な路線の引き取りを拒否する意向を示していた。気仙沼線が全線開業した1977年(昭和52年)の時点で開業寸前の状態だった九州の油須原線は高木の意向で受け取りを拒否され、結果として気仙沼線の柳津 - 本吉間は国鉄が開業した最後の地方交通線となった。
当初の計画では気仙沼線全線開通時に急行列車2往復を含む7往復の列車が運転される予定だった[17]。実際には、気仙沼 - 本吉間の区間運転列車を含めて、上り6本、下り7本の普通列車が設定された。この内、上りの1本が石巻行きであり、上下1往復が仙台直通だった[18]。国鉄は気仙沼線の営業係数を677と事前に予測していたが、気仙沼線の利用者は少なくなく、中でも仙台直通列車は後に1両増結の措置が取られるほど混雑した[19]。ただ、仙台直通列車は東北本線内快速、石巻線内でも上涌谷駅は通過だったが、これでも気仙沼 - 仙台間の所要時間は大船渡線経由の急行列車「むろね」と大差なかった。JR東日本発足後には気仙沼線で快速「南三陸」が運行されるようになる。
この頃、国鉄の経営は逼迫しており、1980年(昭和55年)末に政府は国鉄の経営再建を目的とする国鉄再建法を発布した。この内容には赤字路線の廃止も含まれており、1981年(昭和56年)になると、1日4000人未満という利用者数が廃止基準として政令で定められた。これには、ラッシュ時に1000人以上の利用者がいる、代替道路が未整備である、積雪等で年間10日以上交通が不通になる、利用者の平均乗車距離が30キロメートル以上かつ1日の利用者が1000人を超える、といった特殊な環境の路線は除くという条件が付帯していた。気仙沼線の利用者数は1日4000人未満だったが、利用者の平均乗車距離が30キロメートル以上かつ1日の利用者が1000人を超える、に該当した事から廃止路線から除外されることになった[20]。
東日本大震災以後編集
2011年(平成23年)3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では全線が不通となった。特に、地震による津波で陸前戸倉駅、志津川駅、歌津駅、陸前港駅、陸前小泉駅、小金沢駅、最知駅、松岩駅、南気仙沼駅が流失、津谷川橋(気仙沼市本吉町:陸前小泉 - 本吉間)が落橋、各所で路盤・築堤が流失(消失)するなど、沿岸部を通る陸前戸倉 - 南気仙沼間は壊滅した。同年4月29日には前谷地 - 柳津間が復旧したが、残る区間の復旧は自治体の復興計画において路線の変更があるために年単位になることをJR東日本は明らかにしている。JR東日本は不通区間の鉄路復旧について、自社で負担する震災前の状態への復旧費300億円、公的支援が必要なルート移設などに掛かる400億円の合計700億円の費用[新聞 1]や利用者数減少の見込みから断念する意向を示している[新聞 2][新聞 3]。
不通区間については2012年(平成24年)5月にBRT方式での仮復旧に沿線自治体が合意し、同年内のBRTの運行開始を目指して工事が始まり[21]、同年8月20日よりバス代行運転扱いで暫定的な運行を開始した。BRT用の車両はJR東日本が用意し、ミヤコーバスに運行を委託した[新聞 4]。同年12月22日より、JR東日本がバス事業者となりBRTの本格運行を開始した[報道 2]。BRT区間には運行状況が確認できるロケーションシステムが導入されたほか、既存駅舎の改良やBRT用の駅舎の整備、踏切が交差点となることに伴う交通規制標識・信号の設置などが専用道の延伸にあわせて順次行われた[2]。気仙沼線および大船渡線のBRTは2016年(平成28年)のグッドデザイン賞(グッドデザイン金賞)を受賞した[22]。
2019年(令和元年)11月12日、JR東日本が同日付けで、国土交通大臣宛てに柳津駅 - 気仙沼駅間の鉄道事業廃止届を提出したと発表した[報道 1]。
年表編集
気仙沼線編集
- 1956年(昭和31年)4月11日 【開業】大船渡線気仙沼 - 気仙沼港(貨物支線)(5.8 km) 【駅新設】(貨)気仙沼港
