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江藤 茂博(えとう しげひろ、1955年 - )は、日本の学者。二松學舎大学文学部国文学科教授。専門は文芸・映像・メディア論[1]長崎県長崎市出身。武蔵大学人文学部社会学科卒業。立教大学大学院博士課程後期修了。十文字学園女子大学コミュニケーション学科教授を経て現職。2019年 二松學舍大学学長に就任。

目次

来歴編集

長崎市の南大浦小学校卒業[2]この町で、「町の小さな貸本屋の漫画本をあらかた詠み尽くし」、「週刊誌マンガも、すべて読んでいた」。なかでも石森章太郎『サイボーグ009』を楽しみしていた小学生だったという[3]。70年、中学3年生の時に、自分が通っていた学習塾で、そのまま教師のアルバイトも経験したのが、江藤にとって「人生最初のアルバイトであり、最初の教師体験[4]であり、かなり早い教師経験がわかる。 1974年、高校卒業までを長崎で過ごした後、上京。練馬区にある武蔵大学人文学部社会学科(西武池袋線江古田駅)入学[5]する。大学所在地の近隣で学生時代を過ごしているようで[6]この頃ついては、近所の喫茶店で石ノ森章太郎と顔を合わせていたが、「ファン」だったので「声をかけ」られずにいたと回想している。さらに後年、この大学の街である江古田を「いくつかの大学を中心とするこの学生街は、若者たちの生み出す多様な文化が混淆する場であったし、いまもそうでありつづけている」と論じている[7]。大学卒業後の80年代は、池袋の立教大学大学院文学研究科に進学している[8]。また、80年代・90年代は、予備校講師[9]としても活動していたようで、「わたしも予備校講師として生活していた時代があって、その時は、正しい答えが出る問題についての解答法を、全国の教室で日々繰り返し語っていた」[10]とも書いていた。また同時期には十文字学園女子短期大学専任講師[11]に着任、そして1996年には同短期大学助教授[12]となる。この間、国語関係の大学受験学習参考書も数冊出版、学習参考書以外の最初の著書となる『映像批評の方法』(彩流社 1996)も出版している。

1998年の春に河南省南陽市で日本酒関係の仕事で関係したのが中国に関係する最初であるという[13]。その後、1999年の秋から翌年の春まではアメリカ合衆国州立イリノイ大学客員研究員として滞米していた[14]。帰国後、十文字学園女子大学社会情報学部教授を経て、2003年より二松学舎大学文学部国文学科教授に着任。この間、「『時をかける少女』たち」(彩流社 2002)をはじめ、サブカルチャー関連の本やメディア文化論関連の本を幾つか出版している。

2010年に刊行が始まった『横溝正史研究』(戎光祥出版)の編集[15]、2013年に刊行が始まった復刻少年少女小説文庫のパール文庫(真珠書院)の監修を担当[16]している。また、同大学の文学部長、文学研究科長、理事を兼務[17]。文学博士(二松学舎大学)[18]。そのほか、浙江工商大学日本語言学院客員教授や私立高校の理事[19]どの経歴がある。また、10年代の出版物としては日本文学関係だけでなくメディア論や文化論等が並ぶが、データベース検索[20]によると、大学紀要などの論考には芥川龍之介を中心とした日本文学関係のものが多い。

著書編集

  • 映像批評の方法(彩流社・1996年)
  • 時をかける少女」たち(彩流社・2001年)
  • 映画・テレビドラマ原作文芸データブック (勉誠出版・2005年) 
  • オタク文化と蔓延する「ニセモノ」ビジネス(戎光祥出版・2008年)
  • 20世紀メディア年表 1901~2000 (双文社出版・2009年

訳書編集

共編著編集

  • 宝塚スタディーズ(戎光祥出版・2007年 植木朝子日向薫・清水玲子・加藤暁子 共編著
  • アロマテラピー読本(青山社・2010年)市村真納・市村恒士 共著
  • 大学生のための文学レッスン(三省堂・2011年)小嶋知善・内藤寿子・山本幸正 共著
  • 生きる力がわく「論語の授業」(朝日新聞出版・2013年) 牧角悦子・中根公雄・久米晋平・町泉寿郎・髙山節也・鷲田小彌太 共編著
  • メディア文化論(ナカニシヤ出版・2013年)遠藤英樹・松本健太郎 共編
  • ショッピングモールと地域(ナカニシヤ出版・2016年)井尻昭夫・大崎紘一・江藤茂博・松本健太郎共編著
  • 横溝正史研究 創刊号(戎光祥出版・2009年)山口直孝・浜田知明 共編
  • 横溝正史研究 2(戎光祥出版・2010年) 同 共編
  • 横溝正史研究 3(戎光祥出版・2010年) 同 共編
  • 横溝正史研究 4(戎光祥出版・2013年) 同 共編
  • 横溝正史研究 5(戎光祥出版・2013年)山口直孝・浜田知明 共編

監修編集

パール文庫(14冊刊行)[菊池寛「心の王者」海野十三「海底大陸」小酒井不木「少年科学探偵」寺島柾史「怪奇人造島」大河内翠山「真田幸村」松田瓊子「七つの蕾」平田晋策「新戦艦高千穂」バーネット「小公子」小川未明「赤いろうそくと人魚」池田芙蓉「馬賊の唄」キャロル「アリス物語」松本泰「紫の謎」長谷川時雨「林檎」ルブラン「奇巌城」](真珠書院・2013年~2015年)

