日本軍『慰安婦』問題解決全国行動

水曜デモから転送)

日本軍『慰安婦』問題解決全国行動(にほんぐん「いあんふ」もんだいかいけつぜんこくこうどう)とは、第二次世界大戦時における旧日本軍の一部の元慰安婦とその支援者たちが、日本政府からの公式謝罪および法的補償を要求するために開催している集会。1992年平成4年)1月8日に開始され[1]、毎週水曜日在大韓民国日本国大使館前で行われていることから、一般に「水曜デモ」と呼ばれている。

水曜デモの様子(2011年8月)
黄色のスローガンを身に付けている老婆が慰安婦とされる人達。金君子(黄色シャツ左から3人目)、金福童(同左から4人目)、吉元玉(同左から6人目)、李容洙(同左から7人目)(2011年8月)
水曜デモにてKBS NEWSのインタビューに答える金福童(2011年8月)
日本大使館前の慰安婦像を囲む水曜デモ参加者

2020年には、初期から参加してきた元慰安婦が「支援団体の寄付金集めに使われただけで憎しみと傷だけを教えるだけの集会」として中止を要求している[2]

概要編集

韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」の主催で行われることが多いが、学生団体や日本の団体が主催する場合もある[1]

「慰安婦たちの恨みが晴らされなければ、日本人は災難を免れないだろう」[3]といった日本人に対するヘイトスピーチも見られる他、許しを請う日本の政治家を演じるパフォーマンスなどが公道上の観衆に披露される[4]

岡崎トミ子郡和子といった韓国の主張に賛同する社民党や民主党、共産党、沖縄社会大衆党など国会議員など日本国内の左派が参加・支援してきた。日本国内でも、2011年12月には、外務省を人間の鎖で取り囲む「韓国水曜デモ1000回アクション in Tokyo」が開催され、これに反発する保守系の団体と対峙した[5]

2011年12月14日、ソウルの日本大使館前の公道に、無許可で水曜デモ1000回を記念する慰安婦像が建てられ、撤去を求める日本政府とこれを黙認する韓国政府との間で外交問題に発展した(詳細は「慰安婦像」を参照)。この日、過去最大の人数が日本大使館前に集まった[6]

既に韓国傘下の韓国学校は無償化されているのに、北朝鮮傘下の学校である朝鮮学校授業料無償化要求など慰安婦と関係ない韓国左派陣営のための主張が行われてきた。これには後に集会に行くのを辞めた元慰安婦からも批判が出ている[1][7][8]

大使館前では、水曜デモの他にも、各種の反日デモが毎日のように行われており、夏休みになると小中高生までが参加する。法律上、外国公館周辺100メートル以内は集会やデモが禁止されているが、韓国の行政当局は、外国大使館周辺でのデモや抗議集会を違法という自国法と国際法違反のデモなのに記者会見という名目で、日本大使館前に限り、こういった行為を黙認している[9][10]

中華民国台湾)でも、台北市婦女救援基金会の主導により、水曜デモが行われている[11]

2015年7月1日、アメリカ合衆国首都ワシントンD.C.の日本大使館前で韓国系団体が中心となり、1185回目の水曜デモを行った[12]

2020年、新型コロナウィルスの感染拡大を受け、1428回の水曜集会は初めて動画中継サービスを通じてオンライン上で行うことになり、以降は全てオンライン上での開催となっている[13]

2020年5月7日には集会に当初から参加していた李容洙が「支援団体のこれまでの活動は彼らの金銭的政治的利益のために慰安婦を利用しており、寄付金の用途も不明で、憎悪だけ招く水曜集会をなくすべきで、もう参加しない」と明らかにした[2][8]。李容洙の不参加宣言以降も、正義連は予定通り水曜集会を行うとしており、5月13日の1439回水曜集会も予定通りオンラインで開催された。一方で、水曜集会に反対する保守系団体などが、周辺で正義連の解散などを求める抗議活動を行った[14]

2020年6月24日、水曜デモに反対する保守団体「自由連帯」が同じ場所で先に警察署に集会申告をしたため、正義連はこの日予定されていた第1445回水曜デモを初めて慰安婦像の前で開催できなくなった[15]。現場では、保守団体に抗議して、正義連とは別の学生団体「反安倍反日青年学生共同行動」が慰安婦像と自分の体をひもで結びつけ、違法な座り込みを続けており、両者が対峙している[16]

2020年7月3日、鍾路区は3日午前0時から新型コロナウイルス感染拡大の防止を理由に、日本大使館前を含むエリアでの集会を全面的に禁止した。これにより、水曜デモとそれに反対するデモ双方が事実上開催できなくなった。既に2月から周辺の光化門広場などでは集会が禁止されていたが、日本大使館前だけはその指定エリアから除外されており、一部では正義連の水曜デモに行政が配慮していたと指摘されている[17]。しかし、正義連や前述の「反安倍反日青年学生共同行動」は、集会が禁止された後も、記者会見名目や、違法性のないオンライン主体のトークショーだとして、日本大使館前で違法集会を続けている[18]