- 1957年(昭和32年)2月11日 【開業】気仙沼線 南気仙沼 - 本吉(旅客営業のみ)(17.1 km) 【路線分離】大船渡線気仙沼 - 気仙沼港間貨物支線を気仙沼線に編入 【旅客営業開始】気仙沼 - 南気仙沼 (4.5 km) 【駅新設】南気仙沼、松岩、陸前階上、大谷、小金沢、本吉 (上記の結果、気仙沼線 気仙沼 - 本吉 (21.6 km)、南気仙沼 - 気仙沼港(貨物支線)(1.3 km) となる)
- 1960年(昭和35年)11月10日 【駅新設】不動の沢
- 1967年(昭和42年)7月20日 【駅新設】最知
柳津線編集
全線開通以後編集
- 1977年(昭和52年)12月11日 【延伸開業・全通】気仙沼線柳津 - 本吉(旅客営業のみ)(34.0 km) 【駅新設】陸前横山、陸前戸倉、志津川、清水浜、歌津、陸前港、蔵内、陸前小泉 【貨物営業廃止】南気仙沼 - 本吉 (-17.1 km) 【路線整理】気仙沼線を柳津線に編入し改称。気仙沼線 前谷地 - 気仙沼 (72.8 km)、南気仙沼 - 気仙沼港(貨物支線)(1.3km)
- 1979年(昭和54年)11月1日 【廃止】南気仙沼 - 気仙沼港(貨物支線)(-1.3 km) 【貨物営業廃止】気仙沼 - 南気仙沼 (-4.5 km) 【駅廃止】(貨)気仙沼港
- 1987年(昭和62年)4月1日 【承継】東日本旅客鉄道
- 1997年(平成9年)3月22日 【駅名改称】大谷 → 大谷海岸
- 2001年(平成13年)10月14日 天皇・皇后の宮城国体行幸啓に伴い、1号御料車編成によるお召し列車を仙台から東北本線・石巻線経由で柳津へ運転(片道のみ)。DD51 842牽引(予備機:DD51 888)
- 2007年(平成19年)12月8日 仙台 - 気仙沼間に盛岡車両センター所属の改造気動車「Kenji」を用いて「気仙沼線全線開通30周年号」を運転。
- 2011年(平成23年)
- 3月11日 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)発生により全線で不通。松岩 - 最知間に緊急停車中(乗員乗客は避難済み)だった上り列車1編成が津波に流される。
- 4月9日 前谷地 - 柳津間で代行バス運転開始。
- 4月29日 前谷地 - 柳津間で運転再開。
- 5月9日 志津川 - 本吉 - 気仙沼間でミヤコーバス路線バス(三陸線)臨時ダイヤに乗る形で、当該区間に対し有効な定期券・回数券保持者に対するバス振替輸送を開始。普通乗車に関してはミヤコーバスが定める運賃を支払う[23]。
- 7月11日 柳津 - 志津川間でミヤコーバス路線バス(三陸線)臨時ダイヤに乗る形で、当該区間に対し有効な定期券・回数券保持者に対するバス振替輸送を開始[23]。
- 2012年(平成24年)
- 5月7日 JR東日本が提示した気仙沼線のBRT方式による“仮復旧”に対して、沿線の気仙沼市、南三陸町、登米市が合意。
- 5月21日 陸前階上 - 最知間でBRT方式のための工事開始[21]。
- 8月1日 気仙沼線BRTの運営を担う組織として、本社の復興企画部直轄の「気仙沼線BRT営業所」を大船渡線営業所に隣接して開所。BRT運行に併せて宮城県バス協会に入会したことにより、JR東日本グループ2社(ジェイアールバス東北・JR東日本)が同協会に加盟することとなる。
- 8月20日 陸前階上 - 最知間のBRT専用道化工事完成に伴い、柳津 - 気仙沼間でバス代行運転扱いとしてBRTによる暫定サービス提供開始。ミヤコーバスによるバス振替輸送は前日8月19日の運行をもって終了[報道 3]。【駅新設】ベイサイドアリーナ 【駅名改称・移設】南気仙沼 → 南気仙沼(市立病院入口)
- 12月22日 柳津 - 気仙沼間のBRTの本格的な運行を開始[報道 2]。同時に、歌津 - 陸前港間のBRT専用道供用開始。
- 2013年(平成25年)
- 2014年(平成26年)4月17日 不動の沢 - 気仙沼間でBRT専用道供用開始。専用道延長は合計で22.7 kmとなる[2]。
- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年) 気仙沼線のBRTによる本復旧に沿線自治体がJR東日本と合意[24]。
- 2017年(平成29年)11月2日 【駅新設】気仙沼市立病院[報道 7]、【駅名改称】南気仙沼(市立病院入口) → 南気仙沼
- 2018年(平成30年)7月1日 柳津 - 陸前戸倉、最知 - 松岩の2区間でBRT専用道供用開始。【駅新設】志津川中央団地 【駅名改称】ベイサイドアリーナ → 南三陸町役場・病院前[報道 8][報道 9]
- 2019年(平成31年・令和元年)
- 3月16日 【駅新設】岩月[報道 10][報道 11]。
- 6月15日 清水浜 - 歌津間でBRT専用道供用開始[報道 12]。
- 10月13日 台風19号の影響により、陸前横山 - 陸前戸倉間および清水浜 - 歌津間のBRT専用道で土砂が流入する被害を受ける。これに伴い、柳津 - 陸前戸倉間および志津川中央団地 - 陸前港間のBRT専用道が使用停止となり、一般道での迂回運転を実施[報道 13]。
- 10月27日 柳津 - 陸前戸倉間および志津川中央団地 - 陸前港間のBRT専用道が使用再開し、一般道での迂回運転を解除[報道 13]。
- 11月12日 JR東日本が柳津 - 気仙沼間の鉄道事業廃止届を提出[報道 1]。
- 2020年(令和2年)
運行形態編集
停車場・施設・接続路線 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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BRTは全線で運行され、鉄道は前谷地駅 - 柳津駅間となっている。
前谷地駅 - 柳津駅間は鉄道とBRTが並行して運行され、BRTはこの区間では途中駅には停車しない。鉄道は普通列車が1 - 3時間に1本程度運行され、一部の列車は石巻線に直通し小牛田駅を発着駅とする。ワンマン運転が実施されている。BRTは気仙沼駅からの直通で数本の運行となっている。
柳津駅 - 気仙沼駅間はBRTでの運行となっており、柳津駅 - 志津川駅間は1時間あたり1本、志津川駅 - 本吉駅間は日中は1時間あたり1本で通学時間帯は2 - 5本、本吉駅 - 気仙沼駅間は日中は1時間あたり2本で通学時間帯は3 - 6本となっている。定期便はすべての便が気仙沼駅発着で、日中は半数が本吉駅止まりとなり、朝夕は志津川駅発着の便がある。
東日本大震災発生前は鉄道が全線直通で運行されていた。一部に本吉駅 - 気仙沼駅間の区間列車があり、朝の上り1本は気仙沼発女川行きであった。また、仙台と気仙沼を結ぶ快速「南三陸」が2往復運転され、このうち1往復は2001年(平成13年)11月30日まで気仙沼駅より大船渡線の盛駅まで直通運転が実施されていたが、震災前の時点では全列車が気仙沼駅発着になっていた。震災前は列車は10本程度の運転本数となっていた[2]が、BRTによる運行になってからは大幅に増発され、2012年(平成24年)12月22日のBRT本格開業時には、本吉駅 - 気仙沼駅間が30本以上になっている。一方、仙台 - 気仙沼間を快速列車で移動すると1時間58分で到達していたが、BRT導入により移動時間は1時間程度延びた[2]。これにより、仙台 - 気仙沼間の最速移動手段は鉄道から高速バスへと移行した[2]。
使用車両編集
鉄道区間編集
1992年(平成4年)3月14日からキハ40・48形気動車が使用されてきたが、2013年(平成25年)3月16日のダイヤ改正で置き換えられた。
BRT区間編集
ハイブリッド・ノンステップバス(日野・ブルーリボンシティ・ハイブリッド、日野・ブルーリボン・ハイブリッド)が主体となっている。BRT暫定開業時に使用されていた中古車両を置き換える形で本格開業時にハイブリッド車が導入された。2014年には前述の中古車の内外装を改装した観光型バスやいすゞ・エルガミオをベースにした電気バスを導入した[報道 15]。2019年には新たにハイブリッド車を導入した[新聞 7][報道 16]。車両はJR東日本所有で、ジェイアールバス東北同様の車両称号が付いている。運行に関する業務はミヤコーバス(津谷営業所、気仙沼営業所、佐沼営業所)に委託されている。
