水没した土地(すいぼつしたとち)とは、地殻変動気候変動などによって水面下に沈んだ土地である。

自然災害など編集

地震
侵食活動
海面上昇
火山活動
沈み込み帯
  • 大アドリア大陸 - 2019年9月3日の学術誌『Gondwana Research』で発表された。リンゴの皮をむくように残った部分もある[5]
天然ダム
川の流入量が増えたため
  • トルコのヴァン湖の湖底に町が沈んでいるという噂があったため、確認したところ紀元前1,000年ごろのウラルトゥ王国時代の古城と都市遺跡が発見された。水の流入が多くなり湖面が上昇したことにより徐々に水没したと考えられている[6]
その他、選別中(原因不明)
ジーランディアケルゲレン海台モーリシア英語版
  • オルス英語版 - 紀元前2世紀に水没。ギリシャ。
  • ネアポリス(Neapolis) - チュニジア。4世紀に津波で水没[7]
  • カンバート湾の考古遺跡英語版 - 2001年に発見された(調査中)。
  • ヨムスボルグ - バルト海南岸にあったヴァイキングの本拠地であった。
  • ケムネ宮殿英語版 - イラク北部モスルダムの貯水池の底[8]
  • 龍遊石窟中国語版
  • 草戸千軒町 - 中世に芦田川河口(現在の広島県福山市)に栄えた港町。1673年の洪水で埋没したという伝承で知られる。「草戸千軒町遺跡」が発掘されているが、町として機能したのは16世紀初頭までとみられ「洪水により最盛期の町が滅んだ」わけではないことが指摘されている[9]

伝承編集

人工的に水没した土地編集

ダム建設で水没した土地編集

日本
世界

法律編集

水面下にある土地の所有権について長らく世界的に議論が行われてきた[13]

日本においては、明文化された法律はなく解釈によって行われ、もともと水面下にある土地は公共の物として扱われている[14]。また以下の例については個別に説明する[15]

  1. 侵食などによって海に没した場合、支配可能性と資産価値があれば所有可能。
  2. 人工的に切削して港などにした場合、陸地の扱いとなる。
  3. 旧幕時代・明治時代の海面の状態で払下げされた土地、当時の状態を基準に評価。
水中の文化財について
各地の遺跡については自治体の教育委員会が責任を持つことになっているが、海岸法の規定で自治体は海岸線から50メートルまで管轄できるが、50メートルから先の遺跡調査の管轄が不明となっている[1]

出典編集

  1. ^ a b 水中に眠る船、都市、集落―― 人類の営みをたどる「水中考古学」の世界”. Yahoo!ニュース. 2022年9月6日閲覧。
  2. ^ “幻の村”実在を確信 南あわじの男性が10年研究”. 兵庫おでかけプラス. 神戸新聞社 (2018年6月13日). 2022年8月12日閲覧。
  3. ^ わかる!国際情勢>Vol.27 水没が懸念される国々~ツバルを通して見る太平洋島嶼国 外務省 更新日:2009年2月18日、参照日:2021.8.12
  4. ^ Significant damage keeping much-needed aid from reaching Tonga”. CBC.ca. 2022年1月18日閲覧。
  5. ^ 地中海に「失われた大陸」があった 最新研究”. ナショナルジオグラフィック. 日経BP. 2022年5月12日閲覧。
  6. ^ Ancient Ruins Discovered Under Lake in Turkey” (英語). History. nationalgeographic (2017年11月15日). 2022年9月7日閲覧。
  7. ^ 「津波で沈んだ」古代ローマ都市遺跡、チュニジア沖で発見 AFP通信
  8. ^ 貯水池から古代の宮殿が出現、干ばつで水位下がる イラク北部”. CNN. 2022年6月9日閲覧。
  9. ^ 第3回:草戸千軒が消滅した理由は?”. 広島県教育委員会. 2022年8月12日閲覧。
  10. ^ 武蔵大学人文学会雑誌 第45巻 第4・3号 p158
  11. ^ ダム建設で水没の集落に思いはせる 大宮の博物館で特別展 産経新聞
  12. ^ わかる!国際情勢>Vol.33 ユネスコ(UNESCO)~人類共通の遺産を守るために 外務省 更新日:2009年4月6日 参照日:2021.8.12
  13. ^ 藤田宙靖「海面下の地盤と土地所有権」『土木学会論文集』第1994巻第488号、1994年、1-9頁、doi:10.2208/jscej.1994.488_1 
  14. ^ 水辺芳郎「海没している土地の所有権」『法社会学』第1975巻第28号、1975年、35-45頁、doi:10.11387/jsl1951.1975.35 
  15. ^ 七戸克彦「海面下の土地所有権に関する最近の裁判例について」『日本エネルギー法研究所月報』第163巻、日本エネルギー法研究所、2003年8月、1-5頁、hdl:2324/6189 

関連項目編集

かつて水没していた土地