2020年7月30日、これまで水曜集会と正義連を批判してきた李容洙が、8月12日の水曜集会「第8回世界日本軍『慰安婦』をたたえる日 世界連帯集会記者会見」に出席するという、正義連側の見解が出された。実際は、本人は出席しなかった[19]

1000回記念水曜デモ 日本の国会議員編集

批判編集

韓国内でも、水曜デモに反発する動きがある。

沈美子ら33名の元慰安婦らは「慰安婦たちに寄付金や収益を回さないで慰安婦らを食い物にしている」と挺対協ナヌムの家とは別の慰安婦組織「世界平和無窮花会」を結成した。2004年3月13日に、沈美子ら13人の元慰安婦は、慰安婦たちを利用する組織らの解散を目指し、彼らの運動の資金源である募金を止めさせることと、日本大使館前で行われる水曜集会を止めさせるために「募金行為及びデモ禁止の仮処分申請」を申立てる裁判を起こしている[20]

慰安婦問題日韓合意後は保守団体の父母連合が「慰安婦合意認めろ」というプラカードと共に日韓合意を歓迎する集会を日本大使館前で開催しようとし、水曜デモの参加団体と小競り合いになる事態も起きている[21]

2020年には参加してきた慰安婦からも集会への批判と中止要求が起きている[2]

脚注編集

  1. ^ a b c 産経新聞・週刊韓から「慰安婦デモ 日本大使館前でルポ」、2010,8,15。(2011,11,12閲覧)
  2. ^ a b c 慰安婦被害者・李容洙さん「水曜集会、憎しみだけを教えた…韓日両国の若者が仲良くなってこそ問題解決」(中央日報日本語版)” (日本語). Yahoo!ニュース. 2020年5月7日閲覧。
  3. ^ ハンギョレ [1]"할머니들의 한을 풀지 않으면 너희들은 재앙을 면치 못할 것이다"
  4. ^ “하시모토는 사죄하라!(橋下は謝罪せよ!)”. 中央日報. (2013年6月26日). https://megalodon.jp/2013-0817-0800-51/pic.joins.com/photo/article/article.asp?total_id=11909378&ctg=12 2013年8月17日閲覧。 
  5. ^ “韓国水曜デモ1000回アクション”. 週刊金曜日. (2012年1月20日). http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=1547 2013年8月17日閲覧。 
  6. ^ 【韓国・慰安婦記念碑】「皆が死ぬ前に謝罪を」 日本大使館前に最大の数百人 - MSN産経ニュース
  7. ^ 晋一郎, 赤石. “慰安婦支援団体代表が韓国選挙に与党から出馬へ 突然の政界転身の理由” (日本語). 文春オンライン. 2020年5月7日閲覧。
  8. ^ a b 이용수 할머니 "위안부 성금 어디 썼나"…정의기억연대 "오해"(종합)” (朝鮮語). news.naver.com. 2020年5月7日閲覧。
  9. ^ “ソウルからヨボセヨ 同じ100メートルでも…”. 産経新聞(魚拓). (2013年8月10日). https://megalodon.jp/2013-0810-1808-36/sankei.jp.msn.com/world/news/130810/kor13081003320000-n1.htm 2013年8月12日閲覧。 
  10. ^ 慰安婦像も抗議集会も実は違法? 韓国・朴政権が“どうにかしなければならない”問題 (2016年1月18日)” (日本語). エキサイトニュース. 2020年5月7日閲覧。
  11. ^ 台北の「600回水曜デモ」
  12. ^ 韓国系団体が米国の日本大使館前で反日抗議デモ 挺対協など慰安婦像を模した人形置く- MSN産経ニュース2015.7.2 11:03
  13. ^ 慰安婦問題の解決求める定例集会 新型コロナ拡大で初のオンライン開催へ=韓国- 聯合ニュース2020.2.21
  14. ^ 渦中の慰安婦団体が定例集会「寄付金の流用ない」 報道陣100人=韓国 - 朝鮮日報2020.5.13
  15. ^ 正義連、韓国保守団体の少女像前「水曜集会」28年ぶりに場所を明け渡す - 中央日報2020.6.22
  16. ^ 慰安婦デモ28年の歴史にピリオド・聖域を解体…「歴史的な水曜日」を語る - デイリー新潮2020.6.28
  17. ^ ソウル・日本大使館前での集会を全面禁止 コロナ拡大防止で - 聯合ニュース2020.7.3
  18. ^ 少女像周辺で「集会」開催 韓国、コロナで禁止…警察が警告 - 産経新聞2020.7.4
  19. ^ 慰安婦団体批判の被害者 12日の水曜集会参加せず=韓国 - 聯合ニュース2020.8.11
  20. ^ 晋一郎, 赤石. “慰安婦支援団体代表が韓国選挙に与党から出馬へ 突然の政界転身の理由” (日本語). 文春オンライン. 2020年5月7日閲覧。
  21. ^ 引き潮のように消えた水曜集会の人の波…「共に戦う」と言った人々はどこに行ったのか=韓国 - 中央日報

関連項目編集

外部リンク編集