駅一覧編集
便宜上、前谷地側の列車が半数程度乗り入れる石巻線小牛田駅からの区間を記載。
- 累計営業キロは前谷地駅起算
- 線路(全線単線) … ◇、∧:列車交換可、|:列車交換不可
- ※:小牛田駅の石巻線・気仙沼線用旅客ホームは1面1線であるが、同駅は側線を用いた(おもに貨物)列車の交換が可能である。
- 全駅宮城県内に所在
- 駅名欄の背景色が■である駅(陸前横山駅 - 不動の沢駅)は東日本大震災により不通となり、BRTが運行されている区間の駅(BRTの駅は「BRT区間」を参照)。
路線名 | 駅名 | 営業キロ | 接続路線・備考 | 線路 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|
駅間 | 累計 | |||||
石巻線 | 小牛田駅 | - | 12.8 | 東日本旅客鉄道:■東北本線・■陸羽東線 | ※ | 遠田郡美里町 |
上涌谷駅 | 3.5 | 9.3 | | | 遠田郡涌谷町 | ||
涌谷駅 | 2.7 | 6.6 | ◇ | |||
前谷地駅 | 6.6 | 0.0 | 東日本旅客鉄道:■石巻線(石巻方面) | ◇ | 石巻市 | |
気仙沼線 | ||||||
和渕駅 | 3.2 | 3.2 | | | |||
のの岳駅 | 3.0 | 6.2 | | | 遠田郡涌谷町 | ||
陸前豊里駅 | 4.1 | 10.3 | ◇ | 登米市 | ||
御岳堂駅 | 3.3 | 13.6 | | | |||
柳津駅 | 3.9 | 17.5 | |[注 4] | |||
陸前横山駅 | 4.8 | 22.3 | | | |||
陸前戸倉駅 | 7.2 | 29.5 | | | 本吉郡 南三陸町 | ||
志津川駅 | 4.2 | 33.7 | ◇ | |||
清水浜駅 | 4.5 | 38.2 | | | |||
歌津駅 | 4.1 | 42.3 | ◇ | |||
陸前港駅 | 2.6 | 44.9 | | | |||
蔵内駅 | 1.8 | 46.7 | | | 気仙沼市 | ||
陸前小泉駅 | 2.0 | 48.7 | | | |||
本吉駅 | 2.8 | 51.5 | ◇ | |||
小金沢駅 | 3.1 | 54.6 | | | |||
大谷海岸駅 | 3.7 | 58.3 | | | |||
陸前階上駅 | 3.3 | 61.6 | ◇ | |||
最知駅 | 1.7 | 63.3 | | | |||
松岩駅 | 2.3 | 65.6 | | | |||
南気仙沼駅 | 2.7 | 68.3 | | | |||
不動の沢駅 | 1.3 | 69.6 | | | |||
気仙沼駅 | 3.2 | 72.8 | 東日本旅客鉄道:■大船渡線 | ∧ |
BRT区間編集
- 基本的にこの区間のすべての駅に停車するが、▽印の駅は一部の便のみ停車する。
駅名 | 営業キロ | 接続路線・備考 | 所在地 | |
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駅間 | 累計 | |||
前谷地駅 | - | 0.0 | 東日本旅客鉄道:■石巻線 | 石巻市 |
柳津駅 | 17.5 | 17.5 | 登米市 | |
陸前横山駅 | 4.8 | 22.3 | ||
陸前戸倉駅 | 7.2 | 29.5 | 本吉郡 南三陸町 | |
志津川駅 | 4.2 | 33.7 | ||
南三陸町役場・病院前駅 | 0.8 | 34.5 | ||
志津川中央団地駅 | 1.1 | 35.6 | ||
清水浜駅 | 2.6 | 38.2 | ||
歌津駅 | 4.1 | 42.3 | ||
陸前港駅 | 2.6 | 44.9 | ||
