気球に乗って五週間
『気球に乗って五週間』(ききゅうにのってごしゅうかん、Cinq semaines en ballon )は、 1863年に刊行されたジュール・ヴェルヌの長編冒険小説。原題はCinq semaines en ballon: voyage de découvertes en afrique par trois anglais(気球に乗って五週間 - 三人のイギリス人によるアフリカ探検の旅)。題名の通り三人のイギリス人を主人公に、気球によるアフリカ探検(特に、当時は未知であったナイル川の源流探索)が描かれる。
気球に乗って五週間 Cinq semaines en ballon voyage de découvertes en afrique par trois anglais | ||
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著者 | ジュール・ヴェルヌ | |
イラスト |
エドゥアール・リウー アンリ・ド・モントー | |
発行日 | 1863年 | |
発行元 | P-J・エッツェル | |
ジャンル | 冒険小説 | |
国 |
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言語 | フランス語 | |
形態 | 上製本 | |
次作 | 地底旅行 | |
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ヴェルヌ34歳の作品で、巨大な熱気球を建造していた写真家ナダールと知り合い、それに触発されて本作を書き上げたとされるものの、確かではない。そもそもナダールが気球・巨人号を打ち上げる計画を立てたのは『気球に乗って五週間』の刊行後であり、ヴェルヌがナダールと知り合ったのもおそらくその頃のことである。ナダールの気球の方は失敗に終わったものの、ヴェルヌは本作の成功により一躍人気作家の仲間入りを果たした。
登場人物編集
サミュエル・ファーガソン[1]
- サミュエル・ファーガソン博士(Samuel Fergusson):探検家にして発明家。自作の気球でナイルの源流を目指す。
- ディック・ケネディ(Dick Kennedy):ファーガソンの親友でカービン銃の名手。
- ジョー(Joe / Joseph Wilson):忠実で楽天家の従僕。
日本語版編集
- 「亜非利加内地三十五日間空中旅行」 訳:井上勤、校訂:渡辺義方、絵入自由出版社、1883-84年
- 平凡社、2013年 ISBN 978-4256902271
- 「空中旅行三十五日」 訳:塩谷太郎、偕成社(名作冒険全集36)、1958年
- 「アフリカ横断飛行」 訳:亀山竜樹、学習研究社(少年少女ベルヌ科学名作全集5)、1964年
- 「気球に乗って五週間」 訳:手塚伸一、集英社コンパクト・ブックス(ヴェルヌ全集第7)、1968年
- 「アフリカ横断三十五日」 訳:土居耕、岩崎書店(ベルヌ冒険名作選集3)、1969年
- 「気球にのって五週間」 訳:塚原亮一、偕成社(ベルヌ名作全集15)、1969年
- 「気球旅行の五週間」 訳:江口清、パシフィカ、1979年
- 「気球に乗って五週間」 訳:手塚伸一、集英社文庫(ジュール・ヴェルヌ・コレクション)、1993年
映画化作品編集
詳細は「気球船探険」の項を参照。
出典・脚注編集
外部リンク編集
- プロジェクト・グーテンベルクにおけるFive Weeks in a Balloon(英語)
- プロジェクト・グーテンベルクにおけるCinq semaines en ballon(フランス語)