実用書・学習参考書編集

・アクセス小論文(土屋書店・1990年)

・入試サクセス30講 現代文の読解(研数書院・1990年

・入試サクセス30講 短大の国語(研数書院・1993年)左藤彦 共著

・書き込み仕上げ 作文・小論文(ブラトー出版・2001年)

・合格する小論文(土屋書店・2001年)

・文章力をアップさせる80の技術(すばる舎・2001年

・「大学」活用術(松柏社・2005年)鷲田小彌太 共著

その他の執筆編集

*大学紀要論文等を除く

・「観光という振り子に紡がれる表象空間」(『アジア遊学51』・勉誠出版・2003年)

・「時をかける少女の文彩」(筒井康隆『時をかける少女』角川文庫解説 2006年)

・「ねつきみ」論-空間・時間・身体(『現代女性作家読本⑦多和田葉子』高根沢紀子編』・鼎書房・2006年)

・「旅のスタイル」(「翼の王国 5」・ANA・2012年)

・「ローカリティの『発見』をめぐる移動の物語」-「ディスカバー・ジャパン」から「江古田スケッチ」まで『空間とメディア』遠藤英樹・松本健太郎編著・ナカニシヤ出版・2015年)

脚注編集

1. 本人著作等の奥付などに表記されている専門領域。

2.  1964年の東京オリンピックの年の生活環境を「長崎市内の洋館が並ぶ観光地に近い小学校に在籍していた私は、このオリンピックという歴史的イベントにあまり興味がなく、退屈なテレビをクラスで見せられるのにいささかうんざりしていた。窓から外の景色に目を向けていたのらかもしれない。そこからは、カソリックの教会の屋根と日本の寺の屋根とが重なりながら、反対側の山の麓には大きなマリア像、そしてさらに下ると中国の寺や中国の旗をひるがえしている学校があった。その向こう側に港が広がり、外国船が停泊していたり、ドックで巨大なタンカーを作っていた。」と回想している(江藤茂博『時をかける少女』たち 彩流社 2002.1第三章 p55) 。また、その通っていた小学校は、「黒澤明監督『八月の狂詩曲(1991)』という映画に使われてい」たとあるので、大浦小学校(当時は南大浦小学校、後に改称)である。

3.  同上による。

4. 天井勝海編『現代実践教職入門』(学事出版 2006)に掲載された江藤の文章で、「中学3年生の春に当時通っていた学習塾で小学生に教えた」p.53とあり、さらに「学習塾の講師、私立高校や私立中学の講師を経て、予備校講師になったのは二十代後半で、大学院在学の傍ら、予備校講師として北海道から九州まで教え歩きました」とある。

5. 「論語」等の書籍の著者紹介より

6.  また、先の江藤茂博著『時をかける少女』たち(彩流社 2002.1)では、「八十年代」に「近所の喫茶店」(練馬区桜台前に当時存在していた「ラタン」が石ノ森章太郎利用の喫茶店として知られていて(『ネリクリmagazine』Vol.3 石ノ森章太郎特集 練馬経済新聞社 2015.3)、そこで石ノ森章太郎と顔を合わせていたが、「ファンだと声をかけ」られずにいたのである。当時その近隣(「近所の喫茶店」というのがかつて西武池袋線桜台駅前に存在していたので)に江藤は居住していたと思われる。

7.  江藤茂博「ローカリティの『発見』をめぐる移動の物語-『ディスカバー・ジャパン』から『江古田スケッチ』まで」 松本健太郎ほか編『空間とメディア』に所収(ナカニシヤ出版2015.6)

8. 4による

9.  江藤茂博著の大学受験参考書『アクセス小論文』1990.10 土屋書店の表紙記載によると、この時期は河合塾・新潟予備校。そのほか、新宿セミナーと表紙記載されている参考書もある(『入試サクセス30講 現代文の読解』(研数書院)1990より)。

10. 「大学活用術」松柏社 2005.4 p.68 ここではさらに、「正しい答えが出るという、いささか日常を越えた世界での整合性は、とても美しく感動的ですらあった。でも、わたしはその時の生徒たちに、これから出会う学問と人生は、決して正しい答えなんかないし、ある時点では正しかった答えが、逆に間違いということにもなるような世界なのだということを必ずつけ加えた」と続けていた。

11. 旺文社編入試問題正解「短期大学英語・国語」の著者紹介より 旺文社1993.6

12. 江藤茂博『映像批評の方法』の奥付 彩流社 1996.12            

13. 江藤茂博『オタク文化と蔓延する「ニセモノ」ビジネス』 戎光祥出版 2008.10 p.43

14. 江藤茂博「『時をかける少女』たち」のあとがき 彩流社 2002.1

15.『横溝正史研究 創刊号』(戎光祥出版)2009~

16. 真珠書院「パール文庫」2013~2015(14冊刊行確認2016.12)監修名記載無も有り

17. 二松学舎大学ホームページ 2016年12月5日アクセス

18. 同上

19. 5による

20. 国立情報学研究所CiNii Articlesの検索によると、44本の論文の内半数以上が日本文学関係の論文であり、芥川龍之介関係論文の割合が多い。 2016年12月アクセス

関連項目編集

外部リンク編集