蔵内駅 | 1.8 | 46.7 | 気仙沼市 | |
陸前小泉駅 | 2.0 | 48.7 | ||
本吉駅 | 2.8 | 51.5 | ||
小金沢駅 | 3.1 | 54.6 | ||
大谷海岸駅 | 3.7 | 58.3 | ||
陸前階上駅 | 3.3 | 61.6 | ||
最知駅 | 1.7 | 63.3 | ||
岩月駅 | 1.0 | 64.3 | ||
松岩駅 | 1.3 | 65.6 | ||
気仙沼市立病院駅▽ | [注 5] | |||
(赤岩港駅) | ↓ | ↓ | 事業中・2020年春開業予定 | |
南気仙沼駅 | 2.7 | 68.3 | ||
不動の沢駅 | 1.3 | 69.6 | ||
気仙沼駅 | 3.2 | 72.8 | 東日本旅客鉄道:■大船渡線 |
廃止区間編集
- 貨物支線
- 南気仙沼駅 - (貨)気仙沼港駅
脚注編集
注釈編集
- ^ 第27期中間報告書の主要な事業内容(東日本旅客鉄道公式サイト)に2013年9月時点での各支社ごとの公称駅数が記載されているが、会社要覧の事業概要の駅数からの増減は只見線の田子倉駅のみであり、仙台・盛岡支社ともにBRT区間については転換前の駅数のままとなっている。
- ^ 津谷は現在の気仙沼市本吉町の一部で、本吉駅周辺に当たる。
- ^ 鉄道事業法により、届け出は廃止の1年前までとされている。ただし、鉄道としては災害休止のまま運行実態がないため、所定の手続が済んだ後、廃止予定日が繰り上げられる場合がある。「岩泉線#災害による不通から廃止へ」を参照のこと。
- ^ 東日本大震災以前は"◇"
- ^ 気仙沼市立病院駅の運賃は松岩駅方面からは南気仙沼駅まで、南気仙沼駅方面からは松岩駅までのキロ数で計算する。
出典編集
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- ^ a b c d e f 後藤智春「JR気仙沼線BRTをめぐる現状について-気仙沼線の復旧のあり方を考察する」『交通権』第2014巻第31号、交通権学会、2014年、 51-63頁、 doi:10.20611/kotsuken.2014.31_51。
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- ^ 路線別ご利用状況(2014〜2018年度) (PDF) - 東日本旅客鉄道
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- ^ 『歌津町史』 pp.1066
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報道発表資料編集
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- ^ 新車導入について (PDF) - 東日本旅客鉄道盛岡支社プレスリリース(2019年7月25日)
新聞記事編集
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- ^ “気仙沼線 BRT、ミヤコーバスに JR東、委託の方針”. 河北新報オンラインニュース (河北新報社). (2012年5月25日). オリジナルの2013年6月5日時点によるアーカイブ。
- ^ “気仙沼線BRT「赤岩港駅」 20年春に新設”. 河北新報 ONLINE NEWS. (2019年10月10日) 2019年11月7日閲覧。
- ^ “BRT区間の鉄道事業廃止 気仙沼、大船渡両線でJR東”. 河北新報 ONLINE NEWS. (2019年11月13日). オリジナルの2019年11月14日時点によるアーカイブ。 2019年11月14日閲覧。
- ^ “被災地BRTに新車導入 表示見やすく JR東”. 河北新報ONLINE NEWS. (2019年9月11日) 2019年9月12日閲覧。
参考文献編集
関連項目編集
- 日本の鉄道路線一覧
- 仙台 - 南三陸・気仙沼線(高